ちゅんちゅんさんのマイページ

萌作品

女性ちゅんちゅんさん

レビュー数27

ポイント数195

今年度110位

通算--位

  • 絞り込み
条件

指定なし

  • レビューした作品
  • 神作品
  • 萌×2作品
  • 萌作品
  • 中立作品
  • しゅみじゃない作品
  • 出版社別
  • レーベル別
  • 作品詳細
  • レビューした著者別
  • レビューした作画別
  • レビューしたイラスト別
  • レビューした原作別
  • レビューした声優別
媒体

指定なし

  • 指定なし
  • コミック
  • 小説
  • CD
  • DVD
  • ゲーム
  • 小冊子
  • GOODS
発売年月
月 ~
レビュー月
表示モード

想像できない音のない世界


音楽を生業にする青年と音のない世界で生きる青年

スランプ気味なヴァイオリニスト館原(攻め)は軽井沢の慰問先でふと魔がさしてマネージャーから逃亡します。
迷い込んだ先は無人と思われた洋館。
洋館には聾唖者の吹野(受け)が住んでいました。
身分を偽って強引に居候になった館原は今まで想像もしなかった音を必要としない生活を満喫します。


比較的珍しい攻め視点。
攻め視点にも関わらず、初めは何て傲慢で自分勝手な男だと思いました。

ヴァイオリニストとして成功しているとはいえ、思い通りにならないこともあり自分の音楽がわからなくなってきていたところだったので、音のない世界は目新しく、音の聞こえない吹野の世界で穏やかに過ごしていたのですが…


耳の聞こえない吹野の家庭環境を聞いて、本人や家族みんなどんなにか辛かっただろうと思うと胸が痛みます。

物心つく前に聴覚を無くした吹野にまだ聴こえていた頃に聞いたであろう音楽を思い出させたいとヴァイオリンを弾く館原の姿には涙なしでは読めませんでした。


2人が出会ったことで、自分の生を諦めてしまっていた吹野に新しい世界を、スランプだった館原には自分の音楽に新たな可能性を見つかることができたようです。

ただ、完全に館原視点のみで話が進む上、吹野はかなりのツンなので(デレはほぼない)、館原のことを本当はどう想っていたのかとかがよくわかりません。
ポジティブ思考に館原なので、自分に都合の良いように解釈し、自分と世界が違うからと拒絶する吹野に対して必死に愛を乞い、結果受け入れてもらえるのですが、なんとも一方通行な感じがちょっと寂しい気がしがしました。
話としてはよかったのですが、全く甘くないので甘い話を期待していた私としてはだいぶん物足りなく感じました。


続編があるそうですが、そちらで吹野の気持ちがわかるのかな。

コンプレックス持ち同士

遺伝子異常で獣人に姿の大学生が諦めていた伴侶を見つけるまで

「先天性獣化症」という遺伝子の異常で獣人の姿で生まれてきた大学生の祭(攻め)は母親から家庭教師のバイトを紹介されます。
担当するのは、高校から引きこもりになった母親の上司の息子・哲平(受け)。
引きこもりになった理由は聞かないというのが条件でしたが、なんらかの事情で深く傷ついているらしい哲平に対し、自身の経験も踏まえてうまく勉強を教えていきます。
自身も卒論や就活などを抱えながら哲平の家庭教師の仕事をこなしていくのですが…



自身が獣人というコンプレックスを持っている祭は哲平が殻に閉じこもろうとするのを敏感に感じ取り、うまくコミニュケーションを取っていきます。
偏見の中生きてきた祭は、それでも家族に恵まれ真っ直ぐ育ちました。友人もちゃんといましたが、幼少期から続く差別的な対応により周りと一線を画すようになってしまっています。
そんな祭と自身のセクシャリティに傷ついた哲平は相性が良かったのでしょう。

祭は見た目が人と違うだけの等身大な大学生です。
精神的にも大人になろうとしている途中といった感じです。

これは私の勝手な心情ですが、獣人が出てくる話って異世界系かオメガバースでしか読んだことがなかったので、狼の獣人って基本スペックが高くて肉食系なスパダリな印象でした。そのため先に表紙をみていた印象と違いすぎで読んでいてちょっと混乱してしまいました。
特に劣等感でうじうじしている姿が思ってたんと違うと思いすぎて集中できませんでした。

