葛西リカコさんのレビュー一覧

夜へと急ぐ二人 小説

水原とほる  葛西リカコ 

意外にあっさり風味

水原作品といえば執着攻めとか耐える受けのイメージだったのが、最近すごく変わってきましたよね。
ポジティブな感じで、割と困難な設定があるにも関わらずうまくきれいにまとまるというか。
あとがきを読んで納得しました。
何でも「純愛」がキーワードだとか。
これが純愛かと言われるとどうなのかな?と思いますが、受けも攻めも色んな過去を背負いながらも真っ直ぐに明るい道を生きている。
そして、真っ向から…

6

ダブル・バインド 小説

英田サキ  葛西リカコ 

残念なキャラが一人もいない!

作品紹介を見て、愛する合田雄一郎
(高村薫さんの小説、合田シリーズの主人公)と
上條の属性が一致しまくってたので読みました。
読んでみたら、更に一致するところがあって、
まず、そのことにすんごいウハウハしました!
例:捜査一課の刑事、父親も警察官、
父親は高2の時に死亡、バツイチ等・・・

でも、性格はぜんぜん違いました(笑)。
上條はおもしろくて性格良い人です。

シリーズ…

3

ダブル・バインド(2) 小説

英田サキ  葛西リカコ 

ちゃんと進展してます。が…

猟奇的殺人事件が連続猟奇殺人事件だったお話の続編。
事件の進展もぼちぼちなら、恋の進展もぼちぼちでした。

攻めの二人は比較的わかりやすい性格なのですが、
受け君たちが揃ってややこしい性格のため
なかなかすんなりとはいかないようす。

とりわけ瀬名のキャラクターがわたしにはまだつかめず、
イラストと表現される行動や仕草が重ならなくて
何回も読み直しています。(そこで泣く?とか)

1

彼に棲む獣 小説

神楽日夏  葛西リカコ 

運命で全ておさめてもいいのかな?

昨年の作品で『神と契る』という作品があり、あれは体が人間で、魂が神様というファンタジーでありましたが、これもまたある種実体のない獣の血、という部分の不思議なファンタジー。
この作家さん幾分、お話の温度が低いのですが、登場人物が美しい、という設定はお約束なんでしょうか?
結末は意外にもあっさりとして、う~ん、、と首をかしげなくもないものではありまして、二人が運命の相手という結論付けだけであるなら…

1

ダブル・バインド(2) 小説

英田サキ  葛西リカコ 

「俺はホモじゃねぇ」は逆の呪文

餓死でしかもイチモツを切り取られ口に突っ込まれた死体が発見されるという殺人事件が連続殺人になり、という実に猟奇的犯行の謎解きの行方が、個性的キャラで展開されていくと、期待させた1巻の続きです。
今回、主役カプの刑事・上條と心理士・瀬名に進展がv
組の構成員が殺されたことで、独自に動き始めた進藤とその愛人・忍と、刑事である上條も同じ線を導き出し、
また、祥の別人格であるカイの不穏な動き。
ま…

2

愛を乞う男 小説

五条レナ  葛西リカコ 

胸つまる展開

前作の『恋に堕ちる』もそうだったけれど、とてもきれいだけれどすごく切なく胸痛く、ギリギリまで追い詰められた状況に主人公達を置くのがこの作家さんの特徴でしょうか。
でも、自分的にすごく好きです。
前作は事故の被害者の遺族と加害者という関係、今回は互いが身勝手な親の被害者であるのだが、その憎むべき親は亡くなってしまっており、被害者・加害者感情をぶつける相手がその息子達であるというやり場のない思い。…

4

災厄を運ぶ男 小説

水原とほる  葛西リカコ 

こういう水原とほるが好きなのだ!

やっぱ愛すべきろくでなしを描かせたら上手いなぁと思わされた作品。
「いい人」を描く水原とほるさんも良いのですが、ろくでなしを描いてる水原とほるさんが一番好きです。
最初は無茶苦茶なんだけど、いや、後半も無茶苦茶なんだけど、その無茶苦茶さを「ハイハイ、分かった分かった」って感じで受けが受け流すようになってからがイイ。ひたすら可愛い。
二人旅を続ける中で逆転していく二人の関係がめちゃくちゃ面白かった。…

3

欲情螺旋 小説

水戸泉  葛西リカコ 

DNAの執着

近未来を舞台にした、DNA操作が当たり前になった時代を背景にしたホラーチックストーリー。
SFといっても、特に遺伝子界について特化してしているので要旨はピンポイント、明確で寄り道がないので、実に分かりやすく謎とおどろおどろしさが際立っていていい。
未来的双子モノの一種とでも呼んでもいいかな?w

遺伝子の研究が進み、その操作によって不老不死さえ身近になった近未来。
その研究は、ありのまま…

2

恋愛革命 小説

海賀卓子  葛西リカコ 

うわー!ある種独特の痛さです

初読みの作家さんでしたが、息をもつかせない”これでもか!”なすれ違いな成り行きに一気読みです。
読後は、イタイ!!イタイ!!
木原作品とはまた違った、容赦ない人物達の痛さ。
何となく文章が荒削りで思いつくままに重ねていったっていう、少し素人くささも感じるものの、でも文章を飾っていなくて綺麗にまとめようという無理が見えないので、とにかく目を離せない展開に、痛さがダイレクトに伝わってくるんです。…

2

恋愛革命 小説

海賀卓子  葛西リカコ 

痛いのが良い!

受×攻の2人共が弱くて狡く、好きなのにどこかいつも諦めを考えつつ、忘れられない。世間一般とか将来的な事や家族とか難題を言い訳して弱い自身の隠れ蓑したりと人の脆さ弱さを丁寧に描かれていて、久々に海賀作品に出会えたと実感しています。「スタンダードレビュー」「黄色い風」と同じショコラから素晴らしい名作が発売されてますが、私がその作品を読んだのは去年か一昨年くらいで近年は新作を出されてないとしり落胆してた…

6
PAGE TOP