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表題作最後の三月

仁井(ニイ)
藤野

同時収録作品ぐるぐるトランキライザー

康平(大学生)
晴行(ハル、大学生)

同時収録作品あなたに届く声

遠野(先輩)
高槻(後輩)

同時収録作品満つる月の下

先生(書の師匠)
恒見(弟子)

同時収録作品うつしみの手

吾妻亮太
織田

同時収録作品欠けた鎖

洋介
中津瑛

同時収録作品窓辺で朝食 / ホーム・スイートホーム

金江(大学1年生)
戸田(大学の先輩)

あらすじ

何かを望んでる訳じゃなくて
何かを失くすことなんて考えもしなくて
ずっと──
ずっと今のままの毎日が続くと思ってた──

島から出るには、
それなりに学力と資金が必要な状況。
島高の補欠も危ぶまれる成績の仁井(にい)は、
ちょっと気になる存在の藤野(ふじの)と共に
浜谷(はまたに)から勉強を教わることに。
そんな中、
藤野は島外の高校に進学するという噂が──?

中編の表題作含む全8作品の掌編集。
19号の世界が、再び染みいってゆく──。
出版社より

作品情報

作品名
最後の三月
著者
つくも号 
媒体
漫画(コミック)
出版社
松文館
レーベル
ダイヤモンドコミックス
発売日
ISBN
9784790121312
3.7

(40)

(15)

萌々

(7)

(12)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
13
得点
142
評価数
40
平均
3.7 / 5
神率
37.5%

レビュー投稿数13

さりげなく、距離感

前作から、又作風が静謐な方向に
進化している印象があります。
Hな部分にしても性行為の為の性行為
ではなく、会話の延長としての繋がりと
言う感じです。無論一方通行の会話も
その中にはある訳で、その点も静かに
描かれていますが。

耽美ほど閉鎖的ではなく、そして時に
息遣いが聞こえる程に猥雑。
実に深い味わいでした。

7

表題作が切ない、そして学ランはいいものだー

1冊目の単行本「センチメンタルな刻」では思いっきりショタでしたが、今回はリーマンから学ラン、大学生と年齢度は前作に比べればかなり高め、とは言え、やはりつくも号さんといえばショタ!今回はショタと断言出きる程のショタではないですが学ラン少年はやはりショタだと思う。
表紙のカラー、学ランに桜はよく似合う!

以前はモロにデジタル使い過ぎの感があったのですが、今作ではそれが無くなってデジタルは使ってますが使い過ぎ感は無く、絵柄がいい具合に落ち着いてます。
あとショタスキーには堪らない鼻や頬のヨゴヨゴ線が~~~!!このヨゴヨゴ線が萌えなのですぞ!

表題作他短編集。
どの作品も良いんですがやはり表題作が群を抜いて凄く良い、ですね。
この話があったので神評価としました、島に住む中学生同士の話で、切なくてそして好きだから強姦してしまうのだけれど、けれど王道の様にそのまま想いが通じ合うなんて事は無くて。
彼の見る夢の表現力、そして最後に桜の花が咲く道を歩いて行く学生服の少年の後姿。
そう、もう同じ場所には戻れないのです、彼らは、もう。

7

つくも号さんの大人カプモノ

こちらはショタは表題の1作のみで、あとは大学生とかリーマンとかが主人公の大人メインの短編集です。

つくも号さんの描かれる大人はどことなく井上佐藤さんと近しくて、顔そのものに色気がありますね。
いわゆるBL絵じゃなくて、少女マンガ的でもないし、男性向けともまた違うし、こういう絵柄好きです。

7カップル8作品入っていますが、お気に入りは中でも群を抜いて暗くて痛くてイビツな愛の形を描いた『欠けた鎖』
DVモノです。
間違いなく好き嫌いが分かれると思いますが、今回一気読みした3冊の中で私はこれが一番良かった。
受けてる側の瑛がとにかくタフで、ヘラヘラせず、逃げもせず、覚悟を決めてDV彼氏の洋介に寄り添おうとしているのが良かった。
DVがダメなことくらいは百も承知ですが、もし恋人がそうなってしまった時、瑛の向き合い方と温もりは洋介に多少なりとも救いをもたらせはしまいかと。
ただ現実的にはこんな風にタフで居続けることはきっと無理だろうなぁ。。

もうひとつ好みなのが、文学的なエロスと美しさが漂う『満つる月の下』
書の先生とお弟子さんのお話です。
男性の着物姿は良いものですな。

逆に他のレビュアー様方の評価が高い表題作の『最後の三月』は、若さゆえの衝動で済ませて良いものとは到底思えず、私はダメでした。
いじめと一緒ですよね…
やった方はこの主人公のように、苦々しさは残れどやがて日常に戻っていくんでしょう。
でもやられた方はそうじゃないでしょう。消したくても消えない記憶として心に深い傷を付けたまま大人になるしかないのですよ…

