昨日、君が死んだ。 (1)

kinou kimi ga shinda

昨日、君が死んだ。 (1)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神79
  • 萌×27
  • 萌1
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
11
得点
427
評価数
89
平均
4.8 / 5
神率
88.8%
著者
ARUKU  

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション
発売日
電子発売日
ISBN
9784344847132

あらすじ

人類の大半が死に絶えた終末後の世界。仕立て屋の羽繕(はづくろ)は学生時代から密かに想いを寄せていた護堂(ごどう)が目の前で息を引き取るのを見ているしかなかった。悪魔のような容貌の男から与えられた「魔法のミシン」で実物と寸分たがわぬ護堂の人型「ゴドー」を縫い上げたところ、それは生き生きと動き出し羽繕に懐いてくる。だがどうやら人間の魂のようなものはないらしい。死人を生き返らせる禁忌を犯した羽繕に、悪魔のような男は、この新しい世界には縫われるべきものが待っている、ゴドーの「たましい」を探す旅に出よと送り出すのだった。針と糸だけで世界を渡る羽繕とゴドーの未来は……?

表題作昨日、君が死んだ。 (1)

護堂繋,元参事,羽繕の同級生
羽繕糸弥,仕立て屋

レビュー投稿数11

どこまで凄いんだ、ARUKUワールド

またしても想像と期待を上回るARUKU作品…
凄い凄いと息もつけない…なのにARUKU様はまだ先をゆく、まだ上をゆく。

本作はファンタジック、しかしながら死が常に隣にいるような薄闇も感じさせる。
そして、「キラキラセブン」「スクールナイト」「ビターxスイート」「cleaning」「シュミジエ」などの過去作の断片も見て取れるような気がする。つまりはARUKU様を構成する世界の様々なカケラが散りばめられているような。
憧れの王子のような友人に、
虐げられて踏みつけられるちっぽけな自分に、
悪が溢れ出て滅亡を止められない世界に、
簡単に砕け散り、干からび、死んでゆくカラダに、
バラバラのピースをつなぎ合わせてつくるいのちに、
ちいさきものに教えてもらう大切なものに…

本作のテーマは「たましいを求めて」。
大好きな人が目の前で死に、悪魔にもらった魔法のミシンで布人形を縫うはづ。
布人形には命が宿る。でもたましいは?
そしてはづとゴドーがたましいを探す旅に出る…
その旅の途中で出会う小さな小さなお願いを、はづは絶対に取りこぼさない。耳を傾けて、手を動かし、小さな奇跡を起こし続ける。

春の王と虫、月に行きたいなまず、血の色の糸人間、ばらとなめくじ、蜘蛛の王とカエル…
可愛らしさと毒気、生気と死臭、無邪気さと悲哀…これがARUKU節だ!
完全「神」。神しかない。

27

素晴らしすぎて、涙とため息しか出ない

ARUKU先生の奇才ぶりが、これでもかと発揮されたファンタジー作品です。
いや、ホントに素晴らしいです。
その世界観とストーリーには、他の誰にも描けない圧倒的な個性を感じます。


悪魔性のウイルスにより、人類の殆どが死滅した世界。
大切な人を看取った羽繕が手にしたのは、強い魔力を帯びた「魔法のミシン」。
そのミシンで羽繕が作ったのは、雑巾と猫と……魂の欠けた片想いの相手・護堂(ゴドー)でーー…!?

ただの仕立て屋である羽繕が、針と糸とミシンを手に、ゴドーの魂を探す旅に出る物語です。

羽繕が〝縫う〟ものには命が宿ります。
天才・羽繕が縫うのは、船の帆や野原に咲き誇る花々、天使の羽・悪魔の羽……などなど。

1話毎のエピソードやタイトルがそれぞれ秀逸で、そのどれからも「献身」「慈愛」「優しさ」を感じます。
誰にも描けないような、壮大で優しい世界観がとにかく素晴らしい!

