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推しへの愛が止まらない

陰ながら応援するファンの予想外の幸運


人前に出るのが苦手で、でも芸能界にかかわりたくて大道具の会社に就職した青山心(受け)。
心の推しは人気絶頂の神崎敦(攻め)。
舞台裏でもスタッフへの配慮も欠かさない人格者の神崎が実は片付け下手で、それなのにお宅訪問なんていう企画が断れないと知った心は自宅を提供することになります。
「神崎が住んでいる部屋」をモチーフに内装を考えただけあり、神崎の部屋として番組で紹介された後も神崎が大いに気に入ってそのまま住み着いてしまいます。
神崎の大ファンだと早々にバレているので心置きなく神崎を堪能する心ですが‥

推しのためなら何でもするという主人公の話です。
ひたすら神崎を褒め称え崇拝し、神崎第一主義な心がすごいです。
自分に家に居候されているのに、自分を全く後回しにして神崎を最優先する姿勢とかちょっと引くくらいでした。
とはいえ、ここまで心が滅私奉公的な行動するのは「平凡な人間は優れた人間の役に立たなきゃダメ」と母親に教え込まれたことが根底にあるのではと思うとなんとも悲しい気持ちになりました。
色々あって神崎と無事恋人になった後でも、心の自己評価の低さを改善できると良かったのですが、そういうこともなく二人の恋人としての甘々な生活を覗き見するだけだったのがちょっと不満でした。心の魅力というかいいところを神崎が自分だけで満足するのではなく心本人にも自覚させて欲しかった。

いつも溺愛攻めを楽しく読ませていただいてますが、わたし自身は二次元にしか推しがおらず、三次元には興味がないためどうにも感情移入できませんでした。受けにも攻めにも入り込めず微妙な気持ちになりました。

家族も中途半端な登場だったし、濃いキャラだった心のお兄さんとかに恋人になった話とかしたのかしら、かなーり過保護なお兄さんだったし一波乱あったんじゃないかと思うのですが

美形が大渋滞


兄を探す刑事と幼馴染との恋愛と行方不明の兄との再会と連続殺人事件。


10年前に行方不明になった兄を探すため、子供の頃からに夢を叶えるため刑事になった望己(受け)。
ある日、首に傷のある血を抜かれた死体が発見されます。
その捜査のために見た防犯カメラに行方不明の兄に似た人が写っているのに気がつきます。
事件解決のために動けない望己は幼馴染で探偵の倫一(攻め)に兄の捜査を依頼するのです。
捜査は中々進まない中、兄と思しき人と共に現れた外国人ルークは自分たちは吸血鬼だと言われるのです。信じられない望己は‥


既視感があるなと思って読み始めたのですが、別レーベルの「美しすぎる男」にかなり設定が似てるように思いました。
職場の雰囲気とか立ち位置とか懐いてる上司とか、裏切られる展開とか、仲のいい監察医とか‥

事件を解決することと兄カップルの話に時間を取られてしまって、主役カップルの話がほとんどできなかったのが残念。
倫一の過去も深いのにあまり使ってないし、色々詰め込んでしまって、面白かったけどちょっと物足りない感じがしました。

望己視点、ほんの少し兄とルーク視点で話が進むので、倫一の心情もよくわからなかった。自分との未来を全く考えてない望己をいきなり裏拳で叩いてレイプしようとするのは、いくら焦って怒ってたとしてもどうなんだ。倫一視点も読みたかったです。
続編が出るのでしょうか。もう少しこの先の二人の話が読みたかったです。
兄を探すという目標も既になく、尊敬する人もいなくなり、仕事は辞めたのだろうか。

尺を考えると兄弟の決別の話なのか、上司の裏切りの話なのか幼馴染との恋愛の話なのか。
どれかをメインにするべきだったのではないでしょうか。


イラストは眼福でした。
美形がいっぱいで素晴らしい。 

勢いがあって面白かった

財閥御曹司と執事見習いが事件に巻き込まれる話


就職してすぐ本社当主の竜徳寺家に執事見習いとして出向させられた椎葉歩夢(受け)。
病床の当主には母親について不可解なことを聞かれるし、指導役の執事・立花には冷たくあしらわれるし、当主の息子たち3人は仲良くなさそうだし、何やら色々ありそうな職場です。
優秀と評判の次男の政宗(攻め)は歩夢の好みドンピシャで、親しくなりたいと思うのですが、少しづつ仕事にも慣れてきた頃、当主が亡くなってしまいます。
それから、歩夢は竜徳寺本家の遺産相続争いや殺人事件に 巻き込まれてしまうのです。


