• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作ノーボーダーズ・ラブソング

瑛人:路上ミュージシャン
沢木:サラリーマン

同時収録作品惹かれるもの

小室翼:映画脚本家?
郁:後輩

同時収録作品余情とシーソー

阿久比:浮気性
君美:靴屋店員

同時収録作品メルトハート

卓:照明会社勤務
赤嶋カオル:オネエのバックダンサー

その他の収録作品

  • 惹かれるもの[出会い編]
  • 作品についての小話

あらすじ

いつもと変わらない日常だと思っていた。
彼と出逢うまでは――…。

忙しなく通り過ぎていく人並みに向かってギター片手に歌う瑛人は、人目を憚ら ず涙を流す男と出会う。
沢木というその男は、『かつての男』に瑛人を重ねているらしく、興味本位でその男の代わりに身体の関係をもってしまった瑛人だが――?

作品情報

作品名
ノーボーダーズ・ラブソング
著者
降谷百合矢 
媒体
漫画(コミック)
出版社
コアマガジン
レーベル
drapコミックスDX
発売日
ISBN
9784866533636
3.6

(20)

(3)

萌々

(10)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
71
評価数
20
平均
3.6 / 5
神率
15%

レビュー投稿数8

不器用でも愛を伝える

4作品収録の短編集でした。
どのお話も素敵だったのですが特に「余情とシーソー」がすごく刺さりました。
浮気性で不器用で、だけど誰より君美のことを想っているのが伝わる阿久比の視線がたまらなかったです。
多くを語らないからこそ響いてくるものがあるんだろうな、と。
とはいえ浮気していたのは許せないです。この出来事がいい薬になって彼も変わってくれたらいいなと思いました。

どの作品にも不器用ながらに必死に愛を探しているような男たちが登場していますが、それぞれに環境も立場も違う彼らのお話を新鮮に楽しむことができたのがすごく良かったです。

0

雰囲気のあるよい短編集

いや、表紙からほんわかしたお話かと思ってしばらく手に取らずにいたのですが、なかなかよかったです。
短編集。

実際の恋もそうかもなあ、と思うような、相手しか見えない純粋な恋という少女漫画的恋愛からは一歩大人なお話ばかりでした。

路上ライブをしているシンガーと、その声に惚れ込んだリーマン。その声が死んだ彼氏にそっくりだという。。
出会いに元彼が絡むだけに、素直になれるまでに時間がかかる二人。

映画バカのつーちゃんと、彼を支える郁。一途な秘めた想いはどこへゆくのか。。

とんでもないクズ、のように見えた彼氏。主人公、君美は別れを決意するが、仕事先の靴やに彼がやってきて。。

最後のお話は、女装ダンサー(体格よし)のかおるさんと、その女性同僚と仲良くなりかけていた青年(照明さん)。これはかおるさんが、しっかり者だけど既婚者と恋をしていたせつないエピソードもありで、なかなか個性的な作品でよかったです。

どれもラストから余韻の残るよいお話でした。
作者さんの他の作品を読みたくなり探しております。

0

短編だけど素敵でキュン凝縮♡

4カプ収録の短編集ですが、
「もっとその先も読みたい」とはなりますが、「短くて物足りない」という感じはありませんでした。

表題作はドストライクでした♡
路上で歌う瑛人と、死んだ恋人と声がそっくりだと瑛人の歌を聴きながら涙を流す朗。
自分が誰かの代わりだと自覚しながら体だけの関係を続けていく虚しさが約25ページの短く纏められているお話に心持っていかれました。

3組目の、浮気性の彼との痴話喧嘩で見切りをつけた気でいたのに、始めた知った彼の過去の行動・予想外の彼の今回の行動、心揺さぶられる君美が可愛かったです。
表題作と同じく、短編なのに綺麗に収まってる展開に見事惹かれました。

4組目は唯一前後編作品で2話収録。
オネエダンサーのカオルが、ダンサー仲間の女の子がオンラインゲームで知り合ってライン友達になり一回会っただけで見限った卓に興味を持ち友達になるお話。超好き!表題作と迷うくらい好き♪
カオルが、前半は好きだった相手に捨てられた自分を卓に重ねて心配し、話を聞いてあげたり世話を焼くのがホッコリでしたが、当然のように惹かれあっていく二人にきゅんっきゅんでした♡


どのカプ達もその後の幸せそうな姿をもうちょっと拝んでいたくなるほどに可愛かったです。

1

みんな不器用だけど

初めての作家さんです。
リサーチ不足で、まるまる表題作品だと思っていたら短編集でした。

でも、それぞれ味わいがある短編映画みたいな作品集です。

【ノーボーダーズ·ラブソング】
ストリートミュージシャンの瑛人と、好きな男を亡くしてしまった男、沢木の話。
切ない!切ないなぁ…

声が、似ていて好きだった歌を歌い上げる人に会ったらどうしよう。閉じ込めていた哀しみが決壊してしまう。
二度と聞けない懐かしい声。凄い出会いですよね。
ゲイ同士だった2人が身体は繋がっても、心のラインが越せない。声じゃなくて、自分自身を愛して欲しいと願う。
ほろほろ零れ落ちる2人の気持ちが、本音を出せて繋がって良かった。

