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表題作ドッグカフェで幸せおうち生活

青山雄大,フリーのデザイナー
氷室渚,恋人も仕事も失い車上生活中の青年

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

年末に突然、恋人も住む家も仕事も失ってしまった渚は、唯一残ったポメラニアンのワタゲとポポと車上生活を余儀なくされていた。そこに現れた男・雄大が「ワンコと一緒に寝かせてやるから」と自分のマンションに渚を招きいれてくれるという。豪奢なマンション住まいの雄大は有名デザイナーで、アーティストらしく突飛なところがあるけど無類の犬好き。渚が作った軽食にいたく感動して、ポポとワタゲと一緒に自分専用のドッグカフェをやってくれないかとナナメ上の提案をしてくる。恋人に裏切られ傷心だった渚だけど、雄大の温かい人柄に癒され、同居して甘く優しい時間を過ごすうち彼に惹かれ始めーー。好きイケメンから同居兼俺専用ドッグカフェをやってと言われて!?

作品情報

作品名
ドッグカフェで幸せおうち生活
著者
金坂理衣子 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344846012
3.5

(34)

(4)

萌々

(15)

(13)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
120
評価数
34
平均
3.5 / 5
神率
11.8%

レビュー投稿数10

不自然感が拭えず

長い、長すぎる…。
溺愛攻めや健気受けは好きなのですが。
雄大のアプローチに全然気が付かない渚、雄大の喜ぶ顔が見たくて役に立ちたくて頑張る渚、とても良くしてもらっても自分は雇われの居候だからと自分を戒める渚。

これが延々と続いて。
不憫だった渚が幸せに暮らせて良いんですよ!ですが進展のないまま延々と両片想いが続いて。

雄大のキャラもどうも受け入れられず。子供っぽくて陽気でってなんだろうけど、どうも不自然感が拭えず。

渚の悲観的さも行き過ぎで。
居場所が欲しいのはとってもよくわかるけど。
捨てられた元カレに犬連れて家事をやりに来いって言われて、本気?

素直に犬と雄大の世話して幸せに暮せばいいじゃん!

ワンコたちはとーーーーっても可愛かったです。

0

ほっこり

 受けの渚は元々、社長(男)と付き合っていてその家に一緒に住んでいた。だが元彼が結婚するから出ていけ、と追い出された。
 社長の結婚相手の女が犬嫌いだから、犬も一緒に。無理なら保健所行きだ、と。その上クビにするという、労基行き案件。。元彼がクソ男すぎる!!!! 人間だけならまだしも犬もいるんだから、次の住処くらい用意しろ!
 あと渚の両親もクソすぎる。元父親の再婚相手なんて人間終了のゴミすぎて凄くイライラした。

 攻めの雄大の流れるような口説き文句がよい。
 受け目線で進んでいくから、雄大の思わせぶりな質問等が、付き合いたいと思っているからなのかって考えると楽しい。
 天井や壁に星のステッカーを貼って天体観測(?)するシーンがほっこり……幸せ……。
 渚の好きなタイプで出てきた条件を実行していく雄大。

 ストーリーとは逸れるけど、じゃじゃ降りは初耳wどこの方言なんだろう。

 付き合ってないのにイチャイチャ。
 序盤からちょくちょく思ってたが、雄大のざっくばらん! 元気! 太陽! 陽キャ! みたいな砕けたテンションの高い喋り方と、イラストのクールな顔がマッチしなくて、頭の中で雄大だけがイラストの顔で動いてくれない。渚はバッチリ。

 終盤に元彼(社長)関連で問題発生するが、これもスカッと終わる。
 
 二人+三匹のやり取りの時はずっとほわほわ和んでたから、渚の両親とか元彼と妻の愚痴だけが目立つけど、全体的には心荒れることなく読めた一冊。


 ※ゴリゴリに攻めフェラあり

0

攻めのテンション高さについていけなかった……

溺愛攻め好きなら楽しく読めると思います。

だけど……
なんか時折、ノリが電波っぽくなったり、小学生男子みたいなテンションの高さになってしまう攻めに、引いてしまう自分が……。

ときどきポメや受けのかわいさに感極まった攻めが「ふおおおおおおおっ」っと言うんです。
「うおぉぉっ」ならいいんだけど、「ふおおおおおおおっ」ってなんか嫌……。
「う」と「ふ」の一字違いなんだけど。

