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表題作むくわれたいな。

小田篤杜,従兄弟の高校の音楽非常勤講師
水村辰彦,人見知りでヘタレな高校生

その他の収録作品

  • いとこ同士は鴨の味
  • 清田くんもむくわれたい。(描き下ろし)
  • そして、まったり。(描き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

辰彦が落ち込んだときにいつも優しい優しいピアノを弾いてくれる従兄弟の篤杜。好きになってしまったけど、篤杜は従兄弟で教師で・・・!?
(出版社より)

作品情報

作品名
むくわれたいな。
著者
平喜多ゆや 
作画
平喜多ゆや 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション
発売日
ISBN
9784344821095
3.8

(33)

(12)

萌々

(11)

(6)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
124
評価数
33
平均
3.8 / 5
神率
36.4%

レビュー投稿数7

優しく奏でる小さな恋のメロディ

※あてんしょん※
結構ネタバレしてるのでご注意をww

先生ばかり好きになっては失恋している人見知りな辰彦と、そんな彼の良き相談相手でもあり恋に破れるたび優しいピアノで心を癒やしてきた従兄弟で音楽教師の篤杜。
昔から傍に居るのが当たり前で、好きだと自覚してからもなかなか口に出せなくて…すれ違ったり、葛藤したり。
お互いの気持ちが分かるだけに焦れったくもあるんですが、でもその分ゆるやかに変化を遂げていく2人の関係がじっくり丁寧に綴られていて…ホントもう何てゆうか…私的に名シーンが盛り沢山で最初から最後までキュンキュンさせられ放しでしたっ!

人付き合いの苦手な辰彦は今まで一度も恋が成就したことがない。いい加減報われたいとボヤく彼に対し、早い段階で自覚のあった篤杜にとってこの一言は相当のダメージがあったはず。なのに自分の気持ちを押し殺し「辰彦を好きな人はきっと近くにいる」と励ます篤杜の一途さにまずはキュン!そんな時、篤杜を優しい従兄弟のお兄ちゃんだと思っていた辰彦の心に微妙な変化が。他の生徒から語られる自分の知らない篤杜の姿にもやもやしてた所へ、急接近してきたクラスメート・清田の思いがけない言葉で一気にその気持ちが何なのかを覚醒する訳ですが…清田に抱きしめられた所を篤杜に見られ、テンパる辰彦の気持ちにまたしてもキュ~ン!そのせいで骨折した辰彦の面倒を見ると申し出た篤杜の切なすぎる本音と苦悩にもキュンキュ~ン!!
そして、なんと言っても今回一番ボルテージの上がった名キュン場面と言えば、やぱ2人の告白シーンをおいて他にはないす!
寝てる篤杜にそっと囁く「好き」の2文字。突然目を覚ました彼に動揺し、逃げ出した辰彦を捕まえ篤杜が取った行動は……
高鳴る自分の鼓動を聞かせ、今までずっと言えなかった言葉を告げる事でした。
―愛してる、と。

もう!たまらんですっ!
長かった2人の想いが…気持ちがようやく重なり報われた瞬間でした!!
もう、すごい好きです、この2人。
ここまでキャラに入れ込んだの、久々かもww

この後、Hになだれ込みそうになりますが結局辰彦が卒業するまではチューで我慢という事で終盤までおあずけです(笑
うん、でも、それでいいww
Hは少なくとも私はそれ以外で充分萌えさせて頂いた!

あまりレビュー出来てませんが←ダメじゃんw
読んだあと、心がほんわか温かくなれるのは間違いナシです!
ゼヒ癒やされてみて下さい~

2

むくわれていますw

ハピエンじゃないと消化不良になってしまうのは勿論ですが、
こちらの作品は読後とてつもなく優しい気持ちになれます。

私は普段、BLにほのぼのを求めないんですが
平喜多さんの作風は、本当にほのぼの…♪
絵柄もセリフも、優しさに満ち溢れています。
宮城ご出身の宮城でお育ち、っていうのが表れているのかもしれません。
…お赤飯は初めてHした時にでも食べるものじゃないはずですがw
宮城のお赤飯も甘いのかな?
私の地方では甘いです。
ごま塩オンリーが普通の方々はきっとびっくりするかも!

