Sakura0904
1巻では明らかに桂木の方が優位で何を考えているのか分からない印象でしたが、2巻では暁人も堂々とした態度を見せるようになり、彼も彼で何を考えているのか分からない時がありました。きっと2人はまだ本質的には子供とそう変わらないはず。でも、桂木が一貫して頑なな態度を崩さず先代との約束にこだわっているから、暁人も家督にこだわらないわけにはいかない。無意識の内に2人はお互いとても無理をしている状態にあるよう…
日高先生の無駄のない美しい絵と、華族という身分が幅を利かせていた時代の重厚な雰囲気がとてもマッチしていました。子爵だった父が亡くなり、10歳という若さにして襲爵した主人公の暁人。何もかも任せれば良いと彼に与えられた家令である桂木は、私情を挟むことを一切許さず、徹底的に厳しく暁人を教育します。桂木に認められたい一心で努力しても、彼が暁人を穏やかな目で見てくれることはありません。なぜなら桂木は、なか…
終わってしまうのが、本当に嫌で…。読んで仕舞えば、終わってしまうので。買ったはいいものの、読むのを躊躇っていました。私が読まなければ、いつまでも終わらないのだと思ってみたり。また、その終結にガッカリさせられるのではないかと、恐ろしくもあったのです。それほど、この物語は特別でした。これまで、じっくりと読み込んで来たと自負している読者のひとりとしては、やはり全てが想定内だったと申し上げるほかありません…