ひよこさんのレビュー一覧

あんまり好きにさせないで 小説

高尾理一  かんべあきら 

健気受

自分が読むには本当に珍しい健気受です。
攻とは中学時代からの同級生で、社会人になってからも一緒に暮らしていて、体の関係はあるのに恋人ではない。家事全般を受け持ち、鬱陶しいと思われるのがイヤだから攻が浮気しても何も言わない。どこの貞淑な奥様だよ!
冷めきったカップルではなく、受はずっと片思いしてて、尽くすことに存在意義を見出している。攻がそうさせているわけではなく、自主的に。自分に自信がなくて、…

1

熱砂の王 1 小説

小塚佳哉  緒田涼歌 

王様のたったひとつのワガママ

BL小説の世界には砂漠ものとかアラブものとか呼ばれるカテゴリがあって、強引にさらったりオークションで売られたりがテンプレのようです。なので、どれも同じ話に見える…。
が、今回は年下攻が可愛くて甘かったので浮上。強引だけど傲慢ではなく、Hでいたぶることもない。で、処女(?)を抱いたのが初めてで新鮮だったからさらってきちゃうところに笑った。厳密にはその前から受に見惚れてたけど、自分たちが王様に経験あ…

0

いつかバウムクーヘンのできる日まで 小説

花川戸菖蒲  角田緑 

結婚もいいよね、と思ってみる

尤書堂シリーズ6冊目。本屋さんカップルです。大学時代から片思いの相手を追いかけて、書店に就職した攻。後輩×先輩なんだけど、留学してたことがあるから年は1コ上。でもずーっと敬語です。名前もさん付。
すっごく丁寧な恋愛。口説いて、ひとつひとつ2人で乗り越える。記念日に無頓着な受と喧嘩したり、結婚とは何かと考えたり。実家の家族より幸せを与えるには何をすればいいのかわからないと悩んだり。カッコよくて優し…

1

ドーベルマンにご注意 小説

名倉和希  祐也 

他意はなくても、くすぐられる

年下攻、総合警備会社営業部後輩×教育係先輩。体格がよくて真面目で無愛想で天然に口説き文句を発する後輩クン。かわいい、の気持ちに他意はないんですよ。言うと怒るから思うだけにしておこう、とか。無自覚だから手に負えない。同僚には惚れないと決めてる受も、読んでるこっちもキュンキュン。敬語攻は好みではないのだけど、慇懃無礼なわけではなくむしろ笑える。和むかも。犬がいっぱいいてかわいいからいいことにします。

2

発情 小説

岩本薫  如月弘鷹 

すごいタイトルですが…

生徒×教師で10才差。相手は発情する一族なので、特殊です。
不登校の生徒を訪ねた副担任が「いい匂いがする」といきなりヤられ、という体から始まる関係。最初はムリヤリで一方的で、秘密を知られた攻がばらされないよう見張るために毎日押しかけてたのが、その秘密を受け止めてくれる存在になる受に懐いて。ただいまやおやすみのキスとかしてるくせに、引き離されるまでお互いに自分の気持ちに気付いてないんですよ。ただの…

2

花嫁は今夜もブルー 小説

凪良ゆう  唯月一 

掟破りの男女恋愛ものも楽しいです

続編。期待に違わず、今回も楽しく明るい話でした。
姉の身代わりとして結婚式を挙げた前巻に続き、新婚生活。最初っからラブラブだなあと思いきや、偽装結婚がマスコミにバレそうになり、旦那の親子の確執をなくそうとして喧嘩になり、セレブと庶民の価値観の違いをわかりあえなかったり、お騒がせの暴君な姉とヘタレな恋人も相変わらずで、本人たちには別れの危機なんだけどコメディなのでした。
根っからの悪人がいなくて…

3

花嫁はマリッジブルー 小説

凪良ゆう  唯月一 

幸せの形=結婚

BLや同人の世界でも愛が進行しすぎると、幸せの形=結婚、となるみたいです。昨今の流行りのひとつは花嫁らしいし。好んで読んだことなかったのですが、たまにはこーゆー手にとるのが恥ずかしくなるものを読みたいと。おバカな話かな~と思ったら(失礼!)おもしろかった。
玉の輿目当ての姉の婚約者は、結婚を契約としか考えていない男。見下した態度に腹を立てたが、それがきっかけで親しくなる。攻がもっと傲慢でイヤな男…

2

普通のひと 小説

榎田尤利  木下けい子 

普通の恋は全て特別な恋

文庫2冊が1冊になったので、分厚い上に高いですが。好きだな、この装丁。30代のサラリーマン2人。全然絡みあってません(笑)。PPコートでない表紙は汚れやすいけど、ちょっと特別な気がする。これにトレーシングペーパーの帯がついてるんですよ。あう、湿気で反るのに~。
普通の恋は全て特別な恋、と語られてるとおり、どこにでもある恋。普通でないのは異常なのか、とゲイの人に詰られながら、普通という言葉に逃げな…

2

白雨 小説

真崎ひかる  陵クミコ 

幼い恋と大人の愛

再会愛。校則違反でボランティアをすることになり、お互いを深く知ることになる優等生と不良。それは周りから見た符号なだけで、二人の間にはそんなレッテルは必要ない。恋から始まったわけではないのに、それでも二人でいたいと想うほどに惹かれあっていく。許されない恋など今の世の中にはないのに、心中するしかないと思い詰めるほど。
結局、受が姿を消し、心中は回避されるのですが。お互いに心を預けていると想っていた片…

1

秘書とシュレディンガーの猫 小説

榎田尤利  志水ゆき 

猫の哲学に癒される

榎田さんって本当に上手いなあ、と思う。カップルごとにどこに惚れたかとか、あのときの蕩け方も違う。どのカップルも素敵だなあ、と思わせるのです。
PET LOVERSと表紙にあるのに気付いてなくて、『猫』だけど違うの?と途中まで思ってました。会員制デートクラブとの関わりがわからなくて。
何とかくっついた後の話の「不機嫌な猫」がおもしろかったです。絵本の文章を引用しながら、猫を語る。これ、翻訳物とあ…

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