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余韻に浸る円満完結

未だかつて無いほどに満たされた"""""着衣セックス""""!!!!
冗談抜きでここまで「いや何で服を脱がないんだよ!」というツッコミの出ない完璧に作り込まれた着衣ックスにまずスタオベさせて頂きました……満たされた……

完結です。単話配信で追っかけておりましたが、紙になったことでその厚みに胸が熱くなります。3冊通して真面目に恋愛する、ちょっと特殊で至って普通な2人の行く末をじっくりと見守ることが出来ました。
もともと「フェチBL」として色眼鏡で見ていたところがあったぶん、この3巻に収録されているお話の流れはあまりにも"よく出来て"いて、最終話に至ってはよく分からない感情が押し寄せて「良かったね……」と呟き静かに涙を流すなどしてしまう始末。

rasu先生の描かれるセックスシーンは何故だか妙にリアルで生々しく、綺麗な顔をしているのに荒々しかったり雄々しかったりして、そういう面でも痒いところに手が届きまくって血が出るほどです。多少雑な行為に見えてもその経緯がしっかり描かれているので、早急に感じることこそあれど、性急すぎだと思うことはありません。冒頭書いた着衣は正にそれで、着衣だとどうしても作り物感が出て気が散ってモヤモヤしがちなのですが、今回の着込んだ末の行為には意味があり、本来の「服を脱ぐ手間すら省きたい」精神が滲み出ているのがどうしようもなく愛です。

「フェチ」という域を越え、嘘偽りなく100点満点の恋愛マンガです。話ごとにぶつ切り感もなく、1冊通して2人の気持ちの交わりと変化に焦点を当てているのが凄く気持ちよかったし、着地まで完璧でした。これが初連載作だそうで……恐れ入ります……

スケールも愛もアレも規格外にデカい

色々思うことはありますが(悪い意味ではなく)ひとまず、琴音くん お尻大丈夫?


一言で言って「愛は世界を救う」です。腐男子くんの愛と欲望と当たり前の罪悪感が一組のカップル(夫婦?)を救いました。前作からぼんやり思っていたのですが、まさかここまでじんわり感動させられるとは。

元々人外ものは好んで読みません。猫耳♪うさ耳♪尻尾♪♪♪みたいなのは何か流れで読んだりしてたんですど、ここまでガッツリな異形ものは初心者な私です。が、すっかりハマりこんでしまいました。
明らかに人ではない下半身、しかも今回はしっかり異種姦(!)状態のシーンが入ります。それでも全く抵抗が無くてとても不思議です。描写はわりと激しめに描かれる藤咲先生ですが、このシーンはとても印象的でした。神聖さすら滲みでいる……愛だなあ……なんて思ってしまった。

前作は「目が覚めたら異世界でした」から「異世界で神様と夫婦になりました」までのお話でしたが、今回は一冊まるっと2人の愛と葛藤のお話。

結論から言うと、「そうして2人は子供を授かり、幸せな家庭を築くのでした」になります。その過程で琴音くんのお尻がとうとう凪の双竜を……となりまして、冒頭の言葉は自然と頭に浮かんでは消え、浮かんでは消え……でも、そこに愛はあります。心配ご無用。


琴音くんによる腐男子ならではの冴え渡るツッコミ、鋭すぎる勘、フラグ建設がまた作品を明快に翻訳してくれているように思います。本筋は途中からわりとシリアスに進んで行くものの、琴音くんの心の声や考え方のお陰で重さの中にも軽さとクスッとした笑い所を与えてくれる。だからこそ、凪と真剣に向き合おうとして罪悪感を感じる場面は胸に刺さるし、凪の与える言葉に救われた。
シリーズを通してシリアス、笑い、エロ、のバランスが驚くほど整っていて、あからさまに嫌な奴とか、ライバルとかも特にいないのに、2人の関係性がさらに深くなったと実感出来るのは凄いことです。

今作から登場した元青龍と御子のカップルも最初こそ不穏ではあったものの、最終的に泣き所はこの2人がかっさらっていくという。
キャラクターの、生い立ちという名の肉付けが非常に上手い作家様なのだと思います。だからこそ、まだ素性があまり詳しく出ていない玄武や白虎、そして最後チラッと姿を見せた朱雀らのことも気になる。

