Sakura0904![]()
晴臣と葵一の関係性って不思議だなぁとずっと思っていたのですが、なるほどこういう始まりだったのですね。晴臣はある日を境に一気に人生が変わったわけですが、それは弟である天雷を失って得たもので、100%好転したとは言えない複雑さも孕んでいて。一方葵一も、何不自由ない暮らしをさせてもらえているけれど、父親には都合の良い時だけ利用されて顧みられず、禍に巻き込まれやすいところを考えると、けっして何の苦労もし…
結構シリアスな要素が盛りだくさんなはずなんですが、不思議とさらっと読み終えてしまう作品でした。akabeko先生の軽やかなタッチのせいなのか、笑えるようなシーンもちょくちょく挟まれているからなのか、台詞やモノローグに時代を感じさせるところがなく完全に現代風だからなのか…。個人的には、せっかく現代とは異なる世界観の物語なので、もう少し雰囲気があった方が好みでした。ただ、ポップな方が読みやすく、多く…
◆アードルテとアーダルテ
これは何とも言えない後味の物語ですね。アードルテに騙されたにも関わらず、彼を憎まなかったアーダルテの想いが気になります。自分の身代わりとして長年日の当たらない生活を強いられ、あらゆる外の世界を見ることのできた自分と違い、あまりにも狭い世界で生きてきた彼を想い、数年の身代わり生活は甘んじて受けようと考えたのでしょうか。脱走に成功した後の2人の慎ましやかな生活が永遠に続け…
中盤までの菖真の瑛へのアプローチの仕方、瑛の拒絶の仕方が結構極端で、あまり現実味がないかなと少し引いてしまいましたが、中盤からは瑛が菖真に心を許していく過程が丁寧に描かれていて、読後感は良かったです。瑛の今の人格がクォーターであることと、親友との訣別からできているのなら納得。菖真の一方的過ぎる距離の縮め方や、自分が正しいと思う方向に他人をどんどん引っ張っていくやり方には賛否両論ありそうですが、少…
◆蝶尾(表題作)
短かったですが、一番印象に残った作品でした。日本の夏が好きなので、夏の風情が至る所で感じられたのも良かったです。金魚に詳しくないので蝶尾という種類がいるのは初めて知りましたが、確かに上から見た時の形がとても美しいですね。蝶尾と呼ばれる彼がファンタジーなキャラクターなのか、実在するキャラクターなのか、これは読者が好きなように受け取れば良いと思います。幻想的で儚い物語でした。
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先生×先生なのですが、受けが攻めの元教え子なので、先生×生徒の面も多分に含んだ物語でした。秀にとっての深田のように、学年が上がった後、卒業した後もずっと印象に残り続ける先生、人生に躓いた時に道標となるような言葉をかけられる先生に出会えることの尊さを感じました。生徒が先生を覚えていることよりも、先生が生徒を覚えていることの方が稀でしょうから、深田が秀を覚えていたのはそれだけ当時、彼が生徒に真摯に向…
ゆいつ先生の作品を読むのはまだ2度目なんですが、現実の人間に近いような、とても精巧なタッチの作家さんだなぁと感じました。表情にその人の人生が刻まれている上に、色気もあって、今まであまり出会ったことのない画風で素敵だなと。ストーリーも刑事ものということでそれなりに重厚でしたね。浮島が優秀と言われている割には新人のような正義感と無鉄砲さを持っているので、長年警察社会を生き抜いてきたキャラとしては少し…
◆クスリ屋の耳(表題作)
他の作品はすべて人外ものですが、表題作だけ人間同士なんですね。ストーリーとしては特に捻りのないストレートに展開していく物語でしたが、キカ糸先生の可愛らしいタッチにかかるとどんな作品も魅力的に感じるなぁと改めて思いました。小針の真っ直ぐさが愛おしかったです。
◆耳とゴミため
描き下ろしもありましたが、こちらはもっと長編で読みたかったですね。アパート型風俗店で働…
萌2に近い萌評価です。ストーリーとしては波乱は少なく、終始穏やかだったように思います。といっても、馨も美雪も身近な人の死を経験するところから物語が始まるので、どことなく寂しい雰囲気が漂っているのだけど。美雪が控えめな性格なこともあって、軟派な人物のように描かれる馨に対しても真正面から突っかかるようなこともなく、少々時間をかけて2人のペースで距離感を縮めていき、恋愛における価値観をすり合わせていく…
