晃子
2人の思いが溢れて結ばれる場面がもう本当に美しい。
モノローグは慶臣のだけれど、きっと紀人にとっても初めて遭遇する巨大感情だったことでしょう。
いつも余裕綽々な男の余裕無い顔最高でした。
一転、一時しんどい展開となりますが、絶望と諦めに呑まれそうになった時に紀人のことを思い出して生きる意思を見せる慶臣か尊かったです。
結局、呪いとは何だったのか、義臣に課された役割に意味はあったのか…
橘兄弟のキャラクターとストーリー展開の巧さ。
おかげで初見はあまりにもサラリと読んでしまったのですが、再読の度に気付きがあって何度も読み返してます。
一貫して描写される嘘をつく時の慶臣の仕草に、幼少期から積み重なった諦念が感じられて哀しいです。
そんな、助けを求めるのを怖れるがゆえの裏腹な言動を一切見逃さず、そして臆せずに踏み込んでいく紀人。少しずつでも弱いところを晒せるようになる慶臣に…