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その後の2人 in New York

わたしもアニメイトさんで購入してペーパー付いてきました。片面印刷のもの2枚。
ビーボーイ応援店のリストにあったっけ?と思っていたらアニメイト全店が応援店なんですね(海外店舗を除く)。

本編では、ダンから佐川への執着は描かれていましたが、佐川が本当にダンを愛しているのかはっきりしないところがあったので、そのあたりが描かれていて満足でした!

以下ネタバレありです。


日本支社での2年間の勤務を終え、ニューヨークに戻ったダンと佐川。
佐川は秘書としてダンのそばで働いていたようですが、彼の語学力ではやはり務まらなかったよう。
上手く行かないことにイライラする姿が佐川らしい。
自信家なところが微笑ましくもある。
ダンが別の部署へと異動させると、性に合ったのか佐川は自信を取り戻します。
その頃から佐川はインスタグラムを始めるのですが、ダンはそれを教えてもらえなかったため、不安に駆られます。
自分の知らないところで何かよからぬことをしているのではないか…
ダンはこっそり佐川のアカウントを監視するように。
浮気したわけではなかったようですが、フォロワーの女性と2人で会ったことがわかり、その夜散々ダンは佐川を責め抜きます。

すっかりエロくなった佐川とダンの執着っぷりがとても良かったです…。

ダンはまだ裏切られることへの不安があったようですが、仕事帰りの車中で佐川のインスタグラムを開くとそこには…
佐川からダンへの愛がわかる投稿が。(プラス膨大な数のいいねとハートアイコンのコメント)
嬉しすぎて口を手で覆うダンに、よかったね…!!と言いたい。
読んでるこちらまで笑顔になってしまいました。
もう、本当に幸せそうで、癒される…。
いつまでもお幸せに!

ヒューイや佐川の元先輩・十市がちょこっとだけ出てきたりそういった小ネタも嬉しかったです。

一度知った蜜の味にとらわれる男たち

しなびかかった蕾を咲かせてみたらとんでもない毒華だった…!
攻めのひとり・ヒューイの慧眼に恐れ入る。
ハイスペックな男たちが、冴えない男に翻弄されていくさまにスッとしたり、ゾクゾクしたり。


鶴谷は40代後半にも関わらず白髪の目立つくたびれた感じのする男。
そんな鶴谷がなぜか提携先の重役、ヒューイとダンに見初められる。
会社のため彼らに体を使った接待をしてくれ、と社長に命じられ…

高級料亭で外国人二人に散々恥ずかしいことをされる鶴谷。
とってもエロいんですが、それを淡々と見ながら時折、解説をする兎河社長がシュールでフフッと笑ってしまった。
すっかり開発され淫乱になった鶴谷をヒューイとダンはお気に召した様子。
その後も同様の接待をするようになります。

特にダンはずいぶんご執心のようで、『鈍色の果実』では鶴谷をパートナーにしたいと申し出る。
人懐っこいヒューイとは対照的に、クールで愛想がないように見えるダンですが、意外と一途なところがカワイイなあと思いました。
しかし鶴谷に申し出を拒否されてしまいます。
好意全然伝わってないじゃん!ダン不器用なんだな~
これはダンが鶴谷に想いを伝えて二人がくっつく展開かな?と思っていたら違いました…。
開発されたおかげか鶴谷は肉欲を満たす以外の交流を必要としなくなってしまいました。
精神的なつながりはむしろ鬱陶しい。
ダンをフった後、鶴谷は一度でいいから、と兎河社長を欲しがります。
鶴谷に魅力を感じないどころか、好ましく思っていない兎河でしたが…
性的な接待をさせたくせに鶴谷を「無能で気弱な小心者」と見下していた兎河社長が、鶴谷にずぶずぶと嵌まっていく過程がたまらなかった。
丁寧な口調の言葉責め、良かったです。
毒華に魅せられてしまった兎河ですが、ダンと同じように鶴谷に去られそうになり、なんとか引き留めようとします。すっかり鶴谷にぞっこんな兎河。見事に立場が逆転。
年下攻め・執着攻め好きにはニヤニヤする展開でした。
やっぱり個人的にはラブラブなBLが好きなので、最後の鶴谷の台詞にちょっと悲しくなりましたが、始まりが始まりだったしなあ…とも感じました。
ダンと兎河を狂わせた鶴谷ですが、彼自身も自らの才能・肉欲に狂わされているのかも。
まあ性欲に忠実な自分に後悔もためらいもなく、むしろ生き生きしているように見えるのでいいと思います。