生前、厳しい軍人だったゴドーですが、魂の欠けた今は羽繕に懐く子どものよう。
魂がないながらも、少しずつ成長していきます。

養父母に「クソほどの価値もない」と言われながら育った自罰的な青年でありながらも、見返りを求めない清廉さ、労を厭わない献身さ、命を大切にする優しさを併せ持つ羽繕。
そして、羽繕に想いを寄せるゴドーの魂は、今でも羽繕と共にあります。

羽繕の客で、ミシンを与えた上級悪魔の〝お洒落殿下〟
羽繕を恨む反乱貴族の〝乱鴉の公子〟
可愛く儚い生き物たち
……と、サブキャラも魅力的。

仏教的な考えが根底にあるんじゃないかと思わせる作品です。
羽繕が縫うのは、世界の綻びや、傷ついた心なんじゃないかと思う。
この世界を変えるのは、羽繕なのかもしれない。

死を伴う絶望的な世界に抗い、傷付きながらも踠く羽繕と、半分しかない魂でも運命を乗り越えていこうと羽繕に寄り添うゴドーに魅了されます。

決して救いのない話だとは思いません。
涙なくしては読めないけど、これからの2人と、増えていく仲間たちにワクワクが止まらない!
魂を探す旅は、まだ始まったばかりです。

ラブ要素は薄いけど、確かな愛がそこにはあります。
とにかく読んでみてほしい!素晴らしいから!!

20

断然、今年のベスト作品でもあり、ARUKUさん作品の中でもベスト。

すごいな、ARUKUさん……とため息しか出ないわ……。
ARUKUさんって常に常にアップデートし続けているんだなぁと、改めて思いました。

まず、絵。

ARUKUさん、ほんとーに絵が綺麗になった。
好きだった作家さんの絵が変わってしまって、悲しい思いで見つめてることが多いのですが、ARUKUさんときたら、新作を読むたびに攻めのイケメン度があがってる。嬉しい。

羽繕が、憧れの目でこっそりと見つめ続けてきた護堂の本当にキラキラしてることよ……。
まばゆい存在だというのが、死に顔ですら伝わってくる。

そして中身。

いろんな過去のARUKU作品のエッセンスが詰まってるんですよね。
なのに、またこれか……といった二番煎じ感が皆無という。

羽繕が自らの手で作り出したゴドー人形のたましいを探しに行く旅なんだけど、行く先々で出会ったものとのエピソードが泣けて仕方ない。

どのエピソードも甲乙つけがたいなぁ。

月まで跳びたいと訴えるナマズに対する答え。
その後のエピソード「あなたの傘になりたい」では涙腺崩壊した。
バラとなめくじのお話では大号泣した。

どうやって生きていたら、こんな多種多様な眼差し・哲学を持てるようになるのでしょうね。
日々修行でもなさって、気づきを得て、それを作品に映し出して私のような凡人に見せてくださってるとしか思えないです。

神様か?!

ただただひれ伏すしかないです。
ARUKUさん作品の中でも、ベストです。
作品がすごすぎて、口から魂が抜け出たような読後感。



17

フランク

そうなのよ!
1話1話のクオリティがもう全部神。

普通なら一つくらい、うーん……っていうのがあってもいいと思うのよね、漫画家だって人間なんだもの。
なのに、全部神クオリティって、ARUKUさんの頭の中は、どうなっちゃってんの?レベルなのよ。
私を構成する10作品入りしてもいいなってくらい、ちょっと次元が違うと思う。

たかぽ

いや、もう本当に素晴らしすぎて言葉にならないよね。
私も何百回と読み返すであろう神作品って他のとこにレビューしたんだけど、1話1話のクオリティがもう神レベルでそれが一冊になるってどんなご褒美かと思うよね。
私も今時点でこの作品がベストです!

新しい読書体験を味わえる唯一無二の世界観。

タイトルを見た瞬間から確信していました。
この本絶対好きだって。
そしてやはり期待どおり。唯一無二のARUKUワールドだった。本当好き。

暴動と悪魔性ウイルスにより滅びた世界に生き残ってしまった仕立て屋の羽繕(はづくろ)。
悪魔から貰った魔法のミシンで死んでしまった愛する人(ゴドー)を蘇らせた羽繕は、ゴドーと共に欠けている「たましい」を探す旅に出ることになるのですが…!?