一貫して凪からの溺愛が心地良く、ブレない琴音くんに癒され、そして相思相愛っぷりが愛おしい。そんな2巻でした。

やさしい世界

たぶんこの2人はその後パートナーシップ制度を生かして事実婚をするだろうし、生放送で結婚報告をする。きっと1年と少しは好奇の目に晒されるのだろうけれど、この世界の事務所はそんな世間から2人を守るし、グループの3人は完璧な受け答えをするし、ファンは2人を暖かく迎え入れてくれるし、2年目から当たり前のように「萌ゴリラさん愛してる?」なんてうちわが作られる。確信。


2人にとってやさしい世界線の、アイドルとボディーガードのお話。
攻めのアンリくんの置かれた状況は最終話付近まで不穏で可哀想ではあるものの、だからこそ渡里さんの存在が非常に大きなものになる。
結果だけ見ればアンリくんの押せ押せ求婚による根気勝ちのようだけれど、渡里さんにも渡里さんなりの辛い過去があって、蓋を開ければ相互救済の構図になっていたらしい。渡里さんの詳しい過去が非常に気になる今日この頃……

筋先生は受け方の赤面顔と涙目の書き方が印象的で魅力があって、今作は受けが「萌えゴリラ」と謳われているだけあり、ボディーガードとして働いている時の強すぎるお兄さん像からのギャップで白米を流し込めるレベル。

ただ、これはあくまで個人的な感覚だし、これを言ってしまうと元も子もないのですが……渡里さん、言うほどゴリラじゃない……かな…?でも可愛いからOKです!(?)

バリタチのままネコになる

一冊にまとまるのを首を長くして待っていました!ヒゲとか美少年好きとかそういう要素を二の次にして(ヒゲもロリコンも別に嫌いではない)とにかく「バリタチが愛の力でネコになる」という展開がサイッコー〜〜に好き!なので電子の頃から毎話楽しく読んでいた作品。

私見になりますが「バリタチ」は絶対「ネコ」の素質を持ち合わせていると常々思っていて、この本はそのわたしの考える「バリタチ=ネコ」という矛盾極まりない謎理論を非常に分かりやすく描いて下さっていました。いや〜感動。本来「タチ」とは「竿」をする側の呼称であるはずなのですが、BLにおいては「竿」というよりも、「タチ」という「性質」にすぎないのでは?というどうでもいい持論です。
で、この持論はなかなかどうして共感を呼び難いものなのですが、この作品はその「性質としてのバリタチ」を分かりやすくボーイズラブの中に落とし込んでくれました。

バリタチ受け様渡海さんの言う「バリタチ」論、言ってしまえば「考えるな、感じろ!」っていうアレです。愛を与えることがこの作品(というか渡海さん)流「バリタチ」の役割で、愛されるより愛したい彼はネコだけどタチなんですね。「尻で抱く」って言葉がありますけど、その派生みたいな雰囲気かもしれない。
攻めのののちゃんはめっちゃ攻めです。尻で抱かれてても攻め。彼はスパダリというより「ド攻め」ってやつかな。流石不屈のエクストラなヴァージンをアディオスしただけのことはある。

とにかく私はどハマりでした。
赤根先生の描かれる男性の肉体はとても肉感的で柔らかそうで、いやらしい。そして根底まで探さずとも表立った愛がある。
今作は受けがバリタチの精神を持つバリネコだったこともあり、いつも以上に愛し愛される50/50なハッピーエンドで心地の良い読後感です。

読み手に優しいハニトラBL

清々しい!分かりやすい!エロがいい!の三拍子揃った読み手に優しい「The 王道ボーイズラブ」。

この手の話は特に珍しくないし、トントン拍子に関係が変化していってハッピーエンドに向かうわけだけど、そんな流れでも予定調和だ!とか都合が良すぎる!とかマイナスの意見を持たないまま読み終えたことにびっくり。
俺様で高慢ちきなタチが攻めによってメスにされる展開をツボに持つ腐女子なのでまず設定から反骨精神を抜かれたのかもしれない、のだけれど、それでも普通に楽しかったし面白い。

