木原音瀬さんのレビュー一覧

キャッスルマンゴー 1 コミック

木原音瀬  小椋ムク 

嘘から始まった恋だけど

AV監督でゲイの十亀と実家がラブホテルの高校生・万の出会いを描いた本作は、時系列的には、小説「リバーズエンド」に収録されている十亀の高校時代の話と十亀・万のその後の話をちょうどつなぐ位置にあります。さらに先の未来は、番外編集・HOLLY MIXの中の「end roll」で描かれています。小説のイラストも小椋ムクさんでしたが、コミックがあることで、二人の人物像をよりイメージしやすくなっていると思いま…

4

B.L.T (新装版) 小説

木原音瀬  元ハルヒラ 

B.L.Tと恋愛と

タイトルのB.L.Tは、ベーコン、レタス、トマト、マヨネーズ、パンというシンプルな材料で作られるサンドイッチのこと。ベーコンの質や焼き加減、レタスの種類、トマトの収穫時期、マヨネーズの美味しさ、パンの種類やトーストの有無等で、無限のバリエーションがあるのだそうです。
なんだか恋愛と似ているような…。恋愛は心と体と言葉があればできるシンプルな行為ですが、B.L.Tのように、ひとりひとりの恋愛観は実…

6

WELL 小説

木原音瀬  藤田貴美 

抜け出せない

この作品を読み終わって数日経ちます。余韻が抜けません。
レビューというよりは、感想です。
とても好きです。ただ、腐女子の目線で好きというよりは、腐女子の目線ではないところでひっかかった好きが大きいです。
「BL」というジャンルにカテゴライズされるこの作品ですが、退廃した世界に取り残された彼らの行く末、あるいは過去の選択、世界観などに対してBLに対してではない目線で、読了後に悶々と考えさせられ…

4

セカンド・セレナーデ full complete version(新装版) 小説

木原音瀬  北畠あけ乃 

恋の歌が聴きたくなる

前半の「水のナイフ」と「ONE NIGHT」は、高校生・明智(攻)と教師・砂原(受)の恋の話。文化祭の映画製作中、明智は自分が片思いする女子が砂原に告白するのを牽制するため、砂原に嘘の告白をします。恋人のふりをするうちに、やがて明智も、初めは取り合わなかった砂原も、本気の恋に落ちてしまいます。
後半の「セカンド・セレナーデ」と「その後のセカンド・セレナーデ」は、高校時代に砂原に恋していた掛川と、…

7

FRAGILE 小説

木原音瀬  高緒拾 

え?健気?

攻めの属性に『健気』とあって「物は言いようだな!」と思いました

これ、健気ですかねwww?

木原さんは面白い作家さんで痛いのもコメディも読んでて楽しいです
ほんと、ハズレがない

今回のこの作品も夢中で読みました
受けが安定の卑劣な男で『いつものきたわー』と思いながらwww

まぁ、こう言う上司っているよね
自分の出来ることが人脈作りと根回しや接待って分かっててそこ頑張っ…

8

COLD FEVER 小説

木原音瀬  祭河ななを 

幸せなんて縁遠い

この作品を読んだことは10年間に続けて、「たすけて」の内容は明らかではありませんが、肉体的にも精神的にも痛いシーンは多い、あとがきに記されている「ドメスティックバイオレンス小説」のような完結編です。 何度も "あの人は狂ったように暴れまわる犬みたい"と思ったが、結局、藤島は彼に捨てられない。自分の存在価値を欲しい男を置いて、もうどこへも行かない。幸せなんて縁遠いが、多分、お互い…

1

檻の外 小説

木原音瀬  草間さかえ 

愛はつながっていく

喜多川と再会した堂野は、情を断ち切りがたく、喜多川を家庭に招き入れます。娘・穂花が喜多川に懐き、穏やかな交流が続くかと思われた矢先、穂花が殺害され、堂野の妻の不倫が発覚。堂野の家庭は崩壊してしまいます。

喜多川の堂野への愛は、堂野に妻子がいても、娘の殺害で誤認逮捕されても変わりません。ただ傍に居たいと願い、寂しさをこらえ、堂野の娘を大切に思い、自分の命さえ惜しまず堂野を守ろうとします。その一…

9

箱の中 小説

木原音瀬  草間さかえ 

人の真の姿を見るよう

本作品は、私が木原音瀬さんという作家にはまるきっかけになったものですが、一度しか読めていませんでした。私の中では、揺るがない一番の傑作であるにもかかわらず、人の弱さ悲しみがあまりに濃密で、読み返すには覚悟が必要で。でも、ドラマCDが発売される前に、思い切って読み返してみることにしました。

堂野崇文は痴漢の冤罪で服役しますが、家族に愛されて育った真面目で普通の感覚を持った男です。刑務所での過酷…

2

NOW HERE 小説

木原音瀬  鈴木ツタ 

不器用でみっともない恋が、いい

住宅リフォーム会社に勤める30歳のゲイ・福山は、ある晩、酔った勢いで、20歳も年上の経理部長・仁賀奈と関係を持ってしまいます。仁賀奈はゲイでない上に童貞。主導権がある心地よさと、ウブな仁賀奈が見せる反応が新鮮で、福山は仁賀奈にどんどんはまっていきます。携帯電話を買い与え、部屋も自分好みのお洒落な家具に変えさせ、強引に仁賀奈のアパートに同棲を決め込みます。
ところが、社長夫妻が離婚の危機に陥ると、…

5

無罪世界 小説

木原音瀬  よしながふみ 

無邪気に愛せたらいい

高校生で母親に捨てられ一人で生きてきた山村は、今は浄水器を高額に売りつける訪問販売をしていました。セールストークの巧みさで売り上げは上々ですが、趣味のギャンブルが過ぎて借金の返済に追われる日々。突然、従兄弟の宏国の面倒を見るという条件付きの遺産話が舞い込み、喜びます。宏国は幼い頃に家族で住んでいたブラジルで、原始インディオに誘拐され育てられましたが、父親の遺言で日本に定住することになったのです。山…

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