お前を誰にも渡さない。たとえ俺自身にさえも。

僕のねむりを醒ます人―Sanctuary―

boku no nemuri wo samasu hito

僕のねむりを醒ます人―Sanctuary―
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神7
  • 萌×26
  • 萌3
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

72

レビュー数
5
得点
69
評価数
17
平均
4.1 / 5
神率
41.2%
著者
沙野風結子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
奈良千春 
媒体
小説
出版社
イースト・プレス
レーベル
Splush文庫
発売日
価格
¥700(税抜)  ¥756(税込)
ISBN
9784781686226

あらすじ

雪弥は11年ぶりに耀と再会する。
かつて雪弥の心をズタズタに切り裂いた傲慢な幼馴染だ。
だが、「君が好きなんだ、いまも」そう穏やかに囁いてくる目の前の耀に、
雪弥は強烈な違和感を覚える。
記憶の中の耀とはまるで別人なのだ。
そして連れて行かれたマンションで――。

「もう一度、お前をこんなふうにしたかった」態度を豹変させ、
雪弥をベッドにくくりつけて嗤う彼は、
まさしく雪弥がよく知る耀で…!?

沙野風結子の初期の名作が新イラスト・改稿のうえ新装版で登場!

表題作僕のねむりを醒ます人―Sanctuary―

葛城耀、11年ぶりに再会した幼馴染み、27
瀬口雪弥、刑事、27

その他の収録作品

  • あとがき

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数5

期待を裏切られることはなかった

タイトルと表紙の素敵さに惚れて買いました。
なかなかに良かったです。

ただ後半はどうにもサラリと読めてしまい余韻はあまりない状態です。

が、監禁シーンはとてもニヤニヤしました。
足枷はとても良き萌え道具ですな…。

全裸で食卓に座らされるところはなかなかないシチュで一番好きです。
羞恥に震える受けの様は美味でした。

皓とのシーンは気付けば涙ぐんでいました。
落ち着いた紳士のような彼にはとても安心感があって…切ないなー。

攻めと受けの子ども時代からの関係がきちんと描かれていたからこそ大人になってからの二人に対しても自然に追えて良かったです。
ただ思ったよりもクライマックスの感動がなかったんですよね…。
一番衝撃的だったのは受けの名前に何故「雪」とつけられたか母に明かされた時ですよ。

でも受けに無理矢理してしまったことにより壊れていく攻めってとても人間味あって好きでした。

表紙の魅力を裏切らない挿絵のクオリティも半端なくて凄く満足です。
ショタ絵がむちゃくちゃはちゃめちゃ可愛すぎて一番ここにやられた気がします…!

0

一緒になった感が欲しい・・

沙野先生×奈良先生という個人的にはめちゃ推したいペアなのですが、今ひとつ攻め受けともシンクロしきれなかったので中立より萌にしました。タイトル、表紙とも最高に好きだろうと思ったのだけどなあ。本編230Pほど+あとがき。2005年作品の改稿版とのことですが、旧版を読んでいないので、差は不明です。

指名手配中の強盗犯を追跡中に、犯人が道路に飛び出して意識不明の重体となろうとも、いたって冷静な雪弥(ゆきや)。11年前のある出来事以降、感情が沸き起こるということが無く、新人刑事らしからぬ冷静沈着な態度だったのですが、連続通り魔事件の現場で野次馬の中に幼馴染を見かけてからは心が軋むような心地。どうにも落ち着かず、昔住んでいた家を訪ねてみると・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
保高(受けの先輩)、皓(こう、攻めの別人格)、攻めの義父ぐらい。空間としても狭く登場人物も少なく、ぎゅぎゅっと煮詰まった感のお話でした。(監禁もあるし)

**駄々をこねたい点(本編未読の方は注意)


お話としては二重人格ものなのですが。
別人格である皓がすっきり消えてしまうんです、俺は消えるわ的発言をなさって。そこがどうにもこうにも寂しい。優しい、ひたすら受けを愛しんでくれる皓が好きだったので余計に寂しい。
主人格の耀(よう)が独占欲強い、寂しがりだからかな。共有しようなんて気配はこれっぽっちもなく。
そこが最も悲しかったです。一つに統合された後に、耀が皓のこと覚えてるわ発言とか、皓のような雰囲気をにおわせてくれるとか、あったらなあ・・・オムライス作れたわ発言だけだとちょっと足りないー。