ARUKU先生らしい、不思議な冒険ファンタジーです。
切なくていい意味で奇妙なショートストーリーを幾重にも重ねた、心の中をかき混ぜてくるような作品。

『明日屋商い繁盛』の洋版と言った感じかな。
『明日屋商い繁盛』のテイストがお好きな方には是非お勧めしたい作品です。

旅先で出会う生き物や、悪魔や天使たちとの物語は、ときに優しく、ときに物哀しく、ときに不穏に、冒険を彩っています。
特に好きなのが「春が死んだ世界で」「あなたの傘になりたい」「世界でいちばん小さな悲恋のはなし」。
短いお話の中に、無償の愛と悲しみと痛みと優しさが詰まっていて、胸がぐわってなる。
さらに羽繕とゴドーの物語が一本の軸となってしっかりと貫いていて、その本筋からも目が離せない。
高校時代からのゴドーへの片想いは実るのか?
ゴドーのたましいは肉体に再び宿るのか?
冒険と恋の行く末は?
世界は一体どうなってしまうのか…?
見どころが多すぎて、これよく一冊に無理なく収めてるよな…と改めて感心してしまう。

ストーリーも去ることながらキャラクターも魅力的。
ARUKU先生の描く儚げで健気で心身ともに綺麗な受けと、輝くようなオーラに満ちた攻めの組み合わせが大好きなので、このCPのハピエンを強く願います。

元来遅読な私ですが、今回発売日に購入して読了までに実に6日…。
集中して読める時間を作りながら、じっくりと向き合うことの出来る(なんせ精神世界にどっぷり入り込んでくるもんで…)ARUKU作品は、貴重な読書体験をもたらしてくれる大切な存在です。

9

「明日屋商い繁盛」「キラキラセブン」が好きなら迷わず読んで。

1巻完結じゃないARUKU作品は久しぶりですね。
しかもこの1巻も250ページ超えと分厚めで、たっぷり3時間くらいかけて読みました。

人がほとんど死に絶えてしまった世界で想い人の「たましい」を探す旅。
心震えまくりの250ページでした。

ARUKUさんの作品は「凄い!」って思えば思うほど、感想がうまく言葉にまとまらなくてほとんどの作品をいまだレビュー出来ずにいるのですが、本作も全然だめ、、、考えても考えてもいっこも人に伝えられるような文章にならない、、、
私の中でのARUKU作品の最高傑作は「明日屋商い繁盛」なのですが、本作はそれに並ぶか、超えてくんじゃないかしらって、そんな気持ちで今読み終えています。
結末を読み終えるまでどこに向かうか分からないのがARUKU作品なのでもしかしたら2巻で思ってもみなかったお話に展開していくかもしれないけど、この旅路の辿り着く場所をしかと見届けたい。続きを楽しみに待ちます。

ARUKUさんの紡ぎ出す空想世界ってつくづく「ファンタジー」じゃなくて「メルヘン」だなぁと思います。
「明日屋商い繁盛」「キラキラセブン」系のARUKU作品が好きな方には全力でおすすめです!

【電子】シーモア版:修正-、カバー下○(イラスト)、裏表紙・カバー折り返し裏表ともに○

9

無償の愛が紡ぐ唯一無二のラブストーリー!

『嫌い、大嫌い、愛してる。』に続いて読んだARUKU先生の作品です。

軍強硬派のリーダーで国会参事 護堂と街の仕立て屋 羽繕のお話。

戦争と暴動の渦中に悪魔性のウィルスが解き放たれ、世界は終焉を迎えます。
生き残った仕立て屋の羽繕は、路地で瀕死の護堂を見つけ自宅で看病をしましたが死んでしまいました。
それでも、羽繕はコートを注文している「客」のために仕事場に向います。
素晴らしい出来上がりのコートに満足した「客」は報酬として、羽繕に「魔法のミシン」を渡しました。
その「魔法のミシン」で縫うモノは、まるで生きているかのように動き出します。
羽繕は急いで自宅に戻り、亡くなっている護堂の身体を一厘単位まで測りました。
そして「魔法のミシン」で縫われた護堂の人形は…。

あまりの凄さに言葉も出ません。
ARUKU先生の『嫌い、大嫌い、愛してる。』も圧巻ですが、こちらの作品も本当に素晴らしい!!
ストーリー構成から心理描写はもちろん、魅力的なキャラと無償の愛情に1ページ目から惹き込まれました。
完全にファンタジーですが、ノスタルジックな雰囲気と近未来が混じったスチームパンクのような世界です。
最後の審判の日が訪れ、片想いの相手は死んでしまった…というダークな展開で始まりますが、キャラの明るさと作品に散りばめられたコミカルさで暗くなりません。
羽繕が「魔法のミシン」で縫い上げたゴドーくんと雑巾とネコと一緒に、ゴドーくんの「たましい」を探す果てしない旅に出ます。

