深井結己さんのレビュー一覧

明日も愛してる 小説

安芸まくら  深井結己 

悲しうて、やがて哀しき

あらすじと表紙の印象から、記憶障害のせいで同じ相手と何度も恋に落ちる、というプラトニック系純愛モノ、と予想していました。ドリュー・バリモアの映画でこんなのあったなあとか思いつつ。
いざ読み進めてみたら確かに序盤はそんな感じだったけど、エロシーン突入でアラ意外と濃厚!、この櫂クンも自分たちのHビデオなんて録っちゃうんだ、自分も十分楽しむエロっ子系?と思わせる。
しかし、次に意識が焦点を結んだ時『…

6

明日も愛してる 小説

安芸まくら  深井結己 

このテーマでエロエロは必要だったのか?

色んなところで「名作」「感動作」と耳にして気になっていた作品です。残念ながら私はハマりませんでしたが、情熱を持って書かれた渾身の物語だということは感じ取れました。

記憶障害を持つ主人公・櫂と、その恋人・ツダの長い長い一日が時系列で描かれています。二人の設定と「明日も愛してる」というタイトルだけなら間違いなく「神」評価でした。あまりにも切なく、私も冒頭の数ページを読んだ時点ではゾクゾクするほど…

3

その唇に夜の露 コミック

深井結己 

陵辱+復讐モノ

BL界隈では「陵辱モノ」って一つのジャンルになっているものの(それもすごい話ですが)、私はあまり得意ではなく、それでも最後は収まるところに収まってメデタシメデタシ♡…となるから読める、と常々思っています。

ところがこの作品は、後半まで後ろ暗くてガチで根深い陵辱+復讐モノで、ハラハラ感がハンパなかったです。そのぶん、カタルシスとも言えるクライマックスの展開が優しくて穏やかで、心底ホッとしました…

0

さようなら、と君は手を振った 小説

木原音瀬  深井結己 

ひとでなし、恋するとみんな

こわい。
木原音瀬さんはどうしてこういう物語を書けるのだろう…?

「さようなら、と君は手を振った」
なぜこのラストで「攻めザマあ」と思えないのか…
酷く残酷な男誠一。最後に誠一を切り捨てる啓介だが、啓介の真意、それを理解する誠一の2人共が哀しくて、こんなろくでなしに恋をしている啓介が哀しくて、誠一が初めて知った絶望が哀しくて。

「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」
私はこの…

7

明日も愛してる 小説

安芸まくら  深井結己 

痛くて甘いお話

電子書籍版を購入。
ものすごく泣ける話ということで、手に取りました。
ネタバレ無しで読んだ方がよいとのことだったので、他の方のレビューを一切見ずに読み始めました。

読み終わっての感想は、
「壮絶」
その一言です。

読んでいると、ナイフで心臓をえぐられるような、キリキリとした痛みが襲います。
でも、ものすごく甘い。

痛くて甘い。

とても不思議な感覚。

万人受け…

3

愛しのアンラッキー 小説

田知花千夏  深井結己 

あげシリの男

1冊丸ごと表題作です。

プロローグ、本編(1から8まで)、エピローグという構成で、プロローグとエピローグは鉄平(攻め)、本編は脩(受け)の視点で進んで行きます。

脩と付き合った男は幸運をつかむので、「あげシリ」と呼ばれます。しかし本人は運が向いたら恋人に捨てられ、それ目当ての好きじゃない男にはしつこくされてうんざり。そんな中、不運の塊のような鉄平と仕事で出会いますが、鉄平は初対面から好…

1

さようなら、と君は手を振った 小説

木原音瀬  深井結己 

余韻ある続き

2000年発行のノベルズの新装版です。
描き下ろし短編が追加されているのでこちらがお得!と言いたいのですが、表紙・口絵・挿し絵のイラストが新しくなっているので、深井先生がお好きな方はどちらも買い!になるのではと思います。

描き下ろし「空を見上げて、両手広げて2」はノベルスにも収録されていた作品「空を見上げて、両手広げて」の続きで、氷見の息子・貴之が主人公です。

本編の主人公二人は仲良…

2

さようなら、と君は手を振った 小説

木原音瀬  深井結己 

恋愛は人を人でなくす

発売順では、こちらの発売、2008年新装版の発売、2009年のコミック発売ではあるのですが、表題作しかコミカライズしていないコミックから入った方がとっつきやすいかなと思います。

なお、新装版には「空を見上げて、両手広げて2」が収録されているようですし、表紙からしてもイラスト描き下ろしなので、今から購入されるなら新装版がお勧めだと思います。

構成は、表題作、続編、番外編の3作品です。

2

明日も愛してる 小説

安芸まくら  深井結己 

なんつ〜長い一日…

攻めの津田は、本当に櫂を愛しているんだなぁ。津田は何度も自己紹介と愛の告白を繰り返すけど、返って来る言葉は半分以上が容赦ないものだった気がする。
記憶喪失モノのBLは何冊か読んだことありますが、この作品は異彩を放ってますね。感動ものかと思えば、あからさまにエロティックな表現もあり、悲劇とも喜劇ともつかない物語なんですよ。
セックスのシーンが比較的多いですが、それにも意味がある気がしてならないの…

4

指先で愛を語れ コミック

深井結己 

双子の弟のはなし

『それは僕の愛じゃない』兄・一総(出版社の編集者)
『指先で愛を語れ』弟・総太(実業団のバドミントン選手)
同じ時間軸の中での、一卵性双生児の兄サイド・弟サイドの話です。別々に読んでも楽しめると思いますが、それぞれの話で兄弟がキーパーソンになっているので、セットで読むことをおススメします。
読む順番は『それは僕の愛じゃない』からがいいです!

『それは僕の愛じゃない』で「起きたら知らない…

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