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ヤクザやホストが出てくるのに、みんな可愛くてみんな良い人。ほのぼのとした素敵な人情ものでした。
モチメ子さんの絵は、ぱっと見そんなにうまくないように見えて、すごくお上手だなといつも思います。
キャラの描き分けがしっかりしてる。体格や頭の大きさ手足の長さも一人ひとり違う。なにを当たり前なと思われるかもしれませんが、こういう描き分けがあまりない方もいらっしゃいますよね。
中でも注目すべきは手の甲!ギスギスに痩せてる五十嵐は手の甲も骨ばってる。会長も年齢的に筋張ってる。
こういう細かい描き分けが素晴らしいいいい。
今回は会長がいるおかげで、カッコイイお年寄りもうまい!ということがわかり、惚れ惚れしておりました。
若い人に皺を足せばいいってもんじゃないんだ!肌のたるみ、目の回りや頬の窪み、うまい!うまいな~…。
でもって、会長は若いころすごく良い男だったんだろうか、それとも年取ってかっこ良くなった男なんだろうかと、しみじみ思い巡らずのでした。一向に頁が捲れず先に進まんぞ。
子供の頃に親に先立たれ、おそらく里親を転々としたか施設に入ってたかで荒んで極道になったつかさと、同じような境遇ではあるけども、その場凌ぎの生き方をした挙句ホストになった康介。
親から引き離され、縁あって会長の元に来た幼い礼子。
ヤクザを引退して新たに農園経営の道を進む会長と、会長を慕う石田と尾美。
その手助けをする、大学生でほわっとした森川。
会長がやるからにはきっと裏があると踏み、農業に金の匂いを辿ろうとする現役ヤクザの五十嵐。
数奇な出会いがあれば、いつか訪れる別れもある。その中には、いろんな愛の形があるということを学ぶそれぞれの登場人物たち。
その中でも、五十嵐と森川の進行具合にとてもドキドキさせられ、キスまでいかなくても別にいいやという気持ちに…は、やっぱならないんだな(笑)ぜひともこのあとの話を!プリーズ!!
会長にしろ五十嵐にしろ、ヤクザらしい凄みや貫禄もしっかりあって、それなのにほのぼのゆったりしたモチメ子さんらしい作品ってとこが、なによりこの作品の素晴らしいところでした。
モチメ子さん、しばらく漫画はお休みされるということで、とても残念です。
いつか五十嵐たちと主役カップルの康介とつかさのお話を、今度こそBLで読ませて頂けたらいいなあ。
そんな日を心待ちにしています。
作家買いの予約通販だったので、届いて表紙を見た瞬間、いかつさにとても驚きました。
雰囲気も今までの作品とは少し違いました。
今までは、ふわふわ可愛くてときどき唐突に下ネタ、疲れたとき何も考えずに読めるBL、というイメージだったんですが、
今回はお話も絵もかなりしっかりしていて、漫画を読んでいるという充実感がありました。
まる一冊ひとつのお話だったこともあり、読みごたえがありました。
BL要素は非常に薄く、匂わせる程度で終わっています。
でも二人が距離を縮めていく基盤が描かれているので、これからゆっくり進展していくんだろうなーと幸せな余韻が残りました。
もう少し先まで見たい気もしますが、この一冊の中で急に進展してしまうより良かったです。
面白かったです!
はっきりした恋愛の描写はないんですが、恋愛に発展しそうなカップルが2組登場します。
主人公がホストとヤクザという、ほのぼのとした雰囲気からは程遠い所にいそうな人たちなんですが、そういう人たちが血の繋がりはないのに家族としてお互いを大事にしている集まりがお話の舞台です。
正確に言うと組を引退した会長とその会長に付いていった舎弟たちを中心にしているのですが、この会長が義理と人情に篤い人なんです。
そしてこの会長が田舎で農業を始めるという、ちょっと変わったストーリー。
恋愛に発展するかな?と思わせる2組のカップルというのは片方がヤクザ(あるいは元ヤクザ)なんですが、お相手が一般人。
裏稼業の人達はいずれもその道ではやり手なんですが、硬派な感じでツンデレというか、なかなか自分の気持ちを認めていない所があって、それが却って可愛いです。
お相手の一般人は2人とも天然が入ってる感じなんですが、どちらのカップル(と言っていいのかどうか分かりませんが)もそれぞれ色が違って、私は両方のカップルにかなり萌を感じました。
恋人らしいことは全く何もしていないのですが、こんなにもキュンとするのがモチメ子さんの作品の不思議と言うか、魅力だと思います。
子持ちBLが苦手で、ヤクザBLも大変苦手なのに面白い。すごい。
モチメ子先生、絵も上手いんですよ。案外そこ取り上げられない気がして言っておきたかった。幅広い年齢層や体格の人がしっかり描けるうまさなんです。この作品の本編中にも会長の台詞で出てきますが、"いろんな考え方の人"も描けるんです。好き。
ボーイズ(男性)がラブしてるかというと、その何歩も手前ではある。森川くん(大学で燃料の研究してる)と五十嵐さん(インテリヤクザ)の空気感も、ラブではありつつ、いわゆるBLまで到達してない感じで。キスも何もない。
けど、良いんですよね。とにかく良い。一般漫画に少々BLエッセンスな趣。読んでて面白いのが何よりなことですから、十分満足です。
ヤクザやホストが出てくるのに、何故かほのぼのしちゃうあったか愛情いっぱいのお話。
ヤクザやホストと言っても元が付くけれど、現役のヤクザさんが出てくるけれど、
そんなヤクザさんまで大学で農業研究してる一般人に匂い系、これはそれ以上になるな
なんて思わせる内容もあり、メインはなんと言っても借金で追われ、自分の娘だと
知らないで元ヤクザの会長に身代金を要求するお間抜けな実父。
どんだけおバカなんだと思える言動と行動、でもどこか憎めないホストあがりの男。
過去に付き合っていた相手がヤクザの愛人で彼女に逃げろと言われ逃げたけれど、
まさか、その彼女に子供がいたなんて知らかったけれど、それが縁で元ヤクザの会長に
拾われ、借金分、会長が引退して始めると言う、農業の労働者として田舎暮らし。
初めは逃げる事しか考えていなかったが、次第に元ヤクザの皆さんと暮らし、
そこで初めて大事な者を自覚して、ちゃらんぽらんな生き方を変えるような内容です。
BL的な恋愛も雰囲気はありますが、親の愛情や、それぞれの友情、敬愛、信愛。
様々な愛の形がこの1冊にさり気なく詰まっている感じで、あったかい感じの作品です。