歩夢の知らぬところで勝手に展開される話の謎がき気になって一気に読みました。

初めは執事見習いとして、立花にきつく当たられているシーンばかりで、いったいいつ謎解きになるのかしらと思いながら読んでましたが、当主が死んでから一気に話が面白くなりました。

裏表紙に歩夢が政宗に抱きついているのですが、使用人が主人に抱きつくってどんな状況?と思いましたが、この展開のはびっくり。そりゃ抱きついてもおかしくない。


それにしても当主のクズっぷりにはびっくりでした。
会社経営以外は欠陥だらけで誰も幸せにしなかった。
初恋が叶わなかったのは気の毒だったけど、全ての元凶でした。

謎解きは面白かったです。
予想通り半分、驚き半分でした。


残念だったのは、二人のイチャイチャが少なかったことですかね。

エッチは2回ありますが、1回目は中抜きだったし、2回目は簡略だったし、両思いになる前となった後の気持ち良さの違いを表現したかったのでしょうが、まったく物足りない。
一回目など、大体、これからも執事として働くつもりなのに、思い出に一回抱いてもらってどうやって仕事続けるつもりだったのでしょう。
それくらいなら、最初は握手だけに留めておいて、両思いエッチをがっつりして欲しかった。

後、謎だったのが、長男の娘・咲姫の言う「おじちゃん」とは誰にことだったのかな。
やっぱり3男だろうか。
歩夢がすごく気にしてたから、明らかにして欲しかった。

人化できる狼の国を超えた出会い



ニホンオオカミの生き残りの人狼が東欧のシロオオカミに人狼と出会い、人生を共に生きると決意するまで

既に詳しいレビューがあるので感想だけ。

兄・亨留に連れられて連れて行かれた東欧で種族は違えど自分と同じ人化するシロオオカミジーク(攻め)に出会ったニホンオオカミの生き残り・瑛留(受け)。
偶然なのか運命なのか。
たとえ今回出逢わなかったとしても、瑛留の匂いをつけた亨留や父親が世界中を調査して回っているからきっといつかは出会うことになったことでしょう。
鎖国状態だった東欧の国だったので、今はまだ閉鎖的な考え方が全体を占めるとは思いますがこれからもっと外界と接触を増やして新しい考え方を学ぶのでしょうか。
ただ、それはそれで秘密を持つ彼らは生きにくい世界になりそうな気もしてちょっと心配。

ストーリーとしては自分の正体を知らず生きてきた瑛留がジークにちょっと強引に本性を引き出されて、求愛されまくって絆される話で、ジークの群れに入る決意をしたところで終わったので、その後の2人が読めなかったのがちょっと残念でした。


それにしても名前が全て北欧神話の神と同じ名前なんですね。
他の住人たちも皆それに因んだ名前なんだろうか、ちょっと気になりました。

保護証人プログラム適応中の偽りの自分を演じている最中なのに


ロックハート家御曹司とスクールカウンセラーの秘密の恋

パーティーの帰り、マフィアの抗争を偶然見てしまったロックハート家御曹司イライアス(攻め)は裁判で証人となるため保護証人プログラムで偽りの経歴偽りの名前で片田舎の物理教師として身を潜めることになります。赴任した学校のスクールカウンセラー翠(受け)が気になって仕方なく、今までにない感情に潜伏中だと言うのに距離を縮めようと一生懸命です。
そんな時、翠が生徒の親から息子が怪しげな農園に通っていると相談を受けます。
カルト集団ではないかと疑いを持った翠はイライアスと一緒にその農園に体験入会するのですが…