攻め受けともに大概酷い人生なので、お互いに救いとなっていたというラストにはとっても救われる心地なのですが、主人格の耀が最後の最後まで、いじめっ子を過ぎた超ド級俺様っぽく感じられたので、救われ心地も半減です。「足を開け」なんて言うんだもんなー。いつか凹ましてやりたいこの俺様野郎。受けの「いていいところ」になってやるぐらいじゃ赦してやらん!!と、再度読み返しても何となく攻めに怒ってしまうお話でした。


0

縋り合って生きる

旧版を読んだ気がするのですが、なにせ10年以上前の出版なので記憶が不確かです。なので、細かな違いはよく解りません。
『新装版』と銘打っているために、私が勝手にそう思っちゃっているからかもしれないのですが、最近の沙野さんが書くお話よりはちょっとばかりウエットで『頭がどんどん冴えていく』と言うよりは『胸が(かなり)痛い』系のお話という感じがしました。

刑事の雪也が主人公なのですけれど、彼、大学の専攻は建築学なんですよ。
その後、警察学校に入って刑事になったという、ちょっと変わった経歴の持ち主。
異様に冷静というか、彼自身も自分の平静さを異常なものとして認識しています。「自分は冷静なのではなく、感じることが出来ないのではないか」と思っているんですね。

その、ある意味モノクロームっぽい彼の感情が、幼馴染みの櫂に再開した途端、一気に瑞々しいものに変化します。この、どんどん感情を取り戻していく描写にとても引き込まれました。

櫂とその家族は、親に疎まれていた雪也にとって、家族の温もりを与えてくれるとても大切なものだったのですが、ある日急に引っ越しをしてしまいます。
その後1度だけ訪ねてきた櫂は雪也を陵辱し、姿を消します。何の理由も告げないままに。

櫂に起きたことの謎、同時に雪也の管轄地域での連続暴行事件の犯人についての謎を中心にお話は進んで行きますが、その真相が解るにつれてどんどんお話は切なさを増していきます。
きっとタグは『エロエロ』って付くんだろうなと思いますが、読み進めれば読み進むほど、雪也と櫂の2人がとてもピュアな子どもに見えてくる。
これがたまらんかった……

『捨てられた子ども』のお話です。
本当なら一番に縋らなければならない親に見捨てられ、生きていくために互いに必死で掴まり合っているのが、たまらなく切なく感じました。

奈良画伯のイラストは相変わらず理解が深くスタイリッシュです。
そして今回は、とてつもなく暖かく感じてしまったのは、ベストマッチの成せる技でしょう。
私「読んだ気がする」けれど「持っていない」んですよね。
見比べてみたいのですけれどねぇ……

3

切なさと痛さと、けれどそこから見える愛情に萌えが滾る

作家買い。

2005年に刊行された『僕のねむりを醒ます人』に改稿を加えた新装版とのことですが、旧版は未読なのでそちらとの違いはわかりません。沙野さんの書かれたあとがきによると、表現などの細かいところのみ改稿してあって大まかなストーリーに変更はないとのことです。

タイトル、そして奈良さんの描かれた表紙から、切なくも温かいストーリーかなと思いつつ手に取りましたが、予想をはるか上をいくドが付くほどシリアスで、そして哀しいお話でした。







主人公は刑事の雪弥。
彼は過去のとある出来事から感情をなくした青年。冷静沈着に行動できるということもあり、刑事としては有能だけれど人として何かが欠けている。

そんな彼は現在「袋男事件」と呼ばれる事件を捜査している。
被害者は後ろからいきなり紙袋を被せられ、殴る蹴るの暴力を受けた挙句、腕を折られるという事件が発生しているのだ。先輩刑事の保高とともに捜査に当たる彼のもとに、一人の男の姿が目に留まる。

葛城櫂。

雪弥の幼馴染で、親友だった男。
信じていた彼にレイプされ、連絡が取れなくなったことで、雪弥は人を信じることができなくなった。

そんな櫂がなぜ、再び雪弥の前に姿を現したのか―。



雪弥は母子家庭で育った。しかも母親は自分に関心がなく、常に男の気配がある。
ネグレクトされていたわけです。そんな雪弥を救ったのが、隣人の櫂と、櫂の優しい両親。温かい食事を食べさせてくれたのも、家庭のぬくもりを与えてくれたのも、櫂たち家族だった。

