ひと匙の恋心

hitosaji no koigokoro

ひと匙の恋心
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神20
  • 萌×215
  • 萌7
  • 中立3
  • しゅみじゃない0

63

レビュー数
9
得点
184
評価数
45
平均
4.2 / 5
神率
44.4%
著者
可南さらさ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
価格
¥720(税抜)  
ISBN
9784403525087

あらすじ

30代働き盛りでバツイチの涼太は、仕事と家事の両立―とりわけ愛娘・美空の日々の食事に悩んでいた。そんなとき、会社近くの小料理屋で働く学生時代の後輩・穂積と再会する。穂積の作る総菜はどれも極上の味で、涼太はすっかり店の常連に。さらに試作と称して渡されるおかずに、娘ともども胃袋をつかまれてしまう。だが実は涼太には穂積を手ひどく振った過去があって…?「カップ一杯の愛で」スピンオフ。

表題作ひと匙の恋心

岩下穂積,33歳,小料理屋で働く料理人
竹内涼太,36歳,シングルファザーのサラリーマン

その他の収録作品

  • スプーンいっぱいの愛情
  • 一粒の恋心

レビュー投稿数9

あなたに出逢えた幸せ

「カップ一杯の愛で」スピンオフです。
今作だけで問題無く読めます。
既読の方は、なっちゃんカップルが結構活躍するので、そちらもぜひお楽しみ下さい。

で、今回、「カップ一杯~」で攻めの友人だったシングルファーザー・竹内が主役の再会もので、年下攻めになります。
個人的に竹内がお気に入りな為、発売をめちゃくちゃ楽しみにしてたんですよね。
もともと可南先生の作品って、根底に優しさや寂しさみたいのがあって好きなのですが、今回もとても優しくてあたたかいお話なのに、ふいに泣きたくなるような切なさもあって、とにかく素敵でした。
いや、大人って、自分から物事を難しくしちゃうんだよな~。
自分の素直な気持ちに従えばいいだけなのに。

ところで私は、過去に囚われて時間が止まっちゃってる系の受けが好きなんですよね。
絶対好きになってはいけない相手を愛してしまって、しかもその相手は亡くなってしまってみたいな。
そんな受けが攻めの深い愛情により、過去の悲しい恋を昇華し、再び人を愛せるようになる・・・。
みたいのに異様に滾るのです。
そんなワケで、宮野のスピンオフをお願いしたいです。(「カップ一杯の愛で」登場の当て馬で、本編には登場しません。)

ザックリした内容です。
バツイチでシングルファーザーの涼太。
友人に手伝って貰いながら仕事に子育てにと励むものの、料理が苦手で日々の食事に困ってるんですね。
そんなある日、会社近くの小料理屋で学生時代の後輩・穂積と再会します。
何かと親子揃って面倒を見てくれる穂積の存在に、安らぎを覚えますが、実は彼を手酷く振った過去があってー・・・と言うものです。

えーと、私はめちゃくちゃ心が狭いんですよね。
で、このパターンのお話だと、受けにムカついてムカついて仕方なかったりするんですよ。
や、一度振った相手にあれこれ世話を焼かせるって、受け、自分勝手すぎじゃね?的に。
まぁそんなワケで、今作を楽しみにしてた反面、竹内がイヤな奴に成り下がっちゃったら嫌だなぁと、若干不安でもあったのです。

が、これ、相変わらず竹内はめちゃくちゃ男前でサバサバしてて、格好いいのです。
いや、意外とアホな事まで分かって、より好きになっちゃったんですよね。

そもそも、過去に告白されて手酷く振った事から、疎遠になってしまった後輩。
この時のセリフが「俺はホモじゃないし、一生ホモにはならない」なんですよね。
そして、告白した事自体を「意味が無い」とバッサリ。
めちゃくちゃ酷いんですけど、実はこれ、涼太なりの思いやりだともすぐに分かるのです。
自分が悪者になっても、相手の為に恨まれるほどバッサリやっちゃって、思いきらせた方がよい、的な。

で、今回、子育てに励むシングルファーザーと、料理人として再会した二人。
終始、受けである涼太視点で進みますが、穂積が試作品の味見として差し入れにやって来たり、手が回らない涼太の為に子育てを手伝ったりと言う形で、二人の仲はゆっくり進展して行きます。

