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表題作ロマンス不全の僕たちは

遠藤進太郎
30歳,美容院店長で元同僚
増井昂大
28歳,美容師

その他の収録作品

  • 雪の日の帰り道
  • あとがき

あらすじ

美容師の昂大には秘かに想う相手がいた。モデルにスカウトされるほどかっこよくて、才能があって、だけどどうしようもなく愛想がなくて口の悪い同僚、遠藤進太郎だ。
周囲には明るくムードメーカーと思われている昂大だが、本当は傷つきやすく、臆病な一面を持っていた。
だから、遠藤に告白するつもりはなく、今の同僚の中では一番親しい同期、という立ち位置で満足しているはずだった。
それなのに、遠藤の地元に引っ越して、遠藤の美容院で働くことになってしまい!?
無口無愛想×隠れ繊細のハートフルラブ登場!!

作品情報

作品名
ロマンス不全の僕たちは
著者
月村奎 
イラスト
苑生 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
ISBN
9784813013242
4.3

(324)

(186)

萌々

(91)

(31)

中立

(6)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
44
得点
1393
評価数
324
平均
4.3 / 5
神率
57.4%

レビュー投稿数44

草食系俺様攻め?

 会話が足りない系の両片思いかと思ったら、攻めの方はかなり前から受けが自分に気があることに勘付いていたようなので、蓋を開けてみれば受けのこじらせ片思いなお話でした。

 攻めの遠藤と受けの昴大は元々、同じヘアサロンに勤める同期でした。遠藤は大学を中退して美容学校に入ったので、昴大より二つ年上。
  昴大は子供の頃、両親が不仲で、家庭をギスギスさせないために明るい道化を演じていたような気遣い屋。
 一方の遠藤は美容師として腕がよく努力もしていますが、愛想はなく無口で、客や職場の先輩に対しても思ったことは歯に衣着せずに伝える、 昴大とは真逆のタイプ。

  昴大の父親が亡くなり、急に仕事を休むことになった際、遠藤がお客さんを引き受けてくれて、普段と違って客の希望も聞いていたという話を聞き、 昴大は遠藤への恋心を自覚します。
 その後、美容室を経営していた遠藤の母親が亡くなり、母親の美容室を継ぐためにサロンを辞めることになります。送別会の席で、不愛想な遠藤が一人で美容室をやっていけるのかという冗談から、その場のノリで昴大が遠藤の店で雇ってもらう話になり、 昴大の秘めた恋心を察している先輩の後押しなどもあり、昴大も都内のサロンを辞めて遠藤の地元についていくことになります。

 遠藤には地元に家族ぐるみの付き合いの女性の幼馴染がいて、昴大は遠藤がその子と結婚するんだろうと思い込みますが、結果的に彼女が好きなのは昴大の方でした。その子に告白されたことをきっかけに誤解が解け、運転免許を持っていたのに遠藤に送ってもらうために免許を持っていないと嘘を吐いていたことを遠藤に知られてしまった弾みから、昴大が遠藤に告白し、実は遠藤も昴大のことがずっと好きで、かなり前から昴大の自分への気持ちにも気づいていた的なことを言われます。

 無愛想で反感を買いやすい遠藤を陰日向にサポートし、地元について行って遠距離恋愛の恋人がいると嘘を吐いてまで傍で支えようとする昴大にはすごく切なさを感じましたが、告白されて、「告白はお前から、キスは俺から」的なことを言う遠藤の心情には頭を悩ませました。恋愛で手痛い経験をして臆病になっていたり、昴大に彼女がいる話を信じていたりしていたのならまだわかるのですが、両想いだと自覚していて、5年もの間、何のアプローチもせずに(地元について来たのも昴大から言い出したことなので)相手の告白を待ち続けるのは、よっぽどの草食系に思えます。それなのに両想いになった途端に性欲的なところではかなりがっつくので、誰コレ?な戸惑いが強かったです。
 東京の人気サロンの中堅どころといった安定したポジションを捨ててまで地元についてきてくれて、緩衝材として不愛想な自分をサポートして店を盛り上げてくれていることに感謝しているのなら、もっと早くに気のあるそぶりを見せて昴大を幸せにしてあげてほしかったです。

