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表題作災厄のてびき [新装改訂版]

平尾武明
売れないオヤジ小説家
宮沢幸宏
火に興奮しちゃう少年

同時収録作品散髪唱歌

倉橋
理容室の三代目
常連客
疫病神呼ばわり

同時収録作品ピンナップ・スタア

智巳
友人の兄で写真部の先輩
清一
弟の友人で写真部の後輩

同時収録作品雨のち晴れ、ところにより雪

岡村
職場の後輩,別の恋人とケンカ中
神野
職場の先輩,別の恋人とケンカ中

同時収録作品ばんごはん

隣家を覗いてしまった学生
義兄と寝ている隣家の少年

あらすじ

甲斐性無しの売れない小説家がネタ探しで出向いた連続放火の火事現場。
最前列には様子のおかしい学生服姿の少年が必ずいた・・・。
火を見ることでしか欲情できない少年と小説家の恋のてびき。

商業誌デビュー作が収録された初コミックスの復刻版。
未収録作品と書き下ろしを含む全9編。
『線が太いのでお気を付けください(作者談)』

(帯より転記)

作品情報

作品名
災厄のてびき [新装改訂版]
著者
草間さかえ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
東京漫画社
レーベル
MARBLE COMICS
発売日
電子発売日
ISBN
9784902671759
3.8

(49)

(21)

萌々

(8)

(14)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
13
得点
182
評価数
49
平均
3.8 / 5
神率
42.9%

レビュー投稿数13

初単行本から絵も話もいい

草間先生の初単行本なんですね!
先生の作品読むの久々で、線が太くてもこの絵はやっぱり唯一無二な感じで好きだわぁと。
お話のつくり方も。

先生には珍しいショタものが多く、しかもエロチシズムが濃ゆい。
受けの子たちの色気が半端ないですね。

ショタとか無理矢理気味とか浮気とか私は本来あまり萌えないのですが、草間先生の作品においてはそんなのどこ吹く風。その世界で成立していればまんま受け入れてしまうのが先生の力だと思いました。

特に「ピンナップ・スタア」が強く印象に残りました。
清一は尊が好きで、脅されて尊の兄と関係を持った。でも清一は最初は嫌がっていたものの、尊兄にしがみついていたし尊兄のことが好きなのでは?と思ったら、ラストに尊がそう言っていてなるほどと腑に落ちた。
ずっと尊目線で話が進んでいたけど、覗き穴から見ている尊の気持ちはどうなんだろと考えるに、尊が夢中になったのはピンナップスターで、写真の中の清一なのではないかと。そして清一の気持ちがわかって写真にキスをして破って自分の気持ちと訣別したのかなと思いました。

0

自ら地雷踏みに行ってしまった

草間さんの作品をいくつか読んだ後、選んだ作品でした。
ネタバレ読んだ後に読むのが好きじゃないので、表紙とタイトルと大体の評価だけを見て読むのですが今回はやらかしました。
表題作(てびき4話)がショタのエロがある作品だった…。
しかも攻めが大分年上…これ自分的にアカンやつでした。

3話挟んで油断したところに更なるショタ!
むしろこっちの方がショタでした…なんやかんや言いながら最後までしっかりよんでる自分アホですねw

初読み当時はまあまあのダメージでして、かなり久々に読み返したのですがやっぱりうーんて感じでした。地雷克服の道のりはまだ遠い。

作者さんの作品でそこまでエロいのなかったと思うのですが、よりによってショタ作品がどエロい。
よって、ショタのエロが好きなお方にはオススメします。

ショタ以外の3作品も作者さんの味のあるお話です。
「ピンナップ・スタア」はちょっとほろ苦いお話でしたね。
少しショタ風味ありましたが、高校生?だし攻めも同世代ということでセーフでした。

本編筆圧の高い太い線で描かれたものですが、描き下ろしは見慣れた作者さんの絵でした^ ^

0

ショタ受け注意

商業デビュー作ということで、絵が違うことにまず驚き。
草間先生と言えば大人同士の恋愛、年下わんこ攻めというイメージで、エロのイメージもショタもののイメージもなかったのですが。
表題作の受けは中学生。なのに、出会ってすぐにすることしちゃってて驚きました。こんな作品を描かれていたとは!
草間先生の作品でこんなに修正が必要なのって、あまりないのでは。

攻めはバツイチの売れない小説家。
個人的におじさん✕少年の組み合わせが好きなので萌えてしまいました。駄目だと思いながらも遥かに年下の受けに翻弄されるいい歳したおじさん、というのに弱く、ついついニヤニヤしてしまうのです。

