あの旦那で、満足しているのか

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表題作華妻

六浦久嗣,39歳,事故で男性機能を失った華道家
杏,25歳,久嗣の妻

同時収録作品華妻

矢橋拓磨,杏の過去を知るライター
杏,25歳,久嗣の妻

その他の収録作品

  • 満開の関係
  • あとがき

あらすじ

男性機能を失った華道家・久嗣の妻となり、穏やかな生活を送る杏。
だが、かつて乱交クラブで相手をした矢橋と三人での同居が始まって――。

これが欲しかったんだろ?――債務返済のため会員制の店でセックスショーをしていた杏は過去を封印し、今は華道家・六浦久嗣の妻として穏やかな日々を送っている。
事故によって男性機能を失った久嗣だが、杏は心から夫を愛し、不満などないはずだった。
そこへ現れたのは杏の過去を知る男・矢橋。
衆人環視の中で杏を絶頂させた男は男性器に挿入されたいという杏の密かな願望を暴く。
秘密の暴露への不安と快感欲求に苛まれる人妻の懊悩は…。

作品情報

作品名
華妻
著者
西野花 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576191331
3.7

(50)

(18)

萌々

(10)

(16)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
12
得点
182
評価数
50
平均
3.7 / 5
神率
36%

レビュー投稿数12

エロエロのエロ

まずはじめに、こちら、
とにかくエロエロで、何も考えずにエロを読んでエロに浸りたい、どすけべモードの気分に読む向けのご本です。

同性婚オッケーな日本で、
有名な華道家と結婚した美しい若い妻。
ふたりは幸せに暮らしていましたが、実は妻には夫には言えない過去があります。
昔、乱交クラブで働いていたということです……。
そのせいでちんちんを欲しがる淫乱な身体にされてしまいましたが、なんと夫、とある事故のせいで勃起不全なんですよ。アーー……。
おセックスはできなくても幸せで満たされていると思っていたのですが、身体の疼きには耐えられない妻です。
そんな時、夫が、昔自分が働いていた乱行クラブでのおセックス相手の巨根を連れてくるのです。
自分の過去、夫にバレている!?とびっくりしましたが、どうやらバレてはいないようで。
夫は巨根に、挿入できない自分の代わりに妻を満たしてやってくれ、と頼みます。
そして夫公認で夫も参加し3人で夜な夜なおセックスをします……。

とにかく笠井あゆみ先生とのイラストも相まって、めちゃくちゃエロいんです。
いろんなプレイがありますが、わたしは夫が妻のケツに花を生けるところが好きです。


ストーリー ★★★★★
登場人物 ★★★★★
エロ度 ★★★★★


夫はさすが芸術家、こういう関係でも全然いいよ、って感じですし、巨根も巨根で妻を可愛がれるなら間男でいい、という感じです。
2人とも執着心すごいですが。
性に奔放で斬新なお話でわたしは好きでした。

9

表紙が過激?いや、そんなことに躊躇わずもっと早くに読めば良かった

西野先生の作品は割と読んでいます。
免疫はあるつもりです。が、
今作は表紙も帯もタイトルも桁違いにセンセーショナルじゃないですか?
簡単に言えば、これ対面レジで買えますか?いや、そこは通販でクリアしたとして果たして家に置いておけるのか?誰かが間違って手にとって卒倒しないだろうか?
やはり電子配信まで待とうか…とウダウダ悩んでいるうちに読む機会を逃していました。が、やはり配信まで待ちきれずに思い切って購入(通常書店対面で)。

結果、かなり好みな話だった!
もっと早く読んでおけばよかった!!

ストーリーはそれほど混み入っていませんがちゃんとハラハラドキドキ感あり。
登場人物は3人だけ押さえておけばOK。
頭はさほど使わないので疲れていても読めます。

有名華道家の久嗣の妻として穏やかに暮らす杏。彼は借金返済のためアンダーグラウンドで淫らなセックスショーをしていた過去を持つ。そしてそのことを久嗣には当然秘密にしている。久嗣の男性機能は事故により失われていたが、巧みな愛撫と言葉攻めにより杏の「心」は満たされていた…つもりだった。その一方でかつて淫らに開発された「身体」はそれだけでは物足りず、1人で己を慰めることもしばしば。
そんなある日、久嗣が同居人として連れてきたのは、過去のセックスショーのパートナー・矢橋だった。
久嗣は矢橋に杏を抱かせようとして…?!

