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表題作恋とうさぎ

相模原志織,取引先会社の有能秘書
宇咲杜羽,25歳,ガーデンデザイナー

その他の収録作品

  • 花火とうさぎ
  • あとがき

あらすじ

うららかな春の午後。ガーデンデザイナーの杜羽が幸せな眠りから目を覚ますと、そこは知らない部屋――そして、裸の杜羽を後ろから抱きしめていたのは、ちょっとだけ苦手な取引先会社の秘書・相模原だった。 付き合って半年の彼女に裏切られ、ショックを受けている杜羽に、相模原は「私と恋愛してみませんか」と提案してくる。 人を本気で愛するということに興味があるから、という理由で、『お試し』の恋人になろうという相模原に、ためらいつつも「期間限定でなら」と承諾してしまった杜羽だったが――!?

作品情報

作品名
恋とうさぎ
著者
間之あまの 
イラスト
蓮川愛 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
キスと小鳥
発売日
ISBN
9784344844865
3.9

(68)

(19)

萌々

(31)

(15)

中立

(0)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
12
得点
264
評価数
68
平均
3.9 / 5
神率
27.9%

レビュー投稿数12

溺愛攻め、バンザイ!!

「キスと小鳥」のスピンオフですが、今作だけで問題なく読めます。
ちなみに、既読の方は、利仁達もちょびっとだけ登場するのでお楽しみに!

で、こちら、「キスと小鳥」ですんごい存在感とすばらしい暗躍を見せてくれた、影の主役とも言うべき相模原が攻めとなります。
この相模原氏、個人的ツボど真ん中の男でして、今作をめちゃくちゃ楽しみにしてたのです。
かなりのくわせ者のイメージから、あの手この手でうさぎちゃん(受け)を手に入れちゃうんでしょー!みたいな。
腹黒攻めバンザイ!!みたいな。

が、実際には、こう来たか!と。
いや、思いもよらない方向から攻めてきましたよ。間之先生。
私の思い描いていたストーリーから180度違うのに、これがびっくりする程萌えちゃって萌えちゃって。
(意外と)不器用な溺愛攻め、バンザイ!!ですよ。
いやもう、最高ですよ。

とりあえず、めちゃくちゃ甘くて可愛いのですが、それだけでは終わって無いです。
意外な展開と萌え爆発のオチに、転げ回りました。

内容ですが、取引先の有能秘書・相模原×ガーデンデザイナー・杜羽による、超甘々で可愛い「お試し」から始まる恋です。ラブコメテイストです。

本当は小心者なのに、クールだと思われている杜羽。
彼女からふられてヤケ酒で泥酔した翌朝、目を覚ますと取引先の有能な秘書・相模原と同じベッドで抱き締められていたんですね。
人を本気で好きになった事が無いと言う相模原から、以前から興味があった杜羽に「お試し」でいいので恋人になって欲しいと口説かれー・・・と言うものです。

杜羽ですが、結構な小心者なのに、表情に出にくい事とその美貌から周囲にはクールだと誤解されています。
その為、本当の自分を見せる事が出来ず、彼女の前でも「クールな自分」を演じ続け、結局はふられてしまった。

で、そんな彼の外見と、中身のギャップに興味をそそられたのが相模原。
かなりのくわせ者でちょい腹黒で、シレッと毒舌でもある有能な男になります。
これまで本気の恋をした事が無い彼は、杜羽となら「本気の恋」が出来る可能性が高いと、期間限定でいいのでお試しの恋人になる事を提案するー。

これ、二人のやりとりが面白くてですね。
相模原ですが、もう立て板に水の弁舌で、上手い事言いくるめたり誘導したりして、杜羽にお試しの恋人を了承させる。
素晴らしい手腕ですよ。
これぞ腹黒攻めですよ。
逃げ切れず、いつの間にか付き合う事を了承させられちゃった杜羽が、気の毒やら笑えるやら。
「あの、いま俺、手玉にとられかけてなかったです・・・?」
「えっ、そうですか?」
みたいな、白々しい相模原のセリフにニヤニヤしちゃうんですけど。

と、ここから、相模原の腹黒っぷりとくわせ者っぷりを堪能出来るのです。
ついでに、いいように丸め込まれてアワアワしてるちょい天然受けの可愛いさも、これまた堪能出来るのです。
腹黒攻め好きにとっては、萌えまくりなのです。

が、本当に萌えるのはここから!

