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『イエスかノーか半分か』、シリーズ第3弾。
同人誌『なんにもいらない』(大好き!)で計の実家に行った二人を読みながら
頭の端っこの方で、この語りたがらない潮の背景って……?と思ったものだが、
今回はそれを巡って、またまたビックリするような展開が待っていました。
ハイブリッド計発進!って感じ?(ただし期間限定w)
実は潮は由緒正しい政界の大物の御曹司!
様々な事情で彼は実家と殆ど縁を切った状態だったのですが、
連れ戻そうという動きが起き、まずは計の周りに影が見え、
潮の仕事が妨害され……
ひょうひょうとして、いつも計をおおらかに支えていた潮が
計のことを想うが故に見せる弱気。
が、ここで、表でも裏でも、ブラックでもホワイトでもない計登場!
端正な表の顔で理路整然と、裏の毒を全開に牙をむく、
ブーストがかかった黒白MIX「国江田計」の格好良さときたら!
潮も読者も惚れ直さずにはいられない。
そして、潮奪還の後のノリに乗って、エロエロなH。
ああ、なんと二人とも可愛いんだ!
最後の心に暖かな灯がともるような手形のエピソード。
敵役だった父にも、それなりの過去や思いがあることが
ちゃーんとさりげなく記されて、優しい眼差しで世界が包まれるところが
作者らしい。
かつて幸せな家族が暮らしたおうちで、
これから二人のしあわせな時間が始まります。
『イエスかノーか半分か』の3巻目。スピンオフではなく同一のCPで3巻目ってちょっとすごいなと思いつつ、それだけ一穂さんにも読者にも愛されている二人なんだとしみじみ思いつつ読みました。
内容はすでに書いてくださっているので感想を。
序盤、いつも通りの漫才のような軽快な掛け合いをする二人に爆笑しつつ読み始めました。二人の仲がより一層深まりもう何年も寄り添った夫婦のような安定感を醸し出す二人にほっこりしながら読んでいたのですが。
中盤で潮の複雑な家庭環境が明らかになります。普段鷹揚で物事に動じない彼に、こんな過去があったことにびっくりしました。前作『世界のまんなか』では記憶喪失ネタでしたし、『おうちのありか』ではこうくるか!というちょっと現実離れした話しながらも、さすが一穂さんというべきか、きちんと伏線が描かれているのですんなり話に入り込めます。
潮が自分の置かれた状況を計に説明することなく黙って計から離れたらどうしようとちょっとドキドキしながら読みましたが、きちんと説明したうえで、でも計との別れを決意した潮の健気さにウルっときました。それだけ計のことを愛しているんだな、と。
けれど今巻は計の男らしさに胸を撃ち抜かれました。
潮の『計ならできる』の言葉を支えに、仕事も、潮を取り戻すことも、どちらも手放すことなく踏ん張る彼がめっちゃかっこよかった。潮を取り戻すために手札を余すことなく利用しようとする彼のはったりもかっこよかったし、彼の蓄積された知識の多さにもしびれました。
計の、心中で毒舌をはく「俺さま」な態度が賛否両論わかれるキャラかなと思うのですが、今巻はその雰囲気がうまく生きていてただひたすらかっこよかった。
脇を固める登場人物たちも非常に人間味あふれるキャラ達でとてもよかった。最後の「3人の手形」のところなんか思わず泣けた。所々で出てくる、こうした優しい雰囲気が一穂さん作品の魅力の一つなんだと思いつつ。
タイトルも良いよねえ…。読み終わった後でタイトルを見直すと、その深さがしみじみ伝わります。竹美家さんの描かれる優しい雰囲気の挿絵も作品になっていてとてもよかった。1巻目から見直すと表紙の二人の表情が徐々に変化しているのがなんともニクい。そして素敵。
このシリーズの中で一番好きな作品になりました。
楽しみに楽しみにしていた1冊。読み終わって驚いた。
計に衆院選出馬の噂が立ち不自由な生活が強いられ、潮の仕事のキャンセルが続くというあらすじから想像していたのとは全く違う展開だった。作者の頭の中でこの世界はどこまで創られているのかと衝撃を受けた。
ただのおとぎ話としてのBLで終わらず、現実をどこまで取り入れるのかの匙加減が最高に上手だと思う。この続きも期待したい終わり方。読めて幸せだと感じている。
出来たらアニメイト特典の小冊子付きをおススメしたい。こんな素敵な物が付いてくる事に感謝。
「捕まえてて」二人してしたたか飲んで、笑って、いちゃいちゃして、いつもとなにも変わらない日常。冗談の合間にふと紛れ込ませるようにして潮は言った。もしかしてもうその時にはどこかで覚悟を決めてたのだろうか。遠からず、この手を離さなければならない日がくることを。
「どこにも行くな」――前作で、一時「迷子」になった計を抱き締めてこう言ったのは潮でした。本作では立場が逆転します。今回の計の役どころは、悪漢に攫われた姫(=潮です。姫というには少々嵩高いけど)を奪い返しにゆく勇者、なのです。
