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澤根圭太という無表情な男の子が好き。
彼は決して多くを語らないけれど、素直で、正直で、真っ直ぐで、言葉にまるで嘘がない。
発する一言に10くらいの想いが詰まっているというか。
だから読者にも新見の心にも真っ直ぐ伝わって来るのかな。
セックスフレンドの関係から始まったはずの2人が、ここまで深く揺るぎない関係になるだなんて。
優しくて、どこまでも真っ直ぐな澤根からの言葉があるからこそ、何があっても新見は澤根を信じる事が出来たのでしょうし、時には悩んで立ち止まってしまったりもするけれど、2人で話し合う事によって一緒に並んで歩んで行けたのではないかな。
何かを抱えて1人で立つ事は難しいけれど、誰かと一緒に立てたのなら、それは難しい事ではないのかも。
今後起こりうる問題や悩みや不安があったとしても、きっとこれからは2人で半分に分けて持って行くのでしょう。
この2人はとても優しい子達なんだと思う。
彼らの間で交わされる言葉にトゲのようなものは一切見当たらないですよね。
自分の気持ちを正直に伝えて、相手の事も思いやる事が出来る。
どうすれば相手と自分のためになるのか?どうすれば2人で同じ歩幅で歩いて行けるのか?
そんな、相手の気持ちにも寄り添おうとする男子高校生2人が真剣に恋愛をする姿を、非常に丁寧な心理描写で描いた繊細な作品だと思います。
温度は高くないのだけれど、低温のまま淡々と、確実に深く強くなっていく繋がりや信頼関係の描き方が好きでした。
「学ランの中までさわって欲しい」というタイトル。
一見すると、少し刺激的なようにも思えるインパクトのあるタイトルです。
けれど、最終話を読み終えてみれば、これはもしかして「学ランの中にある心の奥底まで、あなたにさわって、ふれて欲しい」だったのかもなんて。
そう考えると、本当に素敵なタイトルじゃないですか?
1巻でも感じましたが、とても繊細かつ真面目に描かれたお話だなと。
男子校という、狭いコミュニティ内でのマイノリティについて、恋についてを性を交えながら真剣に描き切っています。
大人と子供の中間にいる彼らだからこその良さが詰まった作品でした。
もしも彼らのその後が見られるのならば、私は十数年後の姿が見てみたい。
ブレザー派だった私を学ラン派に変えさせた尊いDKたちのお話、待望の続編です。ほんとに待ってました!
男子校が舞台の本作。三年生になって、生徒会長になった新見の魅力にすっかりメロメロな澤根(しかし相変わらずの無表情)。
そんなふたりの前に、新入生の伏河くんという子が現れる。自己紹介でゲイだとカムアウトしたという彼が、同級生から嫌がらせを受けているのを見て、なんとかしてあげたいと構う新見が、なにかと心配でたまらない澤根……というのがストーリーの主な流れ。
案の定、伏河は新見に付き合ってください、と言って迫ってくるのだけど、他の男はまったく眼中にない新見は取り合わない。それでも、伏河への嫌がらせをどうにかやめさせたくて放っとけないところが、優等生キャラというか、とにかくいい子すぎて胸が痛くなる。
終盤で、新見が自分の心の弱さを自覚し、澤根に吐露する場面があるのだけど、その瞳はどこまでもまっすぐで。とにかく全編、新見が前向きで男前に描かれていてキュンキュンした!
そして、見どころはやはり学ランを着たままのエッチシーン(すみません…)。
新見のことが心配だったり、不安になるたびに学校だろうがどこだろうが、澤根がサカってくる! ヤバい!
しかしそんな時も無表情だよ澤根! 無表情で迫ってくるので、カッコイイけどちょっと怖い(笑) イク時もほぼ無表情だからね!
そんな無表情ながらも、今作かなりの愛情表現をしてる澤根。学校ではもちろん、放課後、家で致す時もちゃんと着たまましてくれるので、そこはもう、作者様がこだわってくださったんでしょうね。ありがとうございます!としか言いようがない! そして黒髪優等生受けはやはり萌えしかないわ…。あー、尊い!
どれだけ身体を重ね、言葉で想いを伝え合っても、ふたりの間に見えない壁があったのは、新見はゲイで、澤根は所詮元ノンケ、ということ。卒業したらいつかは終わってしまうんじゃないか…という不安が常につきまとっていて。でもそれを乗り越えるための強さを、ふたりで手に入れるというラストは爽やかでなかなかに感動的。
後日談での、制服でいちゃラブしながら(本当にありがとうございます)、将来のことを誓い合うふたりには、もう揺るぎないものを感じた。
卒業したらもう制服エロはないですが(泣)、それでもふたりが尊い存在には変わりない。ブレザー派の姐さんにもオススメしたい、青春BLの傑作。
『学ランの中までさわって欲しい』の続編です。
登田好美先生は絵が綺麗なので読みやすいです。
小学館の週刊デジタル少女まんが誌の「&フラワー」に連載されていた作品。
高校3年生の澤根 圭太と高校3年生に新見 仁司のお話。
前作では、澤根くんを好きだった新見くんから誘ってスタートした「セフレ」の関係でしたが、最後は両想いの恋人同士になりました。
今作は、その続きになります。
お互いどんどん好きになる2人は高校3年生に進級し、澤根くんは副会長、新見くんは生徒会長になりました。
始業式の日、2人は自己紹介でゲイをカミングアウトした新入生 伏河くんに出会います。
すでに嫌がらせを受けていた伏河くんに「おれも…同じだから」と伝える新見くんですが…。
新入生 伏河くんの登場で2人の仲が掻き乱される…のかと思ったら、全然大丈夫でした(笑)
いや、違う意味では波風が立つんですよ!
