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『ふさいで』の続編です。
前半は、『ひらいて』
設楽の計らいで、「ザ・ニュース」のCPとなった栄は、初日からADとして立ち回り周囲をドン引きさせます。
この二人、恋愛以前に仕事人ですよね。
ラブラブという言葉からは対極にいる。
恋人関係というより信頼関係が強くて、お互いに背中を預けられる存在というところに萌えます^^
前作では、設楽のカッコ良さが際立っていましたが、今回は栄のターンかなと思います。
「ザ・ニュース」の担当になった栄ですが、以前のようにワンマンを通し続けることはしません。
それは、設楽に責任を負わせたくないから……
自分らしい作品が作れないもどかしさと焦り。
そこに一石を投じるのが、なんと麻生!?
麻生からの問題提起で、栄は「テレビのやらせ」と向き合っていくことにーー…
設楽の友人・三芳がPを努めるドキュメンタリー番組で、やらせ疑惑が浮上します。
友人である設楽に内緒で情報を集める栄が頼ったのは、ニューヨークにいる恵です。(ここで絡んでくるとは!)
恵の協力の元、三芳のやらせを暴いていく栄はやっぱり生き生きしていましたね。
やりたいことを見つけて、水を得た魚のように行動していきます。
「本当を謳う嘘」から感じ取ったものは嘘になるのか?
これ、とっても深いなと思いました。
このテレビ業界の闇ともいえるやらせ問題を、同じ作り手としてどう伝えるべきか……ということですが、この手段が独特でしたね。
作り手の迷いや弱さを逆手にとって、そのまま問題提起に利用するという方法。
この時の栄はカッコ良かった!
これが設楽が惚れた才能なんだろうな。
そして、友達だと思っていた三芳に嫌われていた設楽が切なくて( ˃̣̣̥ω˂̣̣̥ )
平気なフリをしてるけど、かなり傷付いてましたね。
栄は癒すタイプじゃないけど、設楽にとってはそこが良いんだと思う。
ひらかれない可能性と、設楽にのみひらかれる体と心。
栄をひらくのはこの世で設楽一人。
この、栄の秘めた想いを設楽に伝えてあげたい!
後半は、『つないで』
栄に講演会の依頼が舞い込みます。
ここで新キャラ登場!美作基くん!!
栄に懐いちゃう子なのですが、この子からスピンオフの香りがするのは私だけでしょうか……?
出向いた新潟で大雨に巻き込まれ、地方局に協力する3人。
「俺には相馬栄がついてる」と言う設楽と、「俺には設楽宗介がついてる」と思う栄。
この関係性にキューンとしちゃいました。
心で繋がってるなぁ。支え合えてるなぁ。
以前より丸くなってきた栄ですが、いつか設楽に愛を伝える日がくるのだろうか?
そのいつかを見てみたい!
私にとって、萌えだけではない感情を与えてくれる貴重なシリーズです。
これからも読み続けたい。
●SSペーパーが良かったので、追記させて下さい。
『まもって』
なにを?と思ったけど、睦人との思い出や今の関係、設楽と栄の秘密の関係含めての意味かなと思います。
妻子不在のため、設楽家で麻雀を楽しむ3人。
やっぱり好き、この3人!会話のテンポが面白い!
睦人の後悔の先で始まった新たな関係……
昔とは違うこの関係も、私は好きです。
そして、「秘密」を共有する事で、設楽と栄はより強い絆で結ばれているんだと思う。
誰にも言えない関係を、〝イーブンの共犯〟として楽しめる2人が最高にカッコいい!!
ふさがれた後は、ひらかれ、そしてつながれる。
「ふさいで」で相馬栄に落ち、本作でさらに奥底へと引きずり込まれて息ができないほどですが、何とか気持ちを落ち着けてレビューします!
【ひらいて】
「ふさいで」がきれいに終わったので、次にどんな展開が来るのか全く予想できておらず。
ですが、思い返せば「ふさいで」は栄が過去、そして設楽と向き合い、前を向くまでの話。
番組を壊してしまったトラウマや葛藤は、まだ描かれていなかったんですよね。夢中すぎて気づいていませんでしたが…
「ひらいて」でフォーカスされるのは、これまでのような自分のやり方を突き通し、設楽の番組を壊してしまうことを恐れる栄の姿。
一方で、設楽が向けてくる憧れや嫉妬に応え「特別」でありたいとも願う。
葛藤する栄に設楽が放つ「お前は俺のことなんか、いくらでも踏みつけにしていいんだ」という言葉には、栄によくもそんなことを!と思ってしまいました…
お互いのためを考えているはずなのに嚙み合わない、二人のエゴがもどかしく胸が痛くなります。
そんな折に浮上してきたのが、他局の番組の〝やらせ問題〟。(テレビが抱える根深い問題を扱っているので、興味がある方はなおのこと楽しめるかと!)