ストーリーはとても良かったと思います。
ただ、コンプレックスとの折り合いをつけることに時間がかかり(理不尽な偏見に晒され続け仕方ないとは思うけど)、2人の恋愛の比重があまりおかれていなかったように感じたため、萌を感じることがができませんでした。
もうちょっと恋愛しているところを読みたかったです。

祭の弟・楽視点のSSが良かったです。
本編ではいきなり爆弾落としてきたり、味方なのか敵なのか時々わからなくなった言動の時があった楽ですが、最後の方でずっとちゃんと味方だったんだとわかってホッとしました。
本編でイチャイチャしているところはほとんど読めなかったけど、楽視点で2人が仲良くイチャイチャしてるんだなというのが読み取れて、こういう仲良くしているところをもっと読みたかったなと思いました。

途中まではよかった

人質に出された元王族のうさぎとライオンの王


うさぎと人間が共存する国・クローヴァ国。
その近くに森にハイエナが指導者を得て国を作る動きをしているという。
ライオンの国・アッティーカ王国がそれを警戒し軍隊を派遣することになり、クローヴァ国と協定を結び人質を交換することになります。
その人質に選ばれたのが元王族のうさぎで現宰相の息子・ユウリ(受け)。
等価交換のはずなのに、ライオンはうさぎという圧倒的弱者を前に嘲るような態度をかくそうとしません。それはアッティーカの王であるイド(攻め)も同じ。
でも、ユウリは怯える心を叱咤し侮れれないよう必死です。
そんなユウリの元へハーレムのメスから逃げるために午睡の時間になるとイドが尋ねてくるようになり、交流が始まります。
自分の番になればアッティーカでの地位も盤石になるというイドにユウリはハーレムの一員なんて冗談じゃないと相手にしません。

既作「おおかみ騎士とたれ耳従者」と同じ世界ということですが、(実際おおかみ騎士は一瞬登場した)未読でしたが問題ありませんでした。
ただ、ユウリは早々に国を出てしまうので、何故元王族のユウリが人質にならなければならないのかという納得いく説明がないのでよく分かりません。
普通なら、現国王の身内だろうに。
ユウリは納得していたけど何か読む側に説明あってもよかったのでは?

ハーレムのメスに襲われそうになったり、クーデターに巻き込まれそうになったりしますが比較的淡々とふたりの2人の交流が続きます。
何故か、ハイエナ討伐のために始まった話のはずなのにそちらが全く進まない。

クーデターを阻止したまではまではよかった。
でもその後、ライオンの国のダメダメ具合が危機を招きます。

ライオンは強いオスが王になると言うのはわかるけど国としての体をとっているとは言い難い。
追放した大臣の1人がハイエナ側へ行ったことに対する対応を見て、ユウリが危機感を持って怒るのもわかる。
なのに、イドがしたこととといったら‥
今の状況でしなければならないことは、ユウリの機嫌を取ることではないだろうに。

実はちゃんと考えていたというオチを期待していただけにがっかりでした。

結局は侮っていたうさぎたちに助けられるんだから、偉そうにしていいとこなしです。
おおらかなところはイドの良いところだと思うけど、せめて王を支える人材をもっと周りに置くくらいはするべきだったと思いました。
ライオンの王は周りが敵だらけだから孤独で、安らげる相手が見つかって良かったとは思いますが、なんとも締まらない話だったように感じました。

ペット契約(怪しくないほう)から入る恋愛


性癖を隠すため田舎で暮らす青年と仕事に疲れた青年


地方紙の編集をしている周史(受け)は取材中ぶつかってけがをさせてしまった身元不詳の男・高哉(攻め)が泊まるところがないと聞き、不本意ながら家に泊めることになります。
自分の性癖がバレないようにと誰も家に上げないようにしていたのに、部屋に上げてしまったため不注意で、高哉にばれてしまいます。
恐怖する周史でしたが、高哉の「試しにやってみよう」みたいなのりでセックスしてしまいます。
結局、怪我で6針縫う羽目になった高哉はなし崩しにしばらくの間ペットとして周史の家に住み着くことに(ただしエッチなし)・・・
一緒にいるうちにどんどん惹かれている周史ですが・・・


