【電子限定おまけ付き】【イラスト付き】
「おれはサンドペーパーかなんかですか」
「あはは。まとめ買いしようかな」
シンデレラと人魚姫を合わせてタヌキにしたような、切なくて可愛いお伽話でした。
うまく行きすぎな設定や展開はありますが、ほのぼの甘くてシンプルなストーリーが読みたい気分にぴったり。鼓太郎と折原季史(良い字面!)の会話にも季史同様癒されました。島育ちの鼓太郎が「東京は時差がある」「ラテアートは島人全員の憧れ」「地引網の重さに泣いた自分に教えてやりたい」という言葉も田舎を下げた表現にならず笑えます。
最近獣人設定で尻尾フワフワしている描写が好きだったのですが、この作品は半獣はなく。狸に変わってしまった鼓太郎を抱いて泣く父の図が…可哀想だけど可愛くて笑えてしまう…
期限が決まっている中でどんどん季史と親密になり離れ難くなっていく切なさと甘さがたまりませんでした。パーカーが返せず、スウェットも返すのにモコモコになる鼓太郎のスポーツバッグを思い浮かべると可愛い。
ハッピーエンドにはヘンテコな笑いもあって、涙と笑いのある可愛いお話でした!
めでたしめでたしで島に暮らす二人のイチャイチャも読めて、幸せな心地に浸れました〜。
何をしてもしなくても可愛い鼓太郎!
発売時からあらすじで気になっていたのですが、当時は手を出さず。
安曇さんの他の本を読んでとっても良かったので満を持してこのお話を読んでみました。
もう鼓太郎がなんて一途で可愛くておバカで素直で。
初恋の人季文を想い続け人生でたった一度のチャンスと東京まで会いに行って。
再会してみたら、あれ?季文もなんか好感触?優しくて親切でスマートで素敵な季文。
でもタイムリミットまでのカウントダウンもあり…。
やっと身も心も結ばれたと思ったら!!
親友の渚人もとっても良い子ですね!
諦めないで島へ連れて行って。
ベッドでタヌキ姿で泣く鼓太郎のイラストが可愛すぎる。
そしてまさかの季文のネタバレ。そうだったの〜!!!
鼓太郎にとっては身を切られる切なさ、どうにもならなさにハラハラしましたが、全体的にほのぼので季文もいい感じに策士でとっても良いお話でした。
離島の医師、愛に溺れる
夢のような超近距離恋愛。季文視点です。
もう鼓太郎が可愛くて仕方なくて。何をしてもしなくても可愛い。天然でおバカで大食いで。
渚人の情報でネットニュースを鼓太郎がすっかり信じ込んでエッチを拒まれ、振り回された季文でした。
電子書籍で購入。
サンプルとあらすじだけ見て購入したのですが、少しコメディっぽいのかな?と思っていたら、甘々でかなり切ないテイストもあるお話でした。
自分を助けてくれた初恋のお兄さん(季史さん)に会いに来るために期間限定で上京した本当は狸のこたろうくん(普段は完全に人間の姿)が健気かわいくて、優しい子で癒やされました(老婦人のエピソードなどが好きです)。
時々狸っぽい習性が出てしまうのもかわいいです。
季史さんがめろめろになるのもわかります。
でも、ひと月過ぎるとこたろうくんは住んでいる島に帰らないといけなくて、それをわかっていつつも季史さんとの思い出を少しでも作ろうとするこたろうくんが切なかわいくて……。
対する季史さんは総合病院の医師で、モテそうな大人紳士ですが、実は策士とかたまに余裕がなくなるところとかたまりません。
まだ両片思いの段階でも、こたろうくんに対する行動や言動に好意がだだ漏れています。
他にもサブキャラのこたろうくんの親友の子と、季史さんの先輩もいい味出してます。
特に、親友の渚人くんがほんとにいい子で……。
本気でこたろうくんのことを心配しているのが伝わりますし、何度かちょっと言い争いみたいなことになるんですが、どちらの気持ちもわかるよ……ツライね……ってなりました。
途中かなり切ない展開になりますが、ちゃんとハッピーエンドです!
