電子限定おまけ付き
久々にヒットしたギド作品。
本人はその気がないにも関わらず、とにかく人タラシなハクさん。
上目遣い、人をじっとみる、押すとのれんのように抵抗がないけど激しく拒否もされない、でも自分のことはあまり語ってくれない、そんなミステリアスな人物で、どんな人にも気があると思われてしまう体質。
本人もそれをいやがるでもなく飄々としていて、キャラの描き方がすごく上手で、表情や仕草など、あーこんな人いるだろうなぁ、と思ってしまう。
そこに現れた虎姫ワンコ。怪我で柔道をあきらめたが、バイトでハクと知り合い、気持ちを抑えながらも健気にがんばる姿がすがすがしくて良かったです。
元やンの便利屋オーナーや、3P申込みカップルなど周囲も固定的。
面白かったです。
どうしたんだろう。絵柄から、雨隠ギドさん、っていう感じの個性とかクセとか味みたいなものがすごく薄くなっていて、普通と言うか…、さらにちょっととある作家さん味(み)も加わっていて、最初の方は誰の本読んでるんだろうってすごく混乱してしまった。
読んでいる内に、表情の付け方がギドさんなのでホッとしたけど、やっぱり所々薄味になっていて…描く方法変わっちゃったのかなぁ。何だか残念です。
あくまで絵柄だけの話です。
お話は面白かったです。仕事先の社長がいい味してました。
ハクさんヨッ◯モックもってきそう〜〜〜笑
ストーリー運びは雨隠ギド先生っぽい、キャラクターにもぽさがある、でも今まで読んだ作品とどこか違って、大変好きでした。あとがき読んだら挑戦の結果だったんですね。伝わってきてました先生!!
完璧な恋人であっても完璧な恋人同士になれるとは限らないよね、と思う作品でした。自分は、優しさだけで身体まで…っていう過去のハクさんが必ずしも悪だとも思えないですし。
魅力的な人が万人に魅力的に見えるわけでもないのもポイント!良川社長の明るさは救いだ!ハクさんに惚れる人ばっかじゃないのよ。
カバー裏必見
一般作は読みましたがBLは初めて読みます、漫画が上手い人はBL描かせてもやっぱり良いです。
表紙は良さを引き出してません、小悪魔系が攻めをたぶらかす話に見える。
間違ってはいませんがボーッと見えて結構しっかり意見できるし、可愛いというよりは中年以降も綺麗に年取りそうな感じです。
虎姫はガタイの良いワンコ系、アスリートを断念した過去があります。
ハクは実際に完璧なのでなく理想を投影しやすい空白を持ってます。
ハクのガチャピン目が周囲の人を惑わせてしまう。というのは分かる。凄い分かる。
私の知っている人の中にも居る。「何であんな男がモテるのか?」と言われる様な人の中に必ずと言って良い程、ガチャピン目は居る。その気怠げな瞳に色気を感じてしまうのだと思う。
ハクは幼馴染の良川(凄くいい人!)に言われて、その瞳を隠す様に時々サングラスをかける。
ところがそれはワンコ虎姫には効かない。虎姫には気怠げな瞳だけでは無くて、ハクの多分全てに惹かれてしまうのだ。
ハクのやっている通称「何でも屋」も、最近の世相を表していていい。
私は友人が赤の他人の結婚式に出るという、TVでしか見た事ない様なバイトをしているのを聞いた。新郎新婦の簡単なプロフィールを聞いて、友達は新婦の大学時代の友人として列席しているテイでお願いされたそうだ。「今日は来てくれてありがとうー。」と最後に言われたというのは、おそらく本心だろうと言っていた。それくらい切実なのだ。
その友人は、また請われては、別の人の友人のふりをしたり、家族のふりをしたり、している。
そしてそれは勿論、ハクと同様に「でも、生きがいじゃない。」と言っている。
流されていく事は悪い事じゃ無い。と私自身は思っている。ハクは茫洋としている様で。実はいわゆる「自分探し」をしてるんじゃ無いかと思うのだ。
本当の「生きがい」。本当の恋。本当の友達。
それが本当かどうかは簡単に自分で決めていい事なのに。
ハクはタイトルにある様に、「完璧な恋人」なんかじゃ無い。ある程度の事は器用に出来るかもしれないけれど、大分欠陥がある。危なっかしい恋人なのだ。
不器用なことと、器用な事は、表裏一体で。そんなところにも不思議なアイロニーがあって。何だか浮遊感を感じる物語でした。
決定的な事実、というのが色々ゆるーい気もするので、まぁ虎姫は頑張ってたかと思うけど、それでももぅちょいゴリゴリ頑張って欲しかった気もする。
だって。ハクにとって、初めての「特別」だからね。