有名な俳優と女優の息子である周史は早くから自分がゲイだとわかっていて、両親の迷惑にならないようにと、知り合いのいない田舎に移住しています。
人と付き合うことが嫌いじゃないのに性癖がバレるのが怖くて、どれだけ親しくなっても家に上げないなど一線を引いています。
そんな周史に高哉はけっこう無遠慮にはいってくるのです。

高哉の得体がしれないのがちょっと不気味でした。
特に出会いなんて、ぶつかったのが周史の方だったとはいえ、後ろ向きに移動している周史をよけられないくらい酔っていて、もう夜なのにその日の宿も決まってないっていう状況があたりやなんじゃないかと思ってしまったくらい。
それか初めから周史の正体知ってて近づいてきたか。
その後も休暇中とかいってペット契約なんて遊びみたいな感じで住み着くし、そんな状態なのに自分のことを話さないって怪しさ満点。
仕事に疲れてちょっとおかしくなっていたみたいだったので話したくなかのだと後になってわかりましたが、高哉が最後は周史を傷つけるんじゃないかと思ってはらはらしました。
結局、とってもいい人でしたが(笑)

田舎とはいえ、ずけずけと内情を知りたがる人もおらず、周史の周りにいる人は皆いい人ばかりだったので、周史も余計にばれてはいけないと自制していたのかと思うと、切ない気持ちになりました。
最後には両親にも友人にも話せて、そしてそんな勇気を与えてくれた高哉というパートナーができた周史はやっと肩ひじ張らずに生きていけるようになって本当に良かったです。


ただ、ストーリーとしては契約からの~という展開はよくあるパターンで、王道といえばそうなのですが、ちょっと目新しさがなかったかなと思いました。
あと、高哉視点がなかったので、いったいどのタイミングでどう思って「考えたこともないくらいヘテロ」だった高哉が周史と将来にわたってパートナーになろうと思ったのかというのがとても気になりました。
感覚的には男子高校生とかならまだわからなくもないけど、三十路の男がっていうともう少し何かあってもよかったかなと思いました。

ホームドラマ家族こわい


学校一人気者(偽りの姿)とぼっちな秀才の割れ鍋に綴じ蓋カップル


女顔なのを幼少時からからかわれ続け他人とのかかわりを避けるようにボッチを貫いていた真宮(受け)は人当たりがよく運動も勉強もできる人気者の伊沢(攻め)が大嫌い。
そんな伊沢が2週間ほど付き合って別れた(まだ3日ほどしかたってない)元カノと放課後の教室でキスしているのを見て、逆上し脅してやろうと写真を撮ります。
でも、いざ脅そうとしても脅す内容がわからずしどろもどろに・・・



初めはコメディなのかと思いました。真宮は脅そうとしているのに、人がいいから全然脅せてない。
困らせるはずなのに傷つけたんじゃないかと気を遣ったり、どう見ても伊沢にからかわれているようにしか見えないのに、脅しているつもりで満足しているし。
読んでいて何やってんだと呆れてしまいました。

そして伊沢はとてもよく周りを見ていてすごくいい子なのかと思ったら、なんか不穏な感じがして、周りをさりげなく支配というか自分の思い通りに誘導している感じがすごく怖い。
そしてそれを誰も気づいていない(例外が一人いましたが彼女もまた異端だったからこそ気づけたのでしょう)


結局、勘違いに勘違いを重ねた(伊沢によって重ねさせられた)真宮の暴走もあって、めでたく二人は付き合うことになるのですが、なんとも不思議なカップルでした。
まぁ、当事者同士が納得の上だからいいのかな。




中編2編で成り立っており、前半は特に伊沢が何考えているのか理解できなくて気持ち悪くて怖くてどうにも好きになれませんでした。
が、後編で伊沢の家族が登場したことで腑に落ちました。


前編はすべて真宮視点でしたが、後編は時々伊沢視点が入ります。
これによって、伊沢の家族が登場するのですが、これが気持ち悪い。
読んでいて、これは台詞があってそれにそって喋っているのだろうかと思ってしまうくらい、ドラマのようなのです。
それもはじめは両親は素でホームドラマの夫婦のような人なのかと思っていたので、こんな家族だったら窮屈でも理想の息子を演じないと仕方ないのかなと思っていたのですが、蓋を開けてみたら、お互い分かっていて理想の姿を演じているだけの夫婦という。
コワイコワイ(∩´﹏`∩)