『漆黒の華』では、勤め先の日本支社社長・ダンがゲイだと知るやいなや、出世のため体を売って取引しようと画策する佐川が主人公。
なかなかのクズですが、ちょっと頭が足りないというか、先のこと考えないで行動したり浅慮なところがなんとなく憎めませんでした。
男とのセックスでしか気持ちよくなれなくなったことを後悔しまくった挙句、そこそこ本気だった彼女の前で醜態を晒すシーンは笑いました。
ダンに軽口をはたいたり、タメ口で話す生意気なところが個人的にはちょっと好き。
日本まで追っかけてきたのに鶴谷にフラれてしまったダンが不憫だったので、パートナー見つかって良かったね!と思いました。

口絵の下部、どうなってるんだろうと思っていたら…ダンの一途を通り越した執着深さと独占欲に絶句する。そこまでやるんだ…束縛が激しい。
フラれたことが相当トラウマになっているのかもしれません。
佐川には一度裏切られていますしね。
ともあれ、現在は二人とも満たされているようなので良かったです。

劇中ではヒューイが一番賢いなあと思いました。
甘い蜜を楽しむことは楽しむけれど、一線引いて深くは踏み込まない。
ダンとの悪友っぷりとかイタズラ好きなところが魅力的。


エロメインの木原先生の作品は初めて読んだのですが、さすがです、面白かったです。
ZAKK先生の挿絵、素敵でした。
兎河×鶴谷のシーンの挿絵も見たかったなあと思いました。
兎河のあの涼しげな顔が乱れる様子をZAKK先生の絵で見たかった。

因縁の片思いと、痛く切ない片思い

表題作は、ドラマで共演することになったモデルと天才俳優の話。
同時収録作は、同じサークルに所属する大学生たちの三角関係の話です。
どちらも神評価なのですが、個人的に推したいのは同時収録作の方。
あらすじであまり触れられていないのがもったいない!
切なくて痛い、胸がぎゅ~~っと締め付けられる片思いが好きな方には是非読んでほしい。
表題作も、子役時代のトラウマを乗り越えるべくずっと天才俳優を追っかけ続けてきた話なので、片思いと言えなくもないかなと思います。

 ・表題作「さあ、俺に恋をしろ」

子役時代から天才と呼ばれてる城之崎零(表紙左)とドラマの共演が決まったモデル・柏原全(アキラ)(表紙右)。
アキラは児童劇団に所属していた頃、零の芝居を間近で見て圧倒され、あまりの凄さに自身の役者の夢を諦めてしまったという経緯があった。
零はアキラを覚えていない様子。
22歳の今、芝居で城之崎零を見返すべく撮影に臨むも、零が撮影をドタキャンし…!?