受けのアソコを見て「造形美の極み」「型をとって後世に伝えたいレベル」みたいなことをペラペラしゃべるシーンとかも、ちょっ!黙って!みたいな気分になるというか…。

懐が深くて仕事でもできてめっちゃイイ男なんです。
だけど、ちょっと好みとは違うんだ……としか言いようがなかったです。

時間おいて再読してみたけど、攻めのテンションに慣れることはなかった……残念。

育った環境のせいで自己肯定感が低い受け。
だから攻めが「ほんっと、可愛いなぁ」と言っても、まさか自分のことだとは露も思わず「ええ、ワンコは可愛いですよね」みたいにクールに返してしまう。
ここのズレっぷりが笑えるのだけど、ちょっぴり哀しい。

そして終始受け視点にも関わらず、攻めの好意のダダ漏れっぷりが凄まじかったので、溺愛攻め好きとしてはそこがとても良かったです。

3

夢の専用カフェ

ほっこり疲れないお話を読みたくて、タイトルで手にしたら思ったより受さんの環境が重く、お話も予想外に波乱があって、意外な読み応えでした。のんきなカフェものじゃなかった!

攻様がイイ〜!わんこもにゃんこも大好きで自分もわんこな雄大さんは、名の通り心の大きい男でした。食生活に無頓着で身体が細めなのが意外なくらい。仕事も手を抜かないアーティストでお仕事ものとしてもとても面白かったです。
何回か「雄犬」と読んでしまって、しかも違和感なく読めるとこが多いのも雄大さんのご愛嬌。なのに自分専用おうちドッグカフェ作れてしまう真のおセレブなところを、普段は感じさせない言動なのも素敵でした。

ちょいちょい、喋り方がオッさんぽいというかオタクっぽいんですけどそれも良さになっちゃう可愛い人で、
「ハードルは高いほどくぐりやすいんだぞ」とか、「子どもができないのは男女のカップルでもあること」とか、オッさん味の隙間でさらっと出す言葉に痺れました。
少し昔にバズった「BLは苦しめ、それを楽しませろ」というはてな日記を読んでしまってから、長く商業BLの読者想定に因業みたいなイメージを持っていたのですが、作品の方からこうして爽やかに突き抜けてってくれるものもあるんだなとうれしくなります。捨てられた犬と渚ちゃんを拾える雄大さんはファンタジーでも、人物の言葉がリアル社会にも響いてて、BLはイイんだぞ!て思いました。

受の渚ちゃんが美人設定なくてもいいくらいいい子でした。

あとは犬猫ちゃんがお好きかどうか。自分がわんこ好きなのでもふもふパラダイスに悶えました。わんちゃんたちの性格の違いとか、お好きならハマると思います。命を育てる気概みたいのも攻受どちらも大切にしてるのでとても安心して気持ち良く読めました。
金坂先生、素敵です。

だからこそイラストが正直惜しい…渚ちゃんのジレ姿は凛々しく美しいのですがわんこがポメに見えなくて…。ポメがかなり重要な作品なので、ふわふわ犬が描ける方が良かったなあとそこだけやや残念でした。

2

ワンちゃん達が可愛すぎる。


家族にも恋人にも恵まれなかった受けが超前向きおおらかで子供のような攻めに出会う話。


自社の社長と同棲していた氷室渚(受け)は、クリスマスを控えたある日結婚するからと二匹のポメラニアン(ポポとワタゲ)と軽ワゴンを餞別に追い出されてしまいます。
同時に職も失い無職住所不定になってしまった渚。
ペットを連れてはホテルへ泊まることもできず、車中泊を続けているとうち体調を崩してしまいました。
そんな渚を拾ってくれたのはポメラニアンを飼いたかったというデザイナーの青山雄大(攻め)。
駐車場でポメが置き去りにされていると思い、死んだように寝ていた渚を見て驚き、ポメを飼いたかったからと強引に自分の家に連れて帰ったのです。

タイトルにあるドッグカフェとは、雄大の部屋のリビングをカフェ風にしたもので、客は雄大とその関係者だけというものです。

大好きなポメラニアンと等身大ドールのように受けて美しい渚のいる軽ワゴンが宝箱に見えたという雄大は芸術家らしくかなり変わった思考の持ち主でした。
自分の周りはすべて楽しいもの好きなもので埋めたいという雄大は嫌なことは速攻忘れてしまえるうらやましい性格です。