個人的にすごく萌えた部分なんですけど、涼太の丁寧な心情描写、気持ちの変化なんですよね。
愛娘と穂積と三人で過ごす時間に、安らぎや幸せを感じる。
しかし、穂積からは再会時に再び想いを伝えられており、気持ちに答えられない自分は、彼を利用しているだけなのではと強い不安を覚える。

共に居たい。
しかし、彼の幸せの為には、距離を置いた方がいい。

今回、涼太のこの葛藤がテーマとなり、すごく丁寧に描写されて行くのです。
で、これが切なかったり寂しかったりするものの、同時にとてもあたたかくて優しくもあり、めちゃくちゃ萌えてしまう。
いや、結局の所、答えはとてもシンプルなのです。
そんな単純な事に気付くのに丸々一冊使っちゃうって、涼太は意外とアホだったんだなぁとも思うのです。
でも、こうやって、いい年した男が恋でグルグル悩んだりジタバタしてるって、なんか異様に萌えちゃうんですよ。

またこれ、穂積がめちゃくちゃ健気なんですよね。
彼は彼で、恋人になりたいとか、欲望を満たしたいとか、見返りなんかは一つも求めていない。
ただ、好きな人が笑顔なら、それで幸せなんですよ。
そして、彼がそれほど涼太に惹かれる理由と言うのが、またとても素敵なものなのにもグッときちゃって。
うん、すごく感動しちゃうんだけど。

と、とにかくあたたかくて優しくて、とても素敵な作品でした。
ちなみに、本編終了後に、攻め視点となる短編が収録されてます。
(プラス、あとがき後に掌編)
これはもう、ひたすら甘くて悶絶。
穂積が泣くシーンでは、私もジンワリきちゃいましたよ。

7

ハートフルラブストーリー

『カップ一杯の愛で』のスピンオフです。
前作攻めの友人で、シングルファーザーの涼太が主人公。
前作未読でも大丈夫です。

この作品、攻めの穂積がとにかく献身的でスペシャル可愛い♡
胸がキューっと苦しくなるほど健気で、萌えツボを押されまくりました。
受けの涼太は、前作でのうっかり秘密を喋っちゃうキャラの印象が強かったのですが、本作を読み進めていくうちに良い意味で見方が変わりました。
涼太は素直で優しい……多分、根本はそれです。

高校生の時に友人の弟である穂積に告白された涼太は、酷い言葉で穂積を振ってしまいます。
その二人が数年後に再会したところから始まる、おいしいご飯と切ない恋のお話です。

まず、エリート一家の中で〝バカだバカだ〟と言われて育った穂積が切ない(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
自己肯定感が低いけど、自分の幸せより人の幸せを願える心優しい青年です。
一途な照れ屋で、涼太に尽くしまくる姿には涙を誘われます。

そんな穂積を色眼鏡で見ず、料理人という夢を与えてくれたのが亮太で、穂積が涼太を好きになったエピソードには胸を打たれました。
好きになった理由に、これ程までに納得できた作品はないです。

何度振られても見返りを求めず、涼太とその娘・美空のために尽くす。
突き放されても人知れず二人を見守る穂積が健気過ぎました。

男だからという理由だけで突き放してきた涼太が、ほんの小さな恋心を自覚していく。
恋って、些細な幸せから始まるんだって気付く場面が好きでした。
ここがタイトルの所以なのかな?なんて思います。

おいしい食事と心から好きだと思える相手がいる、それだけで幸せなんだと思わせてくれる素敵な作品でした。
本当は誰より愛されたがっていた穂積が、涼太に愛され、幸せを噛み締めて泣く姿が忘れられません。
いつまでもお幸に……読後はその想いに尽きます。
前作より断然好きでした。

6

お腹いっぱいの愛と幸せを。

 「カップ一杯の愛で」スピンオフ作品のこちら。
「カップ一杯の愛で」が大好きだったので、なっちゃん達の姿も見れて嬉しかったです。

 受け様はシングルファーザーとして頑張ってる涼太。

 攻め様は、涼太の学生時代の後輩であり、1度は涼太にこっぴどく振られた事のある穂積。

 穂積の働く小料理屋「タキカワ」へ涼太が食事に来て再開。
料理が苦手な涼太が、愛娘の美空の為に穂積に料理指南を頼み、NYへ研修へ行った夏生とついていった敬一郎が留守の間の、美空のベビーシッターもお願いすることに。