実は城之崎零はいわゆる憑依型の役者で、脚本がまだ出来上がっていなかったため仕事ができなかったのだと、アキラは知ります。零は子役の頃からプライベートでも役になりきるように過ごしてきたことから、役を与えられないと自分がどういう人間なのかわからない…と漏らします。
素の零は自信なさげで、天才俳優の面影は見えない。
そんな零への苛立ちと、宣戦布告の気持ちからアキラは「俺に恋をしろ お前の目が映していいのは俺だけだ」と言い放つ。
すると零のスイッチが入り…
カメラマンの指示でアキラのことを見つめる零の表情が、本当に恋をしているようで、心を奪われる。
個人的にすごく好きなシーンです。零の目が、愛しいって言ってるように見える。
同時に、背中がぞわっとするような感覚を覚えました。
ドキッとするのではなく、総毛立つ感じです。
さっきはあんなに頼りなさげだったのに、このシーンのこの表情ひとつで、城之崎零は間違いなく天才俳優だというのを恐ろしいほどに理解する。
撮影は順調に進むものの、零の芝居との圧倒的な差に悩むアキラ。
アキラにとっては零は因縁の相手ですが、浮世離れした零をなんとかしたいという零のマネージャー・逸見さんの計らいで、自活能力のあるアキラが零の家にご飯を作りにいく代わりに、一緒に台詞合わせをするという関係になります。
アキラは零にトラウマを抱いていたようですが、零のあまりの生活力のなさにあきれて私生活では世話を焼くように。
零はアキラといることで嬉しそうな生き生きしているような。
ずいぶん懐いているなあ…と思っていたら、どうやらあの一言「俺に恋をしろ」によりアキラに恋しているという零。芝居とプライベートは分けられないようで、アキラに対して、クランクアップしたらこの感情はなくなると言います。
だから、本当の意味では零はアキラを意識しておらず、”アキラに恋している”という役を演じているだけ。
そんな零ですが、追いつこうと真摯に芝居に打ち込むアキラを見て、もやもや・イライラするようになります。この感情の正体は…?
零と正反対にアキラは、個性が強すぎてどんな役を演じてもアキラ自身でしかない。役者としてはマイナスの要素かもしれないけど、アキラは「俺は俺にしかなれない」と自分自身を強く肯定している。
零もアキラから刺激を受けるようになっていきます。
正反対のライバルが、こうやって良い影響を与えあってお互いに高めあっていく関係性に萌えます。
ドラマのクライマックスの撮影直前、零がアキラに言葉をかけるシーンもすごく好きなところです。
城之崎零の中でアキラが特別な存在だと告げる瞬間でもあり、零が役者としても人間としても成長できた瞬間。少しだけ泣きそうになりました。


 ・同時収録作「君は一万年光年のひかり」

同時収録はつらい片思いの話です。
とある私立大学の映画研究会。所属しているのは、鐘ヶ江、星、久世、藤島の男四人。
鐘ヶ江は星のことが好きだけど、星は久世と付き合っている。
鐘ヶ江と久世は、中学からの同級生。
浮気ばかり繰り返す久世に、なんで星のことを幸せにしてやれないんだと鐘ヶ江は責めるが…

鐘ヶ江が星に恋した瞬間のモノローグが文学的。美しい…
夜空の下、缶ビールを飲みながら、ひとり鐘ヶ江が星への思いを吐き出すシーンがもう…最高に切ない。
表情、台詞、モノローグすべてが良い。涙が込み上げてくる。
「いつも俺のそばで輝く君なのに 手を伸ばしても届く距離にはいない 美しい君の名が時に残酷な皮肉になる 君は一万光年のひかりだ」これはそのシーンのモノローグの一部ですが、個人的にはその前の部分が好きだったりします。
明るくて賑やかな性格の鐘ヶ江ですが、静かな映画が好きということでセンチメンタルなところもあるのかもしれません。
傷付くような恋愛しかできないと言う星に、それならせめて俺が認められるようもっと幸せな顔をしてくれという鐘ヶ江の台詞が胸に詰まる。

ある意味鐘ヶ江視点からは憎まれ役のように見える星と久世ですが、後編で彼らの心情や、彼らから見た鐘ヶ江が語られることによってガラッと印象が変わります。

誰にでも優しい鐘ヶ江は、悪い意味で八方美人ともいえる。
星のような寂しい人間が求めているのは、自分だけを大切に思ってくれる人。
星と久世は似た者同士で、ひどいことをして許されることによって愛されていると実感するタイプ。
久世が浮気ばかりしても許してほしかった相手は星ではなく実は…
久世の片思いもとても切ない。
鐘ヶ江のようにモノローグで多くは語られない辺り、不器用さが滲む。
でもそんな不器用な久世が物語終盤で、勇気がなくて聞けなかったことをやっと口に出して伝えることができて、本当に良かったと思いました。

シリアスで暗い雰囲気漂うシーンはありますが、倫敦巴里子先生らしいコメディタッチで明るく吹っ飛ばしてくれます。

地味顔受け萌えに目覚める

地味顔、といっても悪口とかそんなのじゃなくて(笑)、あっさりめの顔というんでしょうか、ちょっと幸薄そうな、儚げな感じです。
普段は純朴そうだったり、生真面目そうだったりという印象のキャラが、すごく色っぽい表情をするそのギャップにやられました。

