梨とりこさんのレビュー一覧

運命ではありません 小説

一穂ミチ  梨とりこ 

マッチングアプリ開発担当者×マッチングアプリの広報

IAの判断は間違ってないけれど、そうじゃない時もある。一長一短だと分かりつつある今の世界にマッチしているテーマでまず惹き付けられます。
マッチングサービスだけでなく、VRでイベントに参加という話題もありメタバースを感じさせて2018年発売の本作ですが、2023年の今読んでも違和感がありません。
主人公たちの会社が多様性を重んじる近年の感覚にフィットしたサービス仕様になっていて好感です。

0

キューピッドだって恋をする 小説

伊勢原ささら  梨とりこ 

キューピッドと一人ぼっちがいい人間

ミュウが健気で可愛くて!

半分くらいまではとても楽しく読みました。キューピッドのミュウが人間界に来て猫のクロと一緒に石動に拾われて。
ええ?人間なのに猫扱い?なんですが。

石動の笑顔が見たい、恋を知って欲しい、幸せになって欲しい。ミュウの願いが健気でね(泣)

元はキューピッドなもんですから石動に恋をとなったら人間の女性をとなるんですよね。切なかったです。

石動がミュウを可…

0

裏を返せば…! 小説

栗城偲  梨とりこ 

SとMの考察は面白い

主人公は、学習塾の事務職として働く南雲。
童顔で未成年に間違われるタイプの24才。
南雲にはどうもソリが合わない同僚がいます。
それが同じ学習塾の講師・本郷。
講師と事務職だから別にいつも顔を突き合わせている訳ではないけど、喫煙室で行き合う時などいつも皮肉たっぷり、小馬鹿にしてくるように感じて苦手意識を持っています。
ところが本郷の方は逆に…
…という展開になっていくのですが。
う〜…

0

完璧な恋の話 小説

渡海奈穂  梨とりこ 

タイトルがうまいで賞

世の中に“完璧“というものほど胡散臭いものはないと思ってる読者です。
正直あんまりキュンしなかったのですけどw、でも萌2っていうのは着眼点が面白くていい作品だと思ったからです。攻め受け、どちらも”おまえ恋愛やめろよ、相手がかわいそうだ”的なキャラクターで…ないわーって思いながら楽しく読んでしまったのでした。このいろいろ欠落している人たちの恋愛模様に、とりこ先生のイラストが絶妙マッチング!あと、受…

1

あなたが教えてくれた色 小説

安西リカ  梨とりこ 

揺さぶられました

ぷはっ…ビビッて長らく積んでたのに読み始めたら面白くて一気読み。モヤるを通り越してしんどくなったんですけど、作家様の気迫が伝わってきたっていうか、すごい内容だな~これ!っていう印象です。

※三角関係、ってタイトルにしようかと思ったけど、”ネタバレ”なのか?と小一時間…。

この受けさんがビッチというより、この物語は”二股”ラブストーリーだよね?っていうところが、なんか斬新に見えてしまった…

0

灰の月 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

この愛情は痛くて愛しい!

先に「月に笑う」を読むのが個人的におすすめです。
惣一と嘉藤のことを知ってから、「灰の月」を読むと、より感情移入しやいと思います。

以下は、「灰の月 下」について個人的な感想です。

「月に笑う」の賢く腹黒い惣一は、まさか愛のために狂人となった。
愕然とした展開、衝撃な結末、すごい、すごすぎます!

嘉藤視点だが、
狂った行動を起こし、もがく惣一の苦しさ、空虚感、しっかりと痛々…

4

ファンタスマゴリアの夜 小説

砂原糖子  梨とりこ 

すっごく良かった

絶対絶対、何回も読み返すと思います。
読み終えて、余韻に浸ってしまう、それぐらい良かった。

幼なじみの再会&両片想いモノです。
時系列も現代だったり過去の話だったりします。
でも混乱することなく、スムーズに読めますし、過去のエピソードのひとつひとつが印象的で、無駄なく現在に繋がっているんですね。
あの時のあの言葉はこういう心情で、とか、あの態度はそういう流れで、とか。
切ない。

0

灰の月 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

まさかのまさかの結末

いや、これは。なんと言いますか。
私は上巻のレビューにおいて、どう落とすのか、描きたい何かがあるはずだ、と書きまして、ずっとそのことを探りながら下巻を読み進めておりました。
正直、最後の最後まで、「どうすんのこれ」と。312ページの「END」マークにものすごく絶望しました。
上巻と同様、下巻も同人誌として発行されたものを収録しており、数えると7冊(+ペーパー)にのぼります。最終章のみ書き下ろ…

2

灰の月 上 小説

木原音瀬  梨とりこ 

性欲が強すぎて付き合いきれない

「月に笑う」を先に読んでおいてよかったです。いきなり「灰の月」からだと、上巻の途中で挫折したかもしれなかったです。
「月に笑う」で、山田信二が茂木組解散後、次に仕えた本橋組組長の息子、惣一のお話です。

「月に笑う」は山田と路彦に感情移入して読んでいたので、惣一が酷い目に遭ったと聞いてもざまあみろ位にしか思っていなかったのですが、この「灰の月」の序盤でその「酷い目」が詳細に描かれ、その内容が…

1

月に笑う 下 小説

木原音瀬  梨とりこ 

山田信二の成長物語

すごくよかったです。
上巻には「月に笑う1」「2」「3」が収録されていましたが、下巻は全部が「3」でした。いやもうそんな構成なんてどうでもいいです。面白くて、続きが気になって、一気読みです。

「1」ではいじめられっこで弱くて泣き虫だった路彦が、下巻では大学生~社会人、しかも頭が良くてなんだかんだ度胸もあり、目端が利いてすごく出来る男になっている。それもこれも全部山田信二のためなのが、すごく…

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