【電子限定版】【イラスト入り】
めちゃくちゃ面白かった!
「愛淫堕ち」と言うタイトルから、平凡な主人公が893の若頭の手腕により、メロメロのデロデロにメス堕ち調教されるお話かと思いきや……!
いや、メス堕ち調教はされるんだけど(笑)
まさかまさかの、受けの芯の強さにより攻めがメロメロに堕ちるお話だったとは……‼︎
芯の強い、漢前な受けで凄く良かったです。聡カッコいいぞ!
序盤は平凡な大学生かと思いきや、お話が進むにつれて「ん?この子、実はヤバいのでは??」と、聡の強さが顕れてくるんですよね。
単純に「強い」んじゃなくて、最早捨てる物が無くなって「無敵」な人になると言うか……笑
とにかく、健一への執着心が強すぎます
しかし、受けの潜在的な執着心や愛着心を顕在させたのは攻めって言う関係性(無自覚)。めっちゃ好き
一方の健一は、屈強な男かと思いきや、心優しくて精神的に弱くて脆い。思考は至って普通の人なんですよね
出来の良い兄のコピーとして雁字搦めな青春を送ってきたミチハルが、ただの〝ミチハル〟として生きられた時間が、幼い頃の聡との時間な訳で。
かつて虐待されていた聡を守った思い出に縋って、今も生きています。
しかも、誰よりも聡の幸せを願っていて……
それが、自分と再会した事で聡が893と繋がりを持ってしまう=不幸せになってしまう…と。
心の拠り所にしていた聡を手放したく無いのに、聡の幸せを思えば側にいるべきでは無い…とグルグル悩んでいる間に決定的な事件が起きて、ついに聡を手放してしまうんです。
聡の意思を確認せず、「俺が離れる事が聡にとっての幸せだ」と信じて。
一見、聡への優しさに見える行動ですが、聡にとっては身勝手で残酷極まりない決断な訳で……
大人の勝手に翻弄され続けてきた聡が、ついに覚醒
いやーーー…めっっっっっっっちゃ爽快でした
平凡そうに見えて、実は爆弾を抱えてる受け。めちゃくちゃ良いです。
そんな聡の大胆な行動に、ついに健一も陥落してしまう…って言うね(◜ω◝)ニコッ
優しさ故に、(今も昔も)聡の真っ直ぐな感情から逃げていた健一に対して放った、聡のセリフ。
——俺が変えたかったのは、ミチ兄の人生だ
聡の覚悟が顕れていて、めちゃくちゃカッコ良かったです。しかも、幼い頃からだなんて……!
最高の下剋上をありがとうございます!!!!
漢前女房の尻に敷かれる男前。堪らないですね♡
大学生の聡。真面目で優しい。
バイト先の同僚に頼まれて保証人になっただと?!
アホちゃうか!(まぁ王道w)
そこからヤクザに拉致られ、強姦されて輪姦されて、売り飛ばされる…はずが、味見をした若頭がそのまま囲ってしまう、という王道。のハズが、どうもそれだけじゃなく深い話に。
実は二人は聡が幼い頃に出会っていて、危ういバランスで成り立っていた関係が、事件によって終焉を迎える、という過去があったんですよね。
個人的には、終始、聡があまり受け入れられないタイプで、弱いのに実は強気で向こう見ず。いやぁ、そんな強気なら最初に山本さんの保証人になんかなるなよ〜と思ってしまうのでした。
ま、聡の強気は健一ありき、なのかも知れませんけど。逆に健一はヤクザで若頭なのに、実はなりきれない、というか根本は非道じゃないんですよね。
「仁義なき嫁」の岩下周平にはなれない。色事師の師匠だったんですね。
ただ、聡が健一に仕込まれてエロに目覚めてしまった訳ですが、二人のイチャはエロくてごちそうさまです(笑)
聡がもうね、疑いなく素直にエロに邁進しちゃってるのを読んでると、純真な聡を開発しちゃった色事師の健一、なんですけど、実際に破天荒?なのは聡の方だったりするわけで。その辺りの萌が私には響かんかったなぁというところです。
高月さんの刑事シリーズが大好きで、他作品を求めてこちらを読みました。
ネコに身体をつくりかえられて持て余す受け、自分が仕込んだ癖に淫乱を責め・でも隠れ純な攻め、受は攻めしか知らないのに攻めは他の奴と…という嫉妬、が良かったです!ベッドシーンの台詞が乱暴目なのに甘いってのが好みでした。
初恋の彼だと知ってからの聡がグイグイ過ぎで、車のドアを開けたのに席を動こうとしない健一の膝に乗るのが可愛い(笑)
健一も自分の感情に慣れないような愛の言葉を発したり、帰宅してすぐ聡を強引に夢中に求める感じも滾りました〜
偶然過ぎる再会や、健一(ミチ兄)が毎回聡を突き飛ばす…ってのはちょっとモヤモヤしました。最後の全裸はギャグだし…
それに側近の高橋がボスの身の回り(食事も)世話し過ぎで、聡と健一の仲を取り持つ便利や過ぎで白けていたのですが、聡との会話で
「できれば、本当のことが聞きたいんだけど……、俺って、何人目?」
「ちょっと待って。質問がざっくりし過ぎてる。答えを間違えそうだ」
という返答が、聡への配慮と即座な状況判断が盛り込まれてて頭良さそうで好きでした。こういう切り返し出来る様になりたい!(笑)
挿絵も美麗で眼福でした!