テレビ、そして現実世界の「嘘」と「本当」を追ううちに、栄の気持ちが吹っ切れます。
周囲の人間との関係を自ら変えていく、ひらかれた〝新しい〟相馬栄は必見!才能を発揮したさすがの仕事ぶりに、見事成仏できました。
これも、設楽が作り上げてきた番組だからこそできたこと。やっと二人で楽しく仕事ができるようになって本当に良かったです…
栄が嫉妬や郷愁、少しずつ色々な感情を覚えていっているみたいでそれにも感動。
さらに、だんだんと自分から設楽に対する愛情(としか思えない行動)も見せてくれます。良かったね、設楽P!
また、おなじみのメンバーたちも活躍するのでイエスノー好きにはたまりません。
あの人やあの人が、栄と一体どう絡むのか?!ついに会話した!と興奮すること間違いなしです。
【つないで】
発表されたとき「つながれるなんて…」と早くも泣いたこのタイトル(まだ読んでないのに)。
果たしてどんな意味を持つのか、ぜひ実際に読んで確かめていただけたら!
何よりも衝撃だったのが、度々描かれる甘いシーン。あの栄が…積極的にあんなことやこんなことを?!
まあ、あくまで栄比なのですが。でも今まであれだけうすーい反応を見せられてきたので、もはや夢かと思いました。これほどまでに栄を手懐けた設楽宗介、恐ろしい男…
…こんなことを始めに書いたら、まるでラブラブの新婚生活が始まるのかと思いますね。
誤解させてしまった方、すみません。ストーリーは全然甘くないです。シビアです。
猛スピードで展開する仕事描写は、映画が上映されているかのよう。
臨場感たっぷりの厳しい仕事シーンの狭間だからこそ、ラブシーンがより甘く感じられたのかもしれません。
栄と設楽の脳のフル回転に、ついて行くのに必死でした。このできる男二人の会話がまたかっこよくて。
自然の脅威に対し、テレビができること、やらなくてはいけないことは何か。
それをお互いに確かめるまでもなく理解している、二人の信頼感の強さが素晴らしい!
分かりやすくその信頼を表現した文章には涙腺が崩壊し、しばらく読み進められないほどでした…
栄が設楽に、これまで聞けなかったある質問を投げかけられたのにも涙、涙。
設楽の返事は読者にとっては想定通りだと思うのですが、11年以上の時を経てようやくこうしたやり取りができるようになったんだと思うと…泣(泣いてばかりで要領を得ないレビューで申し訳ありません)
とにかく、身も心もボロボロでふさがれることを願っていた相馬栄のこれほどまでに元気で楽しそうな姿を見られ、幸せな気持ちでいっぱいです。
「つないで」の後に掌編が2つあるのですが、そちらも最高。お待ちかね(?)のあの人々も出てきますよ~!
涙も吹っ飛ぶ、笑いのひとときをどうぞ。
色々と謎が多い設楽の過去に、新たな情報も。面倒な男がようやくのぞかせる本音、自分にだけ見せるそれに機嫌が良くなる栄がかわいすぎます。
設楽と離れたあの夜、睦人と再会したあの朝。どんなときでも月が沈んで太陽が昇り、新しい日が始まる。
どちらも自分勝手で、でもお似合いな二人の日々が、いつまでも続いていきますように。
気が狂うほど素晴らしい作品を生み出してくださった一穂ミチ先生に、心より感謝します。本当にありがとうございました!
TV局を舞台にしたイエスノーシリーズのスピンオフのうち、大人カップルを主役に据えた「ふさいで」の続編。
「ふさいで」では、鷹揚で包容力あふれる、ひとまわり年上の保護者・設楽×才能はあるけれど、とんがり過ぎて傷ついた一匹狼の被保護者・相馬、といった関係性だった二人。
今作では晴れて同じ番組担当の上司と部下となり、共に働くなかで、互いに背中を預けあえるパートナーになっていきます。
二人ともプロデューサーという設定だからか、同シリーズの中でもTV番組制作の諸々の描写の比重が大きい!