「還らずの夏」涙BL
表情、目線、言葉などからでお互いが想いあっていることがすごく伝わって来る。Hシーンはほんの数コマしかないのですが、そばかすのある童顔の受けの表情とか痕がエロい。
一緒にいられて本当に幸せそうだったからこそ、攻めが亡くなってしまい幽霊として受けの傍らにいるという現実がとっても辛い…。
キャラや物語に入り込みすぎると心が折れそうになります。
それくらい悲しいお話でした。
幽霊といったって、ずっとそばにいられるかどうかはわからないし、いられたとしても支えたり抱きしめてあげられる腕も体も無い…
どんなに好きで執着していても、前の二人に戻ることは叶わない。
だからこそ、私は二人には前に進んでいってほしいと思いました。
攻めは受けの幸せを思って行動しましたが、受けの方はどうなんだろう。攻めへの罪悪感から幸せになっちゃいけないって思ってそう。

「不機嫌なつぼみ」「咲き初めの焦燥」発情BL・オメガバース×BL
ただの同期でそれ以上の深い関係はないけれど、互いに対しての気遣いの言葉や、第三者の陰口に憤る様子から、それ以上の感情がありそうだな、と両片思いにキュン。発情期をきっかけに関係が変化します。
冷めた顔してた受けの発情期の火照った顔が色っぽい。それに中てられた攻めの受け大好きっぷりにも萌え。
なんといっても乳首責めがとても良かった…舐めて吸って潰してつねってと最高でした…
運命の番だってわかったから番になる!ではなくちゃんと好きって気持ちを確認してから番になるところが良かったです。
ワンコ×ツンデレ可愛い!
あと描き下ろしが、それは攻めはグッとくるだろうな…!って感じで好きです。

「いちばんしあわせ」心中BL
謎な部分が多くてちょっとよくわからなかった使用人×御曹司。攻めが地味顔。
受けだけでなく攻めも病気なのか?とかそもそもなんで死ななければならなかったんだろう?ともやもやしてしまいました。心中BLだから死ぬというラスト以外ないんですけど…
あとがき読むと、受けは駆け落ちのつもりだったけど、攻めは不治の病だから二人で薬飲んで心中した…ってことなんでしょうか。攻めが自殺未遂の時に「見つけたんだ 永遠の安寧を」ってモノローグで言ってるので、そのとき「死」に対して幸せみたいなのを抱いたのかな。解釈違ってないか不安。
家とか親とかいろいろなものに縛られて、愛している人と一緒にいることすら許されないという閉塞感はひしひしと感じました。

「All things I know」縛×BL
義理の息子×義父。
あとがきの「性欲の強い地味受けって最高ですね。」に何回でも頷きたくなりました。いかにも真面目なサラリーマンという感じの義父(35歳)が、毎週息子のいない夜に男に抱かれているなんて最高…。ほくろがえろい。
受けが愛しているのは攻め自身ではなく、亡くなった想い人の面影。
ダメだとわかっていても欲に流されてしまう受けがどうしようもない。「それでいいんだよ」と言う攻めの涙が切ない。
英語・日本語それぞれで書かれたモノローグのニュアンスの違いが面白かったです。洋画は字幕で見る派の人はこういうの好きなんじゃないかなと思いました。私は英語得意じゃないので辞書引きました(笑)。
親子モノという設定も歪な関係も大好きなので、続編あるのがとても嬉しい。

どのお話も演出を凝ったものにしようというのが伝わってきて、読んでいて面白かったです。
おそらく設定も相当細かく練っているんじゃなかろうか。
短編なのがもったいない!

相生結び コミック

 

絵・設定は好みだったけれども

和服の男性っていいですよね…。
小料理屋という舞台と、番傘などの和風な小物も素敵。
絵も好きだし、年下ワンコ攻め×年上美人受けという設定もすごく好みでした。
しかしあまり萌えなかった…。
ストーリー展開とモノローグ・台詞が苦手に感じてしまい残念でした。

コミックスのデザインからほんわかした感じかな?思って手に取ったのですが、しっとり系のお話でした。あと、思っていたよりも暗いな、という印象。
表紙よりも口絵の方が作品と雰囲気が合っているんじゃないかなあ。
なので読む前に手に取ったとき期待していたものと、実際読んでみた感じが違って、私はうーん…という感じでした。
(レビューや試し読み等を参考にせず直感だけで選んだ自分が悪い…)