 見返りを求めることなく、まさに無償の愛でもって涼太と美空親子に接してくる穂積。
 涼太の家からの帰りしな、涼太の家の部屋をじっと1人眺める穂積の姿が切ないなぁ。

 小さい頃から、家族や周囲の人から『バカ』扱いされてきた穂積にとって、自分が作った料理をおいしい、すごい、と認めて褒めてくれた涼太の存在があったからこそ今の料理人としての自分がいる。
 差し出すだけで、受けとる事を考え付きもしない穂積が、なんとも切なくて切なくてきゅんの嵐。

 涼太は率直すぎる所もあるけど、基本優しくて愛情深い。
腹をくくったら潔かったしね。


 帯の言葉にきゅんでした(*´ω`*)
人の幸せを見るだけで幸せ、と思ってた穂積が、自分だけの唯一の幸せを手に入れる事ができてよかったo(*⌒―⌒*)o
 書き下ろしでは、自分の為だけに作ってもらった愛情いっぱいのオムライスを前に、涙する穂積。
よかったね〜、ともらい泣きです。
 
 そうそう、作中においしそうなお料理がたくさん出てきて垂涎ものでした。
私も「タキカワ」に食べに行って穂積の作ったおかずを食べたい。

 イラストは、カワイチハル先生。
かわいくて、大好きなので、それだけでテンションあがるのですが、今回は受け様じゃなく、攻め様の穂積のかわいい表情がとっても魅力的でした。


6

攻めがたまらんです!

お久しぶりの新刊!!
しかも私の大好きな「カップ一杯の愛」のスピンオフ。
もう嬉しくて嬉しくて電子の発売日が待ち遠しかったことよ!!

新刊ポチって真っ先に目を通したのは、あとがき。
HPも長らく更新されていないので、可南さんがお元気なのかそこ知りたくて。
けっして筆を折ったわけではなさそうなので、そこでまず一安心。

そして大好きな敬一郎×なっちゃんカプがちらちら登場するので、そこがめちゃくちゃ嬉しかったー。
敬一郎の愛がますます重いことになってて、めちゃいい感じ(笑)


さて今回の主役の竹内。
あんた、美人さんだったんだね、と。

「カップ一杯〜」では、妻と離婚して男手一人で娘を育ててるシングルファーザーという完全ノンケゆえ、竹内にスポットが当たるとか全然思ってませんでした。
スピンオフが出るとしたら、敬一郎の過去の相手である宮野かなと思ってたので。

そんなノンケの竹内が男を愛するようになるまでなんだけど、竹内がなかなか落ちないんだ、これが。
もっとも高校生の頃からの夢は「料理上手で美人な嫁をもらって云々」であり、攻めの穂積の告白を容赦なくぶった斬った過去もある。
と、ノンケの壁がかなり高いので、簡単になびかなくて当然なんですね。
そんな竹内の心情と変化を丁寧に描いていたのでノンケ→男OKの趣旨替えに違和感を感じませんでした。
なんならもっとさっさと男前的に受け入れてくれても良いのよと。

そして穂積の思いに応えられないくせに、その好意だけを利用してるかのような自分が許せない竹内、いい人だなと思いました。
(だけど告白するときの遠回り感が、あまり好きじゃなかった。)

可南さんって「たまらない!!」って気持ちにさせてくれる達人だと思うんです。
この穂積がまさにそれ。

せっせと竹内親子にご飯を振る舞うのだけど、下心皆無で見返りを一切求めない。
好きな人が笑顔でいるのを見てるだけでいい、幸せでいてくれればそれでいい……みたいな。
そのあまりの無欲さにたまらんっっっっ!!!!となります。
とにかく穂積が良かった。
そして、そこまで穂積が無欲だった理由を知ると、それがまためちゃくちゃ切なくて……。

