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表題作鬼上司の恥ずかしい秘密

渋谷成清,25歳,制作部に所属している稼ぎ頭
宮城都和,28歳,広告制作会社の総務部主任

同時収録作品鬼上司の恥ずかしい秘密

杉下,課長
宮城,28歳,主任

同時収録作品鬼上司の恥ずかしい秘密

藤本,33歳,関連会社の社長の息子
宮城都和,28歳,主任

あらすじ

人事課で社内の風紀を厳しく取り締まっている、氷の主任・宮城都和は、これまで必死に隠してきた、恥ずかしい秘密をふたりの社員に知られてしまう。

「冷酷な主任の『恥部』が、こんな子供みたいだったなんて」

生まれつき無毛の秘所をあばかれ、弄られて、都和は男たちの鬼畜な愛撫に、溺れていく――。プライドを奪われ、愛を得た、孤独な男の恋物語。

作品情報

作品名
鬼上司の恥ずかしい秘密
著者
西野花 
イラスト
國沢智 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
発売日
ISBN
9784801922334
3.7

(21)

(5)

萌々

(5)

(11)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
78
評価数
21
平均
3.7 / 5
神率
23.8%

レビュー投稿数4

最初から最後まで拘った作品

この表紙はレジに持って行きにくいですね^^;
表紙のエロい印象そのままに、ほとんどセックス(3P)しているという作品です。


陰で〈雪の女王様〉と呼ばれる美しくも冷たい都和は、
6年前、ある男に凌辱された過去をもちます。
当時の記憶は曖昧なものの、矯正を上げ、淫らに乱れる都和の姿はネット上に投稿されていてーー…!

この時の相手は誰だ?というのが、大きな謎になっています。
犯人は会社にいると思う都和は、弱みを見せまいと、必要以上に攻撃的に振る舞う日々を送っているのです。

そんな都和に近付くのは、年上・藤本と年下・渋谷。
この二人に動画の本人だと気付かれてしまった都和は、
半ば強引に抱かれてしまいます。
縛られ、無理やり開かれていく身体ーー
嫌なはずなのに都和は快感を覚え、Mとしての素質を開花させていきます。

藤本は色気ムンムンの大人の男、渋谷は自信たっぷりわんこ系男子です。
相対する二人が魅力的でした♡

これは都和の調教の記録であり、自己開放に至るまでのプロセスです。
一方的にみえて、そこには愛がある。
個人的に陵辱ものは苦手なのですが、抱かれる都和に悲壮感や喪失感が余りないので、辛くならずに読めました。

快楽を与えられると理性を失って痴態をさらす。
虐められるように抱かれると全身が燃え上がるように感じ、
二人を求めてしまう都和がとにかくエロエロ♡
ホテルで、会社で、二人に翻弄されまくります。
テクニックはさる事ながら、Sな二人の執拗な言葉攻めも良き!
都和が天然パイパンなのもエロいよ(゚∀゚)

藤本と渋谷は都和に夢中で、本当に酷いことはしません。
実は、欲しがってるのはこの二人の方だと思う。
だからこそ、都和には従属だけでなく支配もある。
Mに主導権がある。これぞ、理想のSMだと思うんです。
常に3Pなのもよかった!

そして、動画の犯人はーー意外な人物でした!?
あっさり退治されるのですが、普通にスッキリしました。
不安と抑圧から解放され、都和が次第に優しい本来の姿を取り戻していくところも良かったです。

セックスメインの作品は余り好きではないのですが、
会話中心のストーリーは読みやすく、ちょっとした謎も含まれているので飽きずにサクサク読めました!
頭空っぽにして、どっぷりエロに浸れる作品です^^

9

安定の西野作品、と言って良い甘エロな一冊。

作家買い。
西野さん×國沢さん、そしてラヴァーズ文庫、ときたらエロエロだろうな~、なんて思いつつ手に取りましたが、うん。想像以上のエロが詰まった安定の西野作品、といった感じの作品でした。

表紙からも推測できる通り、西野さんらしいといっていいでしょう。攻め二人×受けさん一人、の複数攻めのお話です。







主人公は広告制作会社に主任として勤務する宮城。
仕事ができ、見目麗しい彼だけれど、仕事に厳しく周囲の人たちからは「鬼主任」と呼ばれ敬遠されている。

宮城が、「そう」なってしまったのには理由がある。

新入社員だったころ、歓迎会で飲み、その後記憶を失った彼が目覚めたとき、彼は誰かに抱かれた形跡があった。記憶もなく、誰に抱かれたのかも分からず、恐慌をきたした宮城だが、状況的に自分を抱いて放置したのは会社の誰かとしか思えない。

誰が、自分を。

その「誰か」が分からないうえに、自分が「誰か」に抱かれているシーンがネット上に流出していることに気づく。ほかの誰にも気づかれたくない。だから彼は常に気を張り、隙を見せず、そして孤独に過ごすことにしたのだ。

そんな日々を過ごす彼に近づいてきた人物が二人。
飄々としているが有能な仕事仲間の渋谷と、関連会社から出向してきている藤本。彼らはその動画の人物が宮城だと気づき、宮城に近づいてきて―?