ロックハート家第5弾になります。
今作はカルト集団に入会してしまいそうな生徒を連れ戻すために奮闘する話にマフィアの抗争に巻き込まれた話です。
二人はあっさりくっつくのですが、カルト集団を警察に告発するために派手に動きまわります。
保護証人プログラムでひっそりしないといけないのに、農場主の本当の顔を探りにラスベガスに行ったりと行動力のあるイライアスに、おいおい派手に動いたら見つかるよーと冷や冷やしました。案の定見つかってるし。
今作で初めてロックハート家の御曹司と知らずに付き合いだした翠は真実を知りショックを受けるのでは、とも心配しましたが、どちらもそれほど大きな障害もなく結構あっさりした感じでした。

中々大変な状況のはずでしたが、それほど逼迫感がなくあっさりした感じになってしまったような感じがしました。ちょっと残念。もう少しドキドキ感を味わいたかったような気がしました。

ロックハート家がお家断絶しそうな勢いなんですが、いつか全員集合してもらいたい。
 

友人を探すうちに…

御曹司 × パーティープランナーの卵


パーティープランナーを目指す高桑恵(受け)は派遣会社でウエイターをしながら、再就職を目指しています。
大富豪ロックハート家のパーティーに派遣された恵は客の1人が薬を飲み物にいれるところを見てしまいます。事件を未然に防ぐ恵でしたが、チーフには騒ぎを起こしたことを叱責されてしまいます。
その際たまたま近くにいた主催者のコンラッド(攻め)に事情を説明したことで知り合いになります。
そんな時、ルームメイトのヒロからもっと時給の良い仕事を紹介されます。あまりに待遇が良いので何か裏があるのではと警戒するのですが、案の定ヒロが仕事から帰ってきません。ヒロがひどい目にあっているのではと心配する恵をたまたま居合わせたコンラッドが捜索を手伝ってくれることになるのです。

ロックハート家第4弾。
とはいえ、いつも通り今作だけでも大丈夫。

大体何かの事件の捜索や人探しをすることが多いロックハート家のお話ですが、今作は事件に巻き込まれたと思われる友人を探す話でした。

今作は前作までと違い受け視点のみで話が進みます。
そのため、コンラッドがあまり表情豊かではないのも手伝って、コンラッド側の気持ちが今ひとつわかりません。
ヒロの言う通り、探すのを手伝ってくれると言った時点でそうだったのかもしれませんが、とてもそんなふうに見えなかったので、コンラッド視点も読んでみたいと思いました。恵で抜いてたと言っていたコンラッドがどんなふうに思ってたかすごく気になります。


恵は今までのロックハート家のお相手の中では今までにないやんちゃな子で、告白も自分からしちゃうし新鮮でした。
向こうみずなところもあるけど、度胸もあるし機転も効くし、こう言うところがコンラッドのハートを射止めたのでしょうか。


犯人は分かっている状態なのに、セキュリティが邪魔をして中々辿り着けない中、ハッキングを駆使して追いかけるストーリーはとてもスピード感があって楽しかったです。
ストーリーの大半が事件解決に費やしたので、甘い時間があまりなかったのがちょっと残念かな。

それにしても、コンラッドの知り合いの探偵さん。この人が凄腕なのです。悪人でなくて本当によかったと思えるくらいで、彼がいなかったらヒロは助からなかったかもと思うと今回の事件のMVPはこの探偵さんですね。

それにしてもロックハート家の男性が日系男子大好き案件。
後継問題が心配です。

母は強し


早くに両親を亡くした姉弟が幸せになる道筋を見つけるまで



早くに両親を亡くした彗(受け)は現在寮暮らし。
ある日、唯一の肉親である姉が離婚を前提とした状況で事故に遭い意識不明の重体となり、甥っ子・雅裕を預かることになります。
姉のことは心配ですが、それ以上に父親に捨てられた雅裕のことを第一に考えなければなりません。
そんな彗に本家の若旦那・基親(攻め)が離れを提供してくれることになります。
まだ4歳の雅裕の面倒も皆で見てもらえる至れり尽くせりな状況に、ここを出た時のギャップを恐れるようになるくらいです。


姉は元気になるのか、姉の離婚はうまくいくのか、雅裕の事などが彗の心の大半を占めるめ、恋愛要素は薄いです。

そして、若旦那という言葉でなんとなく優秀でで包容力のある人を想像しましたが、実際には天然なのほほんとした人(優秀ではあると思われる)で、かと思ったら喧嘩が鬼強い人で、とつかみどころのない人でした。