「たましい」を探す旅の途中で、さまざまな出来事に遭遇する羽繕とゴドーくんたち。
彼らが旅先で、誰と出会って、どんな体験をして、どのように成長していくのか…ぜひ本編をご覧ください。
1話ごとのショートストーリー形式になっていますが、どれも心に沁み入るような素敵なお話でした。

この作品には、エロはほとんどないです。
高校の同級生だった羽繕と護堂ですが、1度も言葉を交わしたことはありません。
護堂は自分の名前すら知らなかっただろうと羽繕は思っています。
若き軍強硬派のリーダーだった護堂は冷酷で極悪人でしたが、「たましい」がないゴドーくんは羽繕のことを恋人だと思っています。
そんなゴドーくんの羽繕に対しての愛情表現に終始キュンキュンしっぱなしでした♡
とにかく無邪気で可愛いんですよ。
その一方で、死んでしまった護堂の秘めた想いを知り、ギュッと胸が締め付けられました…。
「いつかたましいを取り戻したら ゴドーくんを俺から自由にしてあげよう」
この旅が終わるとき、羽繕とゴドーくん、そして護堂の運命はどうなっているのでしょうか?

描き下ろし『つぎはぎ』
どんなにボロボロになっても君はまた起き上がる。
仲間と一緒に「たましい」を探す旅を続けるために…。

ARUKU先生の創造性豊かな世界観にしばらくは現実世界に戻れません。
無償の愛が紡ぐ唯一無二のラブストーリー。
守りたいモノがあることで自分も守られている。

自信を持っておすすめします!!

9

美しくて可愛らしくて、笑えるけど…怖い

ARUKU先生のファンタジー、大好きです。ファンタジーというより、ARUKUワールドそのもの。ARUKU先生にしか描けない世界観は本当にクセになります。

今回、無意識に目がいってしまったのは、登場人物の「眼(瞳)」や視覚(見る行為)と、言葉の力でした。


世界は終末。たった一人だけ生き残った羽繕(はづ)の目の前には、昨日死んでしまった護堂(ゴドー)の遺体が。仕立て屋に養子という名目で丁稚奉公に入ったはづの腕を見込んだおしゃれ悪魔が、悲しみに暮れる彼になんでも作れるミシンを与えます。

魔力が強いために選ばれし者しか使いこなせないミシンを駆使し、はづは布でゴドーを作り上げるも、何かが足りない…。人間を人間たらしめているゴドーの「魂」を探しに、試作品の雑巾と黒猫と出来損ないのゴドーとともに、外の世界へ旅立つ物語。


外の世界に出たはづ一行は、行く先々で人外の小さな生き物たちから困りごとを訴えられます。はづはアイディアを絞り出し、魔法のミシンを使って次々と解決。ひとつの救済ドラマが一話構成になっていて、はづが他者を助けながら自分の存在意義についても深めていく…、そんなお話ともいえるけれど、肝心の「ゴドーの魂」探しはなかなか進みません笑

春の王のお話、バラのお話、まだ見ぬ花嫁のお話、赤銅と黒銀のお話…。やっぱり愛の物語に惹かれます。彼らの願いを叶えようと心を寄せるはづは、なんだか星の王子さまみたいですね!

もし〜だったら…というポジティブな願望がそのままお伽話になって、時に切なくなったり涙が出たり。今作では、はづのセリフにあらゆる創作者の叫びが色濃く反映されているように感じました。

ARUKU先生のお話を読んでいると、いつもこれはフィクションなんだよ、って醒めた視点がチラチラ入り込んできて、微笑ましくて笑っちゃうシーンに和んでいる自分が怖くなることがしばしば。

この微ホラー感がたまらなくクセになるのですが、読む時のメンタル状態によりひどく滅入る時があるので注意です。それくらい、ARUKU先生の作品には、読む者の魂へ直接働きかける魔力がある……BL界の至宝…!

まだ読んだことがなければ、そしてぜひその読める「時」がきたら、躊躇せずARUKU作品と出会って欲しいです。

6

圧倒される世界観でした

ARUKU先生作品で1番忘れられないのは「猿喰山疑獄事件」で、あの作品を読み終わった時は虚脱感が半端なくてそれから1度も開く勇気がありませんでした。

人間の中の残酷さや美しさが独特のタッチとテンポで描かれていて、言葉の使い方や世界観が唯一無二の作家だと思うのです。

今回はタイトルを見た時からどれだけ泣かされるだろうと身構えていたのですが、想像以上で何度涙が溢れてしまったか…。

時にはメルヘンっぽい可愛らしさもあったりするのだけれど、失ったものを求める愛情であったり、手に入らないものに対する慕情とかが、秀逸な物語で綴られてていました。

ひとつひとつが先に繋がっているものだから、小さな事まで記憶に焼き付けようと必死になって読んでいました。

春の王の目覚めを待っていた虫や、花嫁を待っていた蜘蛛の老王、家庭のある男性に片想いした青年の話など羽繕が優しさでもって対処するのです。
望みは叶えてあげた筈なのに悲しくて泣ける結果なんです。でもそこには希望もあって…さすがの展開なのですよ。