それはさておき、
担任と生徒ではないけれど、先生と生徒であり
仲良しのいとこ同士の関係が
壊れてしまうけど、また新しい何かが始まる、
甘酸っぱい感じが素敵でした♪
あと、ピアノ弾ける男性って、やっぱりいいなーなんて。
それプラス、篤杜の大人の忍耐力には脱帽です。
ずっと惚れてる辰彦を高校生だからといって抱かずにいられるなんて!
辰彦も「あっちゃんをイケナイ教師にするわけにはいかない」
と思うんですけど。
可愛らしいなぁ。

えっちいシーンが少ないのですが
愛に溢れていて幸せな気持ちになれました!

もう、平喜多さんは作家買い決定。

4

むくわれたいのは誰?

いつも先生を好きになっては失恋してる高校生の辰彦と、そんな辰彦を子供の頃から見守っていた従兄の篤杜の、むくわれたい恋のお話です。

辰彦がいつも失恋した時や悲しい時に慰めてくれたのは、従兄の篤杜でした。そんな篤杜は、辰彦の高校の教師をしています。
そんなある日、辰彦は友達に、篤杜が眠っている辰彦にキスしていたんじゃないかと言ってくるのです。その様子を想像してから、篤杜を意識するようになる辰彦。

じれったい程ゆっくり進む関係に萌えます。ところどころで見える、辰彦への篤杜の切ない気持ちが伝わってきて、読んでて切なくなります。苦しい胸の内を姉ちゃんに相談してる場面では、本当に辛いんだろうな~と。無事に結ばれた時には、一緒に嬉しくなります。

一番むくわれたかったのは、長年片思いしてた篤杜だったんだろうな~と思います。篤杜の溺愛と葛藤にキュンキュンできる1冊です。
どこかで、辰彦に失恋した友達の清田くんもむくわれててほしいな~と思います。

1

ふわっと優しい気持ちになれるから好き

まるまる一冊同じカプ(いとこ同士)を描いたお話です。

ほわっとした平喜多さんらしい絵柄にあったほのぼのかつ、丁寧に気持ちが綴られているお話です。
幼い頃の辰彦を慰めるために、「辰彦が泣き止んでまた元気に学校へいけますように」とピアノを弾いて頭を撫で撫でしてくれた従兄弟のあっちゃん。
先生フェチでいろんな先生に恋をしては告白する勇気もなく失恋してばかりの辰彦が「いい加減報われたい。好きなひとに好きになってもらえっかな。」と呟くんだけど、それを聞いて「いつまでもシャイで傷心な辰彦にすてきな恋が訪れますように」とピアノを弾きながら昔と同様に慰めてくれる。
これが何ともほわっと陽だまりのような暖かさに満ちていて、それだけであっちゃんへの好感度増し増し。

あっちゃんは昔から辰彦の事が好き。だけど自分の気持ちはいつも後回し。
そんなあっちゃんが「両思いになれるかは別として 辰彦のこと好きって思ってる人 きっと近くにいると思うぞ。」と言う…切ない。辰彦には「なんだよそれ」と一蹴されちゃうのだけど。

「いい加減報われたい」とこぼしていたのは辰彦だけど、辰彦のそれまでの恋って先生に対する憧れが入り混じったようなふわふわ淡いもので実に子どもっぽいもの。
「むくわれたいな」と願い続けてきたのは間違いなくあっちゃんで、だけど「いとこのあっちゃん」であり続けなくてはいけないと自制していた彼が聞かせた心臓の鼓動、そして「愛してる」という言葉。
思いが通じ合うシーンとして、すごく好きです。

辰彦の事が好きだという清田くん、小田先生に告白しようとした女子学生、西森先生と元教え子だという奥様、いろんな恋が登場して全てむくわれるわけじゃないけれど出てくる人がみな心優しくて読んでてあったかい気分になります。