自らの淫らな過去が久嗣に知られるのを恐れる杏。
ミステリアスでワイルドだが意外にも穏やかな対応の矢橋。
真意のわからない久嗣。

ライトボディなセックスサスペンスです。
読みやすい文体で、コンパクトによくまとまっています。

この作品を楽しむポイントは
・エロを楽しむ
・自己効力感が低く、不憫な過去を持つ受(妻)を愛でる
・3Pの関係性の深さと彩りを味わう
の3つに集約されると思います。

まずエロは安定の西野クオリティ。いたるシーンも汁だらけなのにエグくなく、くどくなく、読みやすい。かつ、このプレイ来たか!というエンタテイメント性もあります。

次に受ちゃんは心は純情なのに身体が淫乱でとっても可愛いんです。何だかんだで快楽に従順。事あるごとに「久嗣さんの迷惑になるから」と必死で距離を取りたがる姿もいじらしい。2人の攻に愛玩されている姿を思いっきり愛でましょう。

この2つだけなら、他にも似たような作品があるし、それほど感動はしないのですが、ですが、

ここに3つ目、3Pじゃないと描けない関係性をきちんと描ききっている点が素晴らしい。
久嗣、矢橋、杏の関係は一見歪んでいるように見えますが、どう考えても彼らにとってはプラスサムゲームだったんですよ。
全員が幸せになっている。
久嗣と矢橋はお互いにジェラシーを感じているはずなんです。しかしそこで対立するのではなく、その嫉妬心も含めて杏との関係をより深く、よりお互いが満足感を得るためのスパイスに昇華させているところがひと味違う。
ストーリーの盛り込み方も良くて、矢橋との過去のシーンなど、書こうと思えばもっと長く、他のエピソードも書くことができたと思いますが、そこはあえて最低限に絞り、今の3人の関係性の獲得にページを割いているところに大変好感を持ちました。
やっぱりBLはみんなの関係性が大事ですからね。

杏は最初こそ戸惑っていたようですが、最後にはちゃんと2人の気持ちを受け止め、愛を伝え、能動的にもこの関係性に心地良さを見つけ出すことができました。
杏のためにも久嗣と矢橋は賢明な判断をしたと思います。

設定だけならディープでインモラルかもしれませんが、
倫理とか道徳を飛び越えて、
君たちがそれでいいなら、私たちもそれで構いません!応援します!
と言わせてしまうような、すごく潔い3Pなんですよ。ドロドロしない。そこが好き。

唯一好みから外れたのは、杏を自分も周りも皆「妻」と呼称するところ。同性婚が認められる設定ですが、男と男なら夫と妻じゃなく、夫と夫で良いのでは??と。BLカップルだって基本的には彼氏と彼女と言わず、彼氏と彼氏と呼ばないか?と。まぁ、どうしても妻というキーワードを使用したい本作では仕方ないかもしれませんが。

そんな些細な好みは置いておいても、このページ数とライトな読み心地でこれだけの満足感を得られるのは、西野先生の作品の中でもアタリだと思いました。

表紙や帯で躊躇してはダメだなと反省。
しかしこのウルトラハードレベルの表紙と帯をクリア出来たので、もう怖いものは無いのでは?とも思います。

4

安定のエロス

ケツ掘りブランコですってよお姉さん!!!
まさかBL界隈でお目見えストは思ってなかったわワシ(/ω\)照

男同士でも結婚できるようになった日本で
仲睦まじい夫夫のお話でございます。
不遇の環境に育った受が、友人にハメられて
身売りさせられるという過去、複数プレイもろもろ
まぁ、言ったらいつものパターンと言えなくはないのですが
攻が何しろEDというのが斬新でした。
自分のもので受を満足させてやれないのなら・・
ネトラレのカテゴリーも入るのでしょうかねこれ。