お試し期間である一ヶ月の間に、なんとか杜羽をオトしたい相模原に、流されまいと抵抗する杜羽。
二人の笑える攻防が続きます。
また、実は相模原ですが、味覚障害を患っています。
その事に気付き、彼の味覚障害を治そうと、ユニークな方法で手助けする杜羽。
終始甘く可愛い雰囲気で進む中、二人の「好意程度」→「好き」と言う心情の変化が丁寧に綴られるんですね。

そんな中、元彼女から会いたいと誘われ、ケジメをつける為に会う事にした杜羽。
そこに相模原が現れ・・・と続きます。

相模原ですが、最初こそ余裕綽々って感じなのです。
杜羽を手の上で転がしちゃってるのです。
それが、杜羽にどんどんハマるにつれ、嫉妬したり不安になったりと、逆に杜羽の言動に振り回されるようになる。
で、元彼女の件をキッカケに、結構な暴走をするー。

もうね、まさか相模原がこんな行動に出るとはと、この展開に仰天しちゃったんですけど。
また、彼は人を本気で好きになるのが初めて。
自分が何故、こんな行動に出てしまうのかー。
自分の感情がコントロール出来ない事に困惑するんですよ。
「私らしくなくて困ってます」とか言って。
おいおい、相模原。意外と可愛い男じゃないかよ!と。
本気の恋の前では、こんな不器用になっちゃうんかい!と。

また、最初こそ相模原にいいように転がされてた杜羽。
このへんにくると、超強くなってるんですよ。
相模原の暴走に、ビシッと意見しと言った感じで。
いや、しっかりものの受けが、ダメな攻めをしつけるみたいな展開が大好きなんですよねぇ。
相模原から、「反省してます」と「すみません」を引き出すなんて、こいつやるなぁ!みたいな。
もう、この山場のシーンが萌え爆発でして、ウヒャヒャヒャと転がっちゃうんですよ!!

あと、個人的にですね、エッチ時に受けが天然な言動で、意図せずに攻めを煽ってしまうと言うパターンが大好きだったりします。
(翻弄されっぱなしで)相模原に一矢報いようと自分から仕掛けて、更に責め立てられちゃったり、「好き」とか言っちゃって「えっ、何でもっと大きくなるの・・・っ」とかやってるのに萌えまくりました。
相模原、ここでも暴走しまくり。

ところで、杜羽ですが、いくら天然でも元カノの二人で会うのはダメだよ。
これは相模原が可哀想。暴走しちゃっても仕方ないって。
あと、味覚障害が簡単に治りすぎな気もしますが、そこは相模原だから。
彼なら気合いで治せちゃいそうな気がしますよ。

と、とにかく甘くて可愛くて萌えてと、超ツボ作品でした。

11

どうしてやろうかと思うらしい(笑)

「キスと小鳥」で攻めの秘書としてご活躍なさっていたスーパー秘書、相模原さんのお話!!!大好きだったんです、相模原さん!で想定通りめっちゃ楽しかったので神。頭良くってニッコリしながら意地悪で、でも甘ったれることができる人って好きだなあ。本編300Pほど+ラブラブ2カップルのバカ話8P+あとがき。蓮川先生の挿絵も超絶トリプルA級絶好調!に素晴らしいです♡

心地良いベッドで幸せな気分で微睡んでいる杜羽(とわ)。背中側にあるぬくぬく、すべすべの物体はどう考えても人間、成人男子の模様。狸寝入りがバレ、振り返らされると、それはお得意先の秘書さん!どうやら酔っ払いの挙句、出くわした彼にさんざん愚痴ってゲロったらしく、相模原さん兄が経営するホテルの一室で泊る羽目になったということのようで・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
受けの元カノ、受け姉、キスと小鳥のカプ♡。理仁と相模原さんの歯に衣着せぬやりとりがめっちゃ面白い!

