ボタンを押すと即立ち読みできます!
日本人でなければ伝わらない 間(ま)を描くのがほんとにうまい!!!
阿部がなんで宮木の恋心をなんとなくにせよ悟っていたのかとか、
宮木が阿部への気持ちを握りつぶそうとするところとか
笑いながらいろんなことをごまかそとする阿部とか
日常では言葉でわざわざ伝えない気持ちの揺れ動きを言葉の説明でなく構成で持っていけるのは才能ですよね。
ほんとうにセンスあると思います。
そして私自身の元恋人との関係性を照らし合わせて読みました。
忘れられない恋人がいる人、読んでみてください。
同時収録作品もよかったです。
表題作「長い間」はとても館野さんらしい作品だな~と思いました。
日常の出来事の中で少しずつ変化していく気持ち。
派手な出来事はないけれど、口に出すこともない心情がうまく表現されている作品だと思います。
私にとってちょっと新鮮だったのが、同時収録作品の「僕と君のこれからは」シリーズ。
高校生が主人公なんですが、年上の受け様が不良グループのリーダー的存在で、年下の攻め様がその不良グループに目を付けられています。
受け様はやんちゃで他校の不良グループとも喧嘩をするような高校生なんですが、多少の緊張感はあるものの、軽いタッチで描かれてます。
むしろ、主人公2人が結構甘い雰囲気でラブラブです(笑)。
館野さんの作品でこういう系統のお話は読んだことがなかったのですが、こういう雰囲気の作品もいい!と思いました。もっと読みたんでみたいです。
さすが館野とお子さん。
萌え狂ってヘロヘロになりました。
高校時代に一度だけカラダの関係を持ち、その後は互いに恋人を作ったりしつつも友人関係を続けていた主役ふたり。
この設定は私の大好物なんですが、これを館野とお子さんが描かれると、想定を超えた萌えが…!
ただ、ストーリー運びはけして派手じゃないし、キメ台詞やキラキラのキメ顔があるわけでもないんです。モノローグで切々としつこく恋心を描写することもない。淡々と日常を描写していくなかで、少しずつ緊張感と切なさが高まっていく。
まさに胸キュンですよ!
ストーリーもいいし、あと絵もめちゃくちゃ好きです。線がすごくキレイ。
ほんといいなァ。
あと行間の作り方のセンスときたらもう。もう!
◾︎長い間
これぞ館野先生節だなぁと。彼等と彼女は全員ずるくて、好きな関係性なのですが、激情を挟んでこない。誰から誰への怒りでも泣き喚くでも、挟めるのに挟まない。そこが読んでてあっさり淡々としてると感じてしまうときもありますが、今日はじわりとしっくりくる日でした。子どものごとき思いを捨てきれず、大人になったフリをする人たち。
余韻が良いので自分には正直描き下ろしは蛇足。
◾︎僕と君とのこれからは
「長い間」の後にこれが収録されてるってのがまたニクイね!
萌〜萌2
表題が萌2
高校時代に一度だけ関係を持った二人(同級生)が、
大人になって改めて恋愛関係になるまでが描かれています。
ありがちな設定なのですが、これが切なくて胸キュンで。
しかしいざ、萌えレビューを書こうと思ったら、筆が止まってしまいます。
最初から最後まで派手な展開はなく、淡々と進みます。
『恋は思案のほか』を読んだ時も思ったのですが。
この作者の作品は、行間を読んで楽しむのです。
何気ない日常生活を描いた一コマに、何とも言えない情感があるのです。
なので『ここが面白いんだよ!』と、上手く説明できません。
そこがもどかしくて仕方がないのが、また館野作品の魅力だと思います。
同時収録作品は、『長い間』と打って変わったラブコメ。
単純でアホで可愛いキャラ達が繰り広げるハチャメチャ恋物語は、
ノリがよくて最高です。