もしかしたらキャラクターがそれぞれちょっとずつインパトに欠けるのかもしれない。でもそれは決して悪い意味ではなくて、ちょっとずつインパクトが足りないから物語が単調でも違和感無く進むし、いい意味で淡白なエロシーンが不思議と色っぽく見える妙。

高慢な束縛男として書かれる夏目さんだけど、その高慢さも物語の中ではあっさりとしか書かれないから読者が彼を嫌う要素にはならないし、攻めの大森との出会いが早かったのと、大森が(例え口から出まかせだったとしても)夏目さんの本性を見抜くのが早かったことで結果として不快に思う要素が昇華されたように思う。
夏目さんの(元)彼である健人くんが猫かぶりキャラだったのも良かったのかな?彼に特徴的な設定が無かったからメイン2人にしっかりスポットが当たって、最後まで2人の関係の変化(と言ってもかなり序盤からいい雰囲気になる)だけを追えたのが良い。

加森先生の作品は初読みでしたが大当たりでした。久しぶりに設定と表紙だけで当たりを買えて非常に嬉しいです。

360度罪な男

電子である程度まとまるまで待って最終話が出た瞬間に全話購入、これは絶対紙になる!とフンフンしていたところで書籍化を知り舞踊りながら紙本も読破。これは文句なし、にやま先生アッパレと言いますか、兎にも角にも罪な男があまりにも罪すぎる!!

帯の煽りは誇大告知でもなんでもありませんね。正しく最も罪な男。
顔よし身体よし性技よし、夜に生きる(言い方)プレイボーイとして文句無しに500億点満点なスーパーバリタチ攻め様裏川忍。バリタチド攻めって場合によってそこはかとなく「受け臭」が香ったりするんですけど(わたしがド攻め系の受けが好きなだけってのもある)この人は最初から最後まで裏切らない「バリタチ攻め様」でした。視線や振る舞い、煙草の煙すら味方にしてこれでもかといい男を体現してしまっている。いやーズルいったら。

そして受けの表屋ヒカルくん、清々しいほどのナルシストで嫌味すら爽やか。正に「プリンス」、そしてほとばしる「バリネコ受け様」臭。あの攻めあってこの受けあり。……すみませんヒカルくんも凄く魅力的で可愛くてえっちなキャラクターなんですけど、今作に関してはスーパー攻め様の彼が強すぎて食われてしまう(物理的にも)

非常に分かりやすく進む物語でテンポが良いです。視点は基本的に忍なんだけど、所々ヒカルくんも入ってくる。ヒカルくんから見た忍を読者は見ているから、ヒカルくんと同じようにズルズル忍の虜になってしまうし、同じように、忍から見るヒカルくんもツンツンなのに天然で、可愛く抱かれる彼の姿にドキドキしてしまったりする。
両者の視点がバランス良く描かれているから変に焦れることもない。何を考えているかが分からない系のお話にもならないで、純粋に2人がくっつくまでを楽しむことが出来るのが良い。そしてやっぱりエロも良い。

書き下ろしをとてもとても楽しみにしていたのですが、これは読むべき!いつだって裏切らないイチャイチャさとエロエロさを与えてくれるにやま先生、一生着いていきたい。
この2人は所謂オープンスケベとむっつりスケベのカップルだから、いつまでも末永くラブラブしていてくれることでしょう。

あまりにも愛

わりと前の作品なのですがめちゃくちゃ好きだったので……。前作「恋愛不行き届き」は読んでいたのですが機会が無くこちらは未読で、つい最近購入しました。そしてまんまとハマりました。何だこれは!痒いところに手が届きまくりで既に擦り切れそうなほど鬼リピして読んでます。

前作でわりと最悪な当て馬だった江本くん。ここに来てひっくり返るほどかわいい受けに転身していて涙が出ました。そして攻めのオネエ・長治さん。スパダリが過ぎませんか?そんなにカッコよくて大丈夫?私が全然大丈夫じゃない。
所謂スピンオフ厨の私ですが、ここまでツボにハマるスピンオフは久しぶりで非常に興奮します。最低最悪な当て馬がスピンオフでふやけるほど溺愛される話が好きで好きで本当に好きで、このお話の長治と江本くんは正しくその性癖にピンポイントでハマりこみました。や、本当江本くんめちゃくちゃかわいい。そんなに初心でどうすんの?生娘か?とヨダレを垂らしながらニヤニヤしてしまう。