伊沢は、家がリアルホームドラマ家族だからそう演じるしかなかったというより、そう演じることを強制されていたというかそういう風に誘導されていた。


読んでいて違和感がありました、家事完璧な理想の母親とかいっているのに、伊沢はいつもコンビニ弁当。
他人を卑下するような言動・・・
お互いそのことをわかっていて夫婦やってるようなので当事者的には満足なんでしょうが、巻き添え食らってる伊沢は気の毒です。
両親ともが要領よく何でもできてしまう人達で伊沢は二人の能力や気質を受け継いでしまったのでしょう。
でも、早くに自分たちの異常に気付き、そうならないように自省しようとできる伊沢はそのせいで自己嫌悪に陥ってしまったりきっと色々悩んだのだと思うと伊沢は伊沢でとてもかわいそうな子だと思いました。

両親が伊沢のことを貶していた時は、あなた達の遺伝子きっちり貰って、要領よく生きてますからーって言いたくなった

裕福な家のようなので伊沢が大学で家を出るのは可能そうなので、きっと高校を卒業したら異常な家族から逃げることができるでしょう。

そして、真宮の目立たないスキルも凄い。成績に響かないようにやっているふりして目立たないのはまさに職人技。運動神経があまりないのと人とのかかわりが苦手なのは仕方ないとしても、どちらもスペックは高いので二人でいれば鬼に金棒でしょう。

大学に入ればもっと人とのかかわりは希薄になるし、二人とも息を思いっきり吸えるようになるのではないでしょうか。
数年先の二人がどんな感じが非常に気になります。


二人の話というよりは、伊沢の家族が気持ち悪かったので、すごく気持ち悪いというのが印象に残っていますが、伊沢は真宮を見つけられてよかったねというのが最終的な感想です。

海千山千のオーナーにはかなわない


自分の大切な居場所を守るためにがんばる正反対の立場の二人が手を取り合うまで



うさぎの獣人・ノエル(受け)は故郷から離れ、自分を受け入れてくれたホテルオーナーの的場のもとでホテル「ナーサリーライム」でティールームのチーフをしています。
自分の唯一の居場所であるホテルを守りたいノエルでしたが、由緒あるホテルとはいえ、これから生き残る戦略として大神(攻め)という男がアメリカから招聘され改革ののろしが上げられるのです。
イギリスの由緒正しいティールームを維持したいノエルと集客のため大幅にテコ入れしたい大神との間では常に意見対立しあうのです。




少ないながらもさまざまな獣人が存在する世界。
うさぎの獣人は発情フェロモンによって周りを惑わす淫乱な人種だと周りに思われており、それにより起こった拉致事件により、故郷に住めなくなったノエルは恩人の的場に誘われて来日します。自分のような獣人を雇ってくれる場所などなかなかないということを理解しているノエルは獣人であることを隠して、なんとしても居心地のよいこの場所を守ろうと必死です。

大神は狼獣人の母親(近親婚を続けた家系のため精神を患っている)のため母親の居場所として「ナーサリーライム」を守りたいと思っており、「ナーサリーライム」を維持するため改革していかなければと思っています。

オーナーのとりなしもあり少しづつ折り合いをつけていく二人でしたが、フェロモンを抑える抑制剤の効きが悪くなってきたノエルは体調を崩してしまうのです。

大神の母親が狼の獣人だったので大神もそうなのかと思ったらまさかの狐。
狼にしろ狐にしろ兎はおいしく食べられる運命ですが、おいしく食べたい狐に食べられたいうさぎでうまく言って本当に良かったです。


でも、最後はオーナーに全部持っていかれた感じがして笑ってしまいました。
結局まだまだ青二才な二人はオーナーの手のひらの上なんですね。
そして、オーナーの息子のようで二人とも父親がいないのでこれからも可愛がってもらいたいものです。
このオーナー、場の雰囲気が悪くなった時など突拍子もない言葉や行動で皆をけむに巻く得体の知れない人でしたが、本当にいい人で良かったです。
とはいえ、本題のホテルがどうなったかがわからなかったのがちょっと残念。


今回はイギリスの紅茶やティータイムの話がとても詳しく書かれてあってとても勉強になりました。
そして、ホテルのラウンジでもおいしくない紅茶が出たとき、こういうものかと思っていましたが、そうとも限らないのかなとちょっと納得しました。
そして、家で飲む時にアールグレイが美味しくないことが多のにも理由がわかって納得でした。