こちらのレビューでこの作家様が男性だと知って、色々腑に落ちた感があります。
ショタの方は特にBLのショタモノとは趣が違っていましたが、登場人物の年齢が上がっても、やはりどこか女性が萌えを込めて描くモノとは違う味わいがあります。

3

珠玉の短編集

大学の研究室にあったので読んでみました。その際、係の方から「つくもさんは本物のゲイなんだよ〜!女性作家が描くBLとはまたひと味違うかもしれないから楽しんで!」と言われ、わくわくしながら読みました。

結論から言うと、女性作家さんの描かれるBLとの違いは感じられませんでしたが。。。最っ高でした!!!
ここ最近エロを読んでなかったこともあり「ひゃ〜〜〜〜;///; エロい〜〜〜〜!」別に変なプレイをしているわけではないんです。普通に致しているだけなのですが、私的に絵柄がとても好みだったこともあり、もう、つくも号さんの描かれるエロにハマってしまいました。
以下、特に好きだった作品の感想です↓

『ぐるぐるトランキライザー』
お友達から一線を越えてしまう瞬間のBLが大好きなので、大興奮しました。風邪をひいて素直に想いを伝えてしまう(でもちょっとツン)ハルの可愛さと言ったら…もともとお互い両想いだったこともあり男同士だから云々の駆け引きもなくH突入でしたが、そのスピード感も嫌いじゃない。

『窓辺で朝食』
初エッチで鼻血出してしまった金江君が可愛過ぎてこっちが鼻血出しそうでした。童貞攻め最高です。次の作品もこのお話の続きなのですが、えっちしたくて食事中もムラムラしちゃう金江くん…それを甘やかす先輩…大型犬わんこ×飼い主の様◎

『最後の三月』
登場人物がみんな黒髪キャラで区別が難しかったです笑 
それでも十分楽しませていただきました。最後、ハッピーエンドじゃないところが「あぁ…」となりましたが…これの続きどっかに落ちてないですかね。
ニィ君の夢のシーン、痛々しいけど大好きです。あと初めてなのにいきなり5回って。男子高校生すごいっ。

2

短編集だが、しかし深い。

ショタ地雷で何となく避けていたつくも号さん。しかし腐姉さま方のレビューを拝見して手に取ってみたら、何ともまあ、非常に良かった。

さてさて感想を。

「ぐるぐるトランキライザー」
片思いだと思っていたら両想いだった、というある意味王道なストーリーでした。
攻めの子の片側だけつけているピアスでチャラ男なんだよ~(イヤ、実際はチャラ男ではないのだけれど)という表現や、受けの子の切ない片思いが、表情や仕草で端的に表せるって凄いなあ、と。
最後の受けの子の嫉妬心も良し。「自分のものだ」っていうね、彼の想いがよくよく伝わってきました。

「あなたに届く声」
無口だけれど優しい先輩に、健気な後輩。非常にツボな組み合わせでした。
しかし、あの流れで事をイタすのはいかがなものか、とも思いましたけども。まあ、それだけ相手を欲していたってことなんでしょうかね。

「満つる月の下」
書道家×弟子。
読み始めたときは攻めと受けが反対だとばかり思っていながら読み進めていたので、おお、そっち?と思ったりもしました。
直接的な表現は少なく、また言葉も少ないですが、お互いに対する愛情や想いがにじみ出ている作品でした。

「うつしみの手」
わんこな攻めにトラウマ持ちの受け。これも良かった。
受けの気持ちを尊重して、ことを急がないわんこが漢でした。

「欠けた鎖」
DVもの、なんですけどね、すごく深かった。
暴力を受けている受けの子が、ストックホルム症候群なんじゃないの?とか、典型的なDV男とその被害者、という関係なのかな、と思ったのですが全然違いました。暴力を振っている方の彼の過去に何があったのか、そこまで描かれていないところがまたニクイというか。
DVは個人的に許し難い行為ではあるのですが、彼らでしか相手を癒すことができない、そんな関係に純愛を感じました。

「窓辺で朝食」「ホーム・スイート・ホーム」
大学受験の時に出会った、同じ大学の後輩×先輩CP。
受けの子の、切ない恋心にキュンときました。バカップルと言えばバカップルなのですが、可愛らしい二人にほのぼのしてしまいました。

「最後の三月」
凄く良かった。
この年頃ならではの悩みとか。
恋心が、体に直結した相手への欲情とか。
最後がこういう終わり方っていうのも斬新だなあと。

つくも号さんの魅力って、心のバランスの危うさだと思うんですよね。心と体の抑えが自分でも効かない危うさがあって、だからショタのような子どもだと余計にそれが顕著に表れるっていうか。画力も凄いので、深いところまで読み取れる。
だから半面、読んでてちょっとハラハラする。そして最後の何とも曖昧な感じがまた良い。
その後の彼らが、どんなふうに過ごしていくのか、どんな関係になるのか、そこは読み手の創造力や好みで補完してね、っ言われてる気がします。

そしてあのシモの描き方がねえ、リアルなんですよ。今なら規制に引っ掛かるんじゃないかなと思うのですが、それがまたよかったです。

2

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