間男として登場する矢橋。
個人的にはこっちの方が好みでした。
ナニが立つかどうかは別として(ォィ
合体が可能な分絡みが多かったらかもしませんが。

背景的には少々ダークな部分はありますが
全体的には甘め。
お仕置きと称したプレイも結局受を喜ばせるプレイに他ならない。
受が売られていってからのダークサイドの方を短編でもどこかで読めたら嬉しい。
最近のBL甘いの多すぎるので、たまにはしょっぱいのが読みたいのです

3

萌はなかったかな?官能小説です

西野花先生作品初読みです。
笠井あゆみ先生のどエロいどインパクトな挿絵に
ノックアウトされて手を出しました。
この表紙に偽りない目眩く性生活でした。

正式に同性婚が認められている世界で、
華道家の久嗣と杏は夫婦。

妻になって欲しいとプロポーズされて結婚してるし
なんか、BLっていうか普通に男女モノの官能小説の
感覚で読んでしまいました。

久嗣の事が大好きでお互い大切な存在だけど、
事故の後遺症で久嗣が性的に不能である事で愛されているけど完全に満たされていない杏。

杏には、秘密にしている事があった。
かつて、借金の肩代わりで会員制のお店でセックスショーを行っていた。
その時に、性的に開発されてしまい感じやすいカラダに。
久嗣にはたっぷり可愛がって貰えるけど、指では満足しきれない。

そんな時に、かつてお店で身体を重ねた男、矢橋が
2人の住まいに居候する事に。
過去の事がバレないか気が気でない杏と、もう一度杏をモノにしたいと思っていた矢橋。
心は久嗣、でもカラダは矢橋に反応してしまう。

で、結局久嗣は杏の過去なんて知った上で
もっと杏を喜ばせて上げたい気持ちで(若干のNTR願望もあるのか?)矢橋を呼び寄せ、遂には3人でSEXをする事に。
もう、一晩中寝かせてくれない勢い。

ここからは、エロが爆走。
久嗣の目を盗んでのカーセックス、過去のセックスショーの様子、極めつけは旅先での3P。
ローションパンストズリでの潮吹きが最高にエロいです。
個人的に、3P大好物なのです。

結局、必死で隠したかった過去は、出逢う前から知られててお店での矢橋とのショーで一目惚れされてて〜って事だったし、矢橋を連れて来たのも偶然ではなく探しだして説明しての共犯だった。
バレたらどうしようとか心が揺れ動いてしんどくなってた杏ちゃんかわいそ。

種明かしされても、矢橋に肉体のみならず気持ちも動いている事に罪悪感を感じて離婚届を差し出す杏。
それに怒った久嗣のお仕置きスタート。
表紙の挿花のやつです。
官能的でいやらしかったです。

で、これからも3人で仲良く暮らしましたとさってハピエン。
たびたびお仕置きプレイされて悦んじゃう杏。
とにかく、濡れ場が多くて抜ける作品。
面白かったけど、BLである意味は感じられなかったかな。杏ちゃんの人妻感が半端なかったです。

3

よろめく美人妻

「口では嫌でも、体はイイって言ってるぜ」ってのは昭和の時代のゲスポルノでよく言われる科白で、私はこれが嫌いなんですよ。
なんで、ほぼ同じことを西野さんが書いても嫌じゃないのかなぁ……ホント不思議。

私の性癖に刺さる『よろめきもの』でした。
それもね、男と男の間でよろめくのではないんですよ。
自分が『かくあるべきと思っている貞淑な妻』と『奔放に性的快楽を享受する自分』の間をよろめくのです。
これはちょっとたまらんわー。
私、ヒヒじじいになっちゃいましたよ。

どうも登場人物が三者三様、噛み合わない感じでね。
全員の愛が独りよがりに見えるんですね。
特に久嗣。
久嗣凄い。
もう久嗣の世界には久嗣しかいない。
夫公認の間男である矢橋の方がまだ人間っぽいというか、杏を人間扱いしていると思いましたよ。
でも、杏は久嗣に愛されていると思っているのよね。
だから自分も久嗣を愛していると思っているのよね。
で、この空回り感の空虚さがエロい。
意味がなくて、すかすかしていて、孤独であることはエロいのだと解りました。

2

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