放火事件が絡むので、刑事さんも出てきたりして途中ハラハラしましたが、ふたりは仲よしなままで一安心。

同時収録作品の「ピンナップスタア」。これも好みでした。
主人公→主人公の友人←主人公の兄の三角関係。
こっちはそれぞれのキャラの片想いが交錯する、かなり切ないお話です。
が、やっぱりショタ受けになってますので、苦手な方は避けるのが無難かと。

中にはコミカルなお話もあるにはあるのだけど、全体的に独特の空気感と背徳感があって、私は好きでした。

0

ショター!!!((((;゚Д゚))))

■災厄のてびき/交際のてびき/共犯のてびき/てびきのまとめ/日々のてびき(カバー下)■※商業デビュー作
平尾 武明(売れない小説家)×宮沢 幸宏(火に興奮する少年。中学3年生→高校生)

甲斐性無しの売れない小説家がネタ探しで出向いた連続放火の火事現場。
最前列には様子がおかしい学生服姿の少年がかならずいた…。
火を見ることでしか欲情できない少年と小説家のてびき。

表題作は中学生ですが、最後の一線を越えるのは高校生になった「交際のてびき」以降です。
「災厄のてびき」では平尾さんってば伸し掛かり気味で際どいことしていますが、ベロチューしながら自分たち2人のアレを平尾さんが一纏めに握って擦りあう感じ。
…うん、22~23ページなんてパット見ヤってそうに見えるけれどちゃんと2人のアレ外に出てますんで。

お年ごろの幸宏…受験勉強に集中できず第二志望の高校へーどんまいです。

それにしても1話目で誤解解けたと思いきや、放火魔疑惑根強いw
幸宏のお兄ちゃんが機転をきかしてくれなかったら平尾さん誤認逮捕の危機(;´Д`)

カバー下でもお兄ちゃんのイイ性格っぷりが発揮されて平尾さんアワワwww

■散髪唱歌/barber trap(描き下ろし)■
倉橋(理髪店3代目)×疫病神呼ばわりの常連客・会社員 ※年下×年上

五十日(ごとおび)に訪れる常連客が来るといつもはしない失敗をしてしまう。
そのため彼を疫病神呼ばわりしていた倉橋だった。
けれど寝勃起する彼を見るうちに、自分の無意識下の感情が影響していたのだと気付いて…?

ポマード塗りたくられて「部長に犯されているような臭いがっ!」とパニクる姿が可愛い←
描き下ろしはコレの後だろうなーお店を避けて探偵の真似事してみたけどあっさり捕獲されてるよwww

■ピンナップ・スタア■※智巳の弟・尊視点
智巳(写真部の先輩)×清一(写真部の後輩)

ある日、兄の部屋で見つけた写真…後ろ姿のヌード写真…それは僕の友人であり、兄の写真部の後輩・清一のものだった。
押入れに開いた小さな穴からは兄の部屋を覗き見ることができた。
そこから見える2人の関係は恋人同士とは言いがたく…?

兄=弟の友人である清一のことが好き。でも清一は弟のことが好きで、自分は練習台。
清一=兄のことが好き。
尊=兄のことが好きな友人が好き?覗き穴・写真の友人にドキドキ。

こんがらがってますね!
ちょっとこの糸さっさとほぐして兄と友人でひっつくがいいさ!
これどういう経緯でこうなってしまったのか気になる。

・兄が後輩は弟のことが好きなんだと思い込んで脅して(弟に「好き」と告白できたらやめる。言わない&拒否するなら弟にバラす)色々悪戯。(清一のこと好き)
・清一…最初は弟のことが好きだったけど、次第に兄に惹かれ始めた?/最初から兄のことが好きだったけど誤解されてこうなった。でも真実がバレたら構ってくれなくなるから自分の気持も言えないまま関係を続けてる?

どっちー!!!

とりあえずずっと弟・尊の視点で進んでいきます。
あれですね、第三者…傍観者の視点ですね。
最後の「さよなら ピンナップスター 君は多分兄が好きだ」って写真にキスをして橋の上から破り捨てるシーンがなんだか印象に残りました。

■雨のち晴れ、ところにより雪■
岡村(職場の後輩)×神野(職場の先輩)

職場の後輩である岡村が夜の公園で男の恋人と喧嘩をしているところを目撃した神野。(岡村さんが殴られる側)
後日、目撃したことを告げると岡村からも職場で神野が男の恋人にキスを仕掛けているところを見た旨を伝えられ…!
お互い恋人とは喧嘩中で…。

うん、一言でまとめたら“浮気”ですよね。
お互い別に恋愛感情は持っていない1回限りって感じですが。

■ばんごはん■ショター!!!
裕・少年・いずみ(少年の兄)の三つ巴?