先輩の借金のカタに『売られて』しまって、仕込みと称して自分を犯しているヤクザが、虐待され続けていた子どもの頃に淡い思慕の念を抱いた唯一の人だった……こう書くと、絵に描いた様な不憫受と裏稼業だけどある意味スパダリともいえるヤクザさんとの、ノアール感に満ち溢れた再会愛が書かれると思うじゃないですか。
いや、全然違った。
だって、クラスマックスがあれなんですよ?
私思うに、このお話は恋愛で爆発するお話なんじゃないと思うんですよ。
復讐の話だと思うんですね。
副題を付けるのであれば『子どもを馬鹿にするな』。
聡は、実母には虐待され、父親にはかばってもらえず、実母がなくなった後は父の再婚相手にいびりぬかれます。
何一つ、自分の思うとおりに出来ないまま生きて来た。
でも、聡はそれを恨んではいなかったと思うんです。
だって聡は彼らを自分とは関係ない人たちだと思っていたから。
関係を作りたかったたった一人の人と思わぬ形で再開して、その人も自分を愛しているはずなのに、彼は聡の意向を全く無視して、関係を切ろうとするんですね。聡のためと称して。
これ、聡の実母や父や義母とやっていることは本質的に一緒。
人間扱いしていないんですよね。
これに対して聡はある行動を行います。
それは塩垣を救うためだったんですけれども、抗議のための様にも見える。
今まで聡を好き勝手に扱ってきたすべての大人に対する復讐なんだと思うんです。
これがねー、実にスカッとしたんです。
それまではエロが淫靡だったり、暴対法で追い詰められていくヤクザの生活の閉塞感だったり、薄暗ーいイメージで進んで来るのに、このクライマックスの爽快さったらない!
いや、ひょっとしたらラスト直前までの薄暗さは、このクライマックスの爆発感をとんでもなく明るく感じさせる為の仕掛けなのかもしれない、と思ったりして。
表紙やあらすじと本当に印象が違うお話です。
とっても面白い。
やくざものという設定と作者さま買いで読みました。
どちらかといえば、エロさ重視を期待していましたが、読みごたえがあり、ストーリーとしても楽しめました。
ネタバレします。
男前で、性欲の強さを活かしたシノギで女衒業もこなしちゃう攻め様にぐずぐずにされる素人受けちゃん、という組み合わせは王道で他でも読んだ感があります。
が、本作品は堕ちてからの受けちゃんの反撃?粘り?羽化?がすごくて、後半までしっかり引き込まれました。
受けちゃん可愛さのあまり、かたぎの世界に戻そうとする攻め様が思いやり(弱気、逃げ腰、と受けちゃんは、言う)から受けちゃんをブロックする。その壁をものともせず身体一つで打ち破る受けちゃん。
しかも、攻め様のテクと情熱でちゃんと愛淫堕ちしてるから、しょっちゅう身体疼かせながらなところがかわゆい。
ずっと攻め様が好きで、攻め様との思い出を人生の慰めとしてきた受けちゃんの捨て身な行動はむしろ漢で、その行動力で、弱小団体である攻め様の会が長年悩まされてきたライバル団体との確執も一掃されてしまいます。(攻め様はそれを、受けちゃんの内面の悪いところと呼んで心配します。。)
攻め様には、その人望故に、『頭カシラのためなら死ねる』舎弟が何人かいて、中でも頭脳明晰でインテリやくざの見本かつキモの座った忠臣高橋ががっつり控えて、攻め様の日常生活全般を隅から隅までかいがいしく世話しているので、その攻め様にアマアマに愛される受けちゃんも、まるで宮廷の妃かという護られ(囲われ)かたをします。
しますが、凡人でない受けちゃんには、バイトする大学生としての人間関係があり、そこでトラブルに巻き込まれたりハラハラする際どさに晒されています。このトラブルで当初受けちゃんはやくざ世界との接点が出来てしまい、攻め様と偶然再会するのですが、この設定を終盤まで活かしているあたりも、ヒヤヒヤしながら読み進めてしまう『引き』になっていました。
受けちゃんをかたぎで生かせようと突き放す攻め様に、受けちゃんが全身でぶつかる前、考えて迷って自分の本心を掴むまでの葛藤が丁寧に辿られていて、後半になるにつれじっくりと読みました。
受けちゃんの生い立ちの哀しさとか、バイト先の知人達に見せる優しさとか、内にはらむ危うさや繊細さと捨て身な大胆さのギャップ、これらがとても魅力です。
それでいて何となくコメディータッチに仕上がっているのがまた良いです。
そしてcielさんの、線が細くてしっかりエロい挿絵が多目なのも良かった。
ざっくり言って、『極道の妻たち』シリーズの姐御さん方のような魅力がありました。
『仕込み』をはじめエロはしっかりありますが、モブ姦や身体を傷つける描写はないので、痛いの苦手な方にもオススメです。