Sakura0904
冒頭を飾る表題作がエロもキャラの組み合わせも素晴らしかったので、短編集だと気付いた時は少し残念に思ったのですが、後に収録されている3作もとにかく濃く良質なストーリーで、読み終わる頃には大満足でした。松本先生の短編集は、個人的に箸休め的な作品もないと感じ、いつも最初から最後まで楽しめるので改めて好きだなぁと思いました。
◆待てない犬の躾け方(表題作)
ワンコだけど絶倫テクなしの攻め・泰助…
◆ササクレ・メモリアル(表題作)
これは攻めの三田のキャラが素晴らしかったです。まずビジュアルが既に最高。黒髪のイイ男が車掌服を着てるんですよ(表紙の彼)。それに加えて、学生時代からの一途な恋を引きずり、今でも健気に受けの矢嶋に好意を寄せ可愛くアタックする一方で、長年の妄想のおかげで情事中は矢嶋もびっくりのマニアックな変態プレイを迫るというギャップ。可愛らしさとエロへの貪欲さが共存しているのは…
やっぱり私は片桐と長谷川より、こっちの2人の方が好きかも。年上の斉藤は威圧感をもって迫ってくることも多いので、矢島がすっかりひれ伏していてもおかしくなさそうなのだけど、彼はまったく物怖じせず常に斉藤と同等、あるいは斉藤以上の立場に立つことすらあるんですよね。もちろん刑事という職に就いていることもあるでしょうけど、目付きも鋭さを忘れず、斉藤に喰われるだけの男には絶対にならないという強さを感じさせて…
ジャパンオープンで鈴木が自分の殻を破ってパフォーマンスするシーンから、杉木の葛藤へとシフトしていく5巻。最初から最後まで2人の色男から目が離せなくて、ダンスへの熱意も、燃え上がるような相手への感情もありったけに詰まっていて、本当に読み応えがありました。競技会での躍動感と臨場感溢れる鈴木の描写は素晴らしく、私も自分の鼓動がどくどく響くような錯覚に陥るほど。簡単には倒せないライバル達もそれぞれの強み…
これは面白い。個人的に、シリーズ物の最初の方って、説明的な部分が多かったりメイン2人の関係性がまだ薄かったりして、1巻だけで一気にハマった!っていう作品がかなり少ないんですよね。なんとなく惰性で追い続けたら段々魅力が分かってきてハマる、という流れが多かったんです。でも、これはもう1巻から続きが気になって仕方ない。
キャラ立ちも素晴らしいし、テンポも良く飽きさせず、所々にBL要素を匂わせな…
執事×主人は私の好みにぴったりで、且つよしなが先生の笑いと切なさが絶妙なバランスで詰まった作風ということで、とても楽しんで読めました。舞台や時代的に『ジェラールとジャック』に限りなく近い雰囲気ではありますが、壮大さやシリアス感はあちらの方が強いですね。こちらはもう少しライトに、フランス貴族の恋愛を描いています。
なんといってもページ数が多いので、執事のクロード、主人のアントワーヌ共に子供…
ソライモネ先生の絵のタッチと、バンドとの相性が抜群に良いのは予想していたけれど、実際に読んでみたら想像以上に素晴らしかったです。細部に至るまで線の縁に揺れがあって、それが手描き感を強調していてすごく素敵なんです。綺麗で滑らかな直線や曲線もけっして嫌いではないけれど、こういうタッチって本当に貴重なので、ますます先生のファンになりました。
展開はそこまでシリアスなシーンがあるわけでもなく、笑…
◆放課後エキセントリック(表題作)
お坊ちゃん育ちでいろんなものを制限されてきた結果、浮世離れしてしまい変人扱いされるようになった残念なイケメン・勅使河原。こういう奇特な設定でも、倫敦先生の手にかかれば宇宙人過ぎると感じさせることもなく、妙なリアリティと可愛げのあるキャラに仕立て上げられていて、さすがだなぁと思いました。
勅使河原は最後の最後まで淡々としていて、それが乱れるのは情事中の…
カテゴライズするなら日常系になるんでしょうけれど、時系列入り乱れるこの描き方は珍しくてとても新鮮でした。読みにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は好きですね。日付も入っているし、これはさっき読んだあのシーンの前後だな、というのは大体分かります。翻訳家の峰と、バス運転手の安城が恋人になるまでと、なってからの日々。これがまた、他の作品ではなかなか見ない、不思議な距離感なんですよ。甘々で…
2巻で自分の中の評価が一気に上がりました。前巻では2人の関係の始まり方にもやっとしてしまいハマりきれなかったのですが、一旦そこを受け入れてしまえば、2巻は共感できるシーンも多く、話の展開にとても引き込まれました。
甘さは終盤までほとんどなくて、万の苦悩にかなりページ数を割かれています。母が入院したことで、ホテルの管理、家事、入院費やお見舞い、弟の面倒などをすべて抱え込むことになってしまっ…