物語自体が落ち着いているせいで起伏がないように感じ、盛り上がりに欠けた印象でした。
多くを語らない作風も相まって、状況やキャラクターの感情が読み取りずらく、いまいち物語に没入できなかった。
一回読んだだけだと、置いてきぼりを食らったような感じを受けました。
何回か読んでみると、状況や出来事についてはそういうことだったのか!とわかってくるんですが、攻めと受けが抱く恋情はよくわからなかった。

家族に向けるような親愛の情は伝わってくるんです。
攻め・光太と、受け・まこさんは10年以上の付き合いだし、辛い時にお互い支えになってくれた人だから、かけがいのない存在だってことはひしひしと感じます。
笑顔で慕ってくる子犬のような光太をまこさんは愛しいと思っていたし、愛情たっぷりのご飯を作ってくれるまこさんを光太は大好きだったでしょう。
ただ、個人的にはそれが劣情を伴う感情なのか疑問に思ってしまいました。
嫉妬から恋心を自覚するシーンの描写はあるのですが、まず恋してる描写がないというか…あっても読んでる方からすると家族愛じゃないかなと思ってしまうのでした。
嫉妬という感情は、恋愛にだけに対して抱くものでは無いと思うので(多くは恋愛においてではありますが)、たとえ恋心を持っていなかったとしても、すごく大切な存在だったり独占欲が強かったりすると、とられたくない!と思うのは割とあることなのでは。
だから、自分よりも親しげな人物が現れてあいつじゃなくておれを選んでという展開より、恋愛感情としての「好きだ」という想いや瞬間をもっと描写してくれた方がたぶん萌えられたんだろうなと思います(続編があるのでそちらに描かれているのかな?)

モノローグや台詞については、重要なものと、意味深なようでそうでないただ感情を吐露しただけのものが混じっているせいで、逆に物語への理解を阻んでいるような感じを受けました。なんだかもったいない…


幸せなシーンよりもぐるぐる悩んでいるシーンの方が多かったのと、
わかりにくさから物語に乗り切れず、読後あまり心動かされなかったのが悲しい。
すべてを語らない、少し蔭のある雰囲気のお話が好きな方は合うかもしれません。

もっとキュンキュンしたかった…

1話目は好きです!キュンキュンしました…!1話目だけなら萌×2くらい。
ただ2話目以降が期待してたのと少し違ってあまり萌えられなかったです…。

ここの皆様方のレビューを拝見して、受けがかなりウジウジした卑屈な性格というのは知っていたので、そこは覚悟のうえで購入しました。
自分に自信がなくて、だからハイスペックな攻めに引け目を感じてしまうところは、ああ~~わかる……と共感しました。
自分より遥かに優れた人と一緒にいるって辛いですよね。自分のダメさがより強調されてる感じがしてしまう。
攻めがリア充イケメンで勉強もスポーツもできて完璧なことそれ自体は何にも悪いことはないのですが、私自身が劣等感が強い人間なので受けの方に肩入れしてしまって…
攻めにはもっと余裕と包容力を持ってほしかったなあと感じました。
「自分じゃ釣り合わない…」と不安がっている受けに対して、「そんなことない!好きだ!!!」って攻めにガンガン突っ走って欲しかった。
いや、グイグイいってるんですが、受けがツンツンしだすと、攻めはムッとしてじゃあもういいって引いちゃうんですよね。
現実の恋愛なら普通の正しい対応(無理矢理はよくない!)なんですけど、そこは攻めが「本当はオレのこと好きだってわかってるよ」って感じでじわじわ攻めるBLらしいファンタジーが見たかったんです…
リア充×地味CPの萌えるポイントって、受けがツンツンしてようが可愛くなかろうが、攻めは受けのことが大好きでしょうがない!って溺愛しまくるというところだと思ってて…勝手な私の理想ですね、すみません。
読んでいて、2人がすれ違いぶつかるたびなんか辛い気分になってしまいました。喧嘩して言ってる内容が正論なので、結構グサッときた。というのも受けに感情移入しすぎてしまったのかもしれません…第三者視点で読めたらもっと楽しく読めた気がして少し悔しい。

