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裏表なし、計算できない、素直、体温高めなこれぞ大型ワンコ!なんだけど、それだけではないってところがいいなと思います。
心を閉ざしぎみの受けをワンコパワーで振り回して包み込んで…だけのお話かと思いきや……。
攻めは一見、お気楽なワンコに見えて実はみんなができる「普通」ができないと悩んでいて、世の中が求める「普通」にもがき苦しんでいるという陰の部分があって、そこが良かった。
親と確執がある人、心に傷がある人、頑張って生きている人、当てはまったら是非!
大袈裟な...と思われるかもしれないけど、恋愛の話にとどまらない作品でした。
涙腺に来る...。
楽や宗一にも共感して感情移入して胸を痛めたりもするのだけど、私が泣いたのは楽のお母さんのシーンです。
こんな風に子供を優先して優しく見守れる人、親として理想だけど、実際は稀有だと思う。
なんて尊いお方なんだろう...。
私は楽みたいな才能は持ってないし、多動とは無縁だったけど、同じようにご飯も食べず飲み物も飲まず、絵しか頭にない状態で汗だくになりながら没頭してずっと描いてる子供でした。
母は大人でもないような集中力で賢い子だと思っていたそうだけど、私はそれを大きくなってからすごく発達障害っぽいなと訝しんだりもして、実際生きづらいことも多くてなんだか似た所がある立場です。
こういう人達は知識がある人からすると悲しいかな察する特徴を持っているんですよね。
陰口をしていたママ達は感じが悪すぎるけど、楽はそう思われて仕方ない傾向を持ってしまっています。
母親っていうのは基本的にはその子の味方なんだけど、心配故に焦りが出て、陰口も辛くて当然だと思うんです。
ストレスが溜まって当たってしまうことや、自分を優先する時があるものなのだろうに、楽のお母さんはどこまでも楽優先。
楽のお母さんの愛情の深さに感動してしまって涙が出ました。
聞き分けてくれないことにはやんわりとした提案をしてみて、それがダメだと分かると怒らず受け入れる。
お腹が減ってるのに、炎天下の中なのに、楽が描き終わって満足するまでただ傍に座っているのってどれだけの忍耐がいるんだろう。
終わった頃には夕方になっている......。
その間、イライラするでもなく汗を拭ってあげて、多分傍の水筒から水分補給もさせて........泣
楽の祖父母もそんな母の親はこういう人なのだという人格者。
そんな3人に見守られ愛されて育った楽。
祖母秘蔵アルバムにも泣く。
あれはダメだ。
写真から伝わる情報量.....。
物事に評価が5段階あるとして、5を振り切る突出した素晴らしい才能を持っているのだけど、頑張っているのに人と同じようにできずに1しか取れないことだらけでもあるアンバランスな特性を持つのが楽です。
そして宗一も、出来ないなわけではないけど、父の期待に応えようとあれこれ自分の限界まで頑張って、本当なら5を取れたはずの努力で3~4辺りしか取れない苦しみを味わった人でした。
どちらも身に染みて気持ちが分かってしまいました。
実は私も父の期待を一身に受けました。
お金だけは沢山投資されたし、壊れるほど頑張った経験があって...何これ重なりすぎる...ってグッときてしまって。
宗一と同じように勇気を出して普段言えない気持ちを打ち明けた時も、同じように暴言を吐かれたなぁって重なった。
なんでこんなに同じなんでしょう…こういう育ちの人のテンプレなのかな。苦笑
理想が高すぎるところに身を置くと3って評価=できないと同義になってボロくそ扱いになってしまうけど、普通に見ると平均は取れてるんだからそう悲観することでもないはずなんです。
でも、落胆されたり、罵られ続けたり、否定されたりするとその感覚がおかしくなる。
宗一の場合はそばに居る弟が優秀な子で、しかも自分程の苦労はしてなさそう...そんなだったらボッキリ心が砕けても仕方ないと思いました。
私も弟がいるけど、私より出来が悪かった...それはそれでお前しかいないって重圧がしんどかったけど、逆に弟の出来が良かったらどうなっていたんだろうというのは何度も考えたことがあります。
