あじみね朔生さんのレビュー一覧

微熱のカタチ 小説

和泉桂  あじみね朔生 

歳の差カップルが良かった

受け攻めの性格は、歳の差カップルの王道な感じでとても良かったと思います。
主人公の成見は18歳なのに、台詞だけを見ると子供のよう。
反対にお相手の仁科は少しというか、かなり冷たいところもある実業家で、大人と子供、両極端な性格のカップルのよさというものがよく出ていると思いました。

仁科に見初められ、彼の経営するバーでバーテンダーとして働くことになった成見ですが、次第に仁科を好きになるものの…

0

深呼吸 小説

木原音瀬  あじみね朔生 

視点の変化で人間まで変わったような。

表題作が受け視点で、後日談あるいは同時系列が攻め視点、というパターンはBL小説ではよくあると思われます。そしてもちろん視点は違えど破綻などはないのが当然…
ですが、この「深呼吸」。
表題作「深呼吸」と後日談「深呼吸2」では、視点の変化とともに受けも攻めもまるで別人のように立ち現れる。
「深呼吸」では、リストラされて今はお弁当屋さんでバイトの40代谷地が、その向上心のなさや慣れに流されていく勤…

2

甘い罠 小説

火崎勇  あじみね朔生 

そんなに甘いという印象はなく

表題作と続編の中編2作品が収録されています。
どちらも美山(受け)の視点でストーリーは進みます。

「甘い罠」
美山は仕事で知り合った服飾デザイナーの灰原(攻め)に告白され、まずは友人として付き合うことになります。その後、リストラ対象者を選出する命令を受けた心苦しさから、週末を灰原と食事をして過ごすうちに、段々惹かれて…という話です。

「甘すぎる罠」
表題作より長めの続編です。

1

恋罪の傷痕 小説

  あじみね朔生 

ちょっと物足りなかったかな

洸さんの作品は2回目。
面白くない訳ではないんですが、
今回はそんなでもなかったかなー。
半分位迄は面白かったんですけど、
途中で私としては
「え!そっちいくの?ちょっとがっかり」
という感覚なのがありまして、
頭では解ってるし、話もオチもそんなにつまらない訳ではないんだけど、
まぁ結果、そんなでもなかったかなーという感じでした。

無口な元ヤクザの卯月と
弁護士をやっている…

0

伯爵夫人の魔法の靴 小説

かわい有美子  あじみね朔生 

ゆっくり少しずつ

表題作と短編の2作品が収録されています。

表題作は、笹野(受け)の目線がメインですが、ラッカム(攻め)の視点も折々に入っていますので、二人の気持ちが分かりやすいです。

まずは仕事の仲間として好意を抱き、それが恋愛に発展していく…のですが、余りに穏やか過ぎて私には物足りませんでした。ラッカムは紳士ですし、笹野は温和な性格なので、強引にどうこうという場面やはっきりした転機があるというのでな…

2

官能の秘めごと 小説

飛沢杏  あじみね朔生 

エロ本

とにかくしてるだけな印象。

雰囲気は満点で、設定も面白かった。大金持ちの芸術一家、画家の両親は早くになくなり、残された兄弟の愛。
和服美人の兄と、一途な弟が閉ざされた家で繰り広げる隠微な愛。兄は優しいがとんでもない秘密を隠している。弟は美しく優しい兄に焦がれているが、兄弟、男同士の葛藤で言い出せない。しかし、ある日秘密の扉を開けてしまう。

設定はいいのにストーリーがない。何も展開しな…

0

サテュロスの蹄 小説

高塔望生  あじみね朔生 

セクハラかつパワハラでは?

冒頭の数ページで単純にセクハラかつパワハラの話だと感じてしまい、萌えるどころではありませんでした。加えて、メインの二人も細かいところでキャラクターがブレているように思いました。

秋津は、本来は気ままな次男坊として家業と関係のないアカデミックな仕事に就いていたけれども事情により社長になってしまったという設定なのに、社長になった途端に無体なセクハラ要求に応じるほどの情熱で会社を立て直そうとするし…

1

異母兄のいる庭 小説

水原とほる  あじみね朔生 

共依存ではないところが◎

兄弟モノがあまり好きな設定ではなく、なんとなく「日本家屋で繰り広げられるロマンポルノ的な監禁モノ」っぽいタイトルとあらすじと表紙絵に少々ビクつきながら読み進めましたが、とても面白かったです。神率が50%近いのも頷ける、面白い小説でした。

お話は一つだけですが、おおよそ三部構成になっていると思います。あらすじは第一部のさわりの部分だけを表していて、ここから徐々に変化(成長)していく二人とその関…

4

スケルトン・ハート 小説

いつき朔夜  あじみね朔生 

前半は切なく、後半は…

二人の職場である大学の工学部と付属の工場、そこで展開するお仕事の描写が素晴らしく、また、知晶の謙虚さやもどかしさが切なく、表題作の前半まではのめり込むように読みました。
…が、後半への転機になる出来事がおかしすぎて、切ない気持ちが吹っ飛びました。
えーと、ギャグ…じゃないよね?と思いながら真面目な顔で読んでいるであろう自分がおかしくて、最後まで萌えが持続しませんでした。
セックスの描写でも、…

0

キスが届かない 小説

和泉桂  あじみね朔生 

ちょっと不完全燃焼

「惜しい」と言わざるを得ない……。

 主人公は、吉野貴弘。
 彼はモデルのような見かけをしているが、証券アナリストで、若くして自分の事務所を持つ売れっ子だった。
 けれど、彼にはどうしても解決できない悩みがあった。
 それは「食事」だった。
「中途半端なものを食べるくらいなら、コンビニ食やジャンクフードの方がまし」と考えている吉野は、自分の事務所を開いた南青山で、まだ自分の口に合う料…

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