そして、両思いになったあとの季史さんはやっぱり溺愛攻めでした。
甘くて可愛くて実は結構切ない、初恋再会ものでモフBLになります。
離島育ちで超一途な受けも、優しくて穏やかな攻めも、そしてピュアな初恋にも大変癒されました。
いや、う~ん・・・。
こういう、生涯に一度だけの・・・みたいな、一途な受けに弱いんですよね。
限られた自由の中で、精一杯の思い出を作ろうとする彼に、かなり切ない心地にさせられましたよ。
内容ですが、過去に溺れた所を助けてくれた医師・季史×離島の神社の跡取りで実は狸の青年・鼓太郎による、超ピュアな初恋再会ものになります。
代々、人間の姿をした狸が神主を務める離島の神社。
跡取りで狸である鼓太郎は、五年前に溺れた所を助けてくれた季史が初恋です。
その時に貸してもらったパーカーを返し、お礼を言いたいと上京するんですね。
再会した季史と優しく楽しい時間を過ごしますが、鼓太郎が島を離れていられるのは一ヶ月間だけでー・・・と言うものです。
で、島を離れて一ヶ月が過ぎてしまうと、狸の姿になって二度と人間には戻れないと言う設定です。
鼓太郎ですが、離島育ちだけあり超ピュアで、ちょい天然な青年です。
でも、とにかくあたたかくて思いやりがあるんですよ。
で、そんな鼓太郎と再会し、王子様のように優しく接するのが季史。
彼は鼓太郎にはひたすら甘い態度しか見せませんが、意外と他所には冷たい部分がありそうと言う、素敵キャラになります。
これ、再会した二人の日常ですが、とにかく甘くて可愛かったりします。
季史が東京を案内してあげると言う流れですが、二人で食事をし、スカイツリーに登り、花火を見る。
田舎育ちである鼓太郎の言動と言うのは、結構ズレてるんですけど、それが笑わせてくれるし和ませてくれるんですよ。
鼓太郎視点なので、彼の一途な恋心が丸分かりなワケですが、季史もまた、鼓太郎の事が可愛くて仕方ないんだなぁと、よく分かる仕様になってまして。
いや本当、超ピュアっピュアっですわ。
めちゃくちゃ癒されますわ。
鼓太郎の一途さに、心が洗われますわ。
そんな日々を過ごすうち、期限である一ヶ月が近付く鼓太郎。
クリスマスイヴを共に過ごして欲しいと季史から誘われ、リミットギリギリながら一緒に過ごす事にするんですね。
そこで想いを打ち明けあい、甘い一夜を過ごす二人。
しかし、鼓太郎が目を覚ますと、身体が狸に変わり始めていて・・・と言う流れです。
こちら、根底にあるのが「タイムリミットが一ヶ月」なので、二人で過ごす時間が甘くて可愛い程、なんだか切ないのです。
この一ヶ月間のタイムリミットですが、実は一生に一度だけでもあります。
この一ヶ月間を過ぎれば、もう二度と島の外には出られない。
こう、東京でのひと月、季史とのひと月を、一生の思い出にしよう。
二度と会えなくても、この思い出を胸に死ぬまで生きていこうー。
そんな、鼓太郎の決意に、心が痛んで。
で、この後、狸に変わってしまった鼓太郎の運命はー?
と続きます。
ちょっとこれはお約束感満載と言うか、まぁ上手く行き過ぎ感がある気がするんですけど。
ただ、ハッピーエンドが大好きですので、個人的には問題無かったりします。
あと、季史の意外な策士ぶりなんかも分かって、ニヤリとしちゃいますしね。
あと、本編終了後に、季史視点のSSがあります。
こちら、季史の鼓太郎に対する溺愛ぶりと言いますか、デレデレっぷりがこれでもかと書かれてます。
個人的に、このパターンが大好きなんですよねぇ。
本編を受け視点で、で、最後に攻め視点でいかに受けにメロメロか語られるみたいな。
溺愛攻め、最高じゃないか!