モテモテで遊ぶ相手には一切困らないバリタチのスパダリが、初心で愛されたがりなちょっと訳あり受けを溺愛して抱き潰す展開、ありそうで実はわりと少なくて、あっても設定が温くてイマイチ……ってことによくなるんですけど、こちらは大当たりです。本当に出会えてよかった(2人も私も)。

ラストの長治さんが泣きながら江本くんを助けて、泣きながら運転して、2人で泣きながら想いを伝え合うシーン。スパダリが泣きながら助けに来る展開が珍しくて真摯で心に響きました。スパダリだけどキャラクターとして、人として生きていて、恋をして変わった。受けも攻めも同じくらい愛おしく思える作品はレアです。

那木先生と言えばキャラクターに着せる服のオシャレさだと勝手に思っているのですが、今作もとても流行を追った服を身につけていて素晴らしい。私よりずっとオシャレだなみんな。

エロエロなんだけど不器用だったりピュアだったり、身体先行なのに必死で恋をする2人がとても好きです。保管用にあと2冊くらい欲しいな。

性癖玉手箱

遅ばせながら前作「三森さんのやらしいおくち」を読み、見事ノックアウトさせられ満足していたら2巻発売が決まっていたことにびっくり。速攻予約し、店頭でも購入しました。すっかりこの作品のファンです。

三森さんとお相手の歯科医・樹先生がくっつく過程をじれ…じれ…と描いていた前作から、今回はくっついた後のお決まり、ライバル登場でどうなる!?というのがメイン。

結論から言うと、三森さんがちょっと可哀想。
でもこれはお互い様かな……?三森さんは素直だけど迂闊で言葉が足りない。樹先生も思いやりはあるのに前作同様言葉が足りない、と、お互いがお互い「もうちょい言えないかなあ……!?」みたいな感じ。ただこれはこれで悪くないと言うか、付き合ったけどまだちょっと距離が掴めない初々しさがある、みたいな、必死だからこそから回るというか。
樹先生、鍵を返しちゃうのはどうかしら?と思わないでも無かったけれど、私はちょっと捻くれてるのでそれ以降のしょぼくれた三森さんが可愛くて有りでした。ごめんね。

それでもど初っ端からイチャイチャえっち、すれ違う前の微妙な空気感のえっち(未満)、仲直りえっち、と何やかんや段階踏んできっちり萌え所を作ってくれているのは作者さまの力ですね。
お口が性感帯というだけあってやっぱり三森さんはキスシーンが最高にエロかわいいし、めちゃくちゃ顔のいい年下彼氏の樹先生は三森さんにメロメロで彼氏としても申し分無いです。今作は樹先生の「年下感」が前作より出ていたような。
独占欲の強い年下モテモテイケメン攻めが好きなので有難い限りです。

ライバルとしてこの巻から登場した辻氏。うーん嫌いになれない。いわゆる「いい男」ってやつなのだろうなと。人としてとかではなく言葉通りのやつ。電子で彼メインのお話が3巻まで出ているので、日を見て読もうかなと思います。

3巻も出ますね!とっても楽しみです!と言っても電子で最終話まで購入しているので結末は既知ですが、紙が好きなので紙本も購入します。

2巻も最後はラブラブ温泉旅行でちょこっと自分の殻を破り始めた三森さんを見ることが出来、樹先生と一緒にドキドキしました。肉感あるえっちがここでも見られて、幸せと興奮でニヨニヨしながら満足の神評価!

