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表題作ダズリン スマイリードッグ

遠野楽,26歳,居候
神城宗一,28歳,サラリーマン

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき

あらすじ

会社員の宗一は、うちに棲みついた大型わんこ・楽に日々振り回されていた。
楽はニートの上に、うるさくて家事力ゼロのどうしようもない奴。
でも何か放っとけなくて、宗一はこの生活を心地よく感じ始めていた。
ところがある日楽に、「宗ちゃんと結婚したいな」と爆弾発言される!
親に勘当されていた宗一は、誰かと家族になるなんて考えられず……。

年下大型わんこ×内向的なリーマン、
わんこはリーマンの心をこじ開けられるのか――!?

作品情報

作品名
ダズリン スマイリードッグ
著者
酒渼ゆづ子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
ISBN
9784829686324
4.3

(85)

(44)

萌々

(28)

(12)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
369
評価数
85
平均
4.3 / 5
神率
51.8%

レビュー投稿数10

ワンコの笑顔に心を射抜かれる!

いやー、泣いた。
最近涙もろくていけません^^;


ある日、生活力ゼロのワンコ・楽と出会った宗一。
「俺…宗ちゃんとケッコンしたいな」
そう言われても、家族の愛を知らず、果てには絶縁された宗一にはピンとこない。
そして、楽といると何故か心乱される宗一はーー…!

楽が大型ワンコ。後追い幼児。
何してるかわからないし、生活力がない割に床上手という完全ヒモ体質^^;
だけど、宗一の事が好きで好きでたまらないの。
ここが分かるから憎めないし、とっても可愛く見える♡

宗一は、父親からの期待に応えられず心が潰れてしまったという、傷ありサラリーマン。
その傷を自然に癒していくのが楽なのですか、嫉妬から宗一は楽を遠ざけてしまうのです。

居候していた楽があっさり出て行き、すっかり心が空っぽになってしまった宗一。
失って初めて気がつく宗一の楽への想いが切ない( ;∀;)

そして、本当は大切な人の手を離したくない楽は、自分が普通じゃないことに悩んでいます。
何をやってもダメで、宗一からの愛情も貰えない……
頑張っても頑張っても上手くいかなくて、それでも宗一の事を諦めきれなくてポロポロ泣く大型犬にもらい泣き。
楽の話を聞く祖父母がまた、とってもいい人たちなんですよ。

〝普通〟って何なんでしょうね?
よくぶち当たるこの壁って、本当に高いと思う。
それでも、そのままの君でいいっていう人に巡り会えたら、
その手を離しちゃいけないんだと思います。
出会えて嬉しい、出会ってくれてありがとうーーそういう思いを強く感じられたところが良かった。

ただ体を繋げるだけじゃなく、心を解放して心身共に結ばれたセックス♡
今までとの違いを実感する宗一と、楽の笑顔にきゅんとしました。
犬歯好きなんですよね。可愛かったな。

普通じゃないことに悩む楽ですが、実は天才です!
そこって紙一重なんでしょうね。
出会う前から楽に救われていた宗一と、ずっと宗一が気になっていた楽。
偶然が重なって出会った太陽と月の様な二人だけど、それって運命じゃない?そんなふうに思える素敵な作品でした。

10

大好きです

誰だって愛情を期待したりすることはあるのに、積もり積もった塊はそう簡単には取り除けない。だから宗一は嫉妬を口に出せず、拒絶することで自分を守ったんだね。だけど楽がいないとダメなところまでもう来ちゃってたんだよね(泣)

一方で楽は楽で大切な人と一緒にいるために普通であろうと頑張るのに上手くいかない。その姿が健気で…横に宗ちゃんはいないのに…たまらない気持ちになる心潰されそうになる。救いはやっぱり家族だったり友人だったり周りの人なんだよな。おじいちゃんおばあちゃん、そしておかあさん。ありがと(泣)

最後、2人とも自分の心に素直になって壁を乗り越えて一緒になるところは大粒の涙で溢れたよ。宗ちゃんも楽も笑ってくれて良かった。

この作品。なにか自分の奥底の気持ちを、日常上手くいかない気持ちを、抉りながらも昇華してくれた。そんな読後です。

3

美しい絵とストーリー

前作?の残映がとてもよかったのでこちらも手にとりました。
少し切ないところから徐々にあまあまになっていく2人の関係性…絵が大変美しくストーリーも読み応えがあると思います
こうして丁寧に描かれる絵、話の流れが大好物なので次の作品も楽しみです♪
もっと早く先生の作品に出会いたかった!

1

楽ーーーー!!!

表紙にひかれて読んでみました。
はぁ〜、心が洗われるぅ〜!

宗一の境遇が独特でしたが気の毒ですね。
そんなところに楽が転がり込んで。
ちゃんと出会いとか順を追って話せてたらまた違ったんだろうに…。

あんなに毎日べったりで好き好き言われて。
なのに宗一は家族のこととかあったりで、そういうのいいから!お前見てるとイライラする!とか言っちゃって〜(泣)

楽は頑張ったよ(泣)

徐々に明らかになる楽のことや二人のこと。
もっと楽のこと知りたかったな。いい祖父母がいてくれて良かったね。

私もすごくイライラしてて、何かスカッと、あるいはすっきりするお話を読みたいと探していて、出会えて良かったです!