そんな櫂の家族が、いきなりいなくなってしまう。
いつか戻ってきてくれる。何より櫂が自分に連絡を取らないわけがない。
そう信じていた雪弥ですが、戻ってきた櫂は、こともあろうに雪弥を無理やり抱いて、また音信不通になってしまう。

唯一信じていた櫂に裏切られたと思った雪弥の心情を思うと、なんとも切ない…。

そんな櫂が、11年もたって再び雪弥の前に現れた。
以前とは違い、温厚で優しい雰囲気をまとう櫂に、違和感を感じつつも雪弥は心を許し始めるけれど。


えっと。
この作品はですね、


ネタバレ注意!!


***************************************************









二重人格もの。
です。

櫂には、「皓」というもう一人の人格がいるんです。

意地悪で、暴力的に雪弥を嬲る櫂。
そして、優しく穏やかで、紳士な皓。

二重人格ものってお互いを認知しあっている、というのが一般的な展開かと思いますが、このストーリーは、櫂は皓の存在を知りません。皓の人格が出ているときの意識は、櫂にはないんです。一方の皓は、櫂がしている行動を見ている、といった構図。

そして、皓によって雪弥にもたらされたのは、「袋男」が櫂だ、というもの。

皓は、なぜ櫂の中に生まれたのか。
「袋男」は本当に櫂なのか。
皓の真意は―。

そういったものを軸にストーリーは展開していきます。

読み進めていくうちに櫂の雪弥への想いは手に取るようにわかるんですね。
愛しているから大切にしたい。でも自分の想いは雪弥に伝えるわけにはいかない。
誰もがうらやむ家庭だったはずの櫂の家庭の複雑さと、雪弥に対する母親からの虐待も相まって、とにかく序盤から終盤までシリアス一辺倒で進んでいきます。

甘々で優しいストーリーを好む方には、正直お勧めしづらい作品です。

ですが、「皓」という青年を通して描かれている櫂と雪弥の、相手を想う愛情に落涙しました。

皓の方が明らかに好青年です。対して櫂は好きだから苛めたい、雪弥の涙を見るのが好きという、なんとも俺様な性格。好みは分かれるにせよ、櫂じゃなくて皓を選んだ方が良いんじゃないかい?という気持ちになる方の方が圧倒的に多いんじゃないでしょうか。

でも、雪弥は、櫂じゃなきゃダメなんです。
そこに行きつくまでのストーリー展開が非常に秀逸。
「櫂」が「皓」を生み出した理由に、これまた激しく萌える。

「袋男事件」という犯罪が題材になっていることもあって、好みははっきり分かれる作品じゃないかと思います。個人的に、最後の締め方が微妙でした。やっぱりきちんと償いをし、罰を受けるべきであろうと思うのです。そういった結末であったなら、神評価でした。

が、このストーリーのキモはそこではないんですね。

雪弥のことが好きすぎて、雪弥に触るのはたとえ自分でも許さない、といった櫂の執着心と、そこから発生する常軌を逸した櫂の思考回路こそ、この作品の萌えどころかと思います。

櫂と雪弥の濡れ場はかなりあります。
ありますが、そのほとんどがレイプのよう(というか、レイプといっていいと思う)なので、甘々な濡れ場がお好きな方は注意が必要かもです。

食事を食べながら挿入されるとか、人の気配があるのに致しちゃうとか、アブノーマルなセックスシーンはてんこ盛り。残念ながらそういったセックスシーンに萌えを感じないので萌えは感じませんでしたが、背徳的な濡れ場がお好きな方にはお勧めな作品かと思います。

タイトルの『僕のねむりを醒ます人』の「僕」。
ずっと雪弥のことを指しているのだと思って読みましたが、ほんとは櫂のことなのかなーと。

奈良さんの挿絵もよかった。

意地悪な櫂。
優しい皓。
その二人の表情、そして空気感。
見事に描き切っています。

あとがきで沙野さんも書かれていますが、この表紙の櫂は、櫂であり、そして皓でもあると思うのです。

温かな記憶とともに二人に残る子ども時代。
お互いにつらい時を過ごした11年前。
そして、ともに未来に向かって歩んでいこうとしている現在。

時系列の使い方も素晴らしく、切なく、痛いけれど、読後は温かい気持ちになれる、そんなストーリーでした。

5

ちゃんと、幸せになれたんだね

2005年に刊行された「僕の眠りを醒ます人」に、改稿を加えた新装版になります。
旧版未読ですが、事件の顛末部分や細部の表現等が改稿されていて、全体的な構成はそのままとの事です。