受けに密かに恋い焦がれてるんだけど、手に届かない存在だと眺めているだけの攻めの心情を書かせたら、可南さんはピカイチだと思うんです。
「カップ一杯の愛で」「左隣にいる人」の後半の攻め視点とか、とにかくたまらん!!なので、この作品も後半、絶対に攻め視点来ますよね!!!と。
なので後半の【スプーンいっぱいの愛情】は期待通りの攻め視点で、これまたなんとも良かったです。


ーーーーー
NYへ行った敬一郎×なっちゃんカプを妄想しました。
通訳みたいに常に付き添えるわけじゃないから、渡航前に二人で英会話レッスンとかしたのかなぁとかあれこれ妄想膨らみました。
「じゃあ、家でも出来るだけ英語で話して慣れようぜ!」みたいな感じで。

だけど、愛を囁くときは絶対に日本語しか使わない敬一郎。
「そこは英語じゃねーんだ」となっちゃんがツッコむと
「ナツさんはこういうときの英語を覚える必要はありません。相手は私しかいないんですから。それに誰かに口説かれたとしても理解する必要もありませんし」とか言っててほしいわぁ。


4

一途なワンコは堪らんです(;///;)

「カップ一杯の愛で」スピンオフです。
スピン元(敬一郎×夏生)が未読だとまったく理解出来ない!というほどではないと思うけれど(あくまで既読の者の想像の及ぶ範囲で…)、そこそこ登場してはがっつりノロケてくれるので気になってくるかも…?興味があればセットで読むと尚良しかなーと思います(﹡´◡`﹡ )

今作は敬一郎の友人・竹内が主役。シングルファザーで周囲に助けられながらも仕事に子育てに走り回るパパさんの再会ロマンス♡です。個人的にめちゃくちゃ刺さったのは健気年下ワンコ攻め…!!!あまりのいじらしさにめっちゃキュンキュンしました(;///;)

竹内が36才で攻めの穂積が3才下とあったので30代同士の恋になりますが、大人のメンズラブというよりは10代のピュアな恋のような眩しさ+゚。*なんですよね。大人の青春といった感じでニヤニヤと楽しみました。とっても面白かったです…!


さてさて。
受け:竹内は「幸せな家庭」に強い憧れを持っていました。結果奥さんとは離婚してしまったけれど愛娘・美空を溺愛しながら奮闘するパパさんです。しかし大抵のことは友人・敬一郎の手助けもあってやってこれたけれど、料理だけはどうにも上達しない。加えてお弁当をもう少し華やかに…と助言されてお手上げ状態。

そんな時にランチで入った小料理屋で穂積と再会します。

攻め:穂積は小料理屋で働く料理人です。幼い頃は引っ込み思案で部屋の隅っこで小さくなって兄や兄の友人が遊んでいるのを眺めているような子だったのですね。兄の友人として遊びにきていた竹内は穂積を気に掛けてくれて、穂積は竹内に淡い恋心を抱いていました。

子供時分、穂積に告白された竹内は酷い言葉で詰って振りました。10年以上経っての再会は手放しで喜べるような関係ではなかったのですね。しかし穂積はなにもなかったかのように再会を喜んでくれる。その上料理がお手上げ状態の竹内を助けてくれる。過去に酷く傷つけた上に穂積の好意に対して返せるモノがないと竹内は悩みーーーと展開します。


次から次へと美味しそうな料理が並ぶからよだれが…腹が…竹内が心底羨ましいぞ(›´ω`‹ )というボヤキはさておき、過去のいざこざは竹内が憎い!!けれど家庭に憧れてた理由を知ると…ううう何とも言えない…。でも振り下ろした言葉のナイフはかなり鋭かったからキツイわ…。思春期に好きな相手から言われたら一生の傷やん…。それを乗り越えた穂積エライ…。

割と序盤でそれが明らかになるので竹内を好意的に見ることが出来ず、穂積を泣かせるな~泣かせるな~と念じながら読んでいました。竹内は心から反省してるし謝罪もしたし、若さ故の過ちがなんとも苦かったです。

で、物語が進むにつれ出てくるのは穂積の健気っぷり…!!!「竹内先輩大好き!」を全身で表しながら尻尾ブンブン振ってる犬にしか見えないw竹内の一言一言にパッと喜んだりシュンとしたり一喜一憂するのが可愛くて可愛くて(∩´///`∩)年下ワンコ攻めスキーには堪らないほど萌え要素が詰まってました。

