鳩村衣杏さんのレビュー一覧

天女の眠る庭 小説

鳩村衣杏  朝南かつみ 

古き良きBL感を堪能

亡くなった恋人に囚われた医師と画家のお話。

攻めの陣ノ内は、出会ってすぐ嶺一郎に惚れて強引にグイグイ迫ってくる、古き良きBLの攻め様。嶺一郎の事情が事情なので、こういうタイプじゃなきゃ殻を破れなさそう。嶺一郎の過去の恋人は、良い記憶だけを残してこの世を去っている。それだけに嶺一郎は忘れることもできず、罪悪感を募らせて、いつまでも次の恋に踏み出せない。これをどう乗り越えるのか、とても描き切るの…

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友人と寝てはいけない 小説

鳩村衣杏  小山田あみ 

ちょっとしんどい……

タイトルが気になり読んでみた。寝ることで長年の友人関係が崩れていく過程を、期待通り見せてくれてとても良かった。恋の片鱗が見え始めても、適度なドライさを保っていたところも好み。鮫島のキャラも魅力的。

しんどいのは、視点主である美馬の心理描写。あとがきでは対等な関係にこだわるとあったが、そうしたポジティブなものでなく、上に立たれたくないというネガティブな思いが全面に出すぎていた。それが一人称でダ…

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会社は踊る 小説

鳩村衣杏  小椋ムク 

湿っぽくない話

 ワーカホリックに陥り、前職場で体調を崩してしまった直が転職したのは、同じ出版社でも全然、毛色の違うエンタメ系出版社だった。
 転職早々、社内イベントの運営委員長に選ばれる。
 なかなか社内のノリについていけなかった直は、不安を覚えるけれども、副委員長についてくれた渡会に励まされ、新たな自分を発見し、成長していく……

 という話でした。
 本を開いた最初の感想は「字が大きい……」でした…

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any given day ドアをノックするのは誰?番外編 特典

墓参りは、新婚旅行の代わり?

頼久が、甲田の浮気を心配して甲田の出張先の京都に行った、その後日談。

甲田が、頼久の誕生日プレントは、何が善いか考える。
頼久に聞いても「貴方がそばにいてくれるだけで、欲しいものはない」と言うだけ。

思い付いたのは、母の事。
母の墓前で渡したいものが有るので、休暇を取り、頼久と共に行く。
そして、母の形見の真珠を墓前で頼久に渡して伝える
「毎日が、ハネムーンだ」
この甲田の言…

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ドアをノックするのは誰? 小説

鳩村衣杏  佐々木久美子 

文章が独特なラブコメ 

「部長の男/発売日:2012年4月28日」を書いた人.
著者本人が楽しんで書き上げた作品だと思う。
文章が独特、ストーリーへのこだわりもかなり独特。
この説明が多い描写スタイルが好きというファンが多い反面、くどいと嫌う人も居ました。
日本語が奇妙じゃないので、私は平気、きにならない。

展開を焦らす構成なので、「どうしてこんな性格になったのか?」
頼久が自身の過去を語る所まで、堪えて…

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any given day ドアをノックするのは誰?番外編 特典

何も欲しがらない…理想?聖人?

「ドアをノックするのは誰?」番外編となります。

続編の「ドアをロックするのは君」の発売時、発売記念としてシャレード誌に掲載された番外編です。

「〜ノックする〜」の本編後、甲田と頼久は恋人になって甘々…という時間軸。
二人で一緒に過ごす初めての頼久の誕生日。
甲田は特別なプレゼントを贈りたいと思い、頼久に欲しいものはないか?と尋ねるが…
…という内容です。
頼久は、良妻賢母という…

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ヘンゼルと魔王の家 小説

鳩村衣杏  海老原由里 

辺善くん、がんばれ

鳩村さんはお仕事ものが多くて好きなんですよね。
今回は、不動産やの営業くん、辺善が主人公。ヘンゼルですね。グレーテルは登場せず、魔女の代わりに偏屈?っぽい魔王がお相手です。

作家で、こだわりが強い魔王、興津は、不動産をたくさん持っている模様。しかし、売買条件が厳しく営業なかせ。
キャリアアップのためと、”魔王”担当を志願した辺善は、心が折れそうになるも、興津の家への愛着を知り、なんとか力…

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白雪姫の目覚め 小説

鳩村衣杏  南田チュン 

上下についての攻防が良かった

自分が入れる入れないで揉める所が良かった。自分がリードするのが当然と思ってたら、攻めの方がもっと攻めだったんですね。

受けの人がぐいぐい押しすぎで、受けが攻めにアピールしている所を読むのが苦痛でした。押せ押せな受けは嫌いではないのですが、少し傲慢すぎる印象でした。特に、同じマンションに越して来たのには驚きました。そこまで、する…かな?と。勿論、お話ですから何でもアリだと思いますが、これが実際…

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家に王子が泊まっています 小説

鳩村衣杏  yoco 

しっとりと惹かれあっていく二人

 お菓子会社に勤める蒼生は、会社の命令により、異国の王子を純和風な自宅で、もてなすことになった。
「王子」と言われてもピンとこなかった蒼生だったが、実際にやってきたコンラッドは確かに王子で、蒼生は困惑する。
 しかしながら、節度をわきまえ、他国の文化を尊重し、ルールを守る一方で、好奇心旺盛で「日本の文化を学びに来た」と言い、日本のお菓子に目を輝かせるコンラッドに蒼生も徐々に惹かれていく。

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親友の行方 小説

鳩村衣杏  高崎ぼすこ  アヴァ・マーチ 

焦れったい両片思い

超訳作品を読むのは二度目です。以前読んだ作品は文体が軽すぎて合わなかったのですが、こちらは大丈夫でした!超訳を担当した鳩村先生は原作の空気を壊さないよう慎重に作業されたとのこと。クセがなくて読みやすかったです。

幼馴染の親友、ライナスを恋人にしたいロバート。ロバートが好きだからこそ、別れの訪れる恋人関係よりも、ずっと側にいられる友人関係のままでいたいライナス。という両片思いの二人。
交互に…

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