一方、渚は両親の離婚に始まり、自分の居場所を作ろうと一生懸命やってきたのですが、母親にも父親にも果ては恋人も自分の居場所にはならず、ちょっと病んでいます。そのため、初めの方は自分はポメ達おまけで置かせて貰っているのだから役立たなければという強迫観念にかられているふしがありました。
滅私奉公みたいになっている渚は読んでいてちょっと辛かったです。
でも、雄大は子供のようなわがままを言い渚に世話を焼いて貰いながらも、しっかりと自分を持っていて、渚を精神的に甘やかします。
雄大はかなり最初の方から渚にアピールしていますが、渚はかなり鈍感な上はじめの出会いがポメ目当てだったということもあってなかなか雄大の気持ちに気がつきません。
一生懸命渚の好みになろうとしている雄大が楽しかったです。

雄大の盗作疑惑や渚の元カレのことなどちょっとしたトラブルには巻き込まれますが、皆で協力して迅速に動き、比較的早めに解決するのでストレスにはならず程よいアクセントになったと思います。

雄大のなかなか伝わらないアピールも面白いですが、2人の間にいるポポとワタゲと後から家族になるレトリバーのローズのワンコ3匹が要所要所で可愛さ全開でした。
イラストもとっても可愛くて癒されます。
雄大のアシスタントの真治もいい味出していました。
良識派の真治がいることでも、2人がうまくいった要因になったのではと思いました。


渚は今まで周りに恵まれなかったけど、最後には世話しがいがあり、たっぷり愛を返してくれる相手に巡り合えてよかったです。

2

犬好きの方は是非!

登場するワンコはポメラニアン2匹とゴールデンレトリバーですが、ポメ2匹は読んでいた私の脳内でコーギー2匹に変換されてました。コーギーにして読んでも可愛さは十分伝わります。チワワやミニチュアダックスに脳内変換しても楽しめると思います。
雄大は出会った当初から渚に「好きだ!」と傍から見て丸分かりの態度をとってましたが、渚は鈍い!気づきません。
嫌われて捨てられないよう、雄大の為のドッグカフェのマスターに徹し、真面目に働きます。
そんな渚の生い立ちが結構酷い。離婚した親がそれぞれ再婚し、家族と居場所を失くします。
生死にかかわるような境遇ではないけど、親が健在なのに一緒に暮らせず、顧みてもらえず邪魔にされるとは成長期の心が死ぬのではないかと思う。
あと、クスッとしたお気に入りシーンを書きます。
悲惨な食生活を送っていた雄大が「チョコレートだってカカオ豆だろ?」と言い、渚に「チョコを野菜にカウントしますか」と返されるシーン。渚は天然だと思うけど、雄大との会話ではよく突っ込んでる。
アシスタントの真治が言った「目だけ爛々と輝かせたおっさんがガリガリボリボリ、白い錠剤を貪り食ってる姿は、白骨食ってる妖怪さながら」。
斉藤が「ポポとワタゲ」を「タンとポポ」と間違える。「ポメラニアンはタンポポっぽい名前」ってうろ覚えしてたのが、いつからかそういう名前だと勘違いしてしまったんでしょうね。

2

癒しのドックカフェ♪


今回は広告や本の装丁を手掛けるフリーのグラフィックデザイナーと
恋人に捨てられ愛犬2匹と車上生活をする青年のお話です。

愛犬家の攻様に愛犬ともども拾われた受様が幸せになるまで。

受様は輸入健康食品を扱う会社に勤務していましたが、年末に突然、
恋人も住む家も仕事も失い、2匹のポメラニアンと共に車上で生活す
る事を余儀なくされていました。

というのも受様は入社して1年ほど過ぎた頃に自社の社長に交際を申
し込まれ、表向きは家事が得意な受様がハウスキーパーとして住込む
という体裁で社長の高級マンションで同棲していたのです。

しかし社長にとって受様は身の回りの世話と性欲を満たす都合の良い
相手だったようで、社長令嬢との結婚が決まったからと、受様とイメ
ージ戦略にと買ってきて受様に世話を丸投げしていた2匹のポメラニア
ンともども社長宅を追い出したのです。

会社もクビになり、年明けには彼女と同居するからと退職金代わりに
与えられた中古の軽ワゴンに私物を詰め込まれ犬達と追い出されて、
あっという間に住所不定無職となります。不当解雇を訴えようにもそ
の気力も知識もなく、何より幸せに暮らす元カレの元で働くなど辛す
ぎます。

受様は両親が離婚した後、それぞれが別の相手と再婚するまで母とも
父とも暮らしますが、居場所を見つけられず寮のある高校に進学後は
は両親には拘わらない事が親孝行と連絡すら取っていません。社長と
付き合い始めて時は今度こそは必要とされる人間になろうと頑張りま
したが、努力は実りませんでした。