途中に亡くなった護堂視点のお話もあり、そこからは羽繕の作った「ゴドー」とは別に護堂も旅に加わるのです。

人類の大半が滅んだ世界がどのような変容を遂げて行くのか、「ゴドー」の魂はどうなるのか、羽繕は行く先々でどのような奇跡を起こして行くのか次巻がとても待ち遠しいです。

3

嗚呼ARUKUさん、、好き

すごいすごいすごいよARUKUさんっっ!
今までもARUKUさんの生み出す数々の物語に
(加齢により死にかけてる)私の感性は栄養を貰い救われてきたけど、またしても。
今回の物語はARUKUさんの作品の中でも、とびきり優しくて前向きで希望に溢れている。
主人公は恵まれない生い立ちで弱々しいのかと思いきや、めっちゃ根性あるの。優しくて意志が強い。弱気だけど前に進む。

愛する人の魂を探す旅。目的地も分からない当てのない旅だけど、色んな出会いで道がひらけていく。(この出会いのいくつかの物語で私はどれだけ泣いたことか、、。ARUKUさんに健気でいじらしい小さきもの描かせたらちょっと誰も敵わない。フワフワの毛布で包んであげたくなる妖精?さんたちがいっぱい。)
きっとこの旅の結末は素晴らしいハピエンになるんじゃないかな。だって主人公に冷たく当たり続けた養父母でさえ完全なわるものとして描いていないもの。
ラストのワクワクする船出シーンもすごく好き。最高の「次巻へ続く」。
えっ今確認したらENDって書いてあるけど続きますよね?


ヒソッ
あの〇〇ミスプリかと思ったーー

3

孤独な魂たち

ARUKU作品の根底には、いつも孤独な魂があります。
「世界が終わり、そして愛する人が死んだ」という、究極の絶望から始まるこの物語の主人公、はづ(羽繕)もまたその一人。
ファンタジーの本質は現実の反転や反映だと思うのですが、この作品にとっての現実とは、はづの孤独です。
つまり、ファンタジーというフィルターを通した孤独な魂の再出発が、時にはユーモラスで時にはシビアに時には無垢な独特のARUKU節をふんだんに交えながら描かれています。

悪魔のミシンで縫い上げた死んだ想い人そっくりの人形ゴドー(護堂)と、黒猫と雑巾。みんな動くけれど作り物です。そんなちぐはぐな面子と共に、はづはゴドーのたましいを探す旅にでることになります。
そして旅先で出会うのは、自分を必要とする生きものたち。

養父母から唯一受け継いだ仕立て屋の技術で手助けしていく過程で、人外の彼らの多種多様な思いに触れ、しばしば感謝を受けとります。
そしてニセモノのはずの、ゴドーから向けられる真っ直ぐで無邪気な「好き」という言動。
誰からも褒められず、誰からも認められず、自身の生に何の意味も見出だせなかったはづの心に、それらが知らず知らず浸透してゆきます。
道中での経験が、心が空洞化しているという意味ではゴドーと同じく人形だったはづの魂を、じわじわと漲らせてゆくのです。

そして、どうやら生前の護堂にも孤独の片鱗が見え隠れしているようで。
次巻では、天使と悪魔両方の羽を持つゴドーこと護堂がどうなってゆくのか、ほんとーに楽しみ。

ARUKUさんという人は、この作品に限らず、登場人物の名付け方が象徴するように、とにかく単語の選択やエピソードや小さなアイテムにもそっと意図込めるたいへん思慮深い作家さんです。
物語の着地を見届けた上で、何度も読み返して初めて全体図が理解できる(ような気がする)凡人脳の私としては、完結巻で真の評価を捧げたいと思います。

例え万人受けしなかろうが、他メディア化しなかろうが、とにかく稀有な作家さんです。
BL業界の方、どうかどうか大事に長くこの才能を育んで欲しいです。

7

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