自分のことを変態だと思っていたけど

自分を変態だと思っていた大学生が同室の男に性癖がバレ、それに付き合ってもらううちにお互い本気になってしまう話。



普通じゃないことにコンプレックスを持つ大学生・杉山琳央(受け)は自分の被虐趣味を嫌悪しながらも、性欲には勝てず、色々な道具を購入し自慰に浸ることで折り合いをつけています。
寮で同室になった渡良瀬(攻め)は大きな男にひどくされたいと思う自分にとって好みのドンピシャで、最近は渡良瀬を妄想のネタにして、賢者タイムにはいつも自己嫌悪しているのです。
そんなある日、鍵をかけていつものとおり自慰していたら、帰ってこないと思っていた渡良瀬が帰ってきてしまい、見られてしまいます。
「おわった」と思った琳央に渡良瀬は「危ないから自分がいる時にすればいい」と言ってくれるのです。




琳央はみかけは王子様そのもので、女子の多い学部なこともあって周りの女子から王子扱いされています。
自分が変態だと思っているのでそれをひたすら隠すため、常に周りに気を遣っており、それが王子様に拍車をかけています。
渡良瀬にばれてしまってからは、渡良瀬が自慰の日程まで管理され、定期的に自慰するようになります。
実際には渡良瀬には渡良瀬の事情があって全然負担に思っていないどころか好きでやっていたのですが、あくまでネガティブ思考な琳央は「このままではいけない」と思ってしまいます。
琳央はネガティブ思考なのですが、内にこもってうじうじするタイプではなく、突っ走ってしまうタイプなので、自ら危険に飛び込んでしまうのです。
結局、すんでのところで逃げ出すのですが、渡良瀬はさぞかし肝を冷やしたことでしょう。
その後もネガティブ思考を展開させては明後日の方向へ思考を飛ばしてはすれ違ってしまうので、「気になることがあったら話し合う」を合言葉にこれからも仲良くやっていただきたいものです。


琳央は自分のことを変態だと称していますが、結局のところちょっと強引にされたいという性癖の一つのようでした。
好きな人を快感で泣かせたいというのと変わらないと思う。
そして、泣かせたいと思うタイプの渡良瀬とはまさに「割れ鍋に綴じ蓋」でしたね。


恋愛ありファンタジーあり、サスペンスあり

力を暴走させてしまい日常生活がままならなくなってしまった主人とその力の暴走から唯一守る力をもった新米使用人

仕事先でことごとく失敗してしまい何度も職を変えている神保圭太(受け)は今度は資産家の住み込み使用人になりました。
そこの当主・塔ヶ崎和臣(攻め)は精神を病んでいて土蔵に隔離されているという話を聞きます。
そんなある日、隔離されているという和臣が裸足の上丈の合わない着物を着て時折絶叫しながら歩いているのを見てしまいます。恐ろしいと思って仕事も手につかない圭太でしたが、土蔵という寒そうなところで薄物一枚の当主を気の毒に思い、自分の綿入れを差し入れするのです。
何故かそれがきっかけで圭太は和臣のお世話係を拝命し、和臣の隣の部屋を与えられることになります。
何かに触れることを極端に恐れていた和臣が圭太が一度触れたものに触るのは何故か大丈夫であることがわかり、起きている間は常に和臣の傍にいて和臣の世話をします。
圭太は手を引いて歩き、食事を手ずから食べさせていると、大の大人なのに可愛いと思ってしまうのでした。


色々な疑問があって、謎解きをしながら読んでいる感じがとても楽しかったです。
気がふれたと言われていた和臣は理知的な目をしていてとても精神を病んでいるようには見えません。何故、そのような状態になっていたのか。
圭太の後輩の行動目的はなんなのか。
先輩使用人はなにかよからぬことをたくらんでいるのか。
和臣の祖母の行動とは。

そんな毎日を送りながら次第にに和臣に惹かれていく圭太。

ある程度読み進めないと和臣の力が何なのかわからないので、いったい何をそんなに苦しんでいるのかと不思議でした。
和臣の家は昔から先読みの能力が優れているということでしたが、特別勘が鋭いのかと思っていたら、和臣の能力を知ってさもありなんと思いました。


