Sakura0904![]()
ストーリー展開としては割と王道なはずなんですが、どこか他の作品と一線を画しているような気がする不思議な作品でした。やはり、メイン2人の性格かな? 序盤でレオのフェロモンに逆らえず犯してしまう伊織ですが、その直前直後でさえ理性を保っていて、過ちを犯したのは本当にこの一度きり。あとは終始レオに対して真摯に穏やかに接していたので、αらしい威圧感をまったく感じさせなかったことは、レオだけでなく読者にとっ…
初読み作家さんでしたが、とにかく絵が綺麗! 登場人物達の表情もとても豊かで、他の作品への期待も高まりました。舞台が冬の北海道というところも魅力的でしたね。暖かい地域に比べて、辺り一面真っ白な銀世界というのはどうしても孤独や死を連想させる。そんな中、プロのカメラマンとして世界中を駆け回り、人間相手でも動物相手でも心を開かせてしまう圧倒的陽な成美がいると、その空間だけぶわあっと暖かくなったかのような…
メイン2人の性格の相性が絶妙でした。攻めの土倉は普段は大らかで、仕事はできるけれど頼りがいのある上司というよりはどこかふわふわした感じの人。でも、セックスの時はAV男優のような台詞も多用し、吉井の秘められた願望を引き出すのがとても上手い。受けの吉井は職場ではしっかりしていて、土倉のフォローに入ることもしばしば。でも、情事中は吉井に征服されることへの悦びを隠しきれず、言われたことに従順に反応するい…
前巻のラストでてっちゃんを呼び、彼の家に上がることになった宙。ぎくしゃくしていたのは最初だけで、少し時間が経てば、2人の間の空気は実家を行き来していた頃の柔らかさに戻る。一度は断腸の思いで自ら手を離したにも関わらず、再び宙が自分の元へと舞い戻ってきたからか、てっちゃんはに彼に未練があることを大して隠そうともしない。それどころか、宙への執着、独占欲は日ごとに強くなっていって。
基本的に宙目…
軽快なラブコメが多い木下先生ですが、こういうしっとり読ませるタイプの物語もラブコメに引けを取りませんね。家が隣同士のてっちゃんと宙。2階の窓から行き来するほどの仲は創作ではまあまあよく見るけれど、宙の家庭は複雑で。虐待まではいってないし、しっかり働いている父親だけど、宙を理解する姿勢は微塵もなく、自分の考えを一方的に押し付けて子供の言葉は意に介さないタイプの親。今風に言うと、毒親という感じでしょ…
◆番人(表題作)
そ、そこで終わるんだ…という衝撃を与えられながらも、嫌な感触ではなく良い意味で読者に想像の余地を持たせてくれる作品でした。表紙の美しい男・霞に献身的に仕える加納と、霞の兄で好き勝手な言動が目立つ胤彦。でも、胤彦視点なのもあってか、不思議と彼に感情移入してしまうんですよね。あくまで彼目線でしか見れない、加納という男と、加納と霞の関係性。胤彦は明らかに加納を意識していたようだけど…
◆キス・シロップ
これは受けが本当に可愛かったです。19歳って未成年だけど高校卒業した歳だから、皆背伸びして大人ぶりたい年頃なんじゃないかと思うのですが(大人から見れば可愛いものですが)、亮司はそういう空気をまったく纏っておらず、とにかく素直な子なんですね。双子の兄の方なのに、弟より純な感じも可愛い。既に同じ部屋に男を連れ込みよろしくやっている弟を最も近い所で見てきて、自分の性的対象に悩む彼。…
この作品は過去守られるべき時に大人に守られず、その苦痛を抱えたまま生徒を襲った山田がどのように救済されていくかがテーマだと思っていたけれど。単純に、渚という中学生に救われるわけもなく、渚もまた狭い島の中で雁字搦めになった未熟で大人への反感を持った子供であり、2人だけが病んでいるように見えても、彼らが病むきっかけを作ったのは周りの思慮の浅い大人達なのだということを、この3巻ではっきりと突きつけられ…
◆Boys On The Love(表題作)
何この受け可愛い!と思わず悶えてしまうくらい、受けの司が愛おしかったです。表紙の右の人物で、細い目と刈り上げた髪が特徴的な司。ヤンキー受けってツン多めの意地っ張りな子が多いと思うのですが、司は喧嘩は強いけれど性格は繊細で自分の弱みをよく分かっているんですね。そして、同じくヤンキーで昔から自分を守ってくれたハルミをとても大切に想っていて。初めてハルミ…