隣室に住む兄弟の情事を窓から覗き見てしまった学生・裕はその光景が頭から離れない。
そんなある日、体調を崩した隣室の弟が咳き込んでいる姿に思わず窓から声をかけると、親不在ということで何となく看病しに部屋を訪れる。
「これ取るのてつだって」と示されたものは…。

…!!!!!!!!
ちょっこれΣ(゚∀゚ノ)ノキャー
ってか2人!
そんなカーテンも閉めずに廊下側の窓の下でやんなよ!
住人通るだろうに…!
んでお兄ちゃん、ナニ体調不良の子のお尻に挿れてるのー!?
玩具抜いてあげたはいいけども、その姿に興奮して男の子同意のもとだけど挿れちゃって後悔・罪悪感でドヨーンする裕に少年の取った行動も想定外だよ!
鼻チーンしてってのは可愛かったけどもさ…まじかよ、手錠どっから持ってきたよ!
しかもお兄ちゃん(いずみ)登場して、その光景に吃驚した様子だったけども割とすんなり馴染んで裕の孔舐めたりほぐしたり言葉責めして男の子に「そういう意地悪なのだめっ!」って顔面殴られたり…!!!
何だこの展開は!!!
無邪気な子どもの無自覚鬼畜攻め(あとがき)…おぉぅっ!!

でも最後はアットホームにみんなでごはんを食べる家族のような仲に…!

1

個性的

草間さん、本当に個性強い方だなあと思います。独特の味があって、すごく好きです。やぎさん郵便など最近の作品よりもアニメっぽい?感じが強い絵。コマ割りとかも、あんまり斜め線が無い。レトロな雰囲気は昔からなんですね。人によって好き嫌いはあると思います。


お話の内容は、表題作含め少しアブノーマル。ショタや浮気や覗き、床屋が客を襲ったり(笑)
話のテーマや舞台も、どこかで見たことあるな~という事を一切思わせない個性的なものです。


Hシーンもそれなりにあるし修正も露骨じゃないのですが、萌えというよりは1つの作品として素敵だと思いました。ほんと独特。他とかぶらない作品だと思います。

1

まさかの…

草間さん初コミックス。
表題作4話。他短編4編+おまけが収録されています。

未読の草間作品を漁っていて、何も知らずに手にしたのでえらく驚きました。
まず線が太い。
強弱があるのではなくて、すべての線の主張が激しくてかなり読みづらかったです。
でも表題作と最後の短編以外は比較的読み慣れた絵に近かったかも。

そして……まさかのショタ。
草間さんはメンズラブというイメージを勝手に持ってしまっていたので、ガチの子供だ!とビックリ仰天。
ショタ物として割り切って読んでいないので、いけない物を読んでいる感じも半端なかったです。

初めは引き気味だったのですが、でもやっぱりストーリーが面白いんですよね。
え?え?と戸惑いつつ話が展開していき、最終的にまるく収まるという、これはこれで面白かったなと納得してしまいました。
浮気や覗き、3P(NTR風味)など冷静に考えたら平常心で読めないような内容ばかりなのですが、登場人物達がお互いを受け入れているのでこちらも自然と受け入れてしまいます。
変な倫理観を挟んでいないので、”そういう人達”として読むことができました。
浮気物は地雷なのですが、初めて「イイ!」と思ってしまった…
のほほんとしたお話もあるのですが、それが吹き飛んでしまうほどエッジのきいたお話が多かったです。

2

癒しの短編集+改訂前の本との違いについて

年上が受けにまわることが多い草間さかえ作品ですが、こちらの本はショタが出てくるお話が多いです。
普段あまりショタものは好んで読まない私ですが、こちらの作品は楽しめました。

まず表題作の災厄のてびきですが、売れない小説家×中学生のCPです。
作中で中学生の幸宏は高校生になりますが、それでも体が幼くショタというジャンルに入ると思います。
幸宏は火に興奮する性癖を持っているということで少し構えていましたが、生意気で可愛い少年でした。
幸宏は女々しくもなく、可愛いだけのショタではないのが良かったです。
そして攻めの平尾さんが好みドンピシャなおじさんで……。
私、草間先生が真昼の恋で描かれた五十嵐課長のような、油っぽくなさそうなおじさんが好きです。
冴えないおじさんと生意気な中学生のCPは、ショタを読まない私でもあまり違和感なく楽しめました。

次のお話は理容師×お客さんのサラリーマンCP、コメディチックなノリの楽しいお話でした。
年上リーマンの表情がエロいです。
そしてこのお話には書き下ろしもあります。
年上リーマン、チョロくて可愛い!