作品自体がダメだったとかではなくて、自分にはミスマッチだったかなという感じです。ここがこうだったら良かったと言ってますが、そんなことしなくてもというかそんなことしない方が良いとても魅力的な作品です。
等身大の攻めと受けが、
好きあってるはずなのに衝突してしまうことがあって、そのたびお互い歩み寄って絆を深めていく。そうやって2人で徐々に前に進んでいく、という関係が好きだ!という人は楽しめると思います。
絵が綺麗で素敵だし、グッとくるシーンも多かったです!
物語のキーアイテム・ハンカチの使い方がうまいなあと思いました。
ハンカチ出てくるたび胸がギューとなりました。


がっつりネタバレですが、
4話の「せめて最後にあのハンカチだけでも…」が切なくて好き。

不器用な独占欲と共依存の兄弟

表題作が生徒×先生、同時収録作が弟×兄ときいて読まずにいられませんでした。
藤崎先生の作品を読むのは初めてで、正直絵柄や台詞回しが苦手かな…と思ったんですが、最初だけでした。2回目読んだら全然気にならなくなってた自分にびっくりです。読むたびにハマる感じかも…
表題作も同時収録作のどちらのキャラも男の色気ダダ漏れって感じです。
でもだらしないという印象はないんですよね…どこかクールというか、むしろ自分の性欲を肯定してて堂々としている。かっこいい。だからこそ、恥ずかしがってたり照れたりしているところやHのときの姿がギャップでとてもかわいく見えて、萌えました。


「甘い破滅」「元問題児の焦燥」
生徒×先生

攻が超問題児で、受に執着している自分の感情を恋情だと気付いていないし、気付いてからも認めたくない。不器用に感情をぶつけてくる攻を受け止める先生の懐の深さよ…ちるちるのインタビューにもあった通り、受の先生は器のデカイ男です。
攻は、先生を自分の思うように調教してるつもりなんだけど、実は先生が攻のわがままをきいてあげてる、甘えさせてるって構図なんじゃないかなーと思いました。
受が攻のことわかりきってる感じがたまらない…
先生は攻よりも小柄で顔だちもどちらかというと甘めな感じなんですけど、性格が男前で個人的に好みでした。こういう男前な人がHシーンで可愛く啼いちゃうのがいいんですよね!!エロかったです!
タイトル「せんせいを殺したい」、帯の「会えなくなるなら壊すしかない」が攻の心情を的確に表しているなあと読後思いました。"恋愛"という言葉で語れるほどキラキラした澄んだ感じじゃなくて、もっと粗雑で乱暴で不器用な感じだもんなあ…
一番好きなシーンは、1話目「甘い破滅」のラストのページです。今まで何にも執着してこなかったはずの攻の受けに対する台詞やら表情やら仕草にグッときました…!


「兄弟恋慕」「団地妻の昼下がり」「三兄弟の休日」
双子弟×兄(血はつながっていません)

兄も弟もブラコンです。
兄よりも体格のいい弟が兄に甘えまくったり、兄は弟に「大好き」「お願い」って言われたらなんでもしてあげちゃったりするところが萌え。こういう兄弟大好物です!互いに執着しあってるの最高…
兄と双子の3人の関係性が面白かったです。
兄が、双子の弟を片方は普通に名前呼び、もう片方は愛称で呼んでいたのがなんかツボでした…関係の複雑さが表れているというか
名前呼びされている方の弟(晴竜)は、甘え上手でちゃっかり兄と体の関係を持ってしまっていて、
愛称呼びされている方の弟(雨竜、雨ーちゃん)は、兄が大好きなのに感情を表に出せない性格なので兄に甘えまくっている晴竜を羨ましい・恨めしいと思っていて、
兄の方は、双子の弟のどちらも可愛いけど、甘え下手な雨ーちゃんの方が気にかかっていて、
晴竜としては兄の心が雨竜に向いているのが悔しくて…
と私の説明だとよくわかんない感じかもしれないんですが(苦笑)、実際作品を読んでいただくとすんなり理解できると思います!
こういう複雑な関係をさらりと描写されているのは流石ベテランだなあとただただ尊敬です…。