想像以上にいい男で

ビックリというかなんと言うか。

前作「ワンダー・ボーダー」で受けの洋春くんの彼氏(そして元カレへ……)としてこれでもかといい仕事をしてくれていた、夏朗さんのお話。

タイトルの通りなんですけど夏朗さん、スパダリとかそういうことではなくめちゃくちゃ「いい男」であり「良い彼氏」なんですね。その鱗片は前作でもわりと描かれてはいたんですけども……何だろう、人としていい人(?)と言うのか、まっとうな大人、という言葉がよく当てはまる。
というのもたぶん相手の梅雨彦くんがわりと訳ありな子だったからこそ、夏郎さんの「普通にいい人」の部分が「いい男」に変わるとても良い化学変化を起こしたのだろうなと。

個人的に梅雨彦くんの「真面目なのに堅物じゃないところ」と言う台詞に夏朗さんの良さが詰まっているなと感じました。本当にね。お堅い人だった方がむしろキャラ立ちしそうなのにあえてそうで無かったことが、より夏朗さんの普通の人らしさを強調していて凄く好きだった。

そして今回重要なポジションに置かれていた、梅雨彦の性癖を引きずり出した張本人・豪。彼の性格や言葉は正直なところ人間の汚く弱い部分が前面に出ていて一切の好感も持てなかったのですが、最後、夏朗さんの職場での見目や言葉の変化に、ああこの人もただ人並みに弱く立ち直れない人というだけだったんだな……と、納得してしまいました。
最終的に誰一人として性根の悪い人間が出てこないところが優しいですよね。心の弱さから物語は生まれるのだなとしみじみ。

書かれている方がおりますが、私も最後の雨の中笑って走る夏朗、梅雨彦と、すれ違う和秋と洋春のページがとても好きです。洋春の安心したような愛おしいような顔が見られたことで、この2つのお話は無事終わったんだなと感慨深い気持ちに……

正直、夏朗さんメインでQpaって成り立つのか?と不安要素があったのですが(Qpaはエロメインのアダルトレーベルだと認識している)、この台詞「真面目なのに堅物じゃない」と、人並み程度の性欲がある成人男性だと分かったおかげでドラマティックさ、ストーリー性と相性の良い激しいおセッ…が違和感無くすんなり頭に入りました。
梅雨彦くんのあの性格を持ってこれだけストーリーを読ませるの、流石上田アキ先生だなと脱帽しましたね。ニクイゾ〜〜〜!!

上記の通りエロも申し分なく、そして上田アキ先生の手腕で非常に読みやすく読後感の良い作品でした。本当に、この先生は「普通なのに色っぽさを持つかっこいい男の人」を書くのが長けているなと実感。満足です!

成長痛のような恋

発売日に買ってなかなか読む勇気が出ず(チョコドーナツ先生原作の話はまず泣くため)ようやく読みました。そして泣く。

辛い展開があるわけでもここで泣け!と強要が見られるシーンがあるわけでもないのに、気づけば泣きながら読んでいました。ただそれらは決して「悲しい」だとか「辛い」だとか言う感情ではなく、人の優しさであったり、気付きであったり、そこかしこにある人と人(ここでは主人公と登場人物)との触れ合いから感じられる心の繋がりに触発されたもの。

当て馬もいない。主人公を悪意無くからかう同級生たちも今を生きている普通の高校生として見ることが出来るから嫌味ったらしいこともなく、総合的に見てもこのお話に生きる人物はみな「普通の人」で、読んでいてストレスもありませんでした。

最終話、映像のように流れるコマ割りがダイナミックで綺麗で、ひとつの恋と一人の想いが確かに終わりを迎えたのに何とも清々しい。
泣きながら強くなる。痛みを知って、まだまだ長いはずの人生を生きていく。「おやすみ」の前の幽玄くんのお顔が朝露に濡れた朝顔のようで美しい、印象に残るクライマックスでした。(そして泣く)
最後まで奇跡が起きないのもまた良い。

あらきゆう先生の描かれる登場人物たちがチョコドーナツ先生の原作によく合っています。繊細で、それでいて力強い、とてもストレートで綺麗な線。またタッグ組んでくれないかなあ。

死ネタなので人を選ぶのかもしれないけれど、お話の中に救いは見えるし決して不快ではない涙を流すことができ、私は一応ハッピーエンドだと思います。
いつかどこかでまた2人が巡り会い、今度こそ生きて結ばれる未来を期待します。