Sakura0904
◆キライの恋人(表題作)
ぽつりと呟いた「キライ」という言葉から始まるのが斬新でした。友達だけど2人きりになるとなんだか気まずい。そういう関係ありますよね。百々地の言葉に触発されて、積極的に抜群の彼氏力をアピールする鳩宿。とてもクールに見えた彼が、実は百々地の心を引き止めるために必死だったことを知り。段々照れ屋なところが見えてくるのがすごく可愛かったです。好きな人にはとことん優しく、尽くしたい…
表紙からほのぼのとした雰囲気を想像していて、実際そのイメージからかけ離れていたわけではなかったのですが、考えさせられる部分も多い作品でした。怪我で脚の切断を余儀なくされ義足となったトビアスは、健常者だった頃にできていたことの一部ができなくなったことに一度は挫折を覚えつつも、今では障碍者として同じ競技に復帰し何度も優勝を決めきらきらと輝いている。一方で、事故でピアノを以前のように弾けなくなったスス…
作品の元となったツイッターでの短い漫画を読んだことは覚えていましたが、息抜き程度に描かれたものだと思っていたので、こんな風に1冊の漫画として世に出してくれたのは嬉しい誤算でした。お金を払って赤の他人にパパになってもらう主人公・春樹。離婚や死別で実父がいないわけでもなく、虐待や育児放棄されていたわけでもなく、実父には甘過ぎず厳し過ぎずな接し方でごくごく真っ当に育てられたのだけど。それだけ理想的で幸…
リミット編完結、おめでとうございます。本当に向き合うのが難しいテーマ、しかもそこにBLを絡めるという更なるハードル。そしてそれを長編で描き切るということがどれほど労力の要ることか、漫画に関して素人の私には想像もつきません。でも、そんな作者の苦労はまるでないかのように、航平と太一はいつだってとても自然に、2人なりのペースで少しずつ前に進んでいくんです。描くこと自体は大変に感じても、2人の姿は先生の…
正午と書いて、まひる。今までBL作品で数々の素敵な名前を目にしてきましたが、トップ5には入る可愛らしいネーミングだなと思いました。町工場という舞台も良かったです。実情には明るくありませんが、素人目にはかなりリアルに描かれているように見えました。ハジメはかつて正午に一目惚れしていたし、正午はゲイということもあり、くっつくのは早め。あまりもだもだするような展開はなく、どちらかというと2人のテンポの良…
4巻までのシリアスさを吹き飛ばすかのように、エロや笑いに突っ走っていて最高でした。牧の変態さと、段々素直に、そしていやらしくなっていく浩太の恥じらいっぷりや乱れっぷりを存分に楽しめる巻だと思います。酔ったふりで迫られて、ついつい自ら脚を開き求めてしまう浩太はエロ過ぎました。牧のモノを見せつけられただけで発情してしまうなんて、1巻からは考えられないほど開花しましたよね。牧の言うように顔と体のミスマ…
牧も浩太も何が正解なのかたくさん悩んでいて、本当に辛い時期だったけれど。でも、15歳に戻ってしまった浩太が過ごした日々は、きっといろいろなことを確かめられた有意義な日々でもあったと思います。事故が起きて良かったとは言わない。ただ、既に起きてしまったことを、どう2人の関係の糧に変えていくか、それを考えるのは大切なことだと思います。牧が好きなのは深津に初恋も初体験も捧げた浩太、でも記憶を失って気持ち…
牧があまりにも浩太を信用していなかったので浩太が気の毒にも思えましたが、確かに浩太が深津にまったく未練を感じていないのかと問われると、何かしらの感情はあるように見えてしまう。信用したくてもできない理由があるのだと言われたら、納得できてしまうなぁと思いました。まだ19歳の未熟な子供ですものね。大人だってそう簡単に過去の恋愛を割り切れない人間が山ほどいるのに、あんな形で唐突に終わってしまった初恋の相…
予想通り萌え度がぐっと増した2巻でした。エロとストーリーのバランスが本当にちょうど良く、どちらを求めても満足できる作品なのではないかなと思います。ハレンチな下着や尿道に綿棒を突っ込むか突っ込まないかという攻防で笑わせてくれたかと思いきや、浩太が以前好きだった男性・深津が登場して一気にシリアスな雰囲気にもなったり。牧のナンパさに一人前に余裕を見せる浩太も芯がしっかりしてるし、牧もそうやって自分が簡…
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テンポもギャグも濡れ場も満足できる1冊でした。ストーリーはそこまで読ませるタイプのものではないけれど、萌えとエロ重視なら十分に楽しめる作品だと思います。がたいのいい攻めと体格の小さい美人受けという王道の組み合わせを存分に味わえるので、最近のタッチに慣れてる方にも是非読んでみて欲しいですね。受けが初っ端から攻め以外に襲われ、その後も何度か襲われるシ…