1

感想に私事が挟まるので苦手な方は避けてください。

親と確執がある人、心に傷がある人、頑張って生きている人、当てはまったら是非!
大袈裟な...と思われるかもしれないけど、恋愛の話にとどまらない作品でした。
涙腺に来る...。

楽や宗一にも共感して感情移入して胸を痛めたりもするのだけど、私が泣いたのは楽のお母さんのシーンです。
こんな風に子供を優先して優しく見守れる人、親として理想だけど、実際は稀有だと思う。
なんて尊いお方なんだろう...。
私は楽みたいな才能は持ってないし、多動とは無縁だったけど、同じようにご飯も食べず飲み物も飲まず、絵しか頭にない状態で汗だくになりながら没頭してずっと描いてる子供でした。
母は大人でもないような集中力で賢い子だと思っていたそうだけど、私はそれを大きくなってからすごく発達障害っぽいなと訝しんだりもして、実際生きづらいことも多くてなんだか似た所がある立場です。
こういう人達は知識がある人からすると悲しいかな察する特徴を持っているんですよね。
陰口をしていたママ達は感じが悪すぎるけど、楽はそう思われて仕方ない傾向を持ってしまっています。
母親っていうのは基本的にはその子の味方なんだけど、心配故に焦りが出て、陰口も辛くて当然だと思うんです。
ストレスが溜まって当たってしまうことや、自分を優先する時があるものなのだろうに、楽のお母さんはどこまでも楽優先。
楽のお母さんの愛情の深さに感動してしまって涙が出ました。
聞き分けてくれないことにはやんわりとした提案をしてみて、それがダメだと分かると怒らず受け入れる。
お腹が減ってるのに、炎天下の中なのに、楽が描き終わって満足するまでただ傍に座っているのってどれだけの忍耐がいるんだろう。
終わった頃には夕方になっている......。
その間、イライラするでもなく汗を拭ってあげて、多分傍の水筒から水分補給もさせて........泣
楽の祖父母もそんな母の親はこういう人なのだという人格者。
そんな3人に見守られ愛されて育った楽。
祖母秘蔵アルバムにも泣く。
あれはダメだ。
写真から伝わる情報量.....。

物事に評価が5段階あるとして、5を振り切る突出した素晴らしい才能を持っているのだけど、頑張っているのに人と同じようにできずに1しか取れないことだらけでもあるアンバランスな特性を持つのが楽です。
そして宗一も、出来ないなわけではないけど、父の期待に応えようとあれこれ自分の限界まで頑張って、本当なら5を取れたはずの努力で3~4辺りしか取れない苦しみを味わった人でした。
どちらも身に染みて気持ちが分かってしまいました。
実は私も父の期待を一身に受けました。
お金だけは沢山投資されたし、壊れるほど頑張った経験があって...何これ重なりすぎる...ってグッときてしまって。
宗一と同じように勇気を出して普段言えない気持ちを打ち明けた時も、同じように暴言を吐かれたなぁって重なった。
なんでこんなに同じなんでしょう…こういう育ちの人のテンプレなのかな。苦笑
理想が高すぎるところに身を置くと3って評価=できないと同義になってボロくそ扱いになってしまうけど、普通に見ると平均は取れてるんだからそう悲観することでもないはずなんです。
でも、落胆されたり、罵られ続けたり、否定されたりするとその感覚がおかしくなる。
宗一の場合はそばに居る弟が優秀な子で、しかも自分程の苦労はしてなさそう...そんなだったらボッキリ心が砕けても仕方ないと思いました。
私も弟がいるけど、私より出来が悪かった...それはそれでお前しかいないって重圧がしんどかったけど、逆に弟の出来が良かったらどうなっていたんだろうというのは何度も考えたことがあります。
なってみないとどちらの方がマシだったかなんて分からないけど、自分のifを見ているみたいな気持ちになりました。

宗一は勘当されてよかったタイプだと思います。
安月給な会社みたいだけど、その中でバリバリ仕事をこなせてるし、自立できてるし、数奇な縁で楽に辿りついてこの幸せを手に入れられた。
勘当されてなかったら出会ってなかったのかもしれない。

私はBL読書をしていると受け攻めどちらかに対して羨ましいなーと思うことがあるんですが(こんな素敵な人に出会えて羨ましい!っていう)、このお話はどちらも羨ましかったし、どちらにもよかったねと思わせられて、羨ましい以上の救いも感じました。
唯一の絵の才能のことすらよく知らななくてプー太郎だと思っているのに、見放さずに世話を焼いてくれる。
それは、口には出さないけどそのままのお前でいいと伝えてくれているということ。
そんな抱擁力のある宗一に出会えて日々癒されて...あぁ楽になりたい~!とも思う。
太陽みたいにいつも穏やかでにこにこしていて、ちょっとポンコツな所があるのが余計に可愛いわんこのように愛しい存在に癒される宗一にもなりたい~!と思う。
2人とも順風満帆からは逸れて生きてきた人達なので、なりたいって思うのもどうなんだ?とも思うんですけど、こんなふうに悪い所も悪いと思わず受け入れて愛し合える相手に出会えていいな...って。
普段あまり自分の色恋の出会いには積極的じゃないんですけど、あ~~~私も癒しあえる存在に出会いたい~~~~!!!と自然と思わせられる作品でした。
枯れてる自分に恋愛意欲を湧かせてくれたってすごい。

色んな愛を浴びれる1冊です。
いい意味で予想を裏切ったとても好みのお話でした。
落ち込んでいる時に読みかえすと励まされる気がしています。

酒美先生、素敵なお話を読ませていただいてありがとうございました。

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