好きなことをなりわいにして、権威や権力にこびず屈せず、誰より自由に生きているように見えた潮。でも実は彼の首には、一般人には想像もつかないほどの重い枷がはまっていました。あまりに重すぎて、一番身近な計にすら、その存在をうち明けられなかったくらい。15で生家を飛び出して、どうにか今の居場所を確保するまで、独りで闘ってきた潮。決して才能と運を武器に、楽々と世を渡ってきただけの極楽とんぼじゃなかった。なのに15年たった今になって、振り切ったはずのしがらみに、再びからめとられてしまう。しかも今度は、彼にとって一番大切なものを人質に取られて。
二言目には「好きでここにいるわけじゃない」「いますぐやめてやる」というくせに、ほんとは誰より仕事が好きで、向いてもいて、どんなに悩み弱っていても、眼の前にネタが転がってくれば考えるより先に体が動き、声が出てしまう。そんな「アナウンサー国江田計」を誰より理解し、愛しているからこそ、みすみす失わせてしまうことは潮にはできなかった。だから守ろうとした。もう一つの大切なものである、クリエイターとしての自分を諦めることで。「ものつくってなきゃおまえじゃねーよ」うれしいはずだった計の言葉がどんなに胸を刺しても。
潮を奪った敵の全容が明らかになるにつれ、その強大さに戦慄する計。現職の与党国会議員で、いずれ国の最高ポストに上り詰める可能性だって十分ある実力者にして、潮の実父。まともに戦って勝てる相手ではない。でもそこは計、窮地に追い込まれるほどに妙な底力を発揮する。金と権力を振りかざす相手に対して、計の武器は「アナウンサー国江田計」としての看板と、圧倒的な喋りの力。ぐさりと人の急所をえぐりつつ、刺された当人があとで思わず吹き出さずにいられないような、おかしな磁力が計の繰り出す罵詈雑言には宿っている。そして一歩も引かない。なにせ相手は海千山千。一瞬でも弱気を見せれば呑まれてしまう。だから攻めて、攻め続ける。シリーズ三作中、計のオトコマエ度数が最高に跳ね上がった瞬間でした。
潮の家を一夜にして更地にしちゃうくらいの力と執着を見せつけたラスボスにしては、少々その退場の仕方はあっさりしすぎたきらいもありますが、計の全開のおとこ気に免じてそこは眼をつぶりましょう。更地の前に立って、「悲しいよ」とやっと計に素直にさらけ出す潮がいとおしい。また少し、二人の関係は変わってゆくのかな。計だって最初からしたらずいぶん変わったよね。強敵と戦うには「まず脂だ」と言いつつ、アナウンサー国江田計の顔のまま、竜起を従えてラーメン屋に繰り出し、極濃豚骨大盛り、チャーシュー増し増し、替え玉付きを完食するなんて、以前なら考えられなかった。
でもこのシリーズの一番の魅力は二人の絶妙な掛け合い漫才(当然潮がボケで計が容赦なく突っ込む)なので、そこはずっと変わらないでほしい。(個人的には嬌声だけになっちゃうエッチシーンを邪魔くさく思ってるくらい。支持者の方ごめんなさい)
竹美家ららさんのイラスト、シリアスバージョンだとやや二人のビジュアルが私の思ってるのと違うのですが、トビラのマイク抱えてビールケースに一人立つ計は文句なく可愛い!!毎度本文と同じくらいここを楽しみにしています。
私も竹美家さんのイラストはギャグテイストの時こそ真価を発揮してると思います! 発売前日にTwitterで見た、方向音痴の潮の手を引いて連れ帰る計の絵も今回の二人の関係を現していて、見返してまた笑いました‼︎
BL歴が長いですが、レビューをはじめて書きます。
こちらを読んだ後、ふたりの出会いやあれやこれやを読み返したくなり
①巻からまた読み直しました。
同人誌もオークション等に手を出し、散財してしまいました…。
①と②は全体的に潮の抱擁力がはんぱなくて
いつも腕広げて待っててくれるような安心感があったけど
今回の巻は、潮さん不安定です。
そして、あのツンデレで不器用な計が、
成長していて男らしく頼もしく感じました。
これは、もう惚れ直すなぁ、潮一生手離せないなぁと思いました。
あと、ときどき出るコメディタッチな言葉に笑わせてくれます。
「今ならハムスターとケンカしても負ける」←クスッと笑いました。
好きですこのフレーズ。
最後の方の、壁に潮と潮母と潮父の手形が並んで残っていて、
ぐぐっと喉にせり上がるものがきて胸が熱くなり泣きました。
家族3人だけの世界で仲睦まじく暮らしていた時があったんだね。
もし、潮の父が政治の世界に入らずに
画家として絵を描き続けていたら、
どんな家庭になっていたんだろう。
考えても仕方がないけど、
お父さんとの距離はもっと近かったんじゃないかな。
そして、設楽さんや麻生さんが素敵すぎる。
本当に困ったり行き詰った時に、
ちゃんと気付いてくれて放置するでも、
過保護に全面的に助けてくれるわけじゃなく
自分で考えて乗り越えられるようにうまく支えてくれる。
必要なら、矢面に立って上層部から守ってくれる。
かっこよすぎる!
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