 昴大がすごく健気で一途で好きなキャラだったので、遠藤のほうももう少し誠実さや一途さが垣間見えるキャラならもっと好きな話になったかなとちょっと残念に思いました。

0

わかりにくい愛、最高。

美容師というとコミュニケーション能力が高い人が多いイメージなんですが、
そこをさくっと裏切る遠藤のキャラが最っ高にツボ…!
仕事の腕は良いのに愛想はまるでなくて、それが誰彼問わずお客様に対してもそんな調子というブレなさが刺さりまくりでした。
そんな彼に片想いし続けている昴大が遠藤とは真逆なタイプなので、やり取りにメリハリがあってそのテンポ感がすごく良かったです。

昴大視点で進んでいくストーリーなのでなかなか遠藤の感情が見えず、
物理的にはすごく近くにいるのに心の距離の遠さに切なさが募ります。
というか、恋が始まるとかそういう部分以外でも遠藤の考えていることや行動の意味がわからなすぎて、この平行線はいつまで続くんだろう…?とヤキモキしたりもしました。

ただ、ずっと何もなかったところからひとつ世界が動くと一気に彼らの関係は変わって、
何もかもが上手いこと進んでいってくれます。
はじめから何も障害なんかなかったみたいにさらっと両想いになるわけですが、
そうなっても尚わかりにくい態度を取り続ける遠藤にけしからん!と思いつつ、
熱量低めなデレもどきに何度も心奪われてものすごく苦しかったです(笑)

よくよく考えてみれば独立するときに一緒に連れていくなんて、昴大を特別に想っている以外のなにものでもないよな。とわかるんですが、
そういう考えに至らないほどの塩対応を取っていた遠藤のわかりにくい愛が昴大に届いてくれて本当に良かったです。
最後まで甘さは控えめでしたがそれが逆にふたりらしくて素敵でした。

あっさりした展開ながら萌えはたっぷりで大満足。
この後のふたりの日々もぜひ見てみたいなと思いました。

0

これぞ日常BL!!

月村先生の作品は結構読んでるつもりだったのでまさかまだこれを読んでなかったとは!と思って慌てて購入してあっという間に読み終わってしまいました!

ゆったりとした幸せな雰囲気・・・今の私にはありがたいですw

昂大が1人でたくさんモヤモヤしてからわまったり勘違いしたりしてたけどそれもまた可愛い!
親の不仲のせいで周りの空気を読んで行動しがちな昂大。
そんな昂大が好きになった攻めのえんちゃんがまー口の悪いこと!
最初なんで好きになったんだ?ってなっちゃうとこだけどえんちゃん本当はだいぶ優しくてそして昂大のことがかなり前から好きだったと!
なにこのツンデレ!ツンデレなのかな!わかんないけどくっついてからはかなりグイグイでそれもまたよかった!
受けの昂大が1人で空回ってるだけで事件とかも何もないけどそれがまたこのお話にはよかったな〜。
日常BL最高です。
くっついてからは読んでて恥ずかしくなっちゃうくらいラブラブで微笑ましい〜!
2人を取り巻く周りの人たちもみんないい人!最高!
本当に幸せなお話でした!

0

なに…このふわふわした幸せな気持ちは…

いや〜〜!あまりのドキドキときゅんで心臓が破裂しそうでした〜……

攻めのえんちゃんに対する片想いを、受け視点で堪能できました。
(普段は攻め時点で受けを見るのが好きなんですが、BLってどっちの視点でも楽しめるのが素晴らしいですよね…一粒で二度美味しい・:*+.)