で、こちら、タイトルといい表紙といい、すごく透明感があって素敵なんですけど、それがピッタリくる作品でした。
推理サスペンス要素ありの再会ものなんですけど、これは切ないなぁ。
あまりに心が痛くて、泣けちゃいましたよ。
表紙の彼ですけど、例の彼のイメージも含まれてるそうです。
そう思って眺めると、胸がいっぱいになっちゃうんですよね。
切なー!
ハッピーエンドなのに、切なすぎる。

彼の事を思うと胸がつぶれそうな気持ちになるんですけど、だからこそ、ラストで垣間見えた面影に、涙が止まりませんでした。
ちゃんと、幸せになれたんだね。


内容ですが、11年ぶりに再会した幼馴染み・耀×刑事の雪弥による、推理サスペンスものになります。
シリアス寄りです。

11年前の出来事をキッカケに、何に対しても無感情になった雪弥。
連続で起こる暴行事件を追う中、雪弥を現在の状態にしたかつての幼馴染み・耀と再会します。
別人のように穏やかになった耀を拒みきれず、彼のマンションを訪れる雪弥。
しかし「一緒に『彼』を助けてくれ」と言う謎の言葉を告げたあと、耀は豹変して無理矢理に雪弥を抱きー・・・と言うものです。

まずこちら、推理サスペンスものとして、とても面白いです。
都内で起こる、連続暴行事件。
まるで別人のような幼馴染み。
そして、11年前に起こった出来事の真実ー。

耀と雪弥は深い絆を持つ幼馴染みです。
親からネグレクトされていた雪弥にとって、耀とその家族が唯一心を安らげる場だったんですね。
しかし、彼等一家はある日いきなり姿を消してしまった。

実は耀と最後にあった晩、彼は無理矢理雪弥を抱いています。
ワケも分からないまま犯され、しかもそのまま姿を消された事で、雪弥の心には深い傷が残されたんですね。

そして、11年ぶりの再会ー。
耀ですが、以前のままの傲慢な姿を見せたかと思うと、優しく穏やかで共に居る事に安らぎを覚えたりと、明らかな二面性を見せます。
そんな彼に、雪弥は振り回されるんですね。
また、彼の口から衝撃の事実を告げられますが、そのまま「耀のものになってやってくれ」と、鎖に繋がれて監禁されて・・・と言う流れです。

私は普段、あそこが萌えたここが萌えたと、もう好き放題語らせて貰ってます。
が、今回はそれをやっちゃダメだろうと。
そんなワケで、あとは感想だけ語らせてもらいます。

これね、「彼」が切なすぎるんですよ。
また、彼が生まれた本当の理由が語られると、もうダーッと泣けちゃって。

こちら、凄まじい執着ものなんですよね。
半分壊れかけながら、雪弥を求め続けた耀。
そして、そんな耀を助けたいと願う「彼」。
彼が生まれた理由が分かると、運命の意地悪さといいますか、皮肉さに切なくて仕方なくて。
耀の愛し方と言うのは、歪んでいるとも思うのです。
でも、「彼」の存在自体を思うと、こんな風に優しく穏やかに雪弥を愛したかったのであろうと、もう心が痛んで痛んで(TдT)

なんかもう、めちゃくちゃ「彼」に肩入れしちゃいまして、彼の選んだ道にボロボロ泣けちゃうんですよ。
「雪弥に眠らせてほしい」と言うセリフが、もう切なすぎる・・・!
また、雪弥の「おやすみ」にも、涙が止まらなくて(TдT)

ラストでですね、「僕の眠りを醒ます人」と言う、タイトルの意味が分かります。
ああ、確かに眠りから醒めたんだなぁと。
きっと、彼も耀の一部として目覚め、幸せになれたんだと信じたい。

ところで、暴行事件の顛末ですが、しっかり回収されてます。
こちらは犯人がちゃんと罰せられてと言う、スッキリした終わり方では無いです。
ここで、引っ掛かる方もおられるかも。
個人的には、ちょっと見逃してあげて!!って心境ですけど。

6

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