葡萄瓜さんのレビュー一覧

きこえる? 通常版 コミック

橋本あおい 

真に悩ましい

作品初出は電子書籍です。と、書き出しますと
皆様はどう言うイメージをまず抱かれるでしょうか。
モバイル媒体配信だからと割り切って吹っ切れた
作品群を念頭に置かれて判断したりするのでしょうか?
無論そう言う展開もありますが、電子書籍を扱う
版元にもそれぞれ色合いと言うものがあります。
貞淑を旨とする版元があっても不思議ではありません。

で、そう言う版元の色合いがあるとは言え、
そ…

4

アドリアン・イングリッシュ(5) 瞑き流れ 小説

ジョシュ・ラニヨン  草間さかえ 

繰り返されるもの

思えば、このシリーズと対峙する折々、
評者は結構気分的に重たいものを抱えて
いたりしたので出来るだけ冷静に読む様に
心掛けてきたものです。
では、この最終巻もそうだったのか?
そこだけは嬉しい誤算がありました。
少なくとも息継ぎ程度の休憩しか要さずに
読み通せたと言うのは、一読者として
幸せな事です。

一読者として残念に思う点は、評者自身に
ハードボイルドとジャズへの素養が…

4

管理人さんは恋がわからない コミック

御子柴トミィ 

色々合わない

評者好みの展開の筈なのですが、どうも徹頭徹尾
乗り切れなさを感じつつ読了しました。
正直、現時点でも評価に迷っています。

作者さんの誠実さは判るのです。
我が子達に対する愛情の深さも感じるのです。
ですが、それがかえって枷になって登場人物達が
吹っ切れた振る舞いをしていない様に感じてしまう。
きちんと配置された筈の伏線が妙な加減で弛んで
しまって縺れてしまって居る様な印象も受け…

2

わかってください コミック

由元千子 

…なんだかなぁ

率直に言えば、掲載誌と版元が違っていれば
また違う評価も出来たかも知れないのにと言う
歯がゆさがあります。
レーベルや掲載誌の中では異色と言う位置付け
なのでしょうけど、それはあくまで当社比の話で
世間比では無いのですね。
何と言うか、世間の流行に乗ってこう言う作品も
出してみましたと言う感じが拭い切れず、素直に
美味しいと言い難いのです。

「専門誌がないのでレディースコミッ…

3

郵便飛行機より愛を込めて 小説

尾上与一   

いきつもどりつ

手順一つ間違えれば謗りを免れ得ない番外編再録集を
敢えて出したのは、このシリーズに対する産みの親と
育ての親の誠意なのでしょう。
ただ枠外の話を詰め込みましたよと言うぞんざいさが
見え隠れしていたなら評者は褒め言葉を見つける努力を
せず、ファンアイテムですねと斬って棄てていたと
愚考します。
あくまでも作中時系列を尊重して、と言う展開ですので
静かに引き込まれるのですね。

あ…

4

クズ作家の飼いならし方 コミック

八川キュウ 

反則にも程がある

一読した後評者は
「今年はなんてぇ当たり屋が多い年なんだ」とぼやき、
そしてレーベルをしげしげと見返しておりました。
ある意味、間尺は合ってるんでしょうね。
放埓なレーベルが更に放埓になる手段を得た結果、
思わぬ所で折り目正しくなってんですから。
ここまで鮮やかに帯から背負い投げを喰らうとは
思いませんでした。
まったく油断ならない表題作です。

で、併録作でこのレーベルらしい…

0

叛獄の王子 小説

C.S.パキャット  倉花千夏 

緞帳

一読して考えたのは、この作品がメンズロマンスである事の必然性。
一読者として率直に申し上げれば、ロマンス抜きでも充分語り得る
だろうと。
ロマンスと言う部分に執着して性を入れ替えればどうにかなるかと
言えば確実に破綻する世界観であるし。

或いはこの一冊は起承転結の内の起の部分に過ぎないのかも知れない。
だとしたら読者側は期待を抱きつつ付き合うのが礼儀なのだろう。
挿絵と外伝から醸…

3

おさななじみUMA コミック

さとまるまみ 

わかりやすくてむずかしい

最近はネタバレ上等の帯が流行しているとでも
言うのでしょうか…。
ここでも結局言います。
ネタバレが嫌な方は帯の存在を全力で忘れてください。
それだけの内容では無いんですけど、そう言う先入観で
世界に入り込むと多分違う景色が見えるので。
そう言う意味ではカバー絵もかなりな気もしますが…
奥の奥まで言ってないからまだ良いか、な…。

と、ここまでの文でなんだかんだと煽ってしまった気…

4

イエスかノーか半分か 3 おうちのありか 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

ある意味の化けの皮

品行方正な方が気紛れにリミッターを外したら
おっかないもんですねぇ、まったく。
いや、品行方正に積み上げてきた自信があるから
そろそろ頃合いとリミッターを外されたんでしょうか。
いずれにしましてもこの作者さんが苦手だと
おっしゃる方の膝先にこの一冊をそっと差し出して
顔色が変わるかどうかを確かめてみたい心地です。

そう言うお前さんはどうなんだ?
ええ、恐れ入谷の鬼子母神でござい…

3

虎王は花嫁を淫らに啼かす 小説

淡路水  北沢きょう 

万里もしくは紙一重

本の存在を知った時点では、評者は結構のほほんと
構えておりました。
何となれば前作が龍で今作が虎です。
あとは朱雀と玄武が来て揃うと何か判る仕掛けが
してあるのだろうか、などとおおよそ本編とは
関係のない感慨を抱いていました。

今回評者はこの本に対し変則的な読み方を試みました。
物語の終盤から冒頭に遡上してゆく方法をとったのですね。
そうすると物語の中の情報が結構整理でき、行間…

3
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