とにかく一途!一途!一途押しの健気ワンコがめっっちゃ良かったです…!穂積の愛はただただ純粋に相手の幸せを願って、自分に出来ることを与えるだけなんですね。あまりに健気でウルっとくる…。子供時代に竹内と過ごした時間も、穂積にとっては心が救われてキラキラした宝物のような時間で。いろんなエピが出る度にいじらしくていじらしくて切な可愛いが過多(;///;)

個人的に印象が強かったのは、竹内の家を出た穂積が道路から竹内の部屋を眺めているシーンです。なんだか切なくてキュンキュンしました。穂積も家庭の団欒とは縁がなかったクチなんですね。子供時代には互いが気付けなかった・他人に打ち明けられなかった部分は大なり小なり共通しているところがあって、再会した今だから・大人だから出来る気遣いや包容力で心を通わせジンワリ温かいものが広がりました。

竹内が自分の心を素直に認めたあとはもうニヤニヤしましたね~!大人の初恋のような不器用さで、一度受け容れたら懐が広い受けって感じで良かったです。そして脇役で度々登場する敬一郎×夏生。上にも書いたけれどしっかりノロケてくれますw幸せそうな姿を再度見られてとても嬉しかったです。

8

新刊だー!

いやぁ、もうどうされていたのかと! まさか筆を折ったとか……と心配しておりましたが、新刊が出て本当に嬉しいです。

「カップ一杯の愛で」が好きすぎて、5回くらい読みましたがその二人が出てるだけで幸せでした。

内容は、あれ?読んだことある……と思ったら、雑誌で読んだのでした。(小説ディアプラスは好きなんですが、分厚い雑誌を読むのがしんどくなって買わなくなりました)

いやはや、涼太くんの愛が受け入れられて本当に良かった! これから、もっと甘えられるといいね。もっとイチャイチャしてるのも読みたかったなーーー。

あと、カワイチハルさんのイラストがめっちゃ好きなんです。今回もたまらなくよかったです。

3

ここまで可愛い攻めはなかなかいない

わりといい年をした男たちが恋愛でぐるぐるする、ファンタジー方向に振り切った日常BL。挿絵の雰囲気にぴったりの少女漫画系のお話だった。ここまで潔くリアリティを切り離してくれると、そういうものとして楽しめる。
別作品のスピンオフだが、知らなくても問題なく読めると思う。

子育てものの要素もあるが、主人公の竹内が終始恋愛脳なため、話の中心はずっと恋のもだもだという感じ。攻めの穂積は何も望まない初恋をずーっと続けており、竹内に聖人扱いされるほど。竹内の前で見せる初心さは女子中学生か?ってくらいの分かりやすさだった。
このお話、年齢を忘れて読むと可愛く思え、もうこの攻めを堪能できるだけで神作品!と思える。だが三十三歳なのか……と思ってしまうと、穂積の中の時間の止まりっぷりが心配になる。たまに精神面の未熟さが見えたりするので余計に。
ここもファンタジーにして、年齢ははっきり書かずにぼやかしてくれると没頭できたかな。もしくはもっと若くするか。竹内にしても、思考がバツイチ子持ち三十六の男のものじゃないし。心理描写にうっすら言い訳じみた自己弁護を挟んでくるのはいただけないが、ちゃんと反省もあって良かった。

ストーリーはあまり印象に残っていない。問題提起のフリが長く、次の展開が読めているのになかなかそこに辿り着かない書き方がちょっと苦手。まああまり個々のエピソード自体は重要じゃないのかも。
大きな出来事が起こることはなく、なんとなしに進む中でキャラを追い、萌えを補給していく。一途に竹内だけを思い、頬を染めヤキモチを焼き健気に尽くす攻めが好きなら堪らない。

全体的にキャラ萌えを楽しむ作品という印象だった。確かどこかで竹内も穂積に萌えていたはず。燃えるんじゃなくて萌えるんだ!?と笑ったような。キャラを好きになれると、すごく楽しく読める。
穂積ほど可愛い攻めはなかなかいないんじゃないかな。年齢が引っ掛からなければ神だった!なんで気付いてしまったんだろう…

