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読み終わった感想を一言で言っちゃうと「怖い」。
木原さんの本は相変わらず自分の価値観を揺らがす。
だからあまり読後感が良くない。正直、嫌な気持ちになる。
でも、だからこそ読んでしまうんだろうな、と思う。
「心と体と頭は連動している」と信じたがっている自分に気づいた。
たとえ行為から始まる関係であっても、その後に絆されたり、相手の好ましい部分を発見したりして、お互いに必要とし遭うことに気づき、恋愛物語の大団円を迎えるお話を私は読みたがっている。つまり「体以外も求められたい」のね。なんて乙女であることよ!そんでもって、なんて恥ずかしいの!
読み進めながら「え、それでいいの?」と思いつつ「多分それもあるのだろうな」と思わせる筆力。
読み終えて時間が経った今でも、筆舌に尽くしがたいほど恐ろしい化け物屋敷に迷い込んだ気分がしている。自分の萌えとは全く違うお話で、これだけ心を揺さぶられるというのも……
鈍色って『喪の色』なんですね。
何が葬られてしまっているんだろう。
Loveかな?
しなびかかった蕾を咲かせてみたらとんでもない毒華だった…!
攻めのひとり・ヒューイの慧眼に恐れ入る。
ハイスペックな男たちが、冴えない男に翻弄されていくさまにスッとしたり、ゾクゾクしたり。
鶴谷は40代後半にも関わらず白髪の目立つくたびれた感じのする男。
そんな鶴谷がなぜか提携先の重役、ヒューイとダンに見初められる。
会社のため彼らに体を使った接待をしてくれ、と社長に命じられ…
高級料亭で外国人二人に散々恥ずかしいことをされる鶴谷。
とってもエロいんですが、それを淡々と見ながら時折、解説をする兎河社長がシュールでフフッと笑ってしまった。
すっかり開発され淫乱になった鶴谷をヒューイとダンはお気に召した様子。
その後も同様の接待をするようになります。
特にダンはずいぶんご執心のようで、『鈍色の果実』では鶴谷をパートナーにしたいと申し出る。
人懐っこいヒューイとは対照的に、クールで愛想がないように見えるダンですが、意外と一途なところがカワイイなあと思いました。
しかし鶴谷に申し出を拒否されてしまいます。
好意全然伝わってないじゃん!ダン不器用なんだな~
これはダンが鶴谷に想いを伝えて二人がくっつく展開かな?と思っていたら違いました…。
開発されたおかげか鶴谷は肉欲を満たす以外の交流を必要としなくなってしまいました。
精神的なつながりはむしろ鬱陶しい。
ダンをフった後、鶴谷は一度でいいから、と兎河社長を欲しがります。
鶴谷に魅力を感じないどころか、好ましく思っていない兎河でしたが…
性的な接待をさせたくせに鶴谷を「無能で気弱な小心者」と見下していた兎河社長が、鶴谷にずぶずぶと嵌まっていく過程がたまらなかった。
丁寧な口調の言葉責め、良かったです。
毒華に魅せられてしまった兎河ですが、ダンと同じように鶴谷に去られそうになり、なんとか引き留めようとします。すっかり鶴谷にぞっこんな兎河。見事に立場が逆転。
年下攻め・執着攻め好きにはニヤニヤする展開でした。
やっぱり個人的にはラブラブなBLが好きなので、最後の鶴谷の台詞にちょっと悲しくなりましたが、始まりが始まりだったしなあ…とも感じました。
ダンと兎河を狂わせた鶴谷ですが、彼自身も自らの才能・肉欲に狂わされているのかも。
まあ性欲に忠実な自分に後悔もためらいもなく、むしろ生き生きしているように見えるのでいいと思います。
『漆黒の華』では、勤め先の日本支社社長・ダンがゲイだと知るやいなや、出世のため体を売って取引しようと画策する佐川が主人公。
なかなかのクズですが、ちょっと頭が足りないというか、先のこと考えないで行動したり浅慮なところがなんとなく憎めませんでした。
男とのセックスでしか気持ちよくなれなくなったことを後悔しまくった挙句、そこそこ本気だった彼女の前で醜態を晒すシーンは笑いました。
ダンに軽口をはたいたり、タメ口で話す生意気なところが個人的にはちょっと好き。