【いとこ同士は鴨の味】は攻め・あっちゃん視点で綴られていてどれだけ辰彦を愛おしく、欲しているのかが伝わってきて好き。

1

隅々まで癒される優しいふたり

はあああああ。
好き。

平喜多さんの作品を読むとどうしてこんなにも穏やかな気持ちになれるのでしょうか。

いとこ同士。
同性同士。
学校の先生と生徒。

困難しかないふたりなのに、焦れたり辛くなったり苦しくなり過ぎたりすることなく、穏やかな気持ちで読み進められるのは、まさに人物描写の匠・平喜多ゆや先生ならではのマジックだと思うのです。

当て馬的存在も出てきます。
ただその子たちも優しい。
そして何よりもポイントが高いのは「大人である篤杜の気持ちと覚悟が揺るぎない」ということでしょうか。
自分の気持ちを受け入れることに悩まない、自分のスタンスに迷いがない。
BLで何が焦れるって、自分の気持ちに気付いた登場人物がその気持ちを否定したり、相手も同じ気持ちだと分かったら2人分の気持ちを否定したりという「気持ちの否定」ではないでしょうか。
それが良いスパイスになる作品もあるけれど、平喜多さんの場合は既に作画で作り上げられたほんわかした温かい雰囲気の影響が大きいのでそういうスパイスは似合わない気がします。
そしておそらく平喜多さん自身もそれをご存知で、そういう方向には進まない。
焦れない、だがそれがいい。

そんなわけで年の離れたいとこ同士のふたりが結ばれるまでを描いた本作。
現在進行形の時間軸の中に辰彦が生まれたときからの回想や、幼いときの出来事が絶妙に組み込まれていて、篤杜にとって辰彦がどういう存在か、辰彦にとっても篤杜がどれだけ大きな存在かがしっかり伝わってくるので、まるで昔からよく知っている2人の話を読んでいるような気分になります。
完全に身内目線、もはや篤杜の姉目線です。

きっと平喜多さんの作画じゃなかったら、同じ気持ちでは読めなかったと思うのです。
辰彦はぼんやりして見開いてなくても大きな目で、ちょっと下膨れで背も小さくて、ショタというほどではないけれど幼い印象があって、篤杜は「学校マジック」で一部のJKを虜にしそうなレベルの、一般社会だったら10人並みを少し上回るくらいのビジュアル。
「ふつうにいたら目を引くタイプではない」2人です。
ショタジャンルの作家さんが描いたら、辰彦は「学校中の女子より可愛い」キラキラしたお姫さまになってしまって、無垢な幼さよりあざとさが前面に出てしまうだろうし、イケメンは誰が見てもイケメンに見える作家さんが描いたら、篤杜は学校中の教師や生徒、父兄にまで狙われる魔性の教師になってしまって、「生まれたときから辰彦が大切」というブレない軸が周囲に掻き消されてしまう気がします。さらに「誰もが惚れる王子に幼少期から選ばれ、愛されている受け」という不要な付加価値までついてしまう。そういう特別感はいらない作品なのです。どこにでもいそうなひとたちが、真剣に恋をする。それがいいのです。
辰彦はぽやぽやしていても現代っ子っぽい言葉遣いはするし、これまでに何度も報われない恋をしてきているので決して完全に「おぼこい子」ではないのですが、この作画だからこそのほんわかあったかい雰囲気が本当に良いです。

毎度のことながら長くなりましたが。
本編は基本的に辰彦目線ではあるけれど、篤杜目線も混じっていて、過不足なく2人の気持ちを知ることができます。
さらに描き下ろしで篤杜の気持ちをよりじっくりと堪能できるので、溺愛系攻めが好きな方にはたまらない構成に仕上がっています。
そして当て馬風だった清田くんも描き下ろしで匂わせ救済までしてくれて、最後は大学生になった辰彦まで登場するという、大盤振る舞いないとこもの。
まだ読んでいない方は、ぜひ親戚目線でお楽しみください。

0

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