子育てとなっていますが実際にはほとんど使用人がやってくれるので、出かける時寝る時など要所要所で面倒見るだけで、あまり子育て感はありません。
恋についてもいつのまにかって感じです。


一番存在感があったのが、基親の姉・紘佳でした。

初め本家といっても伯父夫婦の本家であって彗たちは関係がないのになぜ基親が出てきたのか不思議でした。
それも紘佳が出てきて謎が解けるのです。

すごい上品な美人で、それも身重なのに、「とう」と言いながら基親の膝裏に蹴りを入れたり、彗を傷つけられバーサーカーと化した基親を止めたりと将来の女傑といった感じです。
ただ、他の方も書いておられましたが、紘佳が最後に全部持っていったという感じがすごくて(元々裏でほぼ全て動いてくれていたため仕方ないですが)2人の印象がどうにもふんわりしていて、なんの話だったのかな問う感じになってしまったのはちょっと残念でした。

そして、守銭奴の伯父夫婦が最初しか出てこなくて、彼らが少しは反省した姿か思い通りに行かなくてがっかりする姿が見たかったです。
たしかに夫婦2人だけで人生設計していたなら、高校生と中学生というとお金がかるこどもを預かることに対しての歓迎できない伯父夫婦の気持ちも少しはわかるかなと思っていたのですが、結納金をピンハネしてるとか勝手に示談にしたり(恐らく金をもらっている)、ちょっと人道的にどうなのという人たちで気分が悪かったです。
彼らが今後彗姉弟に接触してこないと良いのですが。
もし来ても、基親姉弟が追い返すかな。特に紘佳が(笑)。

紘佳の子供が生まれたら雅裕もお兄ちゃんになっていくのでしょうね。
みんなで仲良く家族になって行けそうです。

無口とやんちゃのゆっくりな恋


奴隷に落ちてしまった人族と猫族の混血の獣人・リュエル(受け)は容姿は良かったが尊厳を傷つけられることをよしとせず反抗的な態度を取ってばかりいたため、何度も奴隷商に戻されていました。
そんなリュエルを商隊の隊長・ガガリが隊員のエイセイ(攻め)が気に入ったからと買い取ってくれます。
ガガリの商隊では奴隷としてではなく他の隊員と同じ扱いを受け戸惑うリュエルでしたが、早く一人前になろうと頑張るのでした。

エイセイは口数が極端に少ないうえ、表情もほとんど変わらないため何を考えているか全然わからない。気を遣ってくれようとしていても言葉が短いためグサッとくることもしばしば。
でも、ガガリはエイセイがリュエルを気に入っているからと常に一緒に行動するようにさせています。

エイセイは探し物をしていて、リュエルも人を探しています。
話は商隊が旅をしながら人助けをしたり戦争をうまく立ち回ったりとずっと忙しくしているリュエルが少しずつ(カタツムリの歩みくらい)エイセイと共にいることが心地よくなっていく感じで、本当に2人の中は進まない。
言葉が少ない×すぐ喧嘩腰になるという2人なので、これ本当にくっつくのかしらと疑問に思うくらいでした。
残りページを見て、これはエッチなしかと思った。

探し物もみつかったし、天涯孤独になってしまったけど、自分のルーツがわかってリュエルにとってもエイセイにとっても最善の結果になったことと思います。



キャララフで、ガガリがイケメンでもうびっくり。
かなり豪快な印象だったからもう少しおじさんぽい人かと思ってた。
ガガリがこの話(2人の仲も世間とのやりとりも)のMVPでしたね。
魔法でも使ってるかと思うくらい、素晴らしい手腕でした。

ただ、最後が駆け足になってしまったので、ガガリに丸投げしてしまった後始末とかどうなったのかなと気になりました。
そしてもうちょっとイチャイチャしてるところを見たかった。

