せっこさんのレビュー一覧

FLESH&BLOOD外伝3 王と夜啼鳥 小説

松岡なつき   

好きになんかなりたくなかったのに…

 歴史小説を読んでいるときに誰もが感ずるだろうジレンマがあると思う。
 それは、どんなに前半楽しく読んでいても、最後、主人公たちがどうなるか歴史的事実を知っていると、後半に行くにしたがってどんどん読むのが辛くなるということだ…

 司馬遼太郎の有名な『竜馬が行く』『燃えよ剣』など、私は後半、何度挫折したかわからない。登場人物に感情移入すればするほどラストの展開に向き合うことがキツクなってしま…

8

嘘みたいな話ですが 初回限定生産[嘘みたいなセットですが] CD

変態はお好き?

 原作既読

 惚れられて、ほだされて。
 ある意味、腰乃さんの王道パターンではありますが今回はその攻めである興津さん演ずる中村の変態っぷりが振り切っていて、たまらなく気持ちが良いです。
 野島裕史さん演ずる男らしすぎる北川の受けっぷりがカッコ良く。腰乃さん特有の大量のセリフをいとも簡単に抜群のリズム感で紡ぎだしていく手腕にうっとりします。
 興津さんの中村はもう、なんというかすごく優し…

8

ダブルミンツ CD

地獄に堕ちても欲しいひとがいる…奈落に落とすとわかっていても手放せないヤツがいる

 原作既読

 岸尾だいすけさんと野島裕史さんの演技がやはりダントツに素晴らしい。
 ダークな映像がありありとまぶたに浮かんでくるような、息遣い、台詞回し、間。
 ふたりの何とも言えない、胸に迫るような関係を見事に表現していて。
 良質なフィルムノワールを見ているような閉塞感にうっとりする。
 あっというまに終わってしまって、心地よい余韻の残る作品。

 トークでも話されている岸尾…

7

箱の中(文庫版) 小説

木原音瀬 

人間の醜さ、狡さ、弱さから目を背けず見つめる瞳とそこをえげつなく書きながら愛してくれる木原音瀬という救い。

 正直に告白します。
 私はディズニーランドが苦手です。もちろん素敵な夢の国だと認識しております。
 けれど、幸せそうな親子連れや素敵なカップルや元気いっぱいなキャラクターたちに囲まれたあの世界にいると「お前みたいな醜い、人間として汚れた人間の来るところじゃねえ!」と言われている気がして、居たたまれない気持ちになります。
 わかってます。ただの僻み根性です。

 勧善懲悪な物語が正直苦手…

29

天球儀の海 小説

尾上与一   

電車の中で滂沱。なのにページをめくる手を止められない

 待ちに待っていた、尾上さんの新作。
 ちるちるさんから本が届いた日、上京せねばならず後にしようかと思いましたが我慢できず、新幹線の中で読み始めました。
 相変わらずの不穏な始まりと、美しい情景描写に胸がときめきます。
 あとはもうこの作品の世界に没入していました。
 大宮駅について、ギリギリに気が付いて慌てて降りましたが。
 乗り換えで湘南新宿ラインの電車を待ちながら、彼らの佳境へ。

18

罪の褥も濡れる夜 清澗寺家シリーズ(4) CD

「愛してる」なんて言葉より、貴方の体温が欲しいのです。

原作既読。

 このCDを初めて聞いてから、一体何年の月日が過ぎたろう。
 その間、何度も何度も繰り返し聴いております。
 それほど価値のある作品だと私は確信しております。

 渾身の一作。
 遊佐さん、スゴイよ… 本当に頑張っていらっしゃる。
 多分あのニヒルな雰囲気の遊佐さんがご自分で「俺、すごく頑張った!」などと間違ってもお口に出されることは一生ないことだと思われます。
 …

14

言ノ葉ノ世界 CD

カノンが聴こえる

 原作既読。

 平川さんだから成立した役なのかもしれないと思った。
 でないと、あざとくなったり、わざとらしくなったり。
 しかし平川さん演じる藤野というキャラクターの持つ、仮原しか聞こえないカノンが、私たちにも心地よくきこえてくる。
 その旋律の美しさ、眩しさに仮原と同じように癒されてくる。

 自分を偽らないからこそ他人が見えてくる藤野と、他人がよく見えすぎる(聞こえすぎる)か…

7

彼岸の赤 小説

尾上与一  コウキ。 

BL版 仏教のすすめ 入門編 ~縁と業~

 坊さんには一切萌えを感じないもので、最初はためらっていたのですが、『二月病』があまりにも素晴らしかったので、勇気を持って読み始めましたら。

 夢中になりました。大変面白かったです。仏教の教えが大変わかりやすく書いてあり、しかも登場人物たちのありようがまさに深く仏教的なのです。

 「恋慈って変な名前だなあ…」って思っていましたら、その謎が彼の生い立ちによってわかり。恋慈が幸久を一見誤解…

5

二月病 小説

尾上与一  黒沢要 

待望の大型新人、ついに登場!!

 「この作品を書くために小説家になった。」という言葉を時々目にしますが、一作目にして、この作者のこの作品への熱い思いが全編から感じられ。

 読後は、「久しぶりにいい小説よんだなあ…」という充足感でいっぱいになりました。
 五條瑛さんの『プラチナビーズ』の雰囲気が少しあります。
 BL小説というよりはJUNE小説に近い気がします。
 だからなんでしょうか。新作なのに懐かしく。けれど、今ま…

5

キャッスルマンゴー 1 コミック

木原音瀬  小椋ムク 

行ってみたいな。キャッスルマンゴー

素晴らしいコラボ作品だと思う。
よく考えると結構ハードな話なんだけれども、小椋さんの絵がそれを緩和して、柔らかい暖かい雰囲気に仕上げていています。
 主役の二人の表情から人が恋に落ちる瞬間がよくわかる。
 また、脇キャラの造形もしっかりしているので、一人ひとりが愛おしくて、とても立体的なストーリーになっている。ホテルキャッスルマンゴー内の描写が素敵で一度行ってみたいなあと思う。他の部屋も見て…

8
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