挿絵も可愛くて好き。表紙の細かなタコさんウィンナーのこだわりも良い。お腹が空く描写もたくさんあるので、夜に読むのは危険かも。

1

受けが…

「カップ一杯の愛で」は未読でしたが、問題無く読めました。

最後まで読むと涼太の良さが分かりましたが、途中までは本人が言うように「頑固で、口が悪くて、ガサツな」人間の何処が良いのだろうと思ってしまいました。

親友の敬一郎とその恋人の夏生がニューヨークに行っている時に娘のお迎えや留守番を頼んでいたのに、穂積が小料理屋の夜の部の営業を断っていると知ると有無を言わせずに突き離したりと、後先考えない直情型なのが好きになれませんでした。

親友CPが帰国するまで二週間もあるんだから、それまでに穂積をゆっくり説得するとか出来なかったんでしょうか?

結果的に我慢させる事が多くなり娘は熱を出して、自分も仕事が忙しい上に家事や子育てで疲れていたのか同じく熱を出して倒れました。そして帰国したばかりの親友CPに世話になり、病み上がり時に親友が出して来たお粥とホットケーキの味が穂積だと知るや、穂積の事を好きだと自覚して。何なの?

穂積に告白しに行った時の遠回しに好きだと言って、穂積が自分の事で無いと勘違いした時のやり取りも好きじゃ無かったです。照れてたからだと思うけれど、あれだけ酷い言葉で振ってるんだから真っ直ぐな告白をして欲しかった。

正直言うと受けザマァみたいになって少しは懲らしめてからくっついて欲しかったです。

穂積視点の「スプーンいっぱいの愛情」には穂積の元カノが登場して、ショックを受けてる自分にショックを受けている姿が書かれていました。
でもちょっと付き合って友達に戻ったようだし、穂積が一途過ぎて当て馬は期待出来ないんですよね。

涼太を表す言葉に竹を割ったような性格と何度も出て来ますが無神経な人にしか思えなくて、穂積視点でようやく涼太の良さがわかりました。

娘とのやり取りもがしつけが出来てない親に思えてあまり好きになれなかったです。みーちゃん呼びは無いかな。

先生の久しぶりの作品だったのに辛口になってしまいファンの方すいません。

2

胃袋つかむ

可南先生、お久しぶりでした。これからまた少しずつ書かれていくとのことで良かったです!「カップ一杯の愛で」のスピンオフで、攻め受けとも嫌いではないですが、さらっと読んでしまったので萌にしました。美味しそうな食べ物が少々出てきますので、腹空きタイミングは避けて読んだ方が良いかもです。本編220Pほど+その続き50P+あとがき+おまけSS4P。

離婚し男手一つで愛娘を育てているリーマン涼太。とっても食いしん坊ご飯大好き!だけど、料理の腕は今一つ。愛娘が持っていくお弁当も今一つ可愛くない。良くない食糧事情なある日、美味しいと評判の小料理屋で、高校生のころに告白された年下の穂積と再会し・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
美空(受けの愛娘、幼稚園児)、敬一郎+夏生(「カップ一杯の愛で」のカプ)、あとは小料理屋の女将やら受けの部下やらのモブ少々。

++攻め受けについて

受けは、料理の才能無い無器用お父さん。ちょっと物言いが乱暴?がさつ?なので、どっかで敵作ってんじゃないかと少し心配になってしまうような方。娘を溺愛していて恋愛なんて全く目に入ってません状態からスタートでした。

攻めが、超ド級ワンコ。主人の帰りを待ってずっと駅の改札見える電柱の陰でお座りしていそう・・そう改札ド真ん前で待っているのではないんです。とっても控えめ。多分持って生まれた識字障害のために家族となかなか良い関係が築けていなかったからなのではと思います。うーんセツナイ辛い。

そんな薄幸わんこが一発逆転満塁ホームランで子持ちノンケの胃袋掴んで、幸せになるという、幸福感満点なお話と思いました。

攻めは押しが無いに等しいし、受けはややガサツな印象なのでめちゃ好みではなく、ラブ面ではそんなに萌えなかったのですが、識字障害の辛さに関する記述部分は沁みました・・・。こういうぱっと見分からない障害ってほんとに辛い。よく頑張ったよな、ワンコ!と思う一冊でした。

2

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