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「ほんとうに好きだったよ」 新谷と須藤、最後の逃避行へ——。
待ちに待った『寄越す犬、めくる夜』の4巻目。
見てください、この表紙を。
今までの肌色率が高く、そしてそこはかとなく漂うシリアスな雰囲気とは一転、須藤くんの笑顔に目を奪われます。
もしかしたら、すべてがまるっと上手くまとまってのハピエン?
と思いつつ手に取りました。
が。
いやいや、のばらさん作品ですから。まだまだどこまでもドシリアス街道ひた走り、な展開です。
会長殺しを命令された菊池。
拉致られてしまった新谷くんの妹ちゃん。
その後の展開も気になりつつ、4巻では今まで見えることのなかった須藤の過去編も絡み思わず落涙しました。
痛くもあり、けれど再生の巻でもあり。
以下ネタバレ含んでいます。ご注ください。
前巻までで、会長暗殺を命じられた菊池。
そんな菊池を不審に思った須藤の行動により、菊池が会長を殺そうとしていることがばれてしまう。
「会長暗殺」がひそかに遂行されようとしていることに気づいた須藤がとった行動とは―。
会長のもとへ行ってしまった須藤を、新谷は追いかけます。
妹救出を菊池に託して。
会長殺しを命じられた菊池と、会長のもとへ走り、会長を銃で撃とうとした須藤。この二人の「これから」を案じ、二人とも守りたい新谷くんの想いや愛情が、ドシリアス一辺倒のこのストーリーにおいて萌えを滾らせます。
須藤が、「会長のオンナ」であった理由。
須藤と会長の間に流れる複雑な愛憎。
それが、須藤の過去編を通して描かれています。
ある程度予想はできていましたが、須藤の幼少期はそれは過酷でした。
そんな彼を救ったのが会長。
会長を「よしつぐくん」と呼び、彼を一身に慕い、思慕の情を募らせていく、子ども時代の須藤くんが健気で可哀想なんです。
よしつぐくんが須藤に向ける想いは、恋愛感情ではなかったにせよ、それでも愛情であったのだと思います。愛情ではあったけれど、複雑に絡み、そして解れることのなかった二人の関係はいつしか歪なものへと形を変えてしまった。
求めても得ることができなかった愛情を、今度は新谷くんに向けた。
向けたけれど、でも、その愛情もまた歪。
須藤、新谷くん、そして菊池。
愛情に飢えた彼らが求めた「愛情」はどこへ向かうのか。
かなり切なく、歪ではありますが、彼らが全身で愛情を求める姿に涙が止まりませんでした。
最後、新谷くんに抱かれながら須藤が言うセリフがあります。
菊池には敵わなかったけれど
新谷くんのことがほんとうに好きだったよ
このセリフがとどめでした。
涙腺崩壊。
このセリフの裏に隠された須藤の想いに、涙が止まりません。
そして過去形なのが気になる…。
ヤクザという裏社会を生きる彼ら、のお話で、しかものばら作品。
甘々の終着点を迎えると楽観的には思えず胸が痛いですが、でも、ハピエンを迎えてほしいと願ってやみません。
本編はかなり痛くシリアスな展開ですが、描き下ろし「extra」は一転甘々。
新谷くん×菊池ver.と、新谷くん×須藤ver.の2パターンの絡みがあります。
「新谷くん×菊池ver.」
新谷くん宅に身を寄せている菊池くん。
新谷くんに甘えて「抱いてオーラ」を出す菊池くんだけれど、ここには妹の美由紀がいる。
そうためらう新谷くんだが…。
「新谷くん×須藤ver.」
須藤に呼ばれた新谷くん。
「俺になら めちゃくちゃなことしてもいーよ」といわれた新谷くんだが…。
描き下ろしはめっちゃ甘々。そして爆笑必至な可愛らしいお話でした。
『寄越す犬、めくる夜』は痛い作品で、読み手を選ぶ作品かと思います。思いますが、この作品で描いているのは紛れもなく「愛情」なんですよね。
様々な、複雑な、そして深い。そんな愛情の形。
彼らに幸せな未来が来ることを願って、続編を正座して待っていようと思います。
みなさんハピエン最終巻を予想されたという表紙。
わたしは「いやだーー!悲しい結末やめてーーー!」って感じでした。
いや須藤はとっても可愛く笑ってるんだけど、なんだか嫌な予感したんだよー。
最終巻じゃないので、まだまだどうなるかはわかりません。
このまま新谷といてよ。
もうみんな辛いこといっぱいあったんだから、あとは新谷にいっぱい愛されればいいじゃない!
よしつぐくんも死なない!
もちろん須藤も菊地も新谷も!
誰も死なない!
ハッピーでおわってくれることを心から願ってます。
4巻にして緊張感保ったまま面白さ爆発なので次巻も楽しみに待てます!
誰も死なないで!
表紙を見た瞬間、「もしかして最終巻?ハピエンかな?」と思いましたが、そんなことはなくシリアス一直線。
この巻で須藤さんの過去が明かされます。
幼少期の環境や、どうして会長のオンナになったのかなど……
読むと須藤さんの幸せを願わずにはいられなくなります。
様々な思いが交錯する本作品。
手放しのハピエンは難しいと思いますが、少しでも当人達にとって幸せな結末を迎えてほしいです。
今までは、良継を「ヤクザの悪い奴」だと思っており、そんな奴の元にいる須藤さんの気持ちが理解出来ておりませんでした。
しかし、須藤さんの過去……良継と須藤さんとの出会いがこの4巻で明かされ 彼もまた、亜矢子さん(須藤さんのお母さん)に捨てられた、可哀想な人だということが分かります。
上手く言葉に出来ませんが……何とも、複雑な心境です。
新谷くんは 妹の救助を菊池くんに任せ、須藤さんと共に逃亡します。
大事な妹を放っておいて、妹を拉致した人間と逃避行……??
全登場人物の中で、新谷くんの心境が1番読み取り辛いと感じるのは、彼の性格故でしょうか。
菊池くんは本当に一途で、愛らしいです。
新谷くんが、自分ではなく須藤さんを選んだ事実を目の当たりにしても、新谷くんを待ち続ける……
こんなに良い子、他にはいないと思います。
本当に、幸せになってほしいです……
いや……ついに4巻……この表紙……、
ここまで来たか……という感じです。
わたしも、この表紙の須藤さんは痛々しくて読む前から胸が苦しかった民だったのですが、
やはり苦しかった……。
話としては須藤さんの過去編
(どうして須藤さんはパンストを履いてよしつぐくんに迫っていたのか等がわかった)
最高な流れなんですけど、とにかく苦しい。
大泣きしながら読みました……。
この苦しい中でも、新谷……あんたは優しいのか……。
という気持ちです。
菊池の心情を思うとまた苦しい……。
ストーリー ★★★★★
登場人物 ★★★★★
エロ度 ★★★★★
でも好きです、最高!