**好きだったところ

いの一番に言いたいのは、蓮川先生の挿絵の猛烈に素晴らしいところ・・眼鏡フェチではないはずなのですが、蓮川先生の描かれるクール眼鏡さんは別格な気がする。その方がすっぽんぽんでお休みになっておられる図がP7にあってですね、冒頭でノックアウトです、私。ピンク溜息しか出ない。

次に申し上げたいのは、相模原さんのやや変人よりな受け答えがとにかく面白いという事。ずっとくそ丁寧な言葉遣いでじわじわっと言いくるめるというか、気付かないうちに外堀から埋められているというか・・腹黒いというほどではないにしろ、策士系統には間違いないです。

それなのに味覚障害だの、人を好きになる感覚が分からないだの、あらあらちょっとお可哀想(これは作戦ではないはずだけど、ひょっとしたら作戦か?と一瞬思わせるほど、彼は策略家に思う)。そこにくらっとしつつ、なかなか落ちない天然うさぎ、結構頑張りました(笑)。心情としては割合早めに落ちてましたが、表向きは落ちそうで落ちないという感じで頑張ってくれるので、読んでるこっちはとっても楽しかったです。ちょっとは「む」と思ってるんですかね、「どうしてやろうか、・・いえ、どうしようかと思った」と相模原さんもカミングアウトしてました(笑)

めちゃくちゃクールに見える美人さんを、相模原さんが色々手を尽くして口説き落とす過程を楽しめる一冊でした。楽しかった!

5

有能秘書さまのプライベートは?

「キスと小鳥」に登場した、一癖も二癖もあった有能秘書・相模原のお話です。
スピンオフ作ではありますが、こちら単体でも読めるかと思います。
前作の2人もちらっと登場するので、あわせて読まれると更に楽しめること間違いなしです。

"恋愛をする"という事が分からない2人が、お試し恋人期間を経て結ばれるまでのお話です。
いい大人が、これって好きなのかな?好きかも?と、段階を踏んで手探りで恋をしていく様子がですね、これまた間之先生の手によってとびきり甘くて可愛い感じに仕上がっています!
恋愛不器用な溺愛策士ソフトS攻め×恋愛初心者な優しい天然うさぎちゃんといったところでしょうか。
口が良くまわる相模原と、そんなに簡単に手玉には取られまい!と抵抗を試みる杜羽の図がどうにもおかしくてクスッと笑えてしまいます。
ああ言えばこう言うという言葉がここまでぴったりな攻めはなかなかいないはず。
ぽんぽんと飛び交う言葉のやり取りに笑っちゃう。

普段は有能な秘書としてきびきびと働く相模原。
彼は非常に食えない人間と言いますか、いけしゃあしゃあとあれこれ皮肉たっぷり・余裕たっぷりに喋るような男なのです。
ですが、こと恋愛面となると専門外。
デートなんてものはすっ飛ばして生きてきた情緒の欠片もない男だと従兄弟から称されてしまうほど、特定の誰かと密に感情を育むということをして来なかったのですよね。
そんな人間1年目のような攻めが、杜羽と共に過ごす中で徐々に「愛しい」という感情を覚えていく様子がなんだかとても可愛くて不器用なやつで。
Sっ気がありながらも常に紳士的で、杜羽を甘やかしつつ自身も意外と甘えたなところも可愛いんですよねえ。

お相手の杜羽は、クールな美しい外見とは裏腹に実はかなりの小心者。
周りから期待されているような自分を作って生きて来たので、恋愛でもプライベートでもなかなか自分をさらけ出せずにいます。
こちらも相模原とお試しのお付き合いをしていく内に、心がほろほろっと解けていきます。
この人相手には無理しなくていいんだなと、気付いた時には自然体になっていた感じ。
相模原は過去の過度のストレスから味覚障害を患っており、食事に対する楽しみを失っているのですが「一緒に美味しいもので幸せになりたい」からと、無理強いするでもなく、少しずつ楽しみながら治療が出来るように"隠し味クイズ"をしようと持ち掛ける杜羽が優しくて。
ここのやり取りが雰囲気も良くてすごく好き。
2人が素で楽しんでいるのが分かるというか、この辺りからぎゅっと距離が縮まっていって、"好きかも"から"好き"に変化していく心の動きが流れるように、とても自然に描かれているんですね。
読みながら「ああ、この2人好きだなあ」なんて思ってしまうほど。