と書くと、めっちゃシリアスなお話かなー、と思われるかもしれませんが、展開としてはシリアスさはさほどありません。なぜなら、渋谷も藤本も、どちらも宮城を愛しちゃってるからなんですね。

その動画をネタに脅すように宮城と関係を持つことから彼ら三人の関係は始まりますが、まあそこは西野作品なので。色事にたけた攻めさん二人に、ドロドロに溶かされていく受けさん、という痛さは皆無のお話です。

渋谷くん(25歳)は年下で、ワンコ+がっつき攻め。
藤本さん(33歳)は年上らしい包容力満載(ついでに言うと出向先の社長の息子という経済的にも余裕のある)の攻めさん。

ということで、多くの腐姐さまの萌え心を掴むであろうバリエーションのある攻めさんたちが登場していておいしいことこの上なし。

そんな二人に、tkb責めされたり、緊縛されたり、あの手この手で快楽に叩き落とされる宮城のなんとエロいことよ。

3Pものですが、これも西野さんらしく「受けさんがどちらを選ぶか」といった展開ではなく、「どちらも同じくらい好き」というストーリーで、それもエロ&甘々、になる要因の一つかな。

ただ終始エロに重きを置いた作品で、彼ら三人の間に育っていく恋心の機微の描写はほぼなく、さらに宮城を抱き、動画をネットにあげた外道な人物に対する鉄槌が甘かったのが残念。「物語」というベクトルはあまり描かれていません。

ストーリーを楽しむ、というよりもエロを楽しむのが良き一冊かと思われます。

9

マジでAVじゃん

ラヴァーズ×西野先生らしいエロ一本道な作品です。

広告制作会社の鬼主任・都和の態度が厳しいのには理由がある。
新人時代、社内の何者かにハメられ撮影された淫乱ドM動画が裏サイトにアップされてしまったから。
屈辱の過去も、暴かれたドMの欲望も、全てを葬るように仕事に邁進し他人に隙を見せなくなった都和。
しかしある日、パリピ系年下男子・渋谷と余裕系敬語年上男子・藤本の策略によりその仮面は剥がされることとなる。
動画の過去、淫乱ドM性癖、そして恥ずかしい身体の秘密――何もかもを暴かれ、都和は欲望の波に引きずり込まれていく……。

という感じですが、ぶっちゃけストーリーはあって無いようなものです。
エロのエロによるエロのための設定なんで。

ホテルで、デスクで、資料室で。
尻叩き、M字開脚、緊縛、言葉攻め。
着席下でフェラされながら「もしもし――今何してんの?」という電話プレイ。

AVの如く隙間なく繰り出される各種パターンのエロ、エロ、エロ。
ページの隅から隅まで受の喘ぎ声。
でもこれが単調じゃないから驚き。
「あ」と「ん」と「っ」と「う」だけで一体何通りの喘ぎ声を表現できるんだ……!と思わず感心してしまいます。

ジャンルはSM系ですが、そこは西野先生なのでご安心を。
痛くない、グロくない、鬱じゃない。
押しの強さはあれど攻本位すぎることもなく。
むしろ受をお姫様扱いしているような印象すら受けました。
エンタメ仕様のソフトSMですね。

特徴的だったのは、最初から最後まで攻の渋谷と藤本が2人セットで登場していた点。
いや、どんだけこの攻2人仲良しなんだよ、と思いました。
というわけでエロは全編3Pです。
1対1バージョンも読みたかったかも……
でも作中「この受は3Pの味を知っちゃったら今更普通には戻れないくらいド淫乱」という意見で満場一致していたようなので仕方ないですね。

AVみたいなエロ特化型作品。
オフィス、SM、パイパン、3P、美人受などなどお好みに合わせて楽しんでください。

ストーリー性?深み?感動?
そういうのは思い切って他所に任せましょう!

4

優秀なポルノ

西野さんのお話を読むと毎回感心してしまうのですよ。
それは西野さんが書くお話の多くが『解放の物語』だからだと思うんですね。
これ、官能作家としての西野さんの特徴だと思うのです。

今作でも、過去の失敗から気づいてしまった自分の欲望を『いけないもの』として封印している都和が、同じ会社のイケメン2人に真の姿を暴かれ、実は心の底で望んでいる様にエロエロに愛されるんですけれども。

小説としての姿は明らかにポルノなんですよ。
渋谷(年下の優秀なクリエイター)と藤本(年上で出向中の本社の社長令息)という2人の攻めの描写は非常にさらっとしています。ある意味『属性だけ』と言っても差し支えないんじゃなかろうか。
だからこの2人、あくまでも『道具』だと思うんです。
この辺が非常にポルノっぽい。

で、このポルノの形をした小説が、実は『少女小説』→『少女マンガ』の延長線上にあると思ったんです。だって、言いたいことは、
「(エロかろうがMだろうが)ありのままの君が好き」
ってことなんですもの。
これカッコ部分を除いたら『乙女ちっく』少女マンガ最大のテーマじゃん!

「凌辱シーンが多いのに西野作品は嫌な感じがしないのは何故だろう?」とずっと不思議に思っていましたが、今作でその謎が解けました。
西野さんは読者を肯定し続けてくれています。
「エロくて良いんだよ~っ」と言い続けてくれているんですね。
だから疲れた時に読みたくなるんだな。
実に『優秀なポルノ』だと思いましたです。

追記
絶賛している割に評価がそれほどではないのは、性癖です。
もう、エロを全肯定してくださるんで恥ずかしげもなく書きますが。
NTRが好きなんです……だから受けを共有するそのやり方が物足りないの。
あとですね、緊縛するならエッセンス的な使い方じゃなくてガッツリが好きなんです。

2

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