「先生が恋人になったら」
表題作CPの描き下ろし

当初の陵辱とは打って変わって、"恋人"の関係になってからのラブラブなHにキュンです。
ベタベタした甘さじゃなくて、ビターチョコレートくらいの甘さがいい。


作風に対する苦手意識はほぼ無くなったのですが、完全にハマりきったとも言えない…!ので評価は「萌×2」寄りの「萌」です。

8年越しの「すき」。

表題作は天才少年・江崎くんが開発した薬で大人になったり、はたまた受けが若返ったり、そんなこんなでHしてしまう…という明るめのエロいお話です。
江崎くんの早く大人になりたい!という想いにキュンキュンしました。
年下攻め&年の差好きにはたまらんです。

付き合うことになったものの、キスは16歳、Hは18歳になるまでおあずけ。
カレンダーに印を付けながら18歳になるのをずっと心待ちにしてた江崎くん。
でも受けの二郎が待ちきれなくて、すこーしフライングしちゃうんですよね…!!萌え…
10歳も離れてると、やっぱり過ごしている環境とか考え方の違いとか、そういうギャップがあると思うので、そこは江崎くんも二郎もお互い不安になってしまう。そんな8年間を乗り越えたからこそのHシーンが!良い!!
そのあとちょっとした事件で二郎が若返りの薬を飲んでしまい、江崎くん(18歳)×二郎(15、6歳)で致すシーンがあるのですが…
年下攻め好きとしましては、絵面的には好みじゃないはずなんですけど、なんというか下剋上感?があってとても萌えました。追いかけても追いかけても物理的に縮まらない10歳の壁を、はるか飛び越えて追い越すことができた江崎くんの興奮が伝わってくるようで…
二郎が年だけでなく記憶も若返ってしまったので、何も知らない子にイケないことをしている感じがエロかったです。
オチも好きでした!

同時収録の「三上くんのおもちゃ!!」は前作「三上くんのおもちゃ」の続編ですが、前作読んでなくても面白かったです。
三上くんが俺様な自分勝手なキャラかと思ってたんですが、受けの玉緒のことになると意外と単純だったり素直だったりして、なんだ、可愛いところもあるじゃないか~と感じました。
普段クールな感じだけど、玉緒のこと大好きで頭の中お花畑なところが年相応でイイ。「ごめんなさい」のシーンは笑ってしまった。正直だな!
玉緒はフワフワしてて可愛い感じの子だけども、三上くんのことちゃんとわかっててうまーく導いてる良妻!かつえろかわいい。
ノリノリの2人のHシーン良かったです。

先輩へのエロい妄想が止まらない後輩攻め

表題作~獣欲に恋して
強面無口後輩×ちょい天然先輩

年下攻めって良いですよね。
攻めが受けに一目ぼれして、追っかけたりエロい妄想をしたりする話。
この妄想シーンがえっろい。
受け・兼久が素直で明るく少し天然というキャラなんですけど、こういう子好みです。これまた笑顔が可愛いんだ。めちゃくちゃにしたくなるのすごくわかる…とっても萌えます…
攻め・十蔵は見た目に迫力があるせいで人から怖がられることが多いんですが、兼久の前でだけ見せる笑顔がかっっっこいい…!
攻めも受けもあんまり恋愛が上手な方ではないのですが、そこがまた微笑ましい。カワイイ。


同時収録~ひしかくし
幼馴染もの

前髪を長く伸ばして表情を隠し、幼馴染に恋心を知られないようにしている受け。
一緒にいたいから想いを隠すっていう切ない感じで、幼馴染ものではよくある設定ですが面白かったです。
女性とは普通に付き合ってたはずなのに、本当に好きな人の前だと初心になっちゃう受け・ミネが萌える…。
攻め・恭一がまた男前なんですよね。そして色気がある。
Hシーンがどえろかった…裸体を描くのがすごくお上手だと思いました。エロいわあ。初コミックスとは思えない。