ピンナップ・スタアは主人公の弟に片思いしている同級生の少年と主人公の兄のお話です。
高校生のお話ですが、こちらも受けのキャラの体型が少し幼くショタものの範囲に入るかもしれません。
少し切ないお話でした。

雨のち晴れ、ところにより雪は、恋人と喧嘩した受けが恋人に殴られ傷だらけの攻めを味見する話です。
円満不倫という感じで二人の間に恋愛感情はありません。
傷萌え属性のある方は楽しめると思います。

そしてこの本の中で一番良かったのは次の話、ばんごはんでした。
かなり小さなショタと高校生くらいの子と大人のエロシーンもありますが、萌えというよりは歪ですが温かいお話です。

この本はカバーを外すと災厄のてびきシリーズのちょっとした漫画や短編に出てきたキャラのイラストが描いてあり、満足感も大きいです。

草間さかえ先生の作品は、温かみのある絵柄もあいまって読んでいてとても癒されます。
ショタ相手にもしっかり性描写があるので、苦手な人はもしかしたら楽しめないかもしれません。
しかし読後になんとなく前向きな気持ちになれるこの短編集は、神評価とさせていただきます。


追記 改訂前の本との違いについて

中古書店で絶版になっている改訂前の災厄のてびきをゲットしたので見比べてみました。
大きな違いはこちらに入っているばんごはんと描き下ろしが収録されていないこと、口絵、あとがき、裏表紙のカバーとカバー下の絵が違うくらいでしょうか。
新装改訂版の方で目次と一緒に描かれている絵が、改訂前の本ではカラーで裏表紙になっています。
表紙はそっくりに書き換えられていますが、細かいところに違いがあり見比べるのが楽しいです。
修正は一箇所こちらの本で足されているのを確認しましたが、その他の修正や絵にはおそらく違いはなさそうです。
細かいところだと、文字の位置や書体などが所々変わっているようです。
見落としなどもあるでしょうが、こんな感じだと思います。

3

ピンナップ・スタア」が大好き

大好きな草間さんの初コミックス。
初読みが「マッチ売り」の新参者なので遡って読んでいるのですが、初期はショタっぽい絵柄だったのですね。
マイ神草間さんとはいえど、自分には悲しいかなショタ属性が全くないので通常ならば星一つ減らすところですが、「ピンナップ・スタア」が収録されてるので矢張り満点で!
この短編の三角関係が切なくてたまらないです。
主人公と主人公の兄に弄ばれている主人公の友人。
兄は何考えているか分からないし、友人は主人公が好きという事になっていますが、友人は兄が好きだし、主人公は兄が好きな友人が好きなんだろうなあという結末でした。
兄は、もしかしたら自分の弟が好きなのか、弄んでいるその子が好きなのか。
どちらにしても、何も成就しない切ない関係には変わりないですね。
この切なさがたまらないです。

0

描線ふとい

ばんごはん,散髪唱歌,災厄のてびき…の順に好きでした。
ばんごはんの男の子がすごく可愛いですね。あんな子が隣の家にいたら落ち着いてなんかいられないです…。
散髪唱歌の「部長に犯されてるような臭いがっ」に笑いました。
表題作である災厄のてびきは四連作。火に興奮しちゃうのなんだかわかるかも。4つの話を通して、キャラクターがちょっとずつ変わっていくところが見どころかな。

1

自分にとって異例。

初出が同人誌だけにエロがっつりだし、絵も本来は自分の趣味ではない系統なんですが、良い間があって、心地良いリズムで進むこともあってすごく好きです。
サクっとした独特な絵柄ですが、基礎がないとできない描き方なのもポイント。
あと、この人の書く作品のキャラって変態だし淫靡。浮世離れした感じ。
でもその人物の気持ちの揺れ動きとか葛藤が理解できるのが不思議。
【6・3・3再録】に収録の「てびきの補項」もあわせて読むことをおすすめします。

0

線太めエロ多め

草間さんの商業デビュー作の改訂版。
ページを開いた瞬間の線の太さにはじめびっくりしたものの、読んでるうちにそれはそんなに気にならなくなりました。
この直線多めのコマ割のリズム感と間と空気感が好きです。