想像できない音のない世界


音楽を生業にする青年と音のない世界で生きる青年

スランプ気味なヴァイオリニスト館原(攻め)は軽井沢の慰問先でふと魔がさしてマネージャーから逃亡します。
迷い込んだ先は無人と思われた洋館。
洋館には聾唖者の吹野(受け)が住んでいました。
身分を偽って強引に居候になった館原は今まで想像もしなかった音を必要としない生活を満喫します。


比較的珍しい攻め視点。
攻め視点にも関わらず、初めは何て傲慢で自分勝手な男だと思いました。

ヴァイオリニストとして成功しているとはいえ、思い通りにならないこともあり自分の音楽がわからなくなってきていたところだったので、音のない世界は目新しく、音の聞こえない吹野の世界で穏やかに過ごしていたのですが…


耳の聞こえない吹野の家庭環境を聞いて、本人や家族みんなどんなにか辛かっただろうと思うと胸が痛みます。

物心つく前に聴覚を無くした吹野にまだ聴こえていた頃に聞いたであろう音楽を思い出させたいとヴァイオリンを弾く館原の姿には涙なしでは読めませんでした。


2人が出会ったことで、自分の生を諦めてしまっていた吹野に新しい世界を、スランプだった館原には自分の音楽に新たな可能性を見つかることができたようです。

ただ、完全に館原視点のみで話が進む上、吹野はかなりのツンなので(デレはほぼない)、館原のことを本当はどう想っていたのかとかがよくわかりません。
ポジティブ思考に館原なので、自分に都合の良いように解釈し、自分と世界が違うからと拒絶する吹野に対して必死に愛を乞い、結果受け入れてもらえるのですが、なんとも一方通行な感じがちょっと寂しい気がしがしました。
話としてはよかったのですが、全く甘くないので甘い話を期待していた私としてはだいぶん物足りなく感じました。


続編があるそうですが、そちらで吹野の気持ちがわかるのかな。

コンプレックス持ち同士

遺伝子異常で獣人に姿の大学生が諦めていた伴侶を見つけるまで

「先天性獣化症」という遺伝子の異常で獣人の姿で生まれてきた大学生の祭(攻め)は母親から家庭教師のバイトを紹介されます。
担当するのは、高校から引きこもりになった母親の上司の息子・哲平(受け)。
引きこもりになった理由は聞かないというのが条件でしたが、なんらかの事情で深く傷ついているらしい哲平に対し、自身の経験も踏まえてうまく勉強を教えていきます。
自身も卒論や就活などを抱えながら哲平の家庭教師の仕事をこなしていくのですが…



自身が獣人というコンプレックスを持っている祭は哲平が殻に閉じこもろうとするのを敏感に感じ取り、うまくコミニュケーションを取っていきます。
偏見の中生きてきた祭は、それでも家族に恵まれ真っ直ぐ育ちました。友人もちゃんといましたが、幼少期から続く差別的な対応により周りと一線を画すようになってしまっています。
そんな祭と自身のセクシャリティに傷ついた哲平は相性が良かったのでしょう。

祭は見た目が人と違うだけの等身大な大学生です。
精神的にも大人になろうとしている途中といった感じです。

これは私の勝手な心情ですが、獣人が出てくる話って異世界系かオメガバースでしか読んだことがなかったので、狼の獣人って基本スペックが高くて肉食系なスパダリな印象でした。そのため先に表紙をみていた印象と違いすぎで読んでいてちょっと混乱してしまいました。
特に劣等感でうじうじしている姿が思ってたんと違うと思いすぎて集中できませんでした。

ストーリーはとても良かったと思います。
ただ、コンプレックスとの折り合いをつけることに時間がかかり(理不尽な偏見に晒され続け仕方ないとは思うけど)、2人の恋愛の比重があまりおかれていなかったように感じたため、萌を感じることがができませんでした。
もうちょっと恋愛しているところを読みたかったです。

祭の弟・楽視点のSSが良かったです。
本編ではいきなり爆弾落としてきたり、味方なのか敵なのか時々わからなくなった言動の時があった楽ですが、最後の方でずっとちゃんと味方だったんだとわかってホッとしました。
本編でイチャイチャしているところはほとんど読めなかったけど、楽視点で2人が仲良くイチャイチャしてるんだなというのが読み取れて、こういう仲良くしているところをもっと読みたかったなと思いました。