TV局の内幕ものとしても興味深いし、お仕事小説としてもまずは存分に楽しめます。
部下である相馬の、番組の作り手としての才能を嫉妬しつつも誰よりも評価し、活躍できるよう全面的にバックアップするリーダー設楽。
他方、作り手としては一流だけど一匹狼だった相馬は、チーム作りが抜群にうまい設楽の元で、今までとは違う人との関わり方をしようと考えられるようになり、その中でその才能を発揮します。
こういう関係性、たまりません。
その上で恋愛小説としても魅力的。
本作品のカップルの恋愛、良くある「モテ要素」の、容姿や一般的な性格の良さや家事能力や肩書きなどではなく、何よりも互いの仕事ぶりに惚れ込んで、という点がとても新鮮なのです。
しかも前述のとおり仕事内容の描写が詳しいので、二人の魅力が生き生きと伝わり、そりゃ、お互い惚れるよなって感じで説得力が素晴らしい。
また、一般的にはマイナス要素ととられがちな性格上の凸凹を認めた上で、互いの凸凹ぶりが互いにとってぴったりだと認める形での恋愛模様も、BLとして新鮮です。
「良い人だから好きになりました」という恋愛も良いけど、互いに相手の面倒くさい部分、難ありの部分にこそ惚れちゃってるなんて、めちゃときめきません?
一見人当たりが良く飄々としているようで、実はなかなか本音が見せられず曖昧でわかりにくい性格の設楽と、愛想の一つもふるえない、本音剥き出しで、ハリネズミのようにトゲトゲした相馬。
2人はそんな互いの面倒くさい部分にこそ、尽きない興味をもち、また癒されています。
破れ鍋に綴じ蓋というか、互いが互いにとっての唯一無二感が見事です。
前作までは「近づく者皆斬ってやる」って感じだった相馬が、まあまあ無造作に設楽に接触するようになっているのも良かったです。
懐かない野生動物が少しずつ心を開いていく様を見るようで。
このシリーズ、今のところ3カップル登場していて、三者三様に魅力的なのですが、すごいなあと思うのが、行為シーンについても、ちゃんとそれぞれ書き分けられているところ。
本作は、一番大人なカップル(R45×R35)ということもあってか、手練れたおっさん×行為に対する恥じらいからは卒業済みのおっさんという組み合わせらしい致し方をしていて、それでいて必死に相手を求めている情熱もひしひしと伝わるのが大変に魅力的でした。
シリーズ全体のファンとしても、ますます冴え渡る国江田さん、子分から一歩踏み出した深(&皆川)が出てきて嬉しかったです。
好きなキャラが別視点から描写されるのって楽しい!
本作を読んでて、なんとなく次はそろそろ「そうちゃん」こと麻生さんの番なのかな?という予感がしつつも、この大人カップルの行方をもっと見たくてたまりません。
他の登場人物視点からの2人の関係性も読んでみたいし。他カップルからも面白そうだし、麻生さんや奥さま視点で眺めるのも愉快そう。
普段は電書派なのですが、待ちきれず&ペーパー目当てで書籍を購入しました(追って電書も購入予定)が、買って良かった〜!楽しかったです。
お買い物をしたものに対してレビューを書く、ということ自体が初めての試みになります。
そのため、レビューとは??? 外向きの感想って一体何を書いたらよいのだ?? とめちゃめちゃ動揺しているのですが、かっ、神率に貢献したい一心で(超率直)……という気持ちと、ちょっと公平で客観的な目線である方がレビューっぽいよな! とかっこつけたい気持ちが合わさって、セルフQ&A形式でゴリ押ししていくスタンスをとりたいと思いました!
躊躇っている方の背中をちょっと一押し、みたいなあれができればと願ったのですが。とりとめがないので全然無理そうです……。
Q1. どんな嗜好の人に刺さりそう?