描きおろし・表題作の二人のその後

エロい事してるけど今度は妄想じゃない!
攻めの足の間に座ってる受けがカワイイ。体格差イイ…
本番シーンで二人ともお互いのこと大好きなんだなあ~!と萌えました。


個人的には表題作がどストライクだったので、もっと読みたかったなあという感じです。『ひしかくし』も面白かったんですが。
表題作CPがイチャイチャしてるところとか、妄想から現実になるまでの過程とかじっくり見たかった。

愛されたがりの二人

木原先生の作品を読むのはこれが3冊目です。
読むたび、すごいなあ…と思います。
何がすごいって、こんな2人がくっつくのか?とか、
こんな最悪な状況からどうやってBがLする展開になるんだ?っていう
無理としか思えない状況から、男たちが愛しあう結末までもっていくところ。
特にすごいのがその展開が全然無理矢理じゃないところ。
心理描写が卓越。展開や結末に納得させられてしまう。


受けの篤は、想い人が自分の双子の弟のものになってしまっても尚、彼を諦めきれなかった。
その想いのあまりに、彼が亡くなってしまった後、彼の育てていた子供・直己を引き取る。
引き取った理由が、好きだった人と遺伝子が近かった、いつか成長して似ればいいと思ったから。
ご飯を作ったり衣服を用意したり生活の世話はするけど、「植物を育てるように子供を育てただけだ」とは言い得て妙。
直己から懐かれている感じはしないし(本当は違うんですけど)、共に暮らしているのに会話はほとんどなく、家族らしさもない。
引き取った理由が理由だしなあ…と思いましたが、毎日3食用意して、学校行事に会社を休んで参加して、叱るときに手をあげたこともないっていうのは、素直に偉いことだと感じました。
自分の子でさえ、育児放棄したり暴力をふるってしまったりする人もいるのに。
篤は、直己が好きだった人に似るんじゃないかと期待していた育てていたんでしょうけど、それだけじゃなく、好きだった人に似た人からではなくとも誰かに愛されたかったからという理由もあるように思いました。
直己からの見返りがないのにこれだけ献身的になれるのって、それでも、どうしても見返り=愛を求め続けたからじゃないのかな。
でも直己も愛されたい側の人間なんですよね。
「自分が存在している価値が見つけられなくて苦しかった」という言葉が切ない。篤も同じものをずっと抱えてて、似た者同士だなあと思いました。
双子の弟と比べると素っ気ない印象を与える篤だけど、本当は寂しがりで優しい。
普段は無口で仏頂面だけど、素直になった直己はとてもいじらしい。

篤も直己も本当に不器用で、どちらかが、あるいは両方が酷い目に遭うというきっかけがないと感情を伝えられない、素直になれない。(強姦やらハンストやら事故など…)
篤の友人・立原の方がよっぽど二人を理解している。

私は、割れ鍋に綴じ蓋的な関係のBLが大好物なのですが、この二人はまったくの逆で立原が言うように『合わない』。「ほかに行くところがない。あんたのところしか帰る家がないんだ」と直己は言うけど、『帰れる居場所』に篤はなれているのか正直疑問。傷つけあわなければ正直な感情を吐露できない。一緒にいて、お互い高めあったり成長していける関係じゃない。なのに、すごく萌えてしまった…。

HOME2で、自分が身代わりに引き取られた事実を知って篤を憎むようになった直己だけど、やっぱり憎み切れなかった。愛せなくなんてならなかった。愛して、愛されたくて整形までした。
異常とみるか、究極の愛とみるか。

やっと好きと伝えられて良かった…!と思った矢先HOME2でどん底まで重苦しい現実を見せられて、しんどい…と辛くなりましたが、ラストでとりあえず落ち着いたので良かったです。othersで二人が社会的な生活をちゃんと送れているんだとわかって、ほっとしました。
この二人が一緒にいることは最良ではないのかもしれないけれど、篤は直己じゃないとだめだし、直己も篤じゃないとだめなんだなあ…と。
愛は、相性の悪さも乗り越えるものなんですかね。
好きだとか愛してるだとか語り合う話よりも、こう、どんなことがあっても傍目には狂気としか見えなくても、互いを強く求めあう話が自分の萌えなのかなと思いました。いや、どうなんだろう。萌えって難しい。


初レビューでした。お目汚し失礼しました。
自分で文章を書いてみるとその難しさから、木原先生および作家の方々の凄さを改めて実感します…。