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表題作略奪者の弓

石堂颯 弓道家元の隠し子? 19才
神宮尊 弓道家元の養子で後継者 19才

あらすじ

僕の弓は誰にも負けない――弓道家元に養子入りし、後継者として身を捧げてきた尊(みこと)は、ある日、石堂颯(いしどうそう)と名乗る青年と出会う。人なつこく飄々としながらも、颯は、自分こそが家元の血を引く正当な後継者だと宣言! しかも、愕然とする尊に「俺が本当に欲しいのはおまえだ」と告げてきた!! 地位も将来も奪ったくせに、僕まで手に入れようというのか――颯という名の嵐に運命が動き出す!!

(出版社より)

作品情報

作品名
略奪者の弓
著者
春原いずみ 
イラスト
Ciel 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199006678
2.2

(4)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
6
評価数
4
平均
2.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

そうきたか!

弓道の宗家を舞台にしたお話ですが、最初まるでお姫様のような世間知らずの主人公と、主人公命の世話役、そしてまるで正反対の男、冷徹な宗家という登場人物展開に、前半イライラさせられ、中盤やっぱりそうきたかと思わせ、終盤こういう選択肢を選んだか!
と、読んでいると幾タイプにもお話がつくれそうな前哨展開が、ユニークな作品だったと思います。
結局のところ、恋愛というよりは主人公の成長物語。
そして、年寄りだけに宗家のたぬきじじぃ?狐じじぃ?具合に、こいつ喰えん奴や!とちょい腹が立ったりしたのでしたw

自分には弓道やアーチェリーなどの萌えはなかったりするのですが、主人公が長髪を一つにまとめ、弓を射る姿。
若いのに時代が戻ったような年寄りくさいというか侍か殿さまみたいなちょっとした時代錯誤感のある設定は、ベタなんですが、イメージしやすく弓道の定番ではないかな?とふと思いました。

宗家の跡取りになるべく、7歳で親元を引き離され血の繋がらない宗家の孫として、跡取りとして厳しく育てられてきた主人公・尊(みこと)
だた弓道だけが生活だった彼が、突然現れた宗家の実子だという自分と同い年の青年・颯により、宗家の跡継ぎを解消され、自分の存在理由がなくなってしまったと苦しむのです。
そこへ温かい手を差し伸べたのは、家に来た時からずっと側について自分を見守り付き添ってくれていた成瀬。
彼の愛に、救われる尊ですが、彼を自分のモノにしたいと颯が現れ、尊と弓の試合をして彼を手に入れるのです。

かなりご都合な部分もあり、あれだけショックを受けていた尊の立ち直りが早い気もしないでもないが、単に颯によって立ち直っただけではなく、弓意外の世界を見、そして自分の知らなかった事情を知り、というその上で彼に悩ませ選ばせているので、自らが選択するという部分は、ただのお姫様でないと、好感が持てました。

それにしても一番腹立つのはじいさんですよ!!
あれだけ尊には厳しくしているのに、いくら事情があるからとはいえ、颯への態度は全然違うでないですか!
尊も一発なぐっていいよ、とさえ思ったものでwwww
これは続きになるんでしょうかね?
若い二人は流派を革新するんでしょうか?
古きと新しきのせめぎ合いな物語でもありました。

1

悩める受け様の秘められた強さ

弓道家元を巡る跡継ぎお家騒動を背景に、三角関係のようなラブストーリーと
受け様を巡っての長年の片思いから、逆に受け様を追い詰める形になってしまった
二人の攻め様のそれぞれの思いと後悔が入り乱れるようなお話でした。

タイトルの略奪者は家元の隠し子である攻め様の事だと思うのですが傲岸不遜な
攻め様なのですが、一途に受け様に片思いしてる健気な面も持っているのです。
受け様は子供のいない家元の後継者として育てられた養子ですが、繊細な美貌を
持ちながらも、次期家元としての弓の名手でもあり、家元になるべくして育てられ
それ以外は家元の高弟子である成瀬に、なにから何まで面倒を見てもらっていたような
箱入りな昔の若様みたいな感じでお世話されている。

しかし、20才に次期後継者としてお披露目が決まっていた時に、家元の隠し子が現れ
受け様の後継者としての立場が白紙になってしまう。
受け様は精神的にショックを受け、行くあてのない受け様は世話役の成瀬に連れられ
彼のマンションへ身を寄せ、そこで長年の思いを告白され関係を持ってしまう。
後継者としてはいらないと家元に言われた事で、自分には何の価値も無いとの思いから
求められ愛されている事に流されるように成瀬の気持ちを受け入れてしまう受け様。

しかし、家元の隠し子である攻め様から、立場を奪われ、追い打ちをかけるように
本当の目的は受け様自身だと言われ、無理やり関係を・・・
攻め様はただ、受け様が欲しかったと、それ以外はいらないと・・・

でも、攻め様と世話役の成瀬には、受け様の知らない関係があり、今回の騒動の陰に
隠された秘密が有る事を知ってしまう受け様は、二人の前から姿を消してしまう。

最終的には、家元がどうなるかは決まらないままで終わる話で、一応ハッピーな
展開ではあるのですが、ラブ的な部分が何となく、すっきりしない感じかも。
受け様の弓に対する覚悟が攻め様たちとの恋愛よりも強い感じがするようなラストです。
受け様の秘められた強さが、今回の騒動で確実に増し、受け様の成長を感じさせるような
ラストになっていました。
まぁ、個人的にはあまり感じ入る事が出来なかったお話です。

2

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