日本まで追っかけてきたのに鶴谷にフラれてしまったダンが不憫だったので、パートナー見つかって良かったね!と思いました。
口絵の下部、どうなってるんだろうと思っていたら…ダンの一途を通り越した執着深さと独占欲に絶句する。そこまでやるんだ…束縛が激しい。
フラれたことが相当トラウマになっているのかもしれません。
佐川には一度裏切られていますしね。
ともあれ、現在は二人とも満たされているようなので良かったです。
劇中ではヒューイが一番賢いなあと思いました。
甘い蜜を楽しむことは楽しむけれど、一線引いて深くは踏み込まない。
ダンとの悪友っぷりとかイタズラ好きなところが魅力的。
エロメインの木原先生の作品は初めて読んだのですが、さすがです、面白かったです。
ZAKK先生の挿絵、素敵でした。
兎河×鶴谷のシーンの挿絵も見たかったなあと思いました。
兎河のあの涼しげな顔が乱れる様子をZAKK先生の絵で見たかった。
住んでるところが田舎すぎてどこの本屋にも無く、Amazonで購入しすぐ読破しました。
木原先生の作品は今回もまた最高でした。
「鈍色の華」、「鈍色の果実」では特に秀でた部分もない年齢より老けて見える鶴谷が段々と男の虜になっていく様子がすごくエロくて良かったです。複数の男達に翻弄されているようで、その実皆鶴谷に手玉に取られていて(本人にその自覚はないんでしょうが笑)、鶴谷の性質の反転が面白かったです。
最初はあーこれドSっぽく攻めてるダン×鶴谷のパターンだわ王道だわ大好きです!!!!ってなってたんですけど、「鈍色の華」のラストで兎河と一晩共にしたいという申し出を鶴谷がしていて、好みと違う結末に結構絶望してしまいました。これ木原作品の中では初の萌えない部類に入るかも…って思ってたんですがまぁーー杞憂でした笑
「鈍色の果実」で、鶴谷は大きく変化しています。慎ましやかな性質は一見そのままのようですが、ずっと男のことを考えていて、尚且つもっと色んな男としたいと言い出す始末です。その変化が急なようでなんだか説得力があるんですよね。ギャップを楽しめる作品で、とっても萌えました!
そして「漆黒の華」ではまたダンが出てきます。ホント男の趣味悪い!笑
今回の受け、佐川はなんかアホっぽくて可愛かったです。本社への引き抜きをかけて自分の体を売り込むとか後先考えなさすぎる。そしてそれでOK出しちゃうダンもダンだろ!と心の中でツッコまざるを得ませんでした。
最初はドライっぽい付き合い方なのに、好きになっちゃうと色々あげたり執着がすごいダンが可愛すぎでした。そしてなんだかんだダンの執着を許して付き合ってる佐川に見えない愛を感じました。
濡れ場はとってもエロくて超好みでした!!文章で様々な様子まで想像できるって木原先生すごい。
どんな花にも毒がある
それはたとえば、枯れかけの花でも 日陰に咲く花でも
他の方もおっしゃっていましたが、作品全体に毒の雰囲気が漂っています。
鶴谷と佐川
ふたりの男が雌に落ちていく様が、まるで自らの毒で首がしまっていく花のよう
そして
兎河とダン
気づかぬうちに、花の毒がまわり中毒になっていく
個人的には佐川がダンの女になっていく様が好きです。
計算高く近づいたはずが、身体を快感で蹂躙され落ちていく、、、
決して雌として魅力的ではなかった佐川が、いつの間にか嗜虐心を誘うまでの色気を醸し出すまでになる。
野心家で酷い男だった佐川が、最後ではまるで貞淑な人妻のよう。
メガネに敬語、最低な男だが自分にだけは従順。
佐川に落ちたダンの気持ちがよくわかります。
木原 さんにしてはあまあまと言っていいのかなと思いました
普段がどれほどクズ人間ばっかりなのかと・・・
遅咲きの魔性、欲望に淡々と忠実な鶴谷がもうすごいです
体温低そうで未亡人で、ほんと旦那の葬式の夜に仏壇の前で押し倒されざるを得ない、みたいな人外の色気です
ヤバい
ダンと佐川はまあ鶴谷に比べたら普通です
佐川は通常運行なゲスですし自業自得ですし
でも、まあ収まってよかったね
以外とダンがまともだw