と、とても好みの作品で、大変楽しく読めました。
天然純粋培養のタヌキが初恋の人に会うためはるばる離島から東京まで会いに行くお話。
<あらすじ>
日本の最南の離島に住む島守鼓太郎(受け)は、海で溺れた自分を助けてくれた医学生・折原季史(攻め)に一目ぼれします。
お礼も言えずに東京へ戻ってしまったその季史が結婚してイギリスへ行くと聞き、一生に一度の機会を使ってお礼とそのとき借りたパーカーを返しに東京へ出かけていきます。
返すものを返してすぐに帰るつもりだった鼓太郎ですが、実は結婚も渡英もしないと聞き大喜び。
季史から誘われるままに何度も遊びに連れて行ってもらい、ずるずると帰郷を伸ばしてしまいます。
期限のひと月直前のクリスマスイブもこれを逃すともう二度と会えないという想いから約束してしまうのです。
日本の南端の離島に住む鼓太郎は島民を助けたことで神さまに人間にしてもらったタヌキの末裔です。
島から24時間以上離れてはいけないという制約の中で島に縛られる人生が決められています。24時間を超えるとタヌキになってしまうのです。
中学生の時、海で溺れた鼓太郎を助けてくれたのが、島の診療所の医師の息子で医学生だった季史です。
季史の渡英のことを聞き、親友の渚人の協力で一生に一度ひと月だけ長期間離れることができるという唯一の機会を使って季史に会いに行くことにします。
溺れた理由が数学ができるようになりますようにと神様にお願いしようとしたってのがちょっとしょぼいですが、その後数学が中学では四苦八苦、高校では七転八倒と表現がどんどんひどくなっていく鼓太郎なので、それくらい大変だったんだなと思うとちょっと笑ってしまいました
全編にわたって、鼓太郎がとてもかわいいです。
悪意に晒されることなくみんなにかわいがられたことが良くわかる純粋さで、こんな子ににっこり笑って話をされたら癒されること間違いなしです。
島から出るのは24時間以内、長期間島から出るのは生涯に一度しかそれも一か月だけというタヌキに課せられ制限は、昔ならともかく現代社会には辛いものですが、それでもそれを受け入れ時間切れぎりぎりまで恋をしたいという鼓太郎の気持ちが切なくて切なくて。
そして、それを協力する親友の渚人が本当に本当にいい子でした。
父親以外で唯一自分の正体を知っている渚人(と鼓太郎は思っていた)は24時間以内に島に帰らなければならない鼓太郎をずっとサポートし、季史との逢瀬が楽しすぎてなかなか帰ろうとしない鼓太郎を心配して喧嘩になってしまったり、予定より早くタヌキに戻ってしまった鼓太郎を連れて東京から九州までレンタカーをかっ飛ばして連れて帰ったり、鼓太郎は彼には足を向けて寝られないんじゃないかってくらい世話になっています。
彼が親友でよかったと心から思いました。
渚人の心配に対しての鼓太郎の態度は、心配してくれているのにと思わないでもないけど、どちらの気持ちもわかるだけに、辛かったです。
そして、タヌキになってしまった鼓太郎のかわいいこと。
表紙イラストの海パン履いた姿や季史のパーカを抱きしめている姿が可愛すぎる。
そして、泣いていてとても悲しいシーンなのにタヌキの鼓太郎がかわいそうなのにかわいくてかわいくて。
そして、再び神さまの祠へ向かうため岬にすっくと立ち、冬の海を果敢に飛び込むシーンはイラストがなくても想像だけで絶対かわいい。
ただ、ひと月というのにはちょっと疑問が。
8代前、12代前のタヌキになってしまったご先祖の時代は旧暦だったんじゃ?
そして、最後のオチはその手があったら今までの苦労は?という気がしないでもないのですが、二人が幸せならなんでもいいかなと思ってしまうくらいかわいいのでよしとしましょう。
本編後のSSで季史視点の話があるのですが、そこで季史の鼓太郎への想いが良くわかります。
「いっぱい食べる君が好き」と言っていましたが、助けたときは恋愛という意味じゃなかった(中学生だしね)とはいえ一目惚れといってもいい季史の気持ちが駄々洩れで、鼓太郎を手に入れるため人知れず頑張っていた季史の気持ちがわかってよかったです。
電子限定おまけ
「ドライブ日和はキス日和」
免許を取った鼓太郎が季史を乗せてドライブに行く話。
季史を乗せることで緊張でガッチガチの鼓太郎を見て、季史はさりげなく目的地で食べるソフトクリームの話題をだして緊張をほぐそうとします。
どの味のソフトクリームを食べるかで大いに悩み、結局全部食べよう、その後の昼食には大盛ラーメンを食べようと決めたころには緊張も解けていて、相変わらず大食漢の鼓太郎らしいです。
緊張も解け「ソフトクリーム日和でラーメン日和だ」といいながら運転する鼓太郎に、「そしてキス日和だ」「緊張している鼓太郎が可愛すぎだからキスしていい?」という季史の鼓太郎にメロメロな様子がもう甘々でした。