受様は愛犬2匹のためにも安心して暮らせる住まいを探しますが、年末
で不動産屋はほぼ休み、ペット同伴できるホテルも探せず、出費を抑え
るためにも車中泊となります。ところが年始の冷込みですっかり体調を
崩してしまい、家探しどころではなくなってしまいます。

ドラックストアの風邪薬を飲んで大型スーパーの駐車場でひたすら寝て
回復を待つことにしますが、いつのまにか寝ていたようでいつもと違う
鳴き方をする愛犬に起こされます。

どうしたのかとだるい身体をゆっくりと起こすと窓にへばりつくように
して中を覗き込む男性と目が合い、驚いて大きな声を上げてしまいます。
この男性こそ今回の攻様になります♪

攻様は犬がいる事に気付いて社内を覗き込み、横になったまま動かない
受様を見て死んでいるのではと思ったようです。受様が好んで車中泊を
しているわけではないと知った攻様は、このままワンコと受様を見捨て
ると寝つきが悪くなるからと半ば強引に攻様宅に連れ帰るのです。

攻様は在宅で仕事をするフリーのデザイナーで自宅はペット可、仕事で
来るアシスタントにもよく風呂沸かしたり泊めたりしているから気にす
るなとポメラニアンを間近で愛でられる事にワクワクしている模様です。

そんな攻様に押し切られて一夜の宿を借りる事にした受様でしたが、買
い出し途中で受様を拾ったが故にあり合わせなものしかないという攻様
の冷蔵庫の中身をみて一念発起、簡単ですがオープンサンドとチョコト
ーストを作り上げて供します。

それを食べた攻様は受様の料理にも惚れ込み、行く当ても職もないなら
ここにいて攻様の為だけのドックカフェをやってくれと言われるのです!!

攻様は仕事が忙しくて犬が飼えず、受様は犬を飼っているけど職がなく、
正に神の采配だ、と早くもワンコ三昧な日々に夢心地のようです。

果たして攻様のためのドックカフェをうまくいくのか!?

受様と愛犬達に一目惚れした攻様が自分の癒しと受様達の生活のため
攻様専用「ドックカフェ」を開店、同居が同棲になるまでのラブコメ
ディです♪

攻様は受様が見た事があるポスターや有名作家の本を装丁している売れ
っ子のグラフィックデザイナーですが、いつも締め切りに追われ、稼げ
る時に稼がねばと思うと休めないそうで犬を飼うことはもちろん、彼女
を作る事もままならないと言います。

当初はそんな攻様の息抜きや気晴らしとしてドックカフェを開きました
が、住み込みなので自分のついでにとカフェでの昼食や軽食準備の他に
朝食や夕食、洗濯などの家事も引き受け始め、ハウスキーパーのように
なっていき、受様は時に子供のように純真で我儘だけれど、包容力があ
って優しい攻様に惹かれていきます。

攻様が受様を助けたのは受様の愛犬が気になったからというのが初手で
すが、持ち前の超ポジティブシンキングでまさに"将を射んと欲すれば
先ず馬を射よ"と受様と愛犬達をメロメロに甘やかすのですよ。

しかし親の愛にも恋人の運にも恵まれなかった受様はネガティブ思考で
超鈍感君なので攻様のアプローチには全く気付かず、超クールな塩対応
で攻様を度々ノックアウトさせているのが萌え萌えでした♡

攻様を好きな女性担当者がいたり、2人と2匹の暮らしに攻様の友人に託
されたゴールデンレトリバーが加わったり、攻様の盗作疑惑が起こった
りと2人と2匹の生活にはゆったり平和と言うわけではありません。

留めとばかりに受様の元カレが生まれる子供のために手放したはずの
ポメラニアン2匹の所有権を主張してきてハラハラ&ドキドキMAX!!
2人が恋を実らすまでにはたいへん楽しく読めました (^O^)/

お家で自分専用ドックカフェをしてもらうというのは果たして職業とし
てありなのか!? しかも月給20万!? ってあたりに疑問を感じなくはない
のですけど、攻様がそれだけ有能なデザイナーって事で良いのかな(笑)

サマニヤ先生のワンコもとってもキュートですごく良かったです♪

2

わんこ3匹?4匹?