実はえんちゃんも受けを…と分かった時の、えんちゃんからのキスの描写がもう、たまらんでした。「俺が先にするんだよ」、昨日のあんなへなちょこキスはゼロカウントだかんな、だなんて至近距離で見つめられながら言われたら。
。そりゃ受けも真っ赤になっちゃうしかないよね!頬染めちゃうよね!と心の中が大興奮でした。

無愛想不器用攻めが心情を吐露する場面って、破壊力ありますね…

片思いの切なさと、結ばれた後の多幸感。
そのどちらも最大限に味わえる作品だと思います◎

金木犀香る今のこの時期、ぜひおすすめの一作です♪(作中に出てくる攻めの幼馴染のお店の名前が、「金木犀」なんですね☺︎)

1

思っていたより平坦なお話だった

同僚の域を出ないまま片側の傍にいれるだけでいい片思いな空気感で本の半分以上が過ぎてしまい、ラブに発展する気配を感じずの日常風景が続いていたので、この2人はいつ進展するんだ?後半怒涛の勢いで転じるのか?と思いながら読んでいたのですが、蓋を開けてみたらとっくに両思いな2人だったという。笑
先に好きになったのは昂大の方だけど、それに気づいてそう変わらない時期からえんちゃん(遠藤)も昂大が好きだったそうです。
なんじゃそら!!そういうお話だったのか!

途中えんちゃんの幼なじみのすずちゃん(女の子)とえんちゃんでのカップリング匂わせが入るけど、まぁそれがないだろうことはBL読者として容易く推察可能なんですが、そうですか!!好きなのはえんちゃんではなく昂大の方でしたか!!と。
私は昂大の勘違いと同じ考えで、すずちゃんが髪を触らせる(指名する)のが昂大な理由は好きな人(えんちゃん)に触られるのが恥ずかしいすずちゃんの乙女心と推理してたんです。
私も好きな人に触られるのを喜ぶ前に恥ずかしくなるタイプなので分かるーとか思ってしまっていました。
よく考えてみたら、これはすずちゃんが積極的というわけではなく世の女性はどちらかというとそっち側で自分が少数派なのかもしれないなとはっとさせられました。
接点が増える方が嬉しいし、チャンスが増えるのは嬉しいし、触ってもらえると幸せなのかも。
読者の皆さんはどちら側なんだろう???
とはいえすずちゃん、恋人がいると言っている人にアタックするのはやっぱり積極的だし、自分でも言っていたけど悪女の素質はあるのかもしれません。悪女というか...ハンター気質?
そんな所はギャップだったけど、悪い子じゃないので読んでいて嫌な気分になったりしません。
完全に当て馬というか、着火剤ポジションだったので、寧ろGoodjobって感じでした。

こういっちゃなんですが、読み終わってみるとそんな大した話ではないお話なんです。
でも、後半のささいなイチャつきには何回かニヤッとさせられた。
ささいなイチャつきと書いた通り、濡場もあっさりです。
ページ数もかなり短い。
でも、1ページだけですがとあるページの挿絵のちん...の修正が優しくて、おぉ!?ってなりました。

挿絵といえば、なんでここでこの挿絵が入るんだ?って位置に前倒しで挿入されていてタイミングが合わないのが数枚あります。
明らかに本文の展開より早い所で挟まれるのがネタバレで勿体ない。
なぜあんな位置に差し込んだのか疑問...実に惜しい...

評価が高かったので読んでみたのですが、思っていた感じとは違ったお話でした。
私は読み返すことはないと思います。
学生の時に読んだならもうちょっと評価が上がっていたかもしれません。
えんちゃん、大人っぽい見た目ですが中身は大分若くて、昭和の親父(寡黙で男気あってはっきりものを言う)路線かと思えば小中学生男子(表現力が。特にウザイの件はのちにそういう使い方なんだってなります。それが可愛いなと思える人もいるのだろうけど、私は幼く思えてしまった。)が同居している子なんです。
もしかしたら、ある程度年齢高めの人はこの高評価に見合った満足はないかもしれないなと個人的に思います。
その代わり、日常のありふれた風景のような割と平坦に進んでいくお話のよさが分かる方にはとても向いています。
私は元々そういう系統が向かないタイプなので、神評価の方々はそれを楽しめる方々なんだろうなと思いました。
私の中で月村先生は緩急の強いお話ではなく凪のような作品が多い作家さんではあるのですが、こちらはそれがより強かったように思いました。
私は辛口評価だと思いますが、苑生先生ファンなら、すごく素敵なキャラデザの子達だったし先の通り修正も優しいので見てみる価値はあると思います。
携われた作品どれも素敵ですが、こちらの作品のキャラクターたちのルックスは特に魅力的に思いましたし、とても好みでした。

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