初めは興味本位から来る実験のようで、どちらかというと杜羽を翻弄していた相模原が、どんどん杜羽を通じて恋を知り人間臭くなっていく。
恋を知った相模原はかなり不器用な男でしたね。
嫉妬と焦りという初めての感情に暴走してしまったりもしますが、杜羽に窘められてきちんと反省もし、誤解やすれ違いも話し合いで解決出来る2人なので最後まで安心して見守れました。
ラスト付近ではすっかりしっかり者の杜羽の方が翻弄していましたね。

と、立場が逆転した?と思いきや「気に入っている子をどろっどろに気持ち良くしてあげるのが楽しい」の言葉通り、ベッドではものすごーくねちっこく柔らかめの言葉で責めて杜羽をとろけさせる相模原。
言葉責めと言っても決して痛いものではないです。
ですが、「〇〇ですねえ」口調の穏やかさなのがかえって責め立てている(笑)
たっぷり愛し愛されているベッドシーンも萌え転がること間違いなし。
耳責め描写がお好きな方にもおすすめです。

大人の不器用な恋愛にたまらなく萌えた1冊でした。
恋に落ちていく人間の心情の描き方が非常に丁寧なのです。
相模原が杜羽を終始いい子いい子と褒める溺愛っぷりなので、その糖度の高さと恋人たちのやり取りに癒されます。
間之先生の作品を遡って追いかけたくなりました。

巻末の番外編は相模原視点で、いかに杜羽が愛らしく可愛いかについて語っています。
いやはや、ごちそうさまです。

1

破れ鍋に綴じ蓋カプ

完璧秘書の相模原。自分の感情もコントロールしていて好きという気持ちがわからない。
そんな相模原が杜羽と出逢い変化していく。

どこを読んでも甘くて幸せが溢れてる。
歪んでいる相模原の心を正しい形に変えていく杜羽の魅力。
破れ鍋に綴じ蓋?相模原には杜羽がピッタリなんだなぁとしみじみ思う。
察しすぎる相模原、感情を表に出すことが苦手な杜羽。この先もずっと仲良くいて欲しい。
密かにワガママな相模原を甘えさせてあげられるのは杜羽だけだと思います。

0

糖度100%

間之先生の作品なので、安定の糖度100%です。

「キスと小鳥」のスピンオフ作品ですが、単体でも十分楽しめると思います。
(キスと小鳥を読んでから読むと、楽しさ倍増ではありますが。)

攻め様はスパダリ感漂う大手家具メーカーの社長秘書。秘書といっても持ち株的に実は共同経営者だけど、自分は参謀向きだからと社長秘書をやっているような、水面下で策略を巡らせて物事をうまく動かすのが好きなタイプ。
あたまが良くて、気が利いて、感情を露わにしない。腹黒ドS風味。
しかも、実家もホテル経営していてお金持ち。
ドイツとのクォーターで美形。
巨◯

受け様は攻め様の会社の屋上庭園を手がける造園会社の社長令息。
実家の会社でガーデンデザインを手がけるガーデナー。
モデル系のすらっとした美人さん。
見た目と小心的な内面のギャップのせいで、自分を作って人付き合いをしてきたので、深い人間関係を作った事がない童◯。

読む前は、スパダリな攻め様が飄々と受け様を陥落していくおはなしかと想像していたのですが。
実際には、攻め様にも弱さや苦しみがあって。
小心者で優しく繊細な受け様と、色々押し込めて鈍らせる事で泰然とした態度を保っていた攻め様が、お互いの弱くて柔らかい部分を寄り添わせて、恋情を育んでいくおはなしでした。

事件や、辛いことは起こりません。

「キスと小鳥」を読んでいなくても大丈夫なのですが、
あっ!キスと小鳥のあのエピソードはそういうことか!という部分もあって。
読んでないと分からないという事は無いけれど、読んでから読むとキスと小鳥のエピソードがより補完されて面白いと思います。

相模原さんがドS風味なので、Hシーンはねちっこいです。

4

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