A1. 飄々攻め×デレないツンスキーの自分にはドドドストライクでした。あと受けの栄は、体はうすいですが上背は結構ありそうで異性にももてるので、受けさんが一定の男らしさを保ってくれてると嬉しい方に! ぶっささってほしいです。
主人公が天才で大活躍してると、少年漫画では共感が得にくくて敬遠される、という話を聞いたことがある気がするのですが…… その点、この相馬栄さんはお腹いたくなるくらい心の中でぐっっるんぐるんしてるので、幸せになってほしすぎて魂レベルで共感してしまいます……。あとギャップ萌えが甚だしいです。もっといいワードチョイスなかったかね!!!って自分に腹立つくらいギャップ萌えしてしまう。
攻めの設楽さんは掴めないのに滲み出るスパダリ感で、えろいことするときだけちょっと自分本位なとこがあって、そこがまた意味がわからんくらい最&高です。
Q2. 表紙買いしようと思うんだけど、挿絵もたくさんある?
A2. 私も明日記憶喪失になったらこちらのご本を表紙買いしたいと思っていました! なにとぞ握手を!
中身はほぼ挿絵がないので、あれ? と思われるかもしれません。が、それがまたこの「つないで」をBL界の特異点たらしめてる感があって、すごくおもしろいです。
是非この表紙の二人のまま、最初から最後まで揺るがない、えろアンニュイな相馬さんの横顔をお楽しみ下さい。
Q3. 本家イエスノーを読んでないんだけど、全部読んでからっていうのは敷居が高くて……
A3. 途中からデビューし難いスピンオフあるある、わかります!! かく言う私も全然発行順には追えてこなかったクチなので、このお話から入られても大丈夫なのではないかと考えます。
いっそ ①つないで ②ふさいで ③横顔 と遡っていかれるのも、栄の感情の変遷がとても面白いんじゃないかと思います。ただその際には3の後に1に戻って、したさか無限ループから永遠に抜け出せなくなる可能性があるので、ご注意下さい。ようこそ!!
Q4. 潮計、たつなつが大好きなんだけど、彼らの登場シーンは?
A4. 出番としては少なめかもしれませんが、ふさいでに続いて相馬さんが国江田さんのことはめちゃめちゃ買ってくれてるのがわかって安心ですし、なっちゃんは重要な立ち位置だと思います。さすが子分。うしおさんは……! メイビーネクストタイム!
他にも既刊から、まさかこの人が、というキャラクターも登場していて楽しめること請け合いです。
Q5. 気になるけどこの二人をそういう目で見にくい気がして、不安……
A5. もしかして最古参キャラの一人である設楽さんを、お腹周りがゆるみがちな、低身長狸おじさんで思い描いていらっしゃったりしましたか? 絶対あるあるですよね、し、しんどい……!笑
横顔で栄にウッとなってしまった方も、絶対多いと思います。でももし、もしその高いハードルを乗り越えて下さるのであれば、ふさいでをまず読んで、その後に横顔を深呼吸しまくって読んでみて下さい! ふさいでは横顔の相馬さんにとっての挽回の書なので、大量の行間のようなものが見えてくるかも……なんて……(弱腰) 気づけば「おいおいこの二人絶対なんかあるだろ……」的なえろい目で見ておられるかもしれません。
あと、イエスノーシリーズがザ・ニュースとそれに集う仲間たちのお話、と捉えると、ゼネラルPである設楽さんと、彼が一番一緒に番組を作りたかった相手とのお話、というのはあるべくしてあったスピンオフなんじゃないかな? という考えもありです。
Q6. タイトル、何をつなぐ?
A6. ありとあらゆるつないで、是非お手にとって、実際に全用法をご覧ください^^
最初公平で客観的にって、一体どの口が言ったんだ~~!
執着がすごい・・・!
という言葉がしっくりくるかは分かりませんが、設楽は言わずもがな、栄も栄で、設楽に多大なる影響を受けていたことが明らかになった前作から続いて、今作ではずっと設楽にどう思われるか考えてて・・・めちゃくちゃ萌えました!
期待に応えたいし、設楽の番組守りたいし、必死なところが良かった!
前半の不安ターンからの、後半は信頼感!
言わんとすることが伝わっちゃうのとか、設楽がいいって言ったら行くよ〜と堂々と言っちゃうのとか、めっちゃラブラブしてますやーん!
個人的に名台詞は深の「めちゃくちゃニワカやないかい!」
最大にキュンとしたのは、「お互いしか見えてない」的なことを栄が思ってたところです!
「まもって」の視線でイチャイチャするのも良かった!!