金坂先生買い。ワンコ好きだし、攻めの性格が好きだったんだけどちょーっと長かったかなと感じたので萌にしました。本編310P+あとがき。金坂先生テイストのちょっとクスクスっと笑える感じや、ワンコがお好きな方でしたらおススメです!

くずな男に捨てられ、住むところに加えて仕事も失った渚。年末に駐車場の車中でポメラニアン2匹と雨露をしのぐ生活をしていましたが、発熱したらしく意識が朦朧。そんな時に犬に気付いたのか、窓越しに話しかけてきた男性に状況がバレ、「よし、じゃあワンコもろとも家にこい!」ということになり・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ポポ、ワタゲ(受けのポメラニアン)、ローズ(途中参加、ゴールデンレトリバー)、受けの元恋人(くず)、真治(攻めのアシスタント)、杉本(攻めの担当、♀)ぐらいかな。真治さんがさばさばしていて、めちゃええ人な感じで好きです!

++攻め受けについて

受けが育った経緯により割合ネガティブ思考というかマイナス思考というかそして超鈍感。故に話は進まない、でも自分の気持ちにはなんとなく気付いてグルグル長め。もうちょっと話をコンパクトに出来たのでは・・・という気もするのですが。

それを上回る良さだったのが攻め。性格が明朗快活、超ポジティブ人間、独創的(=斜め上発想)で受けのぐじぐじした印象をぶっ飛ばしてました。
一生懸命好き好き光線を受けに向かって放っているのですが、まあぴくりとも掠らない。いや命中しているのだけど、命中していることに受けが気付いていないと言えばよいのか・・・その気付いてもらえなさにも全くめげないところもナイスでした。ほんと、この攻めじゃなかったら、このカプ成立しなかったと思います。甘えるのも上手だしねー4匹目のワンコです。

薄幸美人さんがワンコともども超ポジティブ人間に幸せにしてもらえるお話です!読後感は良いと思います!

2

おうちをドッグカフェにしちゃう攻めの話

あらすじでなんとなく勘違いしてしまった自分が悪いのだが、攻めと二人でドッグカフェを経営するわけでも、攻めが受けに店を持たせてやるという話でもなく。
単に、可愛い子ちゃんな受けとワンちゃんを自宅に置いて、おいしい料理と行き届いた家事、癒しを提供してもらうというお話だったので、お仕事ものと思って読むとちょっと外した感。ただ、それはそれで、ごっこ遊びみたいで楽しそう。
ドッグカフェと言うと聞こえはいいが、受けの役割はハウスキーパーみたいなもの。一応賃金はもらえるが、お金目当てではなく、お金を貯めて出ていこうという発想もなく、ただただ攻めに喜んでもらおうという一心で、自分の仕事を頑張る受けがいじらしい。

受けの渚は、よくある感じの、ちょっとかわいそうな生い立ちの不憫な子。
彼の一生懸命な性格が、家族には受け入れてもらえなかった、という過去もあり、時にはその頑張りが痛々しく見えたりもする。

攻めに片想いしている女性が出てきたり、攻めが仕事がらみでトラブったり、ちょっとした波風は起きるものの、二人の関係には特に影響なし。
攻めはノンケだけど、渚にはほとんど一目惚れだったみたい。初日から、きれいだの可愛いだの連呼してたしね。
リアクションが大きい子供みたいな攻めと、そのお世話をするデキる奥さんという感じの受けだったので、あまりBLを読んでいるという感じはしなかった。
受けの元彼がクズだったので、最後の方でガツンと物申した場面はスッとしました(笑)

ほのぼのとした穏やかなお話で、癒されたい時にはぴったりだと思います。

3

そのままで愛されていいんだよ

超溺愛攻めと不憫受けによる、めちゃくちゃ甘くて幸せいっぱいな同居ものです。
いや、私は溺愛攻めが大好きですけど、ここまでテンションが高くて全力愛情表現男は初めてですよ。

そして、声を大にして言いたい!
ワンコ達が死ぬほど可愛いよ!!
ポメ達(+もう1匹)の愛らしさを語る為に、この作品書いたんじゃね?ってくらい、彼等がその可愛さで癒してくれますよ。
ワンコ好きは必見ですよー!
ニャンコ派の私だけど、可愛さに悶えましたよ!


