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やさしくそっと、近づいて

yasashiku sotto chikaduite

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表題作やさしくそっと、近づいて

中崎雅人
33歳,先輩刑事
遠野碧唯
23歳,準キャリアの県警本部強行犯係

あらすじ

県警本部強行犯係に所属する碧唯(あおい)は、ゲイであることを隠しつつも先輩刑事の中崎に惹かれていた。碧唯より10歳年上の中崎は、準キャリアという立場がため、肩身の狭い思いをしている碧唯に対しても優しく接してくれる、唯一の人だった。想いを伝えることはできずとも、せめていい後輩として彼の記憶に残りたい。その一心で仕事に打ち込む碧唯だったが、ゲイ・コミュニティばかりを狙った連続通り魔事件の発生により、心を乱されていく。碧唯の動揺をつぶさに感じとった中崎の優しい気遣いに、碧唯は自らがゲイであることを打ち明けてしまう。少しだけ距離を縮めることができたふたりの関係とは裏腹に、通り魔事件の捜査は難航。突破口になればと、碧唯は自らがオトリとなり、通り魔をおびき出す作戦を提案するが……。

作品情報

作品名
やさしくそっと、近づいて
著者
桜部さく 
イラスト
一夜人見 
媒体
小説
出版社
くるみ舎
電子発売日
3.2

(17)

(0)

萌々

(6)

(10)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
55
評価数
17
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数6

番外編が読みたい!

叩き上げの先輩警官と、準キャリアのきれい&かわいい系の主人公の物語。

警官ものって、ザ・BLファンタジー!って感じのぶっ飛んだものも多いなか、こちらは丁度良い塩梅に地に足がついたラブストーリー。

登場人物、特に先輩警官に適度にリアリティがあるんですよね。
絶世の美男というわけではないけど、そこそこ鍛えていてそこそこカッコいい。
世慣れてコミュニケーションを取るのが上手だけど、遊びすぎているわけではなく、適度に真面目。
どこの組織のどの部署にも1人くらいはいそうな、感じの良い先輩、指導係なんです。

2人が扱う時間も、マフィアがどうこうという壮大な話ではなく、あり得るなあという規模のもの。

2人が関係を持つところも突然野獣になるわけでもなく、一つ一つコミュニケーションをとって進めていて、そんなところも物語のトーンにあっていました。

でもリアルで重くて堅苦しい、というわけでもなく、むしろ適度に夢見る少女マンガ的な要素も入っているので、レディコミ系のぶっ飛びBLに疲れた時に、肩の力を抜いて気持ちよく読める物語だなと思いました。

先輩警官の人物造形が魅力的だったので、その後の2人の話も読みたいな。
他の作品も読みたいな、と思う佳品でした。

3

先輩刑事が魅力的

初読み作家様でしたが、表紙のイラスト、タイトル、あらすじに惹かれて購入。
(電子、中の挿絵はありません)

文章はとても読みやすいし、攻めである先輩刑事の中崎がとても魅力的なキャラで素敵でした。(こういう攻めさん好き)

中崎より10歳年下の新米刑事である受けの碧唯は地味で真面目な印象のゲイ。
中崎とペアを組むうちに、だんだんと惹かれていきますが男社会の警察組織内、しかも相手はノンケということで気持ちをひた隠しにしています。

ある日ゲイばかりを狙った連続通り魔事件が発生し、二人は捜査を開始するのですが-。

被害者がゲイということで、同じマイノリティーである碧唯も事件を追うごとに怒りや辛さを味わっていくんですが、わりとそこらへんの心情や葛藤がさらっと感じられて、事件自体の解決もあっさり目な印象。

ただ、囮捜査になってから、ナンパ役だった中崎が、役になりきるため不慣れな遊び人風を演じた碧唯とのシーンはとても楽しかったし、終始、碧唯視点で話が進むので中崎の胸の内はわかりませんが、普段と違う碧唯のギャップにどう感じてたのか、その辺を推察しながら読むと萌えます。

ラストのラブラブシーンはとても良かったです。
だからこそなんですが、碧唯のキャラと事件の深みがもう少しあれば、更に盛り上がったんじゃないかとちょっと惜しい気持ち。
今回はもう一歩の印象でしたが、文章も読みやすいし好きなものも詰まってたので次作も読んでみたいなと思いました。

8

もう少し長さがあれば

イラストレーターさんきっかけで購入しました。警察官の先輩後輩ラブ。正直、萌と中立の間くらいです。

刑事ドラマばりの導入部から始まって、ノンキャリ先輩の神懸った洞察力により事件は鮮やかに解決。人間的にも男としても魅力を備えた先輩に惹かれていく後輩…

年の差はあれど階級は同じ二人が、ペアを組んだことで互いの知らない部分を見せ合っていきます。その過程が恋愛に発展していくわけですが、ちょっとテンプレに感じ、た、かな?

気になったのは事件発生のきっかけでしょうか。BLに無理なくつながりそうなネタではあるけれど、一番作者自身のBL観を晒してしまう可能性があるので諸刃のような気がしてヒヤヒヤしました。近年はBL作品での性指向の扱いにおいてフィクションとリアルの線引きに戸惑うことが増えたような気がしているので、難しいですね…。

ラブの部分は好みでした。メインカプのキャラも嫌味がなく、スーツ姿と私服のギャップを楽しませてくれましたし、おおらかで器用に家事をこなす中崎はもっと挿絵でも拝んでみたかったなー。(料理ができて味覚のセンスがいいと、なんかイイ男っぽい気がする。)先のレビュアー様がご指摘されているように、イラストがないので…。あと、二人の恋模様ももっと焦れてくれてよかったんじゃないかなと思います。このお話のメインディッシュはそこですから!

色っぽいシーンについても思うところがありますし、ページ数が少ないのもあるのかもしれませんが、物足りなさは否めません。もう少し膨らませたら絶対萌えも膨らんだと思います。

文章については冒頭、若干疲れていたせいか自分の頭の調子がよくなかったため、なかなか内容が入ってこなくて読解するのに時間がかかりました。「起」にあたる部分なので、気合が入っている感じ。中崎のキャラもまだ定まっていない印象ですし、情況説明に徹するあまりに一文が詰まっているというか…。

後半につれ気にならなくなりましたが、文章をほぐしたらもっと読みやすく感じられたと思います。単純に相性の問題かもしれませんが。

1

著者の真面目さがにじみ出ている

真面目にBL小説を綴る人なんですね。

真面目で堅い文章だった。
心情描写はとても丁寧。
真面目過ぎて、萌え所が掴みきれなかった・・・残念。

1

落ち着いた設定は好印象

刑事もので先輩×後輩のお話。

すごいスパダリやハイスペというわけでなく、叩き上げの先輩刑事と準キャリ後輩という落ち着いた設定が良かったです。

先輩のキャラも軽口多めの頼れる先輩で好きだったけど、サイズの合ってないスーツとイケてる私服のギャップとか、実は家事&料理上手という辺りが後半に分かってくるにつれて、ちょっと攻め属性盛りすぎな気もしました。

後輩の受けくんはゲイということを隠してるのもありますが、真面目で堅物で、ちょっと馴染みにくいキャラクターだったかなと思います。
冒頭はその説明や心情などが多く含まれていたので、文章が堅いというか入り込みにくかったです。

好きな設定だし事件もトンデモではなく地に足の着いた感じで好ましいんだけど、もう少しキャラクターや設定に深みがあったらなぁと残念です。
電子の単話だから仕方ないかなと思いつつ、半額セールだったから良いけど定価だとちょっと高く感じるかな…という印象でした。

0

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