「自分をかわいそうがるのが嫌だった」
オープンゲイの伏河くんにクローゼットゲイの新見くんができることは何もない。
新見くんはどこにいても自分のままで立っていられるように…と、ある決心をします。
ゲイをカミングアウトするのは、かなり勇気がある行動です。
それが多感期の高校生ならなおさらでしょう。
でも、新見くんには澤根くんがいる。
新見くんの勇気はもちろんですが、澤根くんの1ミリもブレない新見くんに対する想いも素晴しかった。
反対もせず、諭すこともせず、そのままの新見くんを受け入れて一緒に歩いて行く。
そんな澤根くんに新見くんが伝えた言葉は
「澤根にふれてほしくないところなんてひとつもないからな」
誰よりも大切で愛おしい。
2人の絆がより深いところで繋がっているのが感じられました。
当て馬は、ゲイの伏河くんです。
自身の辛い経験から澤根くんに失礼なことを言う場面もありましたが、本当は素直ないい子なのでは?と思いました。
でも、あれだけ親身にされたら新見くんのこと好きになっちゃうよね~。
脇キャラの前生徒会長は大学生になり2人の良き先輩として登場しますよ。
澤根くんに雑な扱いをされてもめげない前会長がいい味だしています(笑)
Hシーンは、今作もすごくいいです。
ほど良いエロさもあるのですが、とにかく相手を大切にしていることが伝わります。
身体だけじゃくて心もセックスしているような感覚を覚えました。
描き下ろし『番外編 10.5話』
卒業式の後に澤根くんのお部屋でHするお話。
澤根くんのその言葉に新見くんはどれだけ嬉しいか(泣)
今作も想像以上のクオリティです。
ゲイのカミングアウトという重く苦しいテーマですが、丁寧な心理描写で落ちることなく最後まで読み進められます。
また、何があっても新見くんの隣を離れない澤根くんと澤根くんに支えられ成長していく新見くんに拍手を送りたい。
とうとう高校を卒業してしまった2人。
もう学ラン姿が見られないのかと思ったら悲しい。
これから先もいろいろなことがあると思いますが、2人なら絶対に大丈夫!と思いました。
あぁ、同棲して幸せになるまで見守りたい…。
大人でもなく子供でもない高校3年生の覚悟と純愛
前作と合わせて読んでいただたいおすすめの作品です。
ぜひ続編をお願いします (੭ु ›ω‹ )੭ु⁾⁾♡
第2巻嬉しいです。電子で購入。
基本、BLはファンタジーとして読んでいるのですが、こちらはかなり現実的な視点で切り込んだBLだと思います。
高校3年生になり、主人公2人が生徒会長と副会長になった2巻では、自らゲイを公言しいじめを受けている1年生が登場します。
ですが、いじめられている本人は卑屈になったりせずむしろやり返す精神で明るく描かれています。…が、やはり平気ということではなく。
ゲイを公表することによってこのような事になるのは予想していたが、それでもゲイは恥ずかしいものではない、という意思があってのもの。
もちろん新見は気にかけるが、ゲイを隠しているあなたに分からない、と言われてしまいます。
そこで新見がした行動はなんと、生徒会長の地位を利用しての全校生徒の前でのカムアウト。
これにはびっくりしました。実際、それによって新見へのいじめもありましたが、一方で発言を了承してくれた先生や偏見なしに接してくれた友人や先輩がいたのも事実。そう、実際全員が理解してくれ!なんて難しい。
それでも味方でいてくれる人は確実にいて、1巻より確実に前進していると感じられました。
あと伏河くんにも幸せが訪れるといいな。
そしてそして!2人のラブラブ度もまた良き…
澤根がかっこいいのなんの。相変わらず表情はクールなのですが、ストレートに新見に愛情表現の言葉を言う様は理想の彼氏…
エロも割とあり。局部は書かれてないし体液描写もないのですが、新見の表情とかすごくぐっときて良かったです。
感じてる新見を見て俺も感じてるから、とか言っちゃう澤根…っ
ああ〜これで終わりなのかな。同棲の約束していたから、その後も見たい…けどもう学ランじゃないからなぁ。また別の作品でも良いのでBLを描いて頂きたいです。
続巻といっても、ただのイチャイチャ編ではありませんでした。
前巻でセフレから恋人同士になり、ラブラブなふたりなんですが、引き続きノンケとゲイゆえの問題と真剣に向き合う様子が描かれています。
この巻では新たなキャラクターとして、ゲイを公言する新入生・伏河が現れ…
澤根の気持ちは「機会的同性愛」、つまり男子校にいる今だけのものだと否定するのです。
いまさらそんな横槍に屈するふたりではないけれど、伏河の登場をきっかけに、カムアウトについて、卒業後についてどう思っているのかお互いの本音に触れることになります。
もう、感動です。
新見は強くなった。
そして澤根は愛情深くなった。
前巻から変わらずノンケとゲイというテーマが貫かれてきたからこそ、繊細な心の揺れや成長ぶりがよりよく感じられたのだと思います。
特に最終話の、
「新見に何度もどこまでさわっても
どうしてもふれられない場所があって…」
から続いていく語り合いは、お互いを大切に思う気持ちが温かくて、じわぁと心に沁みました。
甘さ控えめだけど、着実に絆を強めていくふたりが眩しくて、尊かった。
これで学ラン姿はもう見納めなんですね。
すごくすごく寂しいけど、卒業おめでとう!
この先もずっとふたりで歩いていく決意が感じられた明るいラストに心が満たされました。