ぷれぱーる![]()
『媚の凶刃』2巻並みの修羅場、再び。邵堅による加賦の父親への復讐、そして、それを受けての加賦の復讐。憎しみが憎しみを呼んで、物語はただ組の利益や矜持を守るために戦っていた時よりも、ずっとたちの悪い抗争へと展開していきます。ストーリーは非常に練られていたんですが、どうも以前のような緊張感はあまり感じられませんでした。邵堅の小物感が浮き彫りになってしまったためなのか、加賦と韮沢の関係が安定しきってい…
加賦と韮沢の濃厚さを極めた濡れ場については、もはや言うまでもなく満足度の高い作品でした。紙の方は分かりませんが、少なくともこの電子版では、池先生の技量がこれでもかと活かされた立派なモノも存分に拝めます。修正が軽くても綺麗目に、あるいはさほど力まずに描かれたモノが多いように感じる今の流行りの中で、これほどリアルに肉感的に、皮の感じまで伝わるほどに力を入れて描かれているのには、普段修正度合いをあまり…
これまでに輪をかけて韮沢が可愛く思えてきます。こんなに一途に、ただ1人を命を懸けて愛し、尽くせる人はなかなかいない。狂おしいほどの加賦への愛。ひとたび彼に捨てられるかもしれないと聞けば、立場を忘れて逆上し、無理矢理犯して手中に収めようとするほどの激情。でも、なんだかんだ一番たちが悪いのは、そんな韮沢の重たい愛をいつも振り切れず、最後には受け入れ彼を可愛いと思ってしまう加賦なのかもしれません。
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やはりヤクザものは抗争の渦中、銃をぶっ放してやり合うシーンに痺れますね。それぞれが己の守りたいもののためにぶつかり合う銃撃戦。それは利益だったり、矜持だったり、組や部下達だったり、親友だったり、愛している人だったり。一度寝返ったキャラが再び寝返ったりもして、二転三転する相関図が非常に読み応えありました。コウキと叔父貴が、ただ軽薄なだけではない人物だったのはすごく嬉しかったですね。やる時はやってく…