ザックリした内容です。
付き合っていた恋人から捨てられ、ワンコ2匹と共に車上生活をしている渚。
熱を出して動けなくなっていた所を、フリーの有名デザイナー・雄大に拾われます。
実は、ワンコが大好きな雄大。
行く当ての無い渚の境遇を知ると、ここで自分専用のドッグカフェをやって欲しいと言い出しー・・・と言うものです。

個人的にですね、不憫受けが攻めと出会って、これでもかと溺愛されるのが大好きでして。

渚なんですけど、かなりの不幸青年なんですよね。
両親の離婚により、それぞれの親から邪魔者扱いで育ち、初めて出来た恋人からは、利用されるだけ利用されて捨てられる。
こう、同居していた上に職場の社長だった為、家も職も一気に無くし、更に捨てられたのが年末だったため、新しい住まいすら契約出来ない状態。
仕方なく、不動産屋が開くまで車上生活みたいな。
ちなみに、ワンコ2匹は元恋人がインスタ映えの為だけに飼っていたので、世話をしていた渚と一緒に捨てられちゃったのです。
クソ野郎。

真面目だし思いやりのあるいい子なんですけど、その生い立ちから異常に臆病で、役に立たなければ捨てられてしまうと言う強迫観念めいた意識も持ってて。
親に愛されずに育った子って、自己肯定意識が異様に低いと言われますが、まさにそんな青年なのです。

で、そんな彼を大きすぎる器で、これでもかと愛してくれるのが、攻めである雄大。
彼はですね、無類のワンコ好きながら、仕事が忙しくて自分で飼う事は難しい。
そこで、ワンコを飼ってて家が無い渚に、家はあるけどワンコが居ない俺! 出会ったのは神の采配!的に、強引に渚との同居こぎつける。

いや、終始こんな感じで、遠慮しちゃって甘える事が出来ない渚に、強引に居場所を与えていく。
めちゃくちゃいい男なのです。
あと、とても感情が豊かなんですよね。
こう、全力で愛情表現!みたいな。
ポメ達2匹(ワタゲとポポです)を見れば「ふおおっ、ワンコちゃ~ん!」みたいな。
全力で暑苦しく構いすぎて、うっとうしがられるタイプみたいな。

と、こんな二人(+2匹)で激甘同居生活。
渚がちゃんとドッグカフェ形式で雄大をおもてなしし、そこに愛らしいワンコが遊ぶ。
作者さんですが、かなりのワンコ好きだと思うんですよね。
これでもかとポメ達の愛らしさが綴られ、読んでるだけで「ふおおっ」と私も言いたくなっちゃうんですよ。
マジで、全体の1/3くらいは、ワンコ描写に使われてて。

また、終始渚視点で進むのですが、雄大が渚にメロメロなのが、読者にはよく分かる仕様になってまして。
何かと雄大が「ふおおっ、ワンコ共々可愛いなっ!」みたいな。
ちょい天然な渚がですね、その「可愛い」が自分も入ってる事に全然気づいてないのにもニヤニヤしちゃう。
ちなみに、個人的に一番のお気に入りシーンですが、ワンコをお風呂に入れる際に渚のシャツが濡れ、透けた乳首に雄大が大興奮するってものになります。
凝視しつつ「エロシャツ・・・」みたいな。
その後、肌に張り付いたシャツを渚が剥がしちゃうと、「俺のプレシャスピンクが・・・」みたいな。
こいつ、さてはスケベだな!
天然な渚が、「(用意する着替えの)シャツはピンクがいいんですか?」とか言ってるのも笑えてしまう。
いや、なんとも平和な二人ですよ。

と、そんな日々を過ごすうち、雄大の優しさやそのあたたかさに惹かれてゆく渚。
しかし、臆病な彼は、自分の気持ちを絶対知られてはいけないとひた隠しにするんですね。
更に、元彼からの連絡をキッカケに、捨てられる恐怖を思い出してしまう。
そこで、そうなる前にマンションを出ようと決意し・・・と続きます。

今作ですが、甘さや可愛さは、魅力のほんの一部。

とても傷ついて萎縮している主人公が、攻めからの大きな愛により、心を解き放ってゆく。
そして、初めて自分が愛されていい存在なんだと気づく。
この主人公の変化こそが、最大の見処だと思うのです。

いやもう、気持ち通じあう瞬間には、ホロリとしちゃいましたよ。
雄大の口説き文句が素敵すぎて、ニヤリとしちゃいましたよ。
いや、上手い事言うな!?

と、とても甘くて可愛くて、何より優しい素敵な作品でした。

ただ、主人公が本当に臆病ですので。
あと、いい大人が、おうちで攻め専用ドッグカフェとかやっておらず、働け!って方はご注意下さい。

7

この作品が収納されている本棚

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