なってみないとどちらの方がマシだったかなんて分からないけど、自分のifを見ているみたいな気持ちになりました。
宗一は勘当されてよかったタイプだと思います。
安月給な会社みたいだけど、その中でバリバリ仕事をこなせてるし、自立できてるし、数奇な縁で楽に辿りついてこの幸せを手に入れられた。
勘当されてなかったら出会ってなかったのかもしれない。
私はBL読書をしていると受け攻めどちらかに対して羨ましいなーと思うことがあるんですが(こんな素敵な人に出会えて羨ましい!っていう)、このお話はどちらも羨ましかったし、どちらにもよかったねと思わせられて、羨ましい以上の救いも感じました。
唯一の絵の才能のことすらよく知らななくてプー太郎だと思っているのに、見放さずに世話を焼いてくれる。
それは、口には出さないけどそのままのお前でいいと伝えてくれているということ。
そんな抱擁力のある宗一に出会えて日々癒されて...あぁ楽になりたい~!とも思う。
太陽みたいにいつも穏やかでにこにこしていて、ちょっとポンコツな所があるのが余計に可愛いわんこのように愛しい存在に癒される宗一にもなりたい~!と思う。
2人とも順風満帆からは逸れて生きてきた人達なので、なりたいって思うのもどうなんだ?とも思うんですけど、こんなふうに悪い所も悪いと思わず受け入れて愛し合える相手に出会えていいな...って。
普段あまり自分の色恋の出会いには積極的じゃないんですけど、あ~~~私も癒しあえる存在に出会いたい~~~~!!!と自然と思わせられる作品でした。
枯れてる自分に恋愛意欲を湧かせてくれたってすごい。
色んな愛を浴びれる1冊です。
いい意味で予想を裏切ったとても好みのお話でした。
落ち込んでいる時に読みかえすと励まされる気がしています。
酒美先生、素敵なお話を読ませていただいてありがとうございました。
萌2に近い萌評価です。ストーリーもエロもキャラクターの背景もバランス良くしっかり練られていて、そこまでシリアスな印象はないものの、読み応えのある作品だと感じました。考えるより先に行動し、絵が描ける代わりに人並みのことができない自分を認めている楽。父親には認められなかったようですが、母や祖父母に愛情を注いでもらったのがよく分かります。一方、出来の良い弟と比較され家庭に居場所がなかった宗一。グレずに家を出たのも潔く、基盤に強い心があるんだなと思いました。相手のために変わろうとする2人の成長に温かい気持ちになりました。宗一もいつか家族と和解できるといいけれど、できなくても楽がいれば受け止めることができそうですね。
表紙の印象と中身が完全に一致してました。
ちなみに表紙の金髪が攻め、黒髪受けです。
そして見てください。
この、受けを眩しいもののように見つめる優しくも温かい瞳。
あまりに表紙が良くて、きっと中身で裏切られるんだろうなと思っていたのですがもういい意味でそのまんま!
絵を描くこと以外、何もできないことがコンプレックスの攻め。
愛されたいのに愛されなかったコンプレックスを持っている受け。
互いに満たされない思いを抱き、足りないものを補うハートフルストーリー。
底抜けに明るく自由人な攻めと、真面目でクールな受け。
普段は攻めが押せ押せですが、ちゃんと受けも恋に立ち向かい攻めを迎えに行ったときは本当に良かったです!
ああ、いい本読んだなぁ~と思えた作品です。
表紙にひかれて読んでみました。
はぁ〜、心が洗われるぅ〜!
宗一の境遇が独特でしたが気の毒ですね。
そんなところに楽が転がり込んで。
ちゃんと出会いとか順を追って話せてたらまた違ったんだろうに…。
あんなに毎日べったりで好き好き言われて。
なのに宗一は家族のこととかあったりで、そういうのいいから!お前見てるとイライラする!とか言っちゃって〜(泣)
楽は頑張ったよ(泣)
徐々に明らかになる楽のことや二人のこと。
もっと楽のこと知りたかったな。いい祖父母がいてくれて良かったね。
私もすごくイライラしてて、何かスカッと、あるいはすっきりするお話を読みたいと探していて、出会えて良かったです!