表題作の、まっすぐなんだかずれてんだかわかんない高校生と常識があるようなないようなな小説家の関係性はなんだか見ていてほほえましかったです。
それなのにやることは意外とがっつり描写というかなんというか、とりあえずエロ多めです。モザイクも多めだけれど、かける位置がなんだかピンポイントすぎていいの?!って不安になった。
メガネのお兄ちゃんが良いキャラだった。

どの作品も好きだったんだけど、一番心に残っているのはピンナップスターです。
兄と友人の情事を壁の穴から覗き見してしまった主人公。
しかもその友人は自分への想いをたてに兄から無理矢理関係を迫られているらしい。そんな所から始まる作品だけれど、あくまで主人公は傍観者の視点。
ラストの主人公のモノローグ「君は多分兄が好きだ」にじーんとなった。
これ、絶対マンガでしか出来ない作品だよなあと思いました。
友人くんが主人公ならまあBL的によくある話なんですが。
この視点とこのラストが。

ばんごはん。
ショタモロ受け!!にびっくりはしたものの、ラストのホームドラマ的なハッピーエンドは嫌いじゃありません。逃げたっていいじゃない。
この三人のこれからを考えるとその微妙なバランスにうっかりときめきます。

2

性癖いろいろ

改訂版ということで作者さんも仰ってますが、線が太いです。

表題作にある、火を見て…という性癖は少なくないのですが、そこからの克服や対人への移行。
おもしろい。

ばんごはんは、理解しようとするより、そうあったと感じるべき話ですね。
あの関係性は理解し難いとおもう。エロ先行の、ゴハン。

2

ポロリ。

草間さかえと言えばあの硬質な感じの独特の作風が印象的で、勝手にエロくない作家だと思っていたのだが・・・とんでもない、結構丸出しだった。
自分の思い込みのいい加減さにビックリ。
しかしあの版画のようなタッチには少々馴染めない、というのは本当のところで、この初期短編集に至っては描線が太すぎて児童書の挿絵を想像してしまうくらいだった。
でもポロリが多くてモザイク多用(笑)
ちょっと不思議な感覚を抱いた1冊だった。

表題作は草間さんの商業誌デビュー作。
少年と火事と性欲というキーワードはとても淫靡で好きだ。
そしてそこに巻き込まれる売れないオヤジ小説家・平尾武明。
連続放火の火事現場でいつも見かける少年・宮沢幸宏を、衝動的に抱いて(と言ってもこすりっこだけだが)しまいたくなる、その彼の心中が非常に興味深い。
幸宏は連続放火犯ではなかったのだが、火を見ることで性的興奮を強く感じてしまう性癖には違いないようで、それを別の方向へ向けさせる為だったと言えば聞こえはいいが、平尾にとっては実益を兼ねた行為にも見えるんだけども。
しかし思いのほか幸宏にのめり込んでいることに自己嫌悪の念を抱いてしまったり、さりとて幸宏を手放すことも出来ず、欲望と世間体がない交ぜになって混乱している平尾の様子はかなり滑稽だった。
それに幸宏の小悪魔ぶりもなかなか可愛くて、憎まれ口を叩きながらも平尾に甘える姿はかなり萌え。
火の代わりに平尾で欲情してしまうようになったカラダの責任を取れという、それは何ですか告白ですか(笑)
終盤、例の放火魔事件について警察が幸宏を疑うような動きを見せだすのだが、この辺りのくだりはちょっとドキドキだ。
ただ意地悪でオタクな幸宏の兄がもう少し邪魔をしてくれるのかと思っていたら、意外といい人で終わってしまったのが少々物足りない。
まあページ数の都合もあったのだろうが。

その他短編もなかなかの秀作揃いだった。
1つをのぞいて全てポロリありという、これまた潔い内容。
しかも「ばんごはん」はおもくそショタモロ受けだった・・・・・・(*`▽´*)
初出を確認すると同人誌というから、成程だから色んな意味で自由なんだなと納得した。
これは恐らく草間さんがあまり描かないような内容かもしれないので、貴重な1作だと思う。
ただ彼女自身が描き慣れない展開に窮し、進むにつれてほのぼのしたものにノリが変わってきているのはご愛敬。

全体的に思い込みの激しい人がたくさんいるな、という印象の作品群だった。
これは後の草間作品でもよく見かける傾向のような気もするが。
あまりきちんと読んでこなかった草間作品、もう一度読み返してみたい気分にさせられた。

4

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