二人の恋愛は最後の方まで進展しないので、本当にくっつくんだろうかとちょっと心配になりました。
いろんな謎が全て解け、二人が通じ合った時は本当に安堵しました。

二人が大っぴらにいちゃいちゃすることはできないかもしれませんが、少しでも健やかに愛を育めることを願ってやみません。

天使から堕天使へ

ある事件がきっかけでで中学から引きこもりになってしまった受けが家族からの応援と兄の友人からの助けで外に出ようとする話

表題作とSS「天使、のち堕天使」の2編になります。どちらも受け視点。


中学2年の時友人たちから受けた暴行未遂事件以降、外に出られなくなった観月光流(受け)。
実家が裕福で年の離れた末っ子である光流は家族に溺愛されているため、無理に外に出なくても大丈夫と言われています。
18歳になり、高卒認定資格も取ったけど結局大学には行けずこのままではいけないと思う日々を過ごしています。
ある日、光流が自身の経験を曲にして歌っていると聞いた兄の友人・明仁(攻め)が訪ねてきてCDを出さないかと打診してきます。
幼い時から世話になっている憧れの明仁に言われたこともあり、自分を変えたいと思っていた光流はその話に乗ることに。
CDの話が進むのと同時に明仁から告白され、自分の気持ちを自覚するまでのもだもだしたり、返事をするための勇気をためるのに頑張ったりと今までにないばたばたした日々を送ることになるのです。


仲の良かった友人から騙されて暴行されそうになり対人恐怖症になってしまった光流は本当に気の毒でした。
カウンセリングを受けても、信頼している家族と明仁以外(女性と子供は除く)とはろくに話もできないという重症でしたが、裕福で働かなくてもなんとかなる状況が前に進むのを阻んでいたのかもしれません。

顔だしNGでいいということ、家族以外で唯一心を許している大好きな明仁がこれから毎日側にいてくれるという魅力的な条件にやる気になった光流は大手プロダクションの大株主である明仁の祖父からも最大限のバックアップを受け前に進むことができるようになります。
お金に困ってないので何が何でも売れなければならないとういわけでもないのでのんびりしたものです。


途中、盗撮カメラマンにすっぱ抜かれたり、勇気をだして返事しようと思ったら知恵熱を出したり、変質者が現れたりとちょっとした事件は起こりますが、基本明仁におんぶにだっこ状態で守られているので、全体的には正体不明の歌手としての成功話だったと思います。
変質者が現れたショック療法で勢いを得て告白も無事終わり二人が恋人同士となりめでたしめでたし。


ただ、襲われたことで心に大きな傷を作ったとはいえ、とても恵まれた環境にいる光流なので読んでいてちょっと微妙な気持ちにはなりました。
そして、光流は中2から引きこもっていたうえ、家族全員に溺愛されていたためか精神年齢が中2で止まっている感じです。
家族も「天使天使」と子供に対するような扱いだし、読んでいても18歳とはとても思えず、どうにも光流が小学生くらいにみえてしまって、ちょっと萌えきれなかったようにかんじました。



後半のSSはプロモーションビデオ制作を担当してくれたカメラマンに懇願されてCMの天使役をやった後の話。

映像が出来上がり(当然後ろ姿のみ公開)、見せてもらいに行ったら、さすが天才カメラマン。明仁と恋人になった光流の変化を敏感に感じ取り「天使が堕天使になった!」と大騒ぎ。
堕天使も撮りたいと騒ぎ始め、光流天使が気に入った明仁に押される形で受けることになります。
明仁は喜んで天使の映像も公開用と非公開用の顔出しの分や未編集の分まで持ち帰り、光流の家族と一緒に大鑑賞会に。
恥ずかしすぎて自室に逃げる光流の話でした。

相変わらずの家族の溺愛具合で、未編集映像を何時間も見続ける彼らには驚きです。
嬉々として進める堕天使の企画はどういうものになるのかちょっと楽しみになりました。
せっかくなら、天使姿のイラストが見たかったです。


この作者様の話は基本悪人は結構な報復を受けるので留飲がさがります。
悪人があまり酷い目にあわないとどうにももやもやするのでそういう意味ではスカッとしました。
ただ、光流を襲った同級生3人がどうなったのかわからなかったので、彼らが反省するくらいは酷い目にあっているといいな