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表題作青水無月

桐野達也・大学生・18歳
高橋陸実・達也の兄で会社員

その他の収録作品

  • 半夏生
  • あとがき

あらすじ

「兄さんが、欲しくてたまらない」両親の離婚で離れ離れになった弟・達也と十年ぶりに再会した陸実。医療機器メーカー勤務の陸実は、父親が死に、身寄りをなくした学生の達也と同居することになった。陸実は兄弟の失った時間を取り戻そうとするが、その晩突然達也に荒々しく身体を開かれてしまう。それ以来夜ごと一方的に陸実を犯しながらも、翌朝は別人のように優しく接してくる達也。陸実は達也のその不安定さを放っておけなくなり…。

作品情報

作品名
青水無月
著者
水原とほる 
イラスト
稲荷家房之介 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784877245344
3.2

(42)

(9)

萌々

(9)

(12)

中立

(7)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
16
得点
124
評価数
42
平均
3.2 / 5
神率
21.4%

レビュー投稿数16

どう考えても業が深い

2006年刊、電子書籍にて購入。
本文の挿絵は付いているが、あとがきと巻末のレーターさんのおまけイラストは省略されている。
水原さんの初期作品はどれを取ってもDV描写を避ける事が出来ないのだが、この一冊も結構キツい部類だと思う。

話の展開については先に挙がっているレビューの通りで、兄・睦実は実弟・達也のDVにレイプ、更には一度逃げた報復に彼の友人達に輪姦された末に心が壊れてしまう。
そんな有り様になってしまった睦実は達也の事を運命の相手と思い込んでいる節があるが、当の達也はどうなのだろうね?
愛情よりも、一度自身を捨てた相手が掌中にある事で"生涯支配したい存在"といった認識のほうが大きい気がするのだが。
達也に関しては、幼い頃から不遇というインパクトが強いせいか、どうも潜在的にヤンデレ気質を持っていたのかどうか判断し辛い。

まぁ、どう考えても業が深すぎるな。

どのみち救いが無いのならば、いっその事達也と母親を引き合わせて、憎悪の感情をぶつけてみたらどうよ?
…なんて恐ろしい考えがよぎってしまった。
間違いなく修羅場になるし、更には事件にまで発展しそうな恐怖も大きいが。

そもそも二人がこうなってしまったのも母親が元凶、としか思えないんだよね。
元はといえば離婚時に息子を二人共引き取れば、達也は父親の暴力に晒されずに済んだ訳だし、父親が亡くなったら未成年である達也を引き取るのは本来は母親の責任だ。
実の子同士、しかも兄弟がって結果を目の当たりにするのは残酷すぎるが、己の再婚生活、充実した仕事で得た幸せの影に隠れてしまい、犠牲を被ったものの現状を少しは顧みる必要もあるのでは?、と思ってしまう。

うーん、どういう視点で考えてもやっぱ救いが無いな。

あいにく自分は作者あとがきが読めていないのだが、"二人さえ良ければそれでいい"っていう行く末は実親との縁まで全て断ち切った果てにあるのではないか、と思うのだ。

1

兄の変化を楽しめなかった

ガチの兄弟もの。
ハード好きとしてはそこまで痛い痛い、やめてくれーな内容ではなかったですが、兄が変わってしまうまでの抵抗にはニヤニヤできました。

両親の離婚で離れ離れになった兄弟が再会し、不健全な禁断関係へと突き進んでいくお話。
暴力をふるう父親側に引き取られた弟はその過去から、本人もDV男になっています。
挿絵がとても忠実で、傷跡や噛み跡をしっかり描いてくれているので、痛々しさに萌えました。

片親育ちが歪みを与えたのは弟だけでなく、母側に引き取られた兄もたくましく有無を言わせないような父親像を弟と重ね征服されることに、負ではない感情をもったりする。
この作品は兄の気持ちに感情移入できないと、楽しみにくいかもしれない。

私は弟の全てを受け入れることを決めてからの兄の変化は好きじゃなかったです。
禁断の関係に心を痛める時期は過ぎ去り、性行為にも乗り気なように見えるは、今となっては逆に弟に手を離されるもしもの未来に怯えている。
弟を救うため、もしくは同じ場所に堕ちるための自己犠牲ともとれる変化なら良かったのですが、性に目覚め淫乱化したんか?と思ってしまったことが残念です。

自分に好意をもつ親友が自分を救うため、兄弟の異常な関係を壊そうとした時、僕にはこれしかないから…と自分の体を差し出し誘う兄の姿には心が冷えました。
元からそういう人間ではなかったはずなのに、友の純粋な気持ちを自分の肉体で埋めようとしだしたことはちょっと…。
ここを親友が拒否してくれればスッキリしたのに、普通に手を出し「(こんなことになった相手が)君で良かった…」的兄の発言には真顔になっていました(私が)

全体的に読みやすいのだけれど、感情の変化がどうにもしっくりこない。
というかそんなかんじだっけ、と何度か思いました。
多分兄の頭の中で何かと整理をつけた文が多く、読んでる側からしたら流れていってしまった気がします。

普段は兄さん呼びなのに、その時々で呼び方を変える弟は好きでした。
特に機嫌悪くなった時のアンタ呼び。

1

DVか、究極の兄弟愛か……いやいや、これって愛なのか?

電子書籍版を購入。
表題作の「青水無月」とその後(半年後?)を描いた「半夏生」が収録されています。
あとがき無し、挿し絵は有りです。

久しぶりに、ここまで突き抜けたものを読みました。
いやー、すごかった。

DVの渦中にいる人の心理ってこんな感じなのでしょうね。
違和感なく、まるで自分が体験するかのようにするすると入ってきます。
苦しい。

激しい執着と依存。
でも、これって愛なのかな……
うん、これも愛の1つではあるんでしょうね。

読む人を選ぶ作品です。
おそらく、読後しばらく放心します。
読むのに覚悟が必要かも。

3

壊れていくとはこういう事か・・・

無理やりの近親相姦から始まる関係・・・。

DVが多々あり、輪姦あり、ピアスあり・・・ガチ兄弟だからこそのこれが二人で壊れて落ちていくということなんですね!!

頬を打たれたり、踏みつけられたり、達也の友人たちにレイプされたり、ゴルフボール入れられたり、もう睦実が可哀相でした。DV怖い・・・(;;)

それでも二人だけの『兄弟』だからこその睦実の達也を思う気持ち。歪んでるけど兄弟じゃなかったら成り立たなかったんですよね。

純粋でラブラブが好きな方は読まない方がいいと思います。
あと暴力表現が苦手な方も絶対!!
兄弟ものが大丈夫で、痛い作品が大丈夫な方はぜひ読んでみてください。

3

ガチ兄弟

ものすごく イタイ作品。
親近相姦。
弟×兄。
レイプ・輪姦・DV・ち●こピアス
なんでもこーーーい!!なんでもこーーーい!!
読んでいて精神的に麻痺してきます。
オカシクナッテイルハズ。
多少イタイ場面があっても慣れていく自分が 一番怖いです。
心臓に毛が モジャモジャと生えている事だろう。
ブラコンの弟が兄を好きすぎて 違う世界にイッチャッテいる話。
かわいいお兄ちゃんはとばっちりですよ。
ホラー映画を一本観た感じ。




4

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