【惹かれるもの】
映画作製者のつーちゃんと恋人の郁の話。別れ話を綴った手紙を置いて出ていこうとした郁。
だけど、なかなか破天荒なつーちゃんに引きずられ別れ話に持ち込めない。
2人が高架下で、つーちゃんの脚本、資料を火葬(焼く!)する場面。
いや~この場面での心情吐露とか、郁とつーちゃんの表情、行動が良い。
【惹かれるもの 出会い編】
2人の出会いが楽しい。結局、つーちゃんは郁にはかなわないなと、判明してますよ。

【余情とシーソー】
個人的に、余情って言葉を使ったことが有りませんでした。
物事の背後にある情緒、です。
恋愛の熱さが、ずっと続くわけじゃない。
何度となく、恋人の浮気に振り回されたシューズショップの販売員の男、君美と浮気ものの彼氏、阿久比の話。
魚心有れば水心なのが真理かな。
惚れた相手は、ちゃんと大切にしなきゃいけないよね!
あ~でも、このCPは別れられない。きっと、阿久比が待ち続ける場面が甦ってしまう。あ、これが余情、なんですね…

【メルトハート】
こちらは前後編でした。
ダンサーのカオルと、照明業者の卓の話。
カオルは、優秀なダンサーで受けのゲイ。ノンケプロデューサーと付き合っていた過去があって、それを引き摺っている。
卓は、カオルの同僚ダンサーのストーカーみたいになっていて。
カオルが、卓を諭そうとして会うことが始まり。
これは、カオルがいいのです。
いわゆるオネェだけど気持ちが善い素敵なひとなんですね~
卓とカオルは、会って話したり、御飯食べたりと会い続けます。卓も、仕事に一生懸命だし、カオルも自身の身体と向き合ってダンスに邁進している。互いに惹かれていく過程がたまらなく、良い…
卓とカオルが互いを好きだと覚悟を決めて向き合うのは、結構、ぐっと胸に迫ります。

それぞれの恋愛が、それぞれに輝いている印象を持つ短編集でした。

個人的にカオルと卓の話は、どんどん話が拡がりそうで続きを読んでみたいと思いました。
降谷百合矢先生の長編に期待したいです。




0

今後が楽しみ

こちらのインタビューを拝見した時から絶対買う!!!と心に決めておりました。
絵柄も、なんとなく哀愁を感じさせるような雰囲気で
表題作の設定も切なそうでしたから。

『ノーボーダーズ・ラブソング』
“亡くなった男の声と似ている”と、街中で涙を落としたリーマン、
それだけでもうエモいじゃないですか!!
どんな風に誘って誘われて体の関係に至ったのか知りたかった……。
最初はセックスだけだったはずがいつしか心まで抱きたくなって
誰かの代わりにされる事がつらくなった瑛人と
もう好きだった男と重ねたりなんかしていない朗、
埋められないものが二人とも満たされて読み切りだけじゃ勿体ない程でした。

『惹かれるもの』
映画製作に打ち込む男・翼と同棲していた男・郁夫の話ですが
翼が自分の世界に入り過ぎな気がして郁夫が気の毒に思ってしまいました。
きっと四六時中映画のことばかり考えている翼が魅力的で
彼の理解者でいられて幸せだったはずが
ついていけなくなって部屋を出て行こうとしたんじゃないのかな?
自分を好きな理由を言ってくれなくても、
自分たちの会話を作中のセリフに入れるような翼で
お前がいなきゃ的な決定打をくれたからやっぱり嫌いになれないんだろうけど
私はちょっとわからなかったです。すみません。

『余剰とシーソー』
浮気性の男・阿久比と靴屋の店員・君美の痴話喧嘩。
浮気性ってだけでもうわーと思いますが
いくら酒が入ってたにしても警察に突き出すとかありえない…。
そんな男と4年も付き合ってる君美の気持ちもわからない。
ほんのちょっとしおらしいところを見せられただけで「やっぱり好きだ」って思えるものなのかなぁ…。
阿久比がずいぶんと勝手な男に見えてしまってがっかりしてしまいました。
なんだかんだでお前が一番だよって意味に思えてしまったもので…。

『メルトハート』前後編
照明会社に勤める卓と、ダンサーでオカマ口調のカオル、
恋がうまくいかない二人が出会って
会うたびにお互いの一生懸命さが好ましくなっていくお話。
前後編なので惹かれていく過程がしっかりしていて読み応えがありました。
どちらも芯があって最初の印象だけで判断しちゃいけない人間性が素敵!!
ただ個人的にカオル×卓だったらもっと萌えました。

1冊まるっとのお話も是非読んでみたいです。

0

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP