【電子限定おまけ付き】【イラスト付き】
初めての作家様です。
溺愛モノが読みたくてこちらに行きついたのですが
溺愛×不憫受けでとても良かったです…!
不憫な椛が千景に引き取られて幸せになる
王道ストーリーではあるのですが、それがとても良くて…!(*´▽`*)
気持ちがすれ違ってるときはすごく切ないのですが
その誤解がほどけた後にとてつもなく甘い展開があって
あぁ…この瞬間を待ってた…!と思いました。
千景が椛のことを一番に考えて行動している所が凄く好きだったので
愛しいという気持ちがわからなかった椛が
千景を愛しいと思うようになって良かったです。
最初は椛の境遇が不憫で、可哀想を通り越して胸糞が悪かったのですが
最後はとても幸せそうだったのでほんとに良かったです。
素敵なお話でした♪
王道もの。文章も綺麗で誤字が無いので読みやすい。
他の作品も読んでみたい。
--- 一体、椛はいつ幸せになれるのかと焦れる展開だったので、ネタバレ。
親を亡くしたばかりの、英国人の血を引く華族、金髪碧眼の九条千景は、
12才の時、川で二歳児の男子を助ける。火傷を負った男児の着衣には「椛」と縫い取りがあった。
千景は男子を助けた後、ひきとりたいが未成年なので、身元不明の男子の養育資格が無い。
迷っている間に警察の判断で、男児は、子供が居ない料亭を営む夫婦に引き取られる
しかし夫婦にその後実子が生まれ、椛は冷遇されていた。
椛には、不吉の予兆が黒い靄として見える為、人目に付かない裏側で、虐待されながら最下層の下働きとして生きていく。
或る晩、大事にしていた絹のハンカチを河原で探している椛を千景が助ける。
千景は、ずっときにかけていた椛の虐待を知ると料亭に金を渡し、九条家で引き取る。
数年後、椛の実の親が見つかる。
椛は大きな呉服屋の子。兄二人と双子の姉が居る、
養子に出した先の火事で行方不明になり、実親はずっと椛を探していた。
・・・色々あった椛の流転人生。
最終的に、椛は千景の傍で暮らす事を選ぶ。ハピエン。
面白かった。
不幸な境遇にいる受けが、攻めによって救い出されて幸せになる王道のシンデレラストーリーでした。
何かというと折檻&残飯しか与えられないなんて、現代ものだったら悲惨すぎて読めないのだけど、時代物のせいか読めました。
まぁ人権なんて意識もなかったような時代の話だしな……と。
恋愛に至るまでがすごくスローペースなんだけど、そこが良かった。
今日種を蒔いて、半年後には実ってラブラブになるんじゃなくて、もっと長期的なんですよ。
桃栗三年柿八年みたいな感じというんでしょうか。
恋人同士になるまで六年かかります。
というのも、受けの椛は相当に虐げられていたけれど、空腹も痛みも当たり前で、それを苦しいとか辛いとも思っていなかったような子なんですね。
犬以下の扱いなのに、いさせてくれるだけで有難いとすら思っていた。
優しさも知らず常にビクビクとしていた椛が、攻めをはじめとする穏やかで温かな人々に囲まれて愛情を与えられ、安堵や寂しさといった人間らしい感情を少しずつ少しずつ得て成長していく。
読み書きができるようになり、本の中にあった「恋しい」って感情がどういうものかわからなかった椛が、それを機に少しずつ千景への想いに目覚めていくところがすごく自然で良かった。
攻めの千景も最初は、ボロ同然のいたいけな子供を守る庇護欲・保護者としての感情で動いていたのが、いつしか……みたいなところもすごく自然で。
後半からの攻め視点が、萌えたわ〜。
椛を手放す気は微塵もないと内心で言い切るあたりとか、執着心というか独占欲が案外というか、かなりすごいんですよね。
椛に対しては、あくまで温厚ジェントルマンとして接してるんだけど。
そして椛を実家に預けた時、椛いない寂しさで飲んだくれるとか、普段のジェントルマンぶりとの落差がこれまた!
受け不在でポンコツ化しちゃう攻めが大好物なので、ここがめちゃ萌えた。
そして救われたのは椛だけではないという巡り巡っての絆を感じさせるところも良かったです。
良かった!
これは王道なんでしょうか。とってもよく似たお話を読んだことがあるのですが…。
主人公椛が不憫で。
早く迎えに来て!と思いながら読んでました。
本当にひどい扱いでしたね。惨すぎる。
千景様に迎えてもらって初めての家族に不安になる椛。
あんな店でも感謝してて。捨てられたと悲しんで。
違うんだよ!逃げられて迎えられて幸運なんだよ!
この先は千景や大人たちが椛を可愛がりいたわり何年もかかってやっと椛も普通に暮らせるようになって。
根気よく穏やかに面倒をみてくれる千景に、また、普通がわからなく驚く椛にホロリときました。
借りた本に「恋しい」との表現が理解できない椛。
西園寺の說明にそれは千景様のことだ!と。
特別で好きでそばにいたくて、でもドキドキして。自分だけを見てほしくて。
そんなところにとうとう椛も大人の仲間入りが来て。
やっぱり千景様の手ほどきを受けて、あらあら二人して…。
周囲には子供を引き取った噂が、だんだん美少年を囲っている異人と噂されるようになり。
そこへ椛の家族が現れ…。
心を痛める椛が可哀想で。
椛は自分がいるから千景は結婚できないの?本当の家族の元へ行くべきなの?千景は姉の桜と結婚するの?と。
まあ誤解が解け、千景も遠慮をやめて二人は結ばれめでたしですが。
この関係は認められるものじゃないよな…って一抹の不安を残しつつ終わります。
椛がずっと心の支えにしてたお兄ちゃんとハンカチの正体にやっと気がつくの良かったですね。
千景も椛との出会いで救われていて。
どうか平和にずっと一緒にいられますように。
序盤は椛(もみじ)の悲惨な生活と千景の優しさに泣き、中盤からは甘々に萌え泣き、文字がボヤボヤでした…
月村奎さん「ボナペティ!」でもそうだったんですが、不憫な子がちゃんとしたご飯食べる描写って泣けて困る。
椛(もみじ)は宿主の勝手な都合で下働きの下の下みたいな生活を強いられ、食事は残飯のつまみ食い、寒さは猫を抱いて凌いだりと不憫さMAX(涙)
不思議な縁から華族の千景に家族として迎えられ、継続的に受けていた暴力の後を治療され温かい食事を与えられる。
この時の千景が本当に優しいのです。上から与える立ち位置ではなく、椛の様子を伺いながら手を差し伸べていくような姿勢、本当に泣けました。
椛に初めて出した食事は、胃に負担をかけないお粥で、自分も同じものを食べる。
椛は見惚れるだけで食べようとせず、世話係が「あなたのための食事だから、千景が食べ終わるのを待たなくてもいい」と声をかけるまでじっとしている。
苦しく辛い生活を辛いと思う感覚すら忘れた椛、千景は彼の振る舞いからその悲惨さを見せつけられるのです。泣。
椛が劣等感に苛まれないようデリケートに声をかけていく千景。
こんな人間になりたいと思わずにいられません。
千景は基本短気らしいのですが、椛に対する言葉はいつも丁寧で優しくて甘くて癒されます。が、それが椛が第二次性徴が訪れるとその優しさがも〜うエロで萌え泣きました。
自分の身体の変化に病気じゃないかと悩み泣き、それでも相手を考えて眠れない椛。
(何万回でも読みたいシチュー…)
『今の場所を、わたしのもので可愛がるんだ。……怖いだろう?』
この、相手に逃げ場を作ってあげつつ可愛くて優しくて甘い千景の言葉の破壊力やばい。
しかも初回は千景ではなく椛の方が離れるのを嫌がるのが可愛くて破壊力やばい。
杉原朱紀さんの作品は初読ですが、とにかく台詞がツボ過ぎました。
二人の出会いから再会、そして数年後と長い期間を読みやすくロマンティックにまとめられていて、読めて良かったです…!
悩んで花をじっと見つめて動かない椛だったり、異変を感じ取って千景が来ないベッドで待ってる椛も、さらっとした表現なのに表情や佇まいを感じられ印象に残ります。
自分のネガティブに捉えがちな部分を肯定してくれた相手というのは、一瞬のことでもいつまでも助けられ、支えられます。外野がどう言おうと絆は断ち切れないと感じられる二人、とても沁みました。