SS付き電子限定版
この作品はストーリーを進める上で、仕事に関する描写をかなり細かく書いていかないと、ペラペラなストーリーになると思うんです。
仕事に関する描写が丁寧過ぎるほど書かれていたので、一見お堅い内容にも思えてしまいそうですが、それがリアリティを増していて良かった。
何たって攻も受も、仕事に対する姿勢を主軸にして最初は惹かれ合う訳ですから。
正直最初は、攻・大狼がデレる姿が想像出来ませんでした。
根が優しいのは十分過ぎるほど伝わってきますが、無愛想さとぶっきらぼうさが強くて。
でもまさか、好きな相手にはこうも甘く溺愛するのかと驚き。
無事に甘々なイチャイチャを見ることが出来て良かったです。
影では認めあってるのに拗れに拗れてぶつかってしまう。
こんな2人でどうやってラブに発展してくの!?ってくらい関わり無く、関わったら関わったで険悪!?
加納の頼りにされたいのに上手くいかないジレンマが苦しい!!
そんな時に周りとも大狼とも上手くやってる並行世界へ飛ばされる。
そこで何が足りなかったのかどうしたいのか仕事も恋も真面目にもがくの胸にきました。
加納の気持ちを汲んで 素っ気なかった大狼が真に加納の意図や変化を知って ガツガツし出すのも良かった~
並行世界の過保護な大狼姿も、それに対抗してでろ甘になってくのもどっちの大狼も良い!!さっぱりした性格なのかと思ったら…な攻め方も良い。ダメの判断が的確なの素晴らし!!
加納の必死に仕事に取り組む姿とどっちの大狼にも戸惑う可愛さと両方堪能できたのも良かった。
しっかりお仕事しつつ、高め合い認めあえる関係から恋に発展してくの大好きです!!
お仕事もの。
すごく良かったです。
電子書籍でセールになっているのを、何気なく試し読みしていたら、面白くてそのまま購入して一気読みしてしまいました。
攻めは、できる営業大狼。
受けは頑張り屋の元技術部の彰人。
技術から営業に異動になって溶け込めなく苦労していた彰人が、ifの世界では営業部のみんなに可愛がられてた!
でもなんだか違うとモヤモヤしてしまう彰人。
思い切って元の世界へ。
後半は元の世界で今までとは違う方向性で頑張って、本当に営業部で認められていくように。
簡単に攻めに好かれるようになるのではなく、長い間の頑張りで認められるのが味噌かな。
頑張ってるキチンとした受けが大好きなので、超好みのお話でした。
個人的には攻めの心情がわかるパートがあると嬉しいので、最後に攻めの心情がわかってウフフと楽しみました。
これを機に海野先生の本を色々読んでみよう思案中。
部署の移動で慣れない中、強がりばかり言ってしまい、自分の力で仕事をどうにかしようとする彰人。
自分の態度にウンザリしていると思われる同い年の大狼。周りの人間関係も自分の態度でギスギス。それに加え、不安や怒りで体温が急に低下してしまう体質。
そんなある日、御神体が鏡の神社にふと入り、気付いたらもう一つの並行世界にいた。
この世界では、周りの対応も大狼の接し方も全てが心地よく。。。
ifの世界で、自分の行いを反省し改善する彰人の変化が良いです。また、大狼に対する気持ちの変化や気付きが、かなりしっかり書き込まれており、読み応えがありました。
全てフォローしてくれる甘々な大狼を取るか、自分の成長を期待して素っ気なくされながらも、さり気ないフォローを入れてくれる大狼を取るか、彰人が悩みまくるんです。
好きだからとかで、サラっと戻るのではなく、本当に深く悩む姿が、現実味があっていいなあと感じました。
電子書籍で挿絵あり。高久尚子先生のすっきりした絵柄が素敵です。
無愛想だけど実は面倒見の良い営業マン×技術部から異動させられた不器用な営業部の同僚です。
お仕事BLとして素晴らしい作品です!が、仕事の苦悩やうまくいかない人間関係のことが描かれているので、現実逃避したいときにはオススメしません(笑)。
受の彰人は元々はSEで、技術系の仕事が好きなのに、いつの間にか営業部に異動が決まってしまい、「営業技術」という役職になります。営業部にも技術的な知識がある者がいた方が良いということでつくられたポジションでしたが、周囲に同じ役割の人が誰もいない仕事をすることになり、四苦八苦しています。営業は初心者ですが、周りを頼ろうにも、迷惑になるのではと尻込みして一人で抱え込んでしまい、必死に自力で解決しようともがいて、大失敗してしまったことも。会話をほとんどしないので先輩との距離は一向に縮まらず、後輩をきちんと指導する余裕もなく、ミスを指摘せず彰人が預かって直してしまうのが常習になってしまっています。同じ営業として尊敬している攻の大狼にも、ついつい突っかかってしまい、関係は良好とは言えません。
この彰人の境遇や仕事ぶり、若干自分と被るところがあり胸が痛かったです。「今の業務、自分には向いてない…」と感じたことのある方や、一人で解決しようとしてうまくいかなかった経験のある方には、この作品の仕事の描写は良くも悪くも(笑)刺さると思います。
そんな彰人がある日神社の階段から転げ落ちると、周囲の人がやたら自分に好意的になっていて、あれ?と感じていると、それだけでなく、自分が送ったメールの文面も変わってる、電話したことのない店への発信履歴が残ってる…ということに気付きます。
ネタバレになりますが、彰人は並行世界の自分と入れ替わってしまったのです。
並行世界の自分は、自分の営業に関する知識のなさを真正面から認めて、周囲に教えを請う素直さがあり、おかげで周りからも愛されています。そして大狼も、そんな彰人をわかりやすく甘やかしてくれて…。並行世界の大狼に話しかけられたり、笑顔を向けられたりするとどうしようもなく嬉しくて、そこで彰人は大狼のことが好きだとはっきりと自覚するのですが、次第に元の世界の大狼が、並行世界の大狼とは違うやり方で、自分をものすごく思いやってくれていたことに気付きます。
随所に出てくる、元の世界と並行世界それぞれの大狼の同じところと違うところ、不意に重なる行動など、描かれ方が見事でした。特にアリスのお店は、ここでそう来るか!と舌を巻きました。
最終的には彰人は元の世界に戻り、並行世界で学んだことを活かして自分を変えていくのですが、「周りを変えるには自分から」といいますか、彰人の人間的な成長や、周囲との関係が良くなっていくことが喜ばしかったですし、自分自身のことについても考えさせられるお話でした。したがって、現実世界のことを忘れるために読むには、向かない作品です(笑)。
それにしても大狼が彰人を好きになったのが、彰人が元の世界に戻ってからというのが意外でした。それまではあくまで「がんばっててすごく気にかかる同僚」だったようです。とか言いつつチョコレートに「大丈夫だ」というメッセージを付けて渡すとか、彰人が並行世界に行く前から十分甘酸っぱいのですが(笑)。
ファンタジーとしては、並行世界の方の本来の彰人が、元に戻ってからのことも少し触れられていましたし、並行世界の大狼が元の世界の方に来たときは「そんなほいほい行き来しちゃうの!?」とびっくりしましたが、基本的にはもやもやが少なくなるよう折り合いをつけてくださってるなと感じました。電子限定SSでは、彰人が並行世界に行ったという経験を、大狼がどう捉えているかが描かれていますが、そりゃそうだよねというところに収まっていて良かったです。
両思いになってから初Hまでが猛スピードなのが少し気になってしまいましたが(笑)、ここに至るまでの描写にかなりのページ数を割かれているので、仕方なかったのかなと思います。