水原とほるさんのレビュー一覧

青水無月 小説

水原とほる  稲荷家房之介 

DVか、究極の兄弟愛か……いやいや、これって愛なのか?

電子書籍版を購入。
表題作の「青水無月」とその後(半年後?)を描いた「半夏生」が収録されています。
あとがき無し、挿し絵は有りです。

久しぶりに、ここまで突き抜けたものを読みました。
いやー、すごかった。

DVの渦中にいる人の心理ってこんな感じなのでしょうね。
違和感なく、まるで自分が体験するかのようにするすると入ってきます。
苦しい。

激しい執着と依存。
でも、これ…

3

たった一人の男 小説

水原とほる  金ひかる 

消せない気持ち

情報処理会社“シロテック情報システム”は
社長の城山基弘が36歳で独立して立ち上げた城山商事の小会社です。
城山商事から引き抜いた人材のうちの一人、
石川暁生が元恋人で現社長秘書。
城山はバイで、現在付き合っている女性と上手くいっていない様子を
暁生に言い当てられ機嫌を悪くするなど
子どものような面もありながら
仕事に関しては攻めの姿勢を崩さないやり手社長。
そんな彼をサポートする…

4

蛇喰い 小説

水原とほる  和鐵屋匠 

ヤクザと「蛇」の話

1冊すべて表題作です。雅則(受け)の視点でストーリーは進みます。
主人公はビッチではないのですが、宇喜多(攻め)以外の男性に抱かれる場面がありますので苦手な方はご注意ください。

突然ヤクザの世界に関わることになるという話で、会社員だった雅則はワケが分からないですし、宇喜多は多くを語りません。そのため説明役としてか、宇喜多の右腕である高原が全体的に登場しています。

高原は宇喜多と争う気…

1

家路 小説

水原とほる  高星麻子 

成長は何処に?

あらすじ:
母親に捨てられた未来(受け・高校生)は、伯母の知り合いで整理屋の塔馬(攻め)に引き取られ、彼と暮らすことに。
やがて、塔馬と共に母親探しの旅に出るが…

アウトローな大人×母親離れできない少年のロードムービーで、主人公の少年(受け)の心の成長を描く物語。
あとがきでいかにも美談風に要約されていますが、そんな話だっけ?と首を傾げたくなる向きも。
各キャラの言動に共感できず、最…

6

夏陰 -cain- 小説

水原とほる  高緒拾 

バイオレンスなデビュー作

1冊ぜんぶ表題作です。雪洋(受け)の視点でストーリーは進みます。

初版2003年とのことで、水原先生のあとがきもイラストの高緒先生も初々しいです。そして、お二人の現在の活躍を予感させる見事な1冊です。

滅多にモノを欲しがらない。
一度欲しいと思ったものは、どんなことをしても手に入れる。
そのかわり、欲しいモノを手に入れるといつまでも大事にした。

そんな岡林(攻め)はカッコイイ…

3

たった一人の男 小説

水原とほる  金ひかる 

じれったく切ない

1冊ぜんぶ表題作です。暁生(受け)の視点で進んで行きます。

暁生と基弘(攻め)は恋人同士でしたが、会社を独立するにあたり、基弘から別れを切り出されて社長と秘書の関係になります。それから3年、基弘は女性と付き合いそれを暁生はサポートをしていましたが、暁生にも恋人ができ…という話です。

第一章<現在の二人>、第二章<過去における二人>、第三章<未来へ向かう二人>と分かれているので読みやすい…

3

恋情の雨音 小説

水原とほる  ヤマダサクラコ 

遣らずの雨

雨が印象的で雰囲気がとてもよかったです。しっとりしたラブストーリーでした。切なめでしたが、切なすぎる感じでもなくて読みやすいと思います。物足りない感はあったかも。
それと、濡れ場では受けが女性的で戸惑いました。言葉遣いが女っぽいです。

受けが特殊な能力持ち、攻めが刑事ということで、読む前に勝手にミステリっぽいのかなと思っていたのですが、ミステリではありませんでした。事件を解決していくってス…

2

たった一人の男 小説

水原とほる  金ひかる 

「たった一人」の理由がやや弱いかも

あらすじ:
情報処理会社の社長・基弘(攻め)と秘書の暁生(受け)は、3年前に別れた元恋人同士。
弁護士の佐賀と関係を持つ暁生だが、基弘への想いも捨てられず…。

元は同じ会社の上司と部下で、恋人同士だった二人。
しかし、二人で独立し仕事上のパートナーとなったことを機に、公私混同を避けるため別れてしまいます。
自分から別れを切り出したものの、暁生は基弘にまだ未練が。
弁護士の佐賀と関係…

10

The Shoemaker -ザ・シューメイカー- 小説

水原とほる  沖麻実也 

ピッタリこない

面白いのかもしれない。
靴職人、を題材としたところはなかなかいい。
しかし、初っ端の神父に云々の話から躓いてしまって、
その後も細部で「ん?」と躓きがあって、
面白さを味わえないまま、読了。


一流イタリアブランドの靴部門を担当する靴職人・尚吾。
ミラノで修行し仕事をしていたが、父の死をきっかけに帰国し
日本の下町に工房を構え、順調に活躍していたのだが、
イタリアの父として慕…

3

奪還する男 小説

水原とほる  小山田あみ 

中東の描写は詳細ですが…

中東に赴任予定の外交官・直実(受け)は、中東出張中に遭遇した爆破事件で、民間警備会社勤務の元警察官・加賀谷(攻め)と出会う。
帰国後、偶然再会し身体の関係を結ぶ二人だが、中東某国で邦人誘拐事件が起こり…

水原さんが実際に訪問された中東の街を舞台としているだけあり、現地の描写は大変活き活きとしています。
直実や加賀谷が語る外国への憧憬や海外情勢も、水原さん個人のお考えや経験が多分に盛り込ま…

12
PAGE TOP