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表題作ベイカーベイカーパラドクス

十亀 秀臣
高校生,優等生の弟
十亀 秀征
高校生,天真爛漫な兄

その他の収録作品

  • シュレーディンガーの日常

あらすじ

ちょっとおバカな兄・ユキと、しっかり者の弟・臣は二つ違いの兄弟で同級生。
だめだめで甘ったれなユキに並々ならぬ想いを抱いている臣は、振られたと泣きつく彼を兄弟ルールで慰めたりと、お世話にいそしむ忙しい毎日だ。
ところがある日、突然ユキに「彼女ができた!」と無邪気に告げられて……。
臣がとった行動とは!?
歪でピュアな、兄弟愛!

作品情報

作品名
ベイカーベイカーパラドクス
著者
暮田マキネ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
白泉社
レーベル
花丸コミックス・プレミアム
発売日
ISBN
9784592721000
4.4

(211)

(136)

萌々

(41)

(24)

中立

(4)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
29
得点
920
評価数
211
平均
4.4 / 5
神率
64.5%

レビュー投稿数29

No Title

すごかった…!!
年下攻・年上受も、弟攻・兄受も、ぽやっと可愛いピュアピュア受も、シリアスなのも、実は好きじゃないんですけど。
作家さんが好きで試し読みして、弟・臣くんのカッコ良さに瞬時にやられ、購入しました。
読み進める内に、あ…このストーリーは単なる兄弟物じゃないんだな、めっちゃくちゃ深い重い事情があるんじゃん…!と、どんどん引き込まれていきました。
二人の両親は本当にどうしようもない人達だけど、叔父や友達が優しい人達で良かった。
どうか臣とユキが、この先もずっと二人で幸せに生きていけますようにと願わずにはいられません。

シンプルに作品として見ただけでも、ひとコマひとコマが本当に秀逸で、ユキが臣に拒絶されて涙を流すシーン、倒れる寸前に臣を呼ぶシーン、鳥肌が立ちました(良い意味で)。

1

胸がギュッとなる兄弟愛

事故で一部記憶を失い幼児退行してしまった兄のユキと、しっかり者の弟の臣。2人だけの兄弟ルールの中仲睦まじく過ごしているけれど、そこには沢山の秘められた事実と想いが。
始め臣が一方的にユキを好きで色々隠しているのかと思ったけど、実は本当のきっかけは全く違っていてその衝撃よ…。
それでも2人のお互いを想う気持ちがすごく切なくて。にーに可愛すぎる〜。ユキの友人ヤマの存在も尊い。全てを思い出す必要はないのかも。
背徳感より純愛度が勝る、胸がギュッとなる作品。

1

暮田先生の描くどろっと重たい家族ものBLの傑作

暮田先生の新作、オズアンの市川先生が出てくる話ということで再読。

読んでいると切ない、つらい、悲しい、愛しい、怖い、重たい、いろんな感情が次々と湧いてきます。

事故により記憶喪失になり精神年齢も体つきも幼くなってしまった兄と、その弟が2人暮らしをしています。

大きな家に2人暮らしで、両親の姿は見えず、さらに、兄弟2人の普通、が世間一般の普通でない、という不穏な様子が続きます。
謎が多くあり、わからないことが多いなかで、弟の兄への異常なほどの世話焼きと囲い込み、隠せていない執着、が際立っており、その腹の中のドロドロ、ぐつぐつを感じて、とてもゾクゾクします。

兄を言いくるめ、囲い込んで、管理しているように見える弟。
兄の一挙手一投足、すべてを把握していたいような言動で、兄が少しでも自分から気をそらすと、突き放すようなそぶりを見せて、泣かしてしまいます。
何度も、兄を泣かせたり、泣かせそうになったり、悲しませる様子に、読んでいて胸が痛くなりました。そして、その自分で制御できない重たい恋心にゾクゾクしました。

最初に好きになったのは誰。
事故の原因は何。
誰かが絶対的に悪い、というわけではないのに、悪いことが起こり、歪んでしまい、うまくいかなくなっていく。
とても切なく、心にひっかかります。

事情を知っている従兄は距離を測りつつ、2人に対してあれこれ手を尽くします。
事情を知っている兄のそばにいる友人は、兄弟関係の歪みに気づいていますが、その歪みを正そうとはせず、しかし、機会、機会で手や口を出します。

兄弟の両親は思い出にしか出てきません。

すべての登場人物の配置、配分が絶妙で素晴らしく、何度も読んでいますが、何度も感情を揺さぶられます。

兄弟二人とも、お互いを想っているからこその言動が、一般的な両片想いのそれよりだいぶうまくいかなくて、お互いを傷つけたり、自分が傷ついたり、してしまいます。

果たして病気なのはどちらなのか。
助けがいるのはどちらなのか。

読んでいて何度も考えてしまいます。

お互いに想いを伝えあい、気持ちを確かめ合った後の初の性行為は、やっていることはとてもエロいようですが、エロさは感じず、神々しくも清らかで綺麗、そして、献身的な儀式めいた印象がありました。

ハッピーエンドでしたが、「2人はいつまでも幸せに暮らしました」というようなおとぎ話のような終わりかたではなく、この閉ざされた家にこれからも2人だけで生きていくのだろうか、と切なくも感じました。

巻末の同人誌パイロット版、兄弟の事情は、だいぶろやかで軽くて可愛い、ちょっとおバカな兄弟のラブラブのお話でした。
同じような兄弟なのに、ここまで印象が違う作品として新たに世に出された暮田先生はすごい、と改めてファンになりました。

1

No Title

にーにと臣がずっと幸せな世界でありますようにと願う作品でした……! そして2人を取り巻く人たちの優しさにまた癒された(両親以外) 特にヤマ!!!かっこよすぎるよ!!! ヤマの大ファンになってしまいました。

1

嘘で始まって、嘘で終わる。ちょっぴり切なさも残るお話

事故で一部の記憶を無くし年齢よりも遥かに幼い言動をする兄【ユキ】をたくさんの嘘で周りを固めながら献身的に守ろうとする弟【オミ】。

傍から見たら重すぎる愛、そして禁じられた行為は執着と紙一重と感じるほどです。
はじめは弟の臣のにーにへの執着がすごいなぁと思ったけど、にーにの臣への執着も負けていない。この執着があったからこそ記憶を取り戻すことができたのかもしれない。

作品全体を一貫してお互いに依存してる2人がとても重くてかわいい。そして兄弟の『慰めあい』がとてもとてもエロい。
乳首がとってもみずみずしい表現で描かれていて、あ~これはピンク色してるな……ってわかる乳首(伝われwww)
ちゅーちゅーとかいうのは幼児退行してるユキに合わせているのか?それが逆にエロさを増幅していた♡♡

ヤマが本当に良い人だった。彼がこの世界の常識、ルールと繋がる唯一の道だったのだと思うけど、2人は兄弟二人の世界を選んだんだね。
それでも、記憶を取り戻したユキにも今まで通り接し、上手くフォローするのはヤマにしかできない事だ……。
嘘で始まって、嘘で終わる。ちょっぴり切なさも残るお話だったけど、実兄弟(弟×兄)、